表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/13

予想外

いやー。


ちょっと、ちょっとだけ長居しすぎましたね。


特に、長が親切すぎて毎日宴を開いてくれるし、俺も毎日狩りに出るたびに腕が上達していくもんだから、気付けばこの集落で俺を知らない蛇はいなくなっていた。 完全に「英雄」扱いである。


そして、ちやほやされる居心地の良さに甘えていたら……。


感覚的に、三ヶ月はいましたね。はい。


本当に、すいません。 当初は、一週間でドロンするつもりだったのですが。


「どうしました、悩み事ですか? 今日もあなたが十八匹もブラックバッファローを狩ってきてくれたせいで、これで一週間連続で宴ですよ」


長が話しかけてきた。 「せいで」と言葉では困ったふりをしているが、その顔は隠しきれない満面の笑みだ。涎が垂れそうになっている。


……そりゃあ、そうだろう。


この「バインドスネーク」という種族は、雄雌に関わらずとてつもない大食漢だ。成体ならば、ブラックバッファローを一匹につき丸々一体は平らげる。


この集落の住人は約五十匹。 対して、狩りができる戦士階級が獲ってくる獲物は、一日平均で三十匹ほど。 残りの二十匹分は、木の実や小動物グリーンラットなどで腹を満たすしかない「微細な飢餓状態」が常だったのだ。


そこに、俺という「毎日十八匹の肉を余分に持ってくるバケモノ」が現れたのだ。 食糧事情が一気に改善され、毎日がパーティになるのも無理はない。


ちなみに、今の集落には百匹ほどの蛇がいるが、その半数は市場を利用するために一時的に訪れている余所者だ。


「あ、そうだ。これ、ブラックタイガーのつけ牙です。日頃の感謝を込めて、みんなで作りました。」


なんでも、つけると、牙の鋭さが増すらしい。


ありがたく、つけさせてもらおう。


集落の様子を見渡す。 日本のような建築物はなく、泥を積み上げてなんとなく「ここが俺の家」と線を引いているだけの原始的な居住区。


だが、活気が違う。


話を戻そう。 俺がアホみたいにブラックバッファローを狩ってくるおかげで、この集落の噂を聞きつけ、移住を決めるバインドスネークが急増しているのだ。 それどころか、さらに強力な毒を持つ「ポイズンスネーク」などの他種族までもが、食料を目当てに住み始めている始末だ。


食料供給の要。 集落発展の立役者。


つまり、何が言いたいかというと。


俺は、この集落にとって「代わりの利かない絶対的な存在」になってしまったのだ。


……どうしよう。 これ、抜け出そうとしたら、全力で(物理的に)引き止められるやつだ。

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。

もし面白いと感じてもらえたなら、星を付けて応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ