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書きたいシーン書くだけシリーズ

前日譚

掲載日:2026/10/07

戦闘物が書きたかったのか。

 ゆっくりと意識が浮上する。柔らかい布団の感触、朝の匂いときて、けたたましいアラームが意識に入ってきた。


 何時のアラームが鳴っているのかわからないが、取り敢えず起きれたことに安堵する。


 アラームは予定に間に合うための起床時間にセットしたので、この音が鳴っているなら、問題なく起きれたと認識してよいはず。


 でも、ここで二度寝してしまっては意味がない。


 しっかり起きるんだ、俺よ。


 まずはアラームを鳴らしている特注の目覚まし時計を止める。


 まだ目が開けられない、手探りで目覚まし時計を手繰り寄せる。


 スイッチを押す前に、掛け布団を蹴飛ばす。このまま温もりを感じていたら二度寝へ一直線だ。この罠を解除してから、時計のスイッチを押す。


 意識が覚醒していくにつれて不快に感じていく音量を一気にゼロへ。


 起きれた。もう一度その事に安堵して息を吐き、伸びをして息を吸い。


 目覚まし時計をいつもの場所に置こうとして、文字盤を見て一気に血の気が引いた。


「もう、30分も時間が、無い……?」



 冬が去る頃はいつも試しの時期だった。


 今回も同じ。ただ、その難易度が違うだけ。


「その分、報酬は良い。知っているね」


 もちろん、それも知っている。そのために、ここに居るのだから。



 特別な呼称は無い。


 その怪物群について分かっている事が少ないからだ。


 これまでも”過去に絶滅した生物群”、”人類に適さない環境”などが存在したが、それぞれ討伐することは可能だった。


 それが今回は、過去最悪の敵が顕現した。


「これが、人類の死神か」


 最前線の1つ後ろ。もはや軽々と一般人が踏み込めない暴力の嵐を見て、援護の隊員が呟く。


 手に持つ火器の存在感に心細くなる。1発で人を致命に導く道具は暴力に対した時の拠り所になる。


 相手がナイフならそのリーチ差で、同等の武器でもこれまでの訓練で培った能力で、相手よりも効率的に動けるだろうと、自信を持って行動出来るだろう。


 だが、でも、それでも。あぁ、この後、照準することもなく刈り取られるんだろうなと。


 それならばこんな手に持つおもちゃを見せつけるように構えて何になるのかと。


 端的に、心が折れた。


 厳しいと思っていた鍛錬も、相棒の様に思っていた火器も。何もかも、価値は無かったのか……?




「何が起こってるんだ!」


 黒い、肌にスッキリと張り付く様なスーツ。人体急所は厚く、関節は阻害しない程度の薄さ。


 顔も全て覆われているが、声だけで判断できる。


 その男の声は、焦(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)。


 黒尽くめの男の眼の前に迫った白刃に、手に持つ剣を合わせていく。


 鍔迫り合いにもならない。体の前に腕を伸ばして構えた剣に敵の白刃が合わさる。互いの得物がぶつかった瞬間、耐えきれず弾かれた自分の腕が胸に当たってくる。衝撃は体で受け止めているのでは足りず、体が後ろに浮き、飛ばされる。


 力押しのぶちかまし。本当に? 相手は、片腕で軽く袈裟に振るってきた様に見えたが?


 宙に数秒浮き、足が大地を噛んでもブレーキが効かない。数メートル土埃を上げながら力を後ろへ逃がす。強打した胸、剣から伝わってきた衝撃に痺れる手。ダメージがある、胴体の筋肉が衝撃で震わされ正しく伸縮出来ない。胸を押されて吐き出された息の分、空気を求めて体は反応するが、動作に繋がらない、息を吸えない。


「ーーー避(・)け(・)ろ(・)!」


 黒尽くめの人物の横を、似た様相の3人が駆けていく。


 先頭の人物は他2人とは別で、声が女性の物だった。


 ダメージを負った男とのすれ違い

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