ヒューラン領を占拠まで…2
短いです。
2000字ぐらいかな?なので、付けたしました。残酷描写あり、ってほどではありませんが。どうぞ
「ククッ…どうやら先日の侵入者が襲撃者を倒しに行ったきり行方不明ってことで凄い騒ぎになってるな!正義のヒーローだって?笑わせる。その程度じゃ俺を倒せん。俺を倒したければ上級神の10神ぐらいいないといい勝負にならん」
ウィルは捕虜、つまり侵入者であるヒューラン家の分家の子を鑑賞しながら言葉を吐き捨てる。ウィルの見ている光景、それは反吐が出そうなくらいのもので、7日休まず牢獄(という名の地獄)でオークの相手させられている奴はもう精神が壊れている。まるで、虫に寄生された生物みたいだ。と言ってもわからないだろうからここは放置させてもらう(想像するなら勝手にしといてください)。
「私達を解放しろ!!」
「そういえばまだ精神が壊れてない奴がいたなァ…アイカか…どうだ?オークとの相手は?あの時俺を汚物のような目で見ず、庇ってくれさえすればこのようなことにならんで済んだというのにな!まあいいさ。オークとの相手、存分に楽しめばいいさ」
ウィルは一言いい、捕虜のいる部屋から出て行って「さてと、たまには俺一人で街でも陥落させに行くとするか」と言った後、近くの町に襲撃しに向かった。
街にやって来たウィルは、怪しい人物と思われ、警備に来ていた騎士団に囲まれていた。
「何者かって?そうだね…簡単に言えば、この町を陥落させに来たんだよ!!」
ウィルは騎士の1人を柔道の技で別の人にぶつけ、盾を取り上げてそれを攻防両用として使い、次々に人を殺して行く。
「遅い遅い!!」
「なっ!?」「ぶへらっ!!」
時には爆発し、時には人が空を舞いと騎士団の人々は完全にウィルに弄ばれている。
「はーい正面衝突〜♪」
ウィルが突然避けたため、2人の男は顔面から突っ込みお互い顔面にキスし合う。
「あはは…弱いねぇ君達」
「舐めるな!!【召喚】飛竜!!」
恐らく、幹部クラスだと思われる人は飛竜をこの人口の多い街に召喚し、ウィルを殺そうとする。だが、飛竜は魔力で出来たつるぎによって翼を切られた挙句、足首を切られ、動けなくなり横たわる。
「だ〜か〜ら〜♪そんな弱い軍団で襲いに来ても〜こうなるだけだよ♪」
ウィルはクイナの生首を蹴り、騎士団の人達に晒す。
「クイナ様!?」
そう言った人は歯ぎしりをし、恨みの篭った目をウィルに向ける。
「随分と殺気を出しているみたいどけど、その殺気は余計に自分の仲間の行動力を阻止しているだけにしか思えないんだけどな〜」
ウィルの声にはっとなった男は後ろを見る。後ろには怖がって出てこない新米兵士や巻き込まれた人、家の中から不安そうに外を見つめている人がいた。その隙にウィルは男の首を絞め、握り潰す。鮮血が吹き出し、ウィルの手は脂でべとべとになっている。
「ああ、それとお前らヒューラン家に宣戦布告だ。魔王ディフェルが大砦を破壊しに来るとしっかり伝えとくんだな」
ウィルは一人の兵士にそう告げ、その兵士は急いでそれを伝えるため旅立った。
「じゃあ、お前らにはとりあえず滅んでもらおっかな♪この世の全てを永遠に凍えさせし、氷よ、水の神リヴァイアサンの契約者が望みし世界をここに創り上げよ!!」
すると、ウィルの周りから冷気が溢れ出し、周りに紅の水溜りを作っている血を凍らし、死体、生物すらも凍らして行く。
白い息も出、この町全体は極寒の地に成り果てた。いろいろなところで氷柱が見られ、広場の噴水の水は、外に放出されるたびに凍って行く。死体は完全に凍り、触れただけでも崩れて行く。
「はあ…流石に体の芯まで凍らせなかったか…」
凍った人々を蹴りで足をバラバラに破壊し、汚れないように体の芯まで凍らす。全てを洗い流すかのように雨が降ってきたが、その雨も全て氷に成り果て、氷の刃として地面に降り注ぐ。
「とりあえず四肢を壊しておかないと氷が溶けてしまったら動いてまたこういう行動を取らなければなるまい」
死体はバラバラに砕け、血も体液も何もなも出さず、氷の欠片としてとどまっている。ウィルは凡そ1万人もの人の四肢を破壊しただろうか?あたりには氷が溶け、その影響で一気に血が噴き出し、大きな大きな水溜りを作っている。いや、池と言ってもいい位になっている。
「仕事も終えたし、帰るか」
ウィルはそう言って転移で帰って行った。この後、ヒューラン領にとどまらずこの国内では、サンドロス銀鱗師団を壊滅させた男が町を陥落させ、支配したということの混乱、それを鎮圧しないことに対して人が反乱など、あとが絶えないことになっていた。ウィルも帰った後、この記事で ある部分に着目していた。
"襲撃者、ヒューラン家に宣戦布告!!今回の町陥落の負傷者、死者の数は、前者が約2000人後者が約10000人ぐらいである。死亡者の大抵は、大量出血、または凍死であり、町にはほのかに町全体が凍えた後が残っている。サンドロス銀鱗師団壊滅事件から4日、エルスティン魔導師団の被害は全体の4割、戦闘不能。ヒューラン騎士団は全体の3割、死亡、戦闘不能である。"と書かれていた。
「クイナが死亡したってことは流石に新聞には載っていないみたいだな。次はエルスティン魔導師団の本拠地を攻める。こことヒューラン騎士団の砦さえなんとかなれば王都を占領することができる。この国が俺に支配されるまでのカウントダウンがもう始まっているってわけか」
ウィルはダンジョン内の火を消し、何処かへ去って行った。
「絶対に許さないんだから!私達をこんな目に合わせて、ただで済むとは思っていないでしょーーひゃあっ!?」
アイカと呼ばれる少女は1人、強き精神で耐え、オークにやられながらも耐え、恨み、恨み続ける。そんな、アイカの声が響く牢屋に一人の男がやってきた。
「どうだ?気分は最高だろ?」
「ええ最高よ。あなたの殺し方を思いついてうずうずしているわ」
「それは良かった。今日、お前には別の部屋に移ってもらう。拒否権はない」
男は配下にしたオークの群れを操り、ある、板に貼り付け、別の部屋に持って行く。
その部屋には、人の肉体ぐらいだったら簡単に断つことのできそうなギロチンと、焼け石、拷問に使うような器具ばかりだった。
「何よ、これ…」
女、アイカ・ヒューランは目の前の器具を見て絶句し、それまた同時に恐怖感を募らす。
「セットしろ」
男の声を聞いたオーク達が板をテーブルのようなところにセットし、それぞれがそれぞれの器具を持ち、卑しい目を向ける。
「ちょっと!やめなさい!!やめろ!!」
「貴様にはここで悪いが、拷問死してもらう。まずは爪剥がしからだ」
オークはハサミのぶっとい版で爪を一枚一枚剥がして行く。その度に少女の悲鳴が上がる。
「ほう、まだ堪えるか…よし、今度は髪の毛キャンプファイヤーだ。後は任せたぞ」
男は部屋のドアを厳重にしめ、自分の寝床へ向かう。少女とオークしかいなくなった部屋からは、永遠と、悲鳴が聞こえてくるのであった。