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第2話 新しい家族、そして俺しゃべんの早すぎ

「ライヤ様。ほーらお人形さんですよー。」

「あーう!!」


今、俺の目の前にはメイドさんがいる。メイドさんだよ!!ハウスキーパー?家政婦?

NONO。メイドさんだよチミ!!

どうやらウチは割と金回りがいいらしくリアルメイドさんをやとっているようなのだ。


生まれてからいろいろと観察を続けてきた結果ここが現代で言う中世のヨーロッパっぽいということが分かった。いや、中世ヨーロッパがどんなんなのか本当はよく知らないけどなんとなくそんな感じなのだ。だからか、なのか知らないが金持ちの家にメイドがいるというのは普通の事らしい。YES!ビバメイド!

リアルメイドさんが見れるなんて俺、生まれ変わってよかったよ。

メイドさんの名前はリリィというらしい。

リリィは紫色でショートカットな髪の毛に青い瞳の可愛らしい少女だ。年齢は10代半ばぐらいかな?生前の俺と近い年齢っぽいがどうだろう?


「ほら、ライヤ様ウサちゃんが遊ぼうーって言ってますよ。」

「きゃっきゃ!」


リリィは俺を膝の上にのせて俺の目の前で兎の人形をゆらゆらと揺らしている。

俺はその人形を見て喜ぶ…フリをして後頭部をリリィの胸に押し付けその感触を楽しむ。

むふふ、役得役得。


「うふふライヤ様は本当にかわいいですね。」


君のほうが可愛いよ。と言えないのが赤子の悲しいところだね。


「いいぃー」


俺はためしにリリィの名前を呼んでみようとしてみた。が、まだうまく発音できないみたいだ。

どこぞの戦闘員の鳴き声みたいになってしまった。


「え?ら…ライヤ様!もしかして今、私の名前を言ってくれたんですか!?」


お?通じたっぽいな。いや、ただうまいように解釈しただけかな?

俺はもう一度リリィの名前を呼んでみようと口を開いた。


「りいぃー」


さっきよりはうまく発音できたかな?


「きゃー!!やっぱり私の名前呼んでくれたんですね!!奥様―!奥様―!」


リリィはどたばたと大興奮で部屋を出て行ってしまった。

おいおい乳飲み子を放置するなよ。まったく困ったベイビーちゃんだぜ。俺か。


「何何?どうしたのリリィ?」

「奥様!早く!早くこちらへ!」


一分もしないうちにリリィがママンを連れてきた。

いやあにしてもうちのママンはやっぱ美人だなぁ。綺麗な長い赤髪に透き通るような緑色の瞳。

そしてビッグなボインのナイスバデー。

ふと気になったが俺の髪の毛も赤かったりするんだろうか?

生まれ変わってから鏡とか見てないからよく分かんないのよね。


「奥様!さっきライヤ様が私の名前を呼んでくださったんです!!」

「え?うふふ、ライヤが生まれてからまだ半年もたってないわよ。そんなに早くはしゃべらないわよ。」

「えぇ…でもさっき確かに…」


おっとそうか。俺が生まれてから、えーと。だいたい3カ月ぐらいかな?

そんなに早く赤ん坊がしゃべりだしたらちょっと不自然だよね。

うーむこれはちょっと自重したりしちゃったりしたほうがいいのかな?

うん。


だが断る!!!

ふふふ、ちょっと驚かせて、もとい喜ばせてやるか。

「まーまー」

「「!!!!」」


ママと発音したつもりがやはりちょっぴり変な感じになってしまうな。


「え?え?い…いまライちゃんママって…」

「ほ、ほら奥様!言ったとおりでしょ!ら…ライヤ様!リリィ!次はリリィって言ってみてください。ほら。」


ほらと言われましても…。リリィちゃんはテンションがちょっとおかしなことになってるな。お母さんの方は信じられないといった表情で俺を見ている。

しかたがないなぁ二人共呼んであげるよ。まったく人気者は辛いねえ。


「ままぁー、りりいー」


「ライちゃん!ほ…本当にママって!まぁ!!」

「きゃー!ライヤ様がリリィって!リリィって!!」


二人共大興奮だ。ママンがちゅっちゅとほっぺにキスしながら抱きしめてくれてリリィはライヤ様はすっごく頭の良い子ですねとなでなでしてくれる。

ふはは美女二人に(片方は母親)ちやほやされて余は満足じゃ。HAHAHA!!


「何をやっているんだレイラ、リリィ…。」


声のした方に目を向けるとやけに筋肉質なお兄さんがこっちを見ていた。

うむ、こっちみんな。

ここは今より男子禁制の夢の花園なのじゃ。え?俺?いいんだよ俺は。


「あなた、ライヤがしゃべったのよ!」

「ライヤが?ははは、そんな馬鹿な。」


この筋肉ムッキムキのお兄さんだが、この人は実は俺の父親なのだ。

名前はロイド・エビンロード

赤髪に黄色い目をしたナイスガイだな。

たまにしか家にいないから存在を忘れかけてしまっていた。きっといつもは

仕事にでも行ってるのかな。ウチにメイドがいるのはお父様がきっとたくさん働いてたくさん稼いでるおかげだな。忘れててごめんねマイダディ。


「旦那様!本当ですよ。ライヤ様が確かに私の名前を呼んでくれたんです!ライヤ様~ほらぁ私の名前はなんでしたっけ~?」


リリィが甘え声で言ってくる。その可愛い声に免じてもう一度呼んでやろう。


「りりいー」

「なんと!?」

「ほら!しゃべってくれましたよ!ライヤ様―良い子ですねー。」


リリィが頭を撫でてくれる。ふむ…リリィめ、頭を撫でるのがだんだん上手くなってやがる。


「ライちゃんママは?ほら、ママー」

「まぁまー」

「ほら見てあなた、ライヤがママって!」

「ふむ……。」


女性組二人は大興奮してるがお父さんは何やら眉間にしわを寄せている。

ちょっと調子に乗りすぎたかな。もしかして怪しまれていたり…。


「ライヤ。パパ!ほら、パパと言ってごらん?」


……

このおっさん…ただ自分も呼ばれたいだけだったみたいだな。

んも~仕方ないなぁ。特別サービスだ。お父さんも呼んであげよう。


「だでぃ~」

「え…?」

「……。」

「……。」


おっと、ちょっと違ったかな?


ゆっくりと進行していくつもりです。

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