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魔王ディフェルの世界征服  作者: カイロ
番外編 魔王ディフェルと不思議な2週間
9/11

番外編 魔王ディフェルとバレンタイン&ホワイトデー【1】

今回はタイトルと特に関係ありません。


あれ?木曜日にしたはずが…


クレフリール戦の翌日、俺は約束通り、住処でおとなしくしている。だけどなーこれが暇なんだ。わかるか?毎日毎日休みでただ勉強しろ勉強しろって言われるような学生の気分。そんな気分だ。


「でぃふぇる様、草むらに変な生き物見つけました」

「どんな魔獣だ」

「なんかどろどろしていて色が茶色く、甘い匂いを漂わせてました」

「クエイクスライムだと思う。道中の魔獣にしては弱いが…まあ、設置してみるか。よし、案内しろ」


クエイクスライムはその名の通り、土属性のスライムだ。魔法は地震、岩落下などなどが使え、油断していたら思わぬハプニングを生むかもしれない。なんせ洞窟の中だ。運が悪かったらぐしゃっと生き埋めになるかもしれない。


「あれです」

「なんだあれはーー」


俺の目の前でプルプルとしているその魔獣はスライムだった。だが、面白い事にスライムの核がチョコレートだった。鑑定してみると、なんと驚きの最高品質。ミルクチョコレートのようだ。美味しそう…おっと涎が…失礼。

「スライムだけなのか?いやだが……ミリナ!?」


ミリナがトレントを食べている。それも美味しそうに。不思議でたまらない。最近の若い人は胃も頑丈なんだな。普通、魔獣を食ったら慣れてない人なら腹痛訴えんぞ。


「でぃふぇる様ー、この木美味しいよ〜チョコレートみたい。葉っぱは抹茶味だったー」

「何!?」


俺は葉っぱを手で千切ってそれを口の中に入れた。その瞬間葉っぱが口のならに溶け広がり、抹茶特有の味がものすごく…なんだろう?まあ、兎も角美味しい。これってもしかして…伝説のあの日なのか!?

世界がお菓子へ変化するのが今日〜14日間だったとは…なんて最高なんだろう。こうしちゃいられん。川に行こう。


「川の流れも変だな…妙にどろどろべとべとしている…」


川の水、それは水飴に変化していた。とても甘ったるい。喉が渇いてきそうだ。しかし、魚はどうなっているんだ?


その時、魚が目の前を通り過ぎた。その魚は、鯛焼きだった。勇者がこの世界に広めたお菓子のうち一つで、中のあんこが甘く、つぶつぶで美味しいんだとか、お茶と良く合うとも聞いたことがある。んんっ!?


「炭酸岩が、ラムネに!?」


本当になんなんだこの楽園は…甘いもの大好きな人にとって本当…けど、だんだん他の味のも食いたくなってきたな。


「な、なんじゃこりゃー!?」


ディフェルはあるものを見てしまった。これは見ていいものなのか、見てはいいが、他人に言っていけないものなのか…


ディフェルが見たそれとは…実写版のアン○ンマンだ。勿論この世界にはアン○ンマンなど存在しない。だが、本当に自分の体の一部を千切って他の生物に分け与えている。きっと精霊族なのだろう。じゃなきゃ、そうそう再生はしまい。


実写版アン○ンマン。見た目はグロい。千切った際、中身が見えるのはどうにかならないものなのだろうか?絶対に千切られたそのものを食う気にならない。


「あ…………残酷だ…痛くないのか?そもそもこいつ、プラナリアか?」


この世界にもプラナリアは存在する。名前は勇者が付けた。このプラナリアはどこを切っても2週間のうち、魔力さえあれば再生し、増える。スライムの分裂のようなものと考えればいいだろう。


「まさか、人間型のプラナリアがいるとは…だが、こうしちゃいられん。調査をするぞ」



勇者流海視点


「おいおいマジかよ…布団がホワイトチョコになっちまったよ…」


どろどろで気持ち悪い。お菓子を気持ち悪いと思ったのが今日で初めてだ。幸い、床はお菓子化していないみたいだが…あれはなんなんだ!?


外では、子供達がただひたすらスライムを捕食していた。スライムをだぞ!!スライムとはいえ魔獣だ!!今日は番外編だから本編とは関係ないらしいが…あいつにあって今日にして欲しいと頼んでくるか?だが…いるかな…さっき聞いた話だけど、この2週間はこの世界の人にとって特別な日だそうだから…


邪魔していけない。俺も楽しもう!!それに、この日が来るってことはバレンタインだ!!今回残念ながら性なる夜に出来ていなかったが…今度こそ性なるバレンタインにしてやるさ!!そして今日、もらった暁に…押し倒そう。うん、それがいいさ!!


「勇者様ー!!」

「やあ、カリン」

「勇様、魔王ディフェルを一緒に討伐しに行かせてくださいません?そしたらーー」

「カリンを行かせるわけにはいかないんだ。君に傷ついて欲しくない。我慢してくれないか?」

「勇者様〜」


2人は抱き合った。そしてさりげなく勇者の手がドレスの中に忍び寄る。


「(もう少しだ。もう少しで)届く」

「何が届くんですか?勇者様?」


(やべっ!?バレた!?嘘だろ…今回もヤれないのかよ…別にいいよな。ここだけの話、俺にはこの国に恩を売っている。ならちょっとばかし味見しても…)


「勇者様、手が、手が…」

「あーこれは申し訳ない(気の所為だったか?にしても惜しいことをした。よし)

カリン、何か俺に渡すものはないか?」

「どうしてですか?」

「ん?ああ、メイドの誰かが尊敬している人とかにお菓子を上げるのが今日だって聞いてね。そのついでに最近、カリンが挙動不審だから様子を見てくれないか?って頼まれたんだよ」


(チョコレートだよ。チョコレート!!)


「ああ、いつも守ってくれる騎士団の皆様にお食事を振舞おうとしてました!ああ!!もうこんな時間。手伝って」

「うんいいよ。(ああチョコレート…)」


さて、勇者の野望はどうなるのだろうか?




次話、3/12,3投稿予定

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