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第一部:三国戦争編

かつて、この世界は「神」と「鬼」と「人」の三つの勢力によって支配されていた。


天より降り立ち、秩序を創り出した神々。

地の底から這い出し、混沌を生み出した鬼たち。

そして、その狭間で生き抜こうとする人間たち。


三者は長きにわたり、争い続けた。


神々は人間を「管理すべき存在」と見なし、従わぬ者には裁きを下した。

鬼たちは人間を「狩るべき獲物」とみなし、力のままに蹂躙した。

そして人間は、己の自由を守るために剣を取り、血を流しながら抗った。


この戦いは終わることなく、数百年もの間、絶えず世界を焼き尽くしてきた。


そんな戦乱の時代。

辺境の村に生まれた少年は、何も知らなかった。


「戦争なんて、俺には関係ない」


そう思っていた。


だが、ある日、戦火は彼のすべてを奪った。

家を焼かれ、家族を喪い、怒りと絶望の中で彼は知る。


この世界には「力」こそがすべてを決めるということを。

そして、何者かが彼に「選択」を迫る。


「お前は何のために戦う?」


彼の手に握られたのは、雷の力を宿した剣――神器 『雷刃・蒼雷』。

それが彼の運命を大きく変えることになるとは、その時はまだ知らなかった。


これは、一人の少年が「戦争を終わらせる」ために歩んだ物語。

神々を滅ぼし、鬼を討ち、人間の未来を取り戻すための戦いの記録。


やがて彼は知ることになる。

この三国戦争の裏に隠された、真なる敵の存在を。

そして、自らが「神を超える運命」にあることを。


世界を支配するのは、神か、鬼か、それとも――人か。


戦火の中で生まれた少年の選択が、世界の運命を決める。


「神器戦記 - 神滅三国」


今、物語の幕が上がる。

神器戦記 - 神滅三国


第一章:雷鳴の覚醒


序幕 - 戦火の足音


夜の闇が大地を覆い、微かな風が村の静寂を揺らした。

ユウリ村――ゼノヴィア王国の辺境にある小さな村。

戦乱とは無縁の、穏やかな土地だった。


少年リクは、焚き火の前で友人たちと笑い合っていた。


「なあ、リク。このまま村を出て、都会に行こうぜ」

「バカ言えよ、カイ。俺はここで十分だ」


戦争の噂は、村の外から絶えず聞こえてきた。

神と鬼の戦争は拡大し、人間の国ゼノヴィアも巻き込まれつつある。

だが、リクにとってそれは遠い話だった。


「戦争なんて、俺には関係ない」


そう思っていた。


しかし、平和は突如として終わる。


侵略の始まり


突然、夜空に雷鳴が轟いた。


「何だ……?」


リクが見上げた瞬間、村の外れで悲鳴が上がる。

そして、空を焦がす炎が立ち昇った。


「敵襲だ!!」


村人たちの叫びが響き渡る。

リクが駆け出すと、そこには――


黒い鎧を纏った巨大な影。

鬼国夜叉羅の将軍、グレン。


「ククク……人間どもよ、死ぬ準備はできたか?」


その背後には無数の鬼兵が蠢いていた。


「鬼の軍勢……」


リクの兄・カズヤが剣を抜いた。

村の戦士たちも武器を手にするが、鬼たちの前では圧倒的に数が足りない。


「兄貴、逃げよう!」


「ダメだ、リク。俺は村を守る」


カズヤが剣を振り上げた瞬間、グレンの爪が閃いた。


刹那、赤い弧を描くように血が飛び散る。


「カズヤ!!」


リクが駆け寄る。

だが、兄の目はすでに閉じられていた。


「ふん。人間ごときが何を守れる?」


グレンが嘲笑する。


リクの頭の中が真っ白になった。

怒りと恐怖、そして絶望がない交ぜになり、体が震える。


「兄貴が……」


その時だった。


雷が空を裂き、眩い光が降り注ぐ。


雷刃の覚醒


雷光の中から、一人の男が降り立つ。

黄金の鎧を纏い、雷を纏う槍を持つ神――雷神ゼウス。


「貴様ら、人間も鬼も、神の意志に従え」


その言葉と共に、雷が村を焼く。


「神……」


村人たちは怯え、ひれ伏した。


ゼウスは冷たい眼差しで言い放つ。


「我ら神に従う者は生かし、抗う者は滅ぼす。それが天帝エレボスの意志だ」


リクの中で、何かが弾けた。


「黙れ……」


鬼も神も、どちらも村を破壊している。

ふざけるな。


「ふざけるな!!」


叫びと同時に、リクの耳元で声が響く。


「選べ、お前の道を――」


足元に現れたのは一本の剣。

黒と青に輝く刀身。


リクがその柄を握った瞬間――


雷鳴が轟き、体を強烈な電流が駆け巡る。


「ぐっ……!!」


眩い光が走り、鬼たちが怯える。

ゼウスが目を見開く。


「まさか……」


リクの手に握られていたのは、神器**「雷刃・蒼雷」**。


「神殺しの力だと……!?」


リクは雷の刃を掲げ、焼け落ちた村を見つめた。


「俺は……この戦争を終わらせる!!」


雷が弾ける。


ここから、すべてが始まる――。


次章:「神器の試練」へ続く

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