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サキュバス、夢の中では最強です  作者: 雪村灯里
第二章 学院の夢幻迷宮編

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04 先生の憂鬱(後編)

 先生はお茶を飲み干して・・・腕を組み、宙を見上げて悩みながら話を続けた。


「あと、兄貴の体調がまだ悪いらしい。眠れないみたいで、担当医から暫く仕事を控えろと言われたらしい。そして、その分の仕事が影武者に回ってきたと・・・。」

「それは悲鳴を上げますね。・・・国王陛下が眠れないのは心配です。」


 以前、会社の同僚が精神的なことから眠れなくなり、更に病でうまく眠れなくなるという負のスパイラスに陥った体験を聞いていたので、国王も同じにならないか不安である。


「薬や王宮魔術師の催眠が効けばいいのだけどな。―――それと別件で王宮以外もうるさいんだ。」

「王宮以外?」

「ああ、魔術師協会っていうのが有って、俺も一般人として登録してあるんだが・・・魔術学院が忙しくて人手が足りないから、短期講座の講師をやれって指示を出された。これ、一か月も拘束されるんだ。だけど、先の王宮絡みでこんな事に成ったから、放っても置けないし・・・。」

「再来月の短期公開講座ってやつですか?」

「そうそう・・・なんだ、知っているのか?」

「チャトルルに行ってみたらどうか?って進められて・・・学費用に宝石スライムも昨日取って来ました。」


 私はカウンターの下に置いてあった、昨日の成果をよっこらせと引きずりだして並べて先生に見せる。

 先生は一通り眺め、巨大な宝石核を掴みわずかに顔を引きつらせた。


「おま・・これ・・まさか一人で?」

「いえ!連携して取りました。これは私の分け前です。これ売れば学費足りますよね?先生、行ってもいいですか?」


 学院に行きたいという申し出が意外だったのか、彼は驚いた顔をしていた。

「そうだな・・・」とつぶやきながら、再度石を一つ一つ光に翳しながら見つめ考える。


「金の心配はしなくていい。俺の助手として一緒に学院に行くか?助手の仕事は増えるが、その分給料も払うし、空き時間に好きな講座に参加もできる。それにしばらく王都にマヤと住めば城にも通って兄貴の仕事も手伝えるだろう。」


 助手・・・悪くない話だ。働きながら勉強するものアリだ。


「その話、喜んでお受けします!よろしくお願いします。」

「じゃぁ、それで進めよう。独りで行くより気楽だ。そうだ、この石よかったら買い取らせてくれ、丁度探していたんだ。ギルドではどれくらいの査定が出た?」


先生はそう言って、仄暗ほのぐらいオレンジ色の石を手に取って光にかざした。私が取った中でも一番査定(さてい)が低い石だった。他にも綺麗な石は有るのに。


「え?それは2万ゼルです。」

「ずいぶん安く見積もられるんだな。この大きさならもっと行けるだろう。3万で頼む。」


「えぇ!?そんなに高くていいんですか?私は構いませんが。・・・」

「じゃあ決まりだ。ありがとう。あれ?そういえばマヤは左手に指輪してなかったか?黒い奴。」


 私はそう言われて思い出した。

 そうなのだ。以前ケイオスという奴に無理矢理花嫁として見初みそめられたことによって左手の薬指に黒い指輪を強制的につけられた。それが原因でこの世界に逃げてきた。


「あれは・・・無理矢理婚約させられて、強制的に指輪を着けられたのですが、無事婚約破棄になりました。今となっては自由の身です。」


 指輪の跡が消えた指をみて満足げに答えた。

 まったくあのケイオスという奴。次に会うことが有ったらぶん殴ってやる。


「そうか、それは大変だったな。ただ・・・あまり羽目を外し過ぎるなよ。自由になったからって『催淫』乱用するなよ。」


 私はハッとした。先生が開きっぱなしのマニュアルを見ていた。このマニュアル、以前二人で見ていた物なので、先生に見られてもいいのだが・・・この技だけは知られたくなかった。


「―――やっ!!!み、見ないでください!大丈夫です!!絶対使いませんから。」


 私は慌てて本を閉じ、カウンターをすり抜けて住居スペースへと一時撤退した。

ここまで読んでいただきありがとうございます!

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