後日談「やっぱり幸せなんだ」
「え~!!そとでたいぃ!ゆりちゃんやひとしくんとあそびたいぃぃ!」
「ダメよ~。まだ完全に回復してないんだから・・・昨日山崎先生だってお見舞いに来てくれたでしょ?」
「だってだってぇ!!」
一ヶ月後、完全に意識が戻った幸紀と私はこんな会話を交わしていた
まだ幼い幸紀が池に落ちたということで、様子見のため一ヶ月間入院している
「もうびょぉいんつまんないよぉ!」
「ごめんね。もうちょっと我慢しよ。ね?」
「ぶー!」
最近友達が遊びに来てくれないため、幸紀はご機嫌ななめだった
それでも・・・幸紀が元気になって良かった・・
そう思っている。
あの後、私達はまた「あの家」に戻ることにした
実は私が幸哉から離れる前に突きだした離婚届を、あの人はまだ出していなかったらしい
本人によると「出すのを忘れていた」とのこと。
山崎先生は一時期ノイローゼ状態になってしまっていたが
最近はようやく回復し、先生を続けているようだ
「こーきく~ん♪」
その時、ふいに女の子の声と共にドアが開いた
「あ!ななちゃん♪」
女の子の顔を見た瞬間幸紀の顔が赤くなった
なるほど、彼女が幸紀の思い人か・・・
「こんにちは、こーきくんのおかあさん!」
彼女は律儀に私に挨拶してくれた
「こんにちは、菅谷さん。今日は独りできたの?」
「ううん。ママは今電話してる~」
「そっか。じゃあご挨拶しなきゃね」
と、私はあえて彼等を二人きりにした。
せっかく来てくれた彼女なんだから、失礼のないようにね、幸紀
夜、私達は病室を抜け出して屋上にやってきた
今日はちょうど一ヶ月後・・・「アレ」が見えるはずだ
「うわぁ~!すんごぉい!まんまるだ-!」
私達の目の前には大きな満月が広がっていた
残念ながら「中秋の名月」は見せられなかったが、それでもとても大きかった
「すごいすごーい!おほしさまもたくさんあるぅ!」
「そうね、とても綺麗ね」
「ママのいったとおり、とてもすてきだね」
「うん、でもね。ママにはもっと素敵で輝いている宝物があるんだ」
「え?!おつきさまより素敵なの!?」
「ええ。とっても素敵なの」
「なになに?おしえて~!」
「ひみつ~♪」
「えぇー!おしえてよ!」
「幸紀が大きくなったら教えてあげる」
「おおきくって・・・このおつきさまくらい?」
「そうね。それくらい大きくなったら、ね」
「ふーん・・・・・・」
私の大切な宝物・・・
今でも綺麗に輝き続けている
・・・私の大切な幸紀
なにげにガネメンバーが出てるのは故意です(^皿^)
ごめんねリーダーww
ここまで見てくださった方、本当にありがとうございました!