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小学生な殺し屋とサディスティックなお隣さん  作者: MEGko
序章 小学生な俺と知らない隣人
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遊園地にて

❖ ❖ ❖ ❖

遊園地って俺二回目だ。

たぶん……そんな認識なのだが……。

子どもの喜ぶ場所とは認識していない。


そして──今回も遊びではない。


遊びではない……はずだった。


「徇くーんっ!! 次何乗るん?」

俺の少し前をこの《《残念なイキモノ》》相良は、はしゃぎながらパンフレット片手にキョロキョロしている。

首からポップコーンの可愛いケースを下げて、ご丁寧に耳の付いた被り物までゲットしてきやがった。


「徇くんもお揃いやで」

「…………」

そう言いながら俺にも同じ被り物を頭に乗せられた時点で、俺は今日の仕事は失敗だと悟った。

いや、俺は久しぶりに絶望感というものに襲われていた。


いい大人がどんだけはしゃいだら気が済むんだよ!?


もう俺は恥ずかしかった。

本気で穴があったら生き埋めにして、こいつと一緒にいる俺という存在すら消したかった。


でも同時に……何となく相良が羨ましくも思えてしまった。

アイツにも何か色々と背負っているものがあるはずである。

それが演技なのか分からないが……目の前の奴は楽しそうに笑っていた。


本当は……こいつの姿が正しいのかもしれない。


相良はパンフレット片手にキョロキョロとしながら歩いていたが……ふと立ち止まり目を輝かせている。


目の前には……。

何やらホラーアトラクションっぽいものが聳え立っていた。


「次はあのアトラクションやなー徇くんも早よおいでー」

なかり興奮気味にそのアトラクションの……ホラー系っぽい入り口で手招きしている。


何がそんなにアドレナリン分泌させる要因となっているんだよ……。


俺は理解できなかった。

そして疲れたこともあり、入り口傍のベンチに座る。


「どうしたん? 徇くん行かへんの?」

座り込んだ俺の顔を、相良が覗き込んでくる。


「お前、楽しんでくればいいじゃん」

めんどくさいし興味ないし……何より『目的を果たしたい』こともあったため、『一人で行ってこい』と言わんばかりに奴を追っ払った。


相良は「えー」と寂しそうなわんこ系な顔をしていたが……大の大人がそんな顔するな!

特にお前がすると……キモい通り越して怖いんだよ……。


相良は「まぁいいや」とテンション切り替え「ひゃっほーい♡」と言いながら入口へ突撃してしまった。


やはりコイツは残念なイキモノだ……。


相良を見送りながら……入っていくのを見届けると、俺は携帯を取り出した。


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