表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/3

第1話 異世界に転移しました。

よろしくお願いします。

ボクの名前は兎野カナタ。


長い睫毛、くりくりの大きな瞳、陶器の様な白い肌、赤い唇にピンクのほっぺ。

少しくせっ毛のあるショートカットが悩みの、高校二年生。

道を歩けばナンパされ、学校の靴箱には、男子生徒からのラブレターがびっしり。

アイドル級の愛らしさから、ファンクラブも結成されている。


だが、男だ。



少し気が弱く、緊張するとプルプルと震えてしまう。涙目の上目遣いに胸を撃ち抜かれた者は数知れず。

華奢な肩を寄せる姿は、思わず抱き締めたくなってしまう。


だが、男だ。



そんなボクが、異世界に突然転移してしまったのは、コンビニに入った瞬間だった。

自動ドアを通り抜けた先は、見渡す限りの草原。思わず振り返るが、建物は消え失せていた。


「ここは、もしかして異世界…?!」


ネット小説を読むのは大好きだか、まさか自分が体験してしまうとは思わなかった。

まずは、異世界転移した時の基本中の基本を叫ぶ。


「ステータスオープン!」



名前 カナタ・ウサギノ

レベル 1

種族 人間


体力 20

魔力 200000

速さ 20

命中 20

運 20


スキル

鑑定 アイテムボックス 魅了

称号

異世界人 アイドル級男の娘



い、色々ツッコミたい所はたくさんあるが、まずは…



「アイドル級男の娘って何だよ〜〜〜!」



異世界転移しても、可愛い系男子は辞められないようです…。




トボトボと草原を歩きながら、改めてステータスを確認する。


「魔力が凄く高いっぽい…!」


憧れの魔法を使えるみたいで、胸がドキドキする。

でも、スキルには鑑定とアイテムボックスと…魅了しか無い…炎を操る大魔導士にはなれないみたいだ。

体力が20のボクには、ムキムキの剣士も無理そう…。


「ひょっとして今、魔物に襲われたらヤバイ?!」


サーッと青ざめるボクの目の前に、無情にも牙を剥き出したホーンラビットが現れた。

勝てない。

体力20のボクは、一撃でも当たったら死にそうだ。


「だれか助けて…!」


ぎゅっと目を瞑り、衝撃を覚悟した、その時。

ザンッと言う斬撃音と共に、銀色の鎧に身を包み、白馬に乗った騎士が現れた。


「大丈夫だったか?」


金髪碧眼高身長。耳の長いエルフが、馬から降りて近付いて来る。

ヘナヘナと座り込んでしまったボクの腰を持ち上げ、お姫様抱っこしてくれる。

見つめ合う二人…。

まごう事なき、白馬に乗った王子様と、ピンチを救われたか弱き美少女…。



だが、残念ながらボクは男なのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ