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方向音痴ではないはずだけど

よく見る夢の話 雑談チャット


「どこかに出かける夢って、まあよくあると思うんだよね。実際のお出かけ元になってたりなってなかったりするやつ」

「俺は元々出不精だから、出かけることってあんまりないんだけど、夢の中でも自主的に出かけることってあんまりなくて、家族に連れられてなんだよね。大体未成年設定ってのもあるかもだけど」

『それはそれこそ、自分で出かけたら変わっていくんじゃないかい?要は経験に乏しいからということだろう?』

「それはそう。というか、別に出かける夢だから、その詳細だとかは別にいいんだよ。問題は、出かけた後無事帰宅したことがないこと」

『帰宅したことがない』

「帰ろうとすると迷子になって帰れなくなるんだよ。それに落とし物や忘れものをしてそれを探さなきゃならなくなる」

「先日見た夢なんて、出かけることになって家から出た後、忘れ物に気付いて家に戻ろうと思ったら家じゃなくて知らん家に来てたんだよね。家に戻れないし、目的地に着くべき時間も迫ってくるしで最悪」

『うーん、月並みな話だけど、君の深層意識内の何らかの不安が現れている…って説はどうかな?君にとっては悪い夢なんだろう?』

「そりゃあ俺も人間だもの。生きてりゃ不安の一つ二つあるよ。出先で迷子になる不安って何???」

「俺別に自分が方向音痴だとは思ってないんだけど。…いやまあ、得意というわけでもないけどさ」

『私に聞かれても。君にとってそれが不安なのは何故だい?現在地が判らないから?家に帰れないから?』

「…家にたどり着けないから、帰れないからかな。夢の中の俺は正しい道を選んでいるつもりなのに全然知らないところに辿り着くし、厄介ごとに襲われるし」

『じゃあそういう不安なんじゃない?自分は正しいと思うことをしているはずなのに、思ったようにならない、っていう』

「ええと…そうくる?」

『もしかしたら?』

「いやあ…割と子供の頃からずっと、よくあるパターンなんだよね。寧ろ、本当に、幼い頃の夢でも帰宅できたことがない。帰れなくなるか、そもそも帰宅のことを考えていないっていうか」

『正直帰宅のことを考えていない夢そのものは別に普通のことだって考えていいと思うよ。遊びに出かける時、最初から帰った後のことは考えないだろう?』

「それはあんまり出かけるの好きじゃないからわからない…」

「ううん…そうかなぁ」

『まあ君の夢なんだし、君の直感が違うというなら違うんじゃない?それに、その時々によって違うのかもしれないし』

「それを言ったらおしまいなんだよなぁ…」

『そもそも君、自覚してるかわからないけど、若干不安神経症の気はあるだろう?何かあってもなくても、毎回きちんと確かめないとやれないタイプ。日常行動を限りなくルーチンに落とし込みたいというか』

「否定できない…つまり何でもかんでもやってもやらなくても不安だってこと?」

『不安じゃない?』

「不安…」

『まあ気の持ちようは本人がダメというならどうしようもないからね。君が自分でどうにかするしかない』

「それはそうだろうけど」

『人間は完全とは程遠いものだし、ある程度妥協は必要なものだよ。まあ私が言わなくても君はわかっているか』

「それはそうなんだけどね~~~~~」

「何かこれ以上は不毛にしかならなさそうだな…話題を変えるんだけど、俺、空を飛ぶ夢もわりと見るんだよね。羽で飛ぶ感じではないんだけど」

『空を飛ぶことに憧れが?でも確か高所恐怖症だって言ってたよね』

「高所恐怖症なのはマジ。だってどんくさいからさ、俺。落ちたら確実に怪我っつーか、怪我で済んだら僥倖な場所もあるじゃん」

「実際落ちることはないとしても、落ちたらどうなるか想像しちゃうことが怖いってあるじゃん。詳細に想像できなくても」

『うーん、私は高所恐怖症ではないからなあ。あまり想像力豊かではないし』

「だろうね…。まあともかく、空を飛ぶ夢もよく見るんだよ俺は」

『夢占いでよく言われるところでいうと、空を飛ぶ夢は"向上心"、"自由への欲求"、"性的欲求の高まり"の現れだそうだけど』

「セクハラかな?…あんまり縁のないことな気がするけどなぁ」

『まあ一般論だからね。君にとって空を飛ぶとはどういうことか、というところだろう?でもまあ、悪夢でないなら悪くないんじゃないかい』

「まあ、嫌いじゃないよ。夢の中では高所恐怖症はないからね。多分、飛べるなら恐怖する必要がないということだろう」

「大体ファンタジーになってくけど」

『君は人間は生身では飛べないと思っているからだろう?』

「実際飛べないし。本当に飛びたいかっていうと別にそうでもないしなぁ。寒いの苦手だし」

『変なとこで現実的だよねぇ、君は。もっと振り切れた方が楽になれるかもしれないよ?』

「これでも安定の乙女座だからね。変化はあんまり得意ではないというか。平常が続いてほしいというか」

『それって退屈じゃない?』

「物語が楽しければ日常が刺激的である必要はない派だよ俺は。疲れるし」

『まあ言いたいことはわかるよ。騒動は当事者よりも傍観者の方が楽しいってことだろう』

「概ねあってるけど言い方ぁ…」

「いや本当、平々凡々の一般人の日常に刺激を求められてもって話ですよ。絶対碌なことないじゃん」

『よく言われる(笑)』

「(笑)じゃないんだよなぁ…。それこそ、そっちこそ傍観者面してんなよって話だし」

『だってその方が面白いし』

「ろくでもないんだよなぁ…。まあ自己責任ってやつだろうけど」



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