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逢いに来たんだ

誰も居ない昼下がり、ふと息子に会いたくなることはないだろうか?


・・・今の私がそうだった


別れた奴のことを考えていたら、無性に息子が恋しくなった


そうだ、「息子の様子を写真に撮らせて欲しい」とか言って幸紀に会いに行こう


そう考えていたらもう足は玄関を出ていた。


幼稚園に着くと、まっさきに幸紀が私を見つけてくれた

「ままぁ!どうしたの~?」

男の子のくせに、まだ甘えん坊な所には手を焼くが、そこがまた愛しくもある

「あら!こーきくんのお母さん。どうしちゃったの」

幸紀が大声で叫んだので、いつも幸紀のクラスである「ちゅーりっぷ組」の担任、年配の山崎先生がやって来た。


「あ・・・あの、幸紀の様子を写真に撮りたくて・・・」

私は『打ち合わせ』通りに言った

「あら、でもお母さん。肝心のカメラもってないじゃない」

「あ・・・・・・」

山崎先生に言われて初めて気付いた。


私は今、家の鍵しか持っていなかった。

携帯さえ、家に忘れてきたようだ


「あっ、えっと、あの・・・」

私がたじろいでいると、山崎さんはにっこり笑って

「まあまあ、カメラがなくったっていいじゃない!こーきくんの元気っぷりを見てあげて下さい」

そう言って私の肩を叩いた

「あはっ、ありがとうございます。カメラ、忘れちゃったみたいです」

私は咄嗟にそう返事をし、この場をやり過ごした。


そしてしばらく幸紀の様子を見ていた

幸紀は友達と元気に遊んでいた

すべり台。ぶらんこ。砂場。

いろんな所でも幸紀はにこにこ笑っていた。


「いやあ!幸紀くんはいつも明るいですねぇ」

山崎先生がそう私に話しかけた

「そうですか、それは良かったです」

私はにっこりと微笑み返した。


「そぉいえば、あなたたちよりを戻したの?」

年配教師は急に内緒話をしているかのように私の耳にそうささやいた

「『あなたたち』って・・・?」

私は急な質問に戸惑った

「あらやだ。あなたと旦那さんに決まってるでしょう」


今日は何かがおかしい

また、あいつの話が出てきた


「えっ、どういうことですか?!」

「え?違うの??いやね、昨日あなたの旦那さん、つまりこーきくんのパパがね、ここに来たのよ」


・・・頭が真っ白になった。アイツが、幸紀に、会いに来た?

・・・・・・・・何をしに?


「いや、あたしも声を掛けたんだけどさ。『何でも無い』って行って帰っちゃったのよ」

「・・・あれ?お母さーん?」

山崎先生がそう言った頃には、私はもう園を飛び出していた

・・・なんか、2,3話じゃ終わらない予感がしてきました(←

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