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サキュバス、夢の中では最強です  作者: 雪村灯里
第二章 学院の夢幻迷宮編

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13 図書館へ行こう

 ある日の昼下がり、学内のベンチで水筒のお茶を飲み休んでいた。


「おや、君は・・・」


 目の前に豊かな白ひげを蓄えたお爺さんが現れた。確かこの方は・・・


「よく私の講義を聴きに来ている教室の妖精だね。実際に会って話せるとは。長く生きてみるものだね。隣りいいかい?」


 妖精学の先生だ。実際にお会いするのは初めてかもしれない。


「はい、どうぞ。いつもお邪魔してすみません。やはり見えてらっしゃいましたか・・・」

「そうだね。妖精の専門家だからね。短期公開講座組かい?」

「はい、そうなんです。エスタ先生の助手をしながら講座受けてます。」


 彼はひげを触りながら朗らかに「ほっほっほ」と笑う。


「授業は楽しいかね?とても熱心に聴いているから印象的でのう。妖精で何か知りたいことでもあるのかね?」

「ゼミ生じゃないのに潜り込んでしまい申し訳ございません。授業はとても楽しいです!妖精が人間に触れる方法を探しています。友達の妖精が人間に恋していて悩んでいて。学院ならいい方法有るかもと思って探していました。」


「ほほう、人間と妖精の恋か。うむ。そうじゃったのか・・・、伝説は度々聞くのじゃが、妖精と人間の恋といえばこの国の初代の聖女様じゃの。妖精と結婚したと云われておる。二代目聖女様はその二人の子供だからの。聖女伝説も調べてみても面白いかもしれんなぁ。」


 へぇ!ロマンティック!!お伽噺とぎばなしみたいだ。

 彼は続けて話す。


「妖精に触れる方法じゃが・・・発想を変えて人間が妖精に触れるようになる方法の方が近見かもしれない。これはわしの勘だがな。具体的にアドバイスできなくて済まぬのう。旧館の図書室に妖精学のコーナーが有るから見てみるといい。ただ、放課後の旧館は危険じゃ。《《夕方までには絶対帰るのじゃぞ》》。・・・おっと!次の授業の準備をしなくては。年寄りの長話を聞いてくれてありがとう。ではまた授業でな。」


 そう言って彼は行ってしまった。

 旧館か・・・学院の奥にある歴史ある建物だ。古くてあまり使われていない。いつも調べものをするときは独立して立っている図書館を利用していた。そちらも見てみるかな。私は旧館へと歩き出した。


 旧館の雰囲気は独特だった。正直長く居たくない。チラホラ人が入りるのが救いだ。私は図書室へ向かった。私と同じく調べものをしている人が図書室にはたくさんいた。


 良かった。本を探そう。


 私は書架を順に見て、この国の聖女伝説の関連本を読んだ。


【聖女の系譜】


 この国の聖女は妖精に愛されていると云われている。

 初代聖女は魔力が常人の何倍も多くその魔力で様々な奇跡を起こした。


 彼女の魔力に魅了されたのは人間だけではない妖精も彼女を慕い使えた。聖女の優しさ魔力に触れて彼女を好きになったある妖精が居たらしい、そしてその妖精と聖女は結ばれ、子供が生まれた。


 その子供達の中にも魔力が飛び抜けて強いものが居た。その子供たちが代々聖女として国に使え国に数多の軌跡を起こし守ってきた。時代によっては聖女ではなく聖人、魔力の強い男性もいたが、ほとんどは女性だ。


 国内にはいくつかの聖女の家系が有り、その中から飛び抜けて魔力が強い子供が聖女に任命される。


 巻末には聖女の家系図まで本には載っていた。


 そんなに辿れるんだ。初代と恋に落ちた妖精について詳しく知りたい。本当に聖女と婚姻したのは妖精なのかな?もっと詳しい資料は無いだろうか?


 そういえば・・・この国の歴史も妖精に関連が有るんだっけ?リンクしたりしてないかな?

 この国の始まりについても調べてみた。


【人間国王と妖精王妃】

 昔緑豊かで人と妖精が多く住まうこの地に邪な竜が住みついた。彼は資源や人を食べるようになり土地や人々は荒れてしまった。困った人々は討伐に向かうがなかなか退治できないでいた。しかし、剣士アダマスと妖精フロスを含む冒険者パーティーが邪竜を討伐し安寧が訪れた。

 彼らは旅する間に小さな国々と妖精を纏めヴィリディスを建国した。剣士アダマスが国王となる。更には妖精フロスと結婚し二人の王子アウレウムとプラティヌムも生まれた。


 へぇ~初代国王も妖精と結婚したんだ・・・しかも王子二人もいらっしゃる。

 妖精との関わりが多いなぁ。


 集中して読んでいた為、窓にオレンジ色の空が見え夕方になったことに気付いた。


 妖精学の教授の話を思い出した。『《《夕方までには帰れ》》』と。


 確かにこの旧館は薄暗くて怖い。めぼしい本を何冊か借りることにした。

 書架から本を取り出した時、甘い香りがした。


 なんだろう?いい匂い・・・どこから?


 香りの元を探そうと視線を移動した時、本棚越しに誰かと目があった。金色の目だ。くりくりとした子供の様な目。その目は柔らかく微笑むと踵を返して立ち去ってしまった。


 ―――え?


 私は急いで本棚の裏側に回る。近くには誰もいない。甘い香りだけが残っていた。これは・・・これは見てしまったのかもしれない。

 背筋がぶるっと寒くなった。



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