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第十七話 元義兄妹のお悩み相談

 さて、大変なことになってしまいました。


 勢いで颯太くんをデートに誘ってしまったんです。


 男性と出かけた経験が全くない私にとって、デートとは何か見当もつきません。

 

 うむむ。


 まず何を着ていけばいいんでしょうか?普通の格好で良いの?


 友達に相談しようかな⋯⋯私だって男友達はいませんけど女の子の友達なら、何人かいるんですから!


 でも「デートに行くから相談に乗って欲しい」なんて恥ずかしくて言えない。


 そうしてメッセージアプリに友達登録されている人を眺めていると、ある人物が目に留まった。


 絶対にこの人には頼りたくない、絶対に。


 ただ、颯太くんとのデートを成功させるにはこの人に相談するのが適任なのはわかってる。


 数分迷った後に、断腸の思いでメッセージを送った。



『相談があります。少しお話できますか』


『待ってました!』



 間髪入れずに返信が来ると同時に着信が鳴る。



「それで古賀さん、相談とは何だろうか?」



 絶対に面白がってる。



「桐野江さんこんばんは」


「こんばんは。固いなーまぁ颯太と出かけることになったから、服装の好みだったり、どんな風にアプローチしたら良いか聞きたいとかそんなところ?」


「怖いです!なんでそこまでわかるんですか!後をつけてました!?」


「いやいや、超一流のストーカー古賀桜さんじゃあるまいし」



 電話の相手は桐野江樹。


 前に颯太くんにお弁当を初めて作った時のことです。


 にやにやした顔で近付いてきたと思ったら、颯太を落とすために協力するよ。とか言いながら連絡先を渡してきた。


 もちろん、メッセージを送るのも初めて。


 そしてにやけた顔を思い出す度に、何度連絡先を消そうと迷ったことか。


 でも、颯太くんのためなら背に腹は代えられない。



「仰る通りです。簡潔に3分以内で春日井君の趣味嗜好を教えてください」


「ずいぶん偉そうな物言いですなあ」


「くっ⋯⋯お願い⋯⋯します」


「あはは、冗談だよ」



 こういう所が気に食わない。


 非常にモテると友達に聞いたことはあるが、そういう人種も信用できない。



「うーんそうだなあ、まず実は颯太はムッツリだ。露出が高い服装で攻めていこう」



 ええええええ!颯太くん何もしてこないと思ったら我慢してたのかな!?


 それとも⋯⋯私に魅力が無いだけ?


 確かに雨宮さんに比べたらちょっと胸の周りは寂しいけど、人よりはある方なんだけどな。



「大丈夫、颯太は女性に免疫が無いから手が出せないだけで、古賀さんが本気で迫ったらイチコロだよ」


「人の心を読まないでください!」


「あれ?図星だった?」



 うー怖い。

 

 でも頑張る、颯太君のためだもん。



「⋯⋯他には?」


「うーん免疫無いからこそ、ボディタッチは積極的にしていこう。何なら勢いでキスしちゃうくらいでも大丈夫!」


「キキキキキキ、キス!?」


「あれー?モテモテの古賀さんはそのくらい余裕じゃないですか?」


「もう切ります!」


「ごめんごめん、冗談はこのくらいにして」


「冗談!?」


「颯太は清楚な感じが好き。でも適度なエロスは忘れるな。まあ超奥手だし、それくらいじゃ絶対に何もしてこないから安心しな」


「最初からそう言ってください!そしてどさくさに紛れてエロスとか言わないでください!」


「あはは、取り乱した古賀さん面白いな」


「もう切ります!ありがとうございました!」



 そう言って電話を切る。


 エロスって⋯⋯どうしたら良いんだろう?



 

 帰宅した俺は、風呂に入ってクールダウンした後に、悩んでいた。


 千歳以外の女の子と出掛けたことがほとんど無いから、どうしたら良いかわからない。


 千歳に聞くか?いや、今日あれだけ桜のことを話した後に「明日出掛けるんだよねー」は恥ずかし過ぎて耐えられない。


 ナシだ。


 そうなると消去法で一人しかいない。


 数秒迷った後に、電話の発信ボタンをタップする。



「くくく、どうした?」



 なんで開幕から笑ってるんだこの男は。



「いや、明日親戚の女の子の買い物に付き合うことになって、一応年頃の女の子だから、どこかオシャレな店とかに連れて行ってあげようかと思ったんだけど、どうしたら良いと思う?」


「それ、古賀さんだろ?」


「なぜ知ってる!?」



 やばい、まともに返してしまった。



「まあまあ、そんな気がしただけだ」


「長話はする気は無い。詮索も受け付けない。簡潔に3分以内でまとめてくれ」


「⋯⋯お前らもう付き合えよ」


「なんだって?」


「ううん、こっちの話」



 そう言いながらも女子に人気のスイーツの店や、ランチにちょうど良いカフェを教えてくれた。


 さすがモテるだけあって、そういった機会が多いのか無駄に詳しい。



「あと、これは重要だが、きっと古賀さんはちょっとエッチな格好をしてくる。絶対にその服装エロいね。とか言っちゃダメだぞ?」


「言うかそんなこと!!!そしてあの古賀がそんな服装してくるわけ無いだろ!!!」


「いやーわからんぞ?恋する乙女は何するかわからんからな?」 



 少しでも感心した俺が馬鹿だった。



「はあ、でも助かったよ」


「ちゃんと報告はしてくれよ?」


「絶対にするか!」



 そう言って電話を切った。


 エロい格好って⋯⋯そんなわけ無いよな?

 

 

読んでいただきありがとうございます!

これは見え見えなフラグなんでしょうか??

よろしければブックマークと、★から★★★★★で率直な評価をいただけると、今後の励みになるので嬉しいです!!




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