表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小学生な殺し屋とサディスティックなお隣さん  作者: MEGko
序章 小学生な俺と知らない隣人
1/144

この世界の境界線

 ❖❖❖❖❖❖❖❖


 ──コマンド(命令)


 それはDomがSubに対して執行することのできる命令である。


 世の中には『男』や『女』という性の中にも、ごく少数派で『Dom』や『Sub』という、抗えない性が存在していた。


 絶対的な(ことわり)として存在するのが、DomがSubを縛ることのできる〝コマンド〟である。


 そしてDomが発するコマンドは、抗えない快楽の楔となってSubの全てを支配する。


 ❖❖❖❖❖❖❖❖


Kneelおすわり


 その言葉が(あまね)の全神経を……全ての感覚を一瞬にして支配する。

 何が起こったのか理解できないまま、体だけはそのコマンド(命令)に反応した。


 ペタンッとその場に座り込んでしまう。


 体の全てを支配されてしまったような感覚──。

 抗うことを一切許さない、その絶対的な瞳が徇を捉えて離してくれない。


「まだ理解できないようですね」


 徇にその言葉を向ける男……隣に住んでいる優男だと思っていた琉生(るい)の鋭い眼差しが、舐め回す様に徇のその姿を眺める。


 徇は今まで感じたことの無い恐怖で、小刻みに震えていた。


「待て……違う……」

 徇は意識の一片を奮い立たせ、事実を否定する。


「何が違うのでしょうか」

 琉生がニヤリと笑うと、その指が徇の頬を……そして唇をなぞっていく。


 その感覚に徇はビクンッと震えると、全てを否定しようと首を横に振った。


「どれだけ否定しても、今のキミはSubなんです」

 耳元で囁き、徇の耳朶にその舌を這わせる。


 今まで感じたことの無い感覚が全身を駆け抜け、そのまま快楽に堕ちていきそうな意識を、徇は必死に繋ぎ止める。


 必死に自我を保とうと足掻くその瞳には、耐えきれなくなった感覚が涙となって滲ませる。


 その表情を捉えると、琉生は恍惚な笑みを浮かべた。


「ほら、体は正直です。理解できなくていいですよ、今から証明してあげる」


「ま……待て、お前これは流石に……」

 徇は今の自分を理解はしていた。

 そう……この12歳というカラダを……回避する言い訳が欲しかったのだ。


「流石に何ですか? まさかあなたが今更倫理観を出してくるのですか?」


 その言葉に……徇は自分が言い訳にしようとしていたコトが、〝エルピス〟という殺し屋の自分が持ち出そうとしていたコトが滑稽過ぎてしまい、顔を真っ赤にして否定した。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ