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第7話 アクエリアスの襲来

 シルクハットの男が椅子に座り、机に置かれた手紙を一つ一つ読んでいる。

 それを見て、尋ねる黒髪の少女。


「さっきから何を読んでるの?」


 それを聞いたシルクハットの男は手紙を机に置き、黒髪の少女の方を向いて答える。


「いえねぇ、他の『十二座集(じゅうにざしゅう)』の皆様が今度襲撃する予定の村はどこかと聞いた答えが返ってきたので、読んでいるところです。」


 それを聞いた黒髪の少女は机の手紙を一通手に取って読んでみた。

 そこには…


『はぁ!?なんでアタシ様がお前なんかに次の襲撃場所を教えらなきゃいけないわけですわ!?』


 と書いてあった。


 他の手紙を読んでみると…

『え〜。特になーい

 というか襲撃したくなーい。働きたくなーい。』


 とあった。


「まともな返事が無い…」


 黒髪の少女が呆れ返っていると、シルクハットの男は慌てた様子で言う。


「そ、そんな事ないですよ。ほ、ほらこの人とか。」


『悪い、今遠くの村で良さそうなところ探してるから、見つけたら報告する。」


「あと、この人とか。」


『今、石の落ちた村を強い意思(・・)を持って探してるわ。石だけに。』


「それに、アクエリアス君はもう目標も決まってるようでほら。」


『『サダルメリク』を襲撃する。邪魔をするな。』


「でも実際、まともな返事ってアクエリアスだけ…」


 黒髪の少女の答えにシルクハットの男は苦笑いして答える


「そ、そうですね…」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 オリオンは、ステラが用意した『魔法の威力を殺す石』の個数を確認している。

 そこに携帯電話のような物が鳴った。オリオンはそれ取ると、通話に出る。


「オリオンだ。どうした?」


「『星神教(せいしんきょう)』の奴らが現れました。

『サダルメリク』に行くもようです。」


「分かった。お前らは先に村に行って村人たちの避難と…」


 オリオンは通話を切ると、騎士団の団員たちに戦闘の用意をするようにと伝えた。


 ケフェウスとアンドロメダもそれぞれ武器の用意をした。


「みな、これを身につけて欲しい。」


 オリオンは騎士団全員に紐の着いた石を渡す。


「これは?」


 ケフェウス達の疑問に答える。


「それは、ステラが作った『魔法の威力を殺す石』のネックレスだ。

 アクエリアスの水から身を守る為に、みなそれをつけて戦ってもらいたい。」


「こんなの付けてたら動きづらいなぁ…

 ま、仕方ないか背に腹はかえられないってね。」


 ベラトリクスのその言葉にタビトが言う。


「お前の速さなら少し遅くなっても十分すぎるほど速いと思うが?」


「あら珍しい。タビトが褒めてくれんの?

 雨でも降らせる気?」


「俺はいつも思ったことしか言ってない。」


「はいはい、それじゃあみな、気を付けて。

 出撃だ!!」


 オリオンが軽く話を収め出撃の命令で騎士団員すべてが武器を掲げる。


「おおー!!」


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 黒装束達は『十二座集(じゅうにざしゅう)』は水の村『サダルメリク』に到着し、腰の剣を抜き、村を襲い始めた。


 1人の黒装束が家の扉を破壊し中に入ると、そこには『ペテルギウス聖騎士団』がいた。団員は黒装束が驚いている隙に斬り倒した。


 しばらくしてアクエリアスが村に到着した。

 アクエリアスが目にしたのは『ペテルギウス聖騎士団』と自分の手下が戦争をしている所だった。


「なんだこれは?『流星(りゅうせい)』が見つからないどころか、『シェダル』の犬共がもう嗅ぎ付けてただと!?

 有り得ねぇ。どういう事だ?」


 アクエリアスが怒鳴っていると後ろからオリオンが言う。


「お前らが単純すぎたんだよ。」


 その声を聞きアクエリアスが後ろを見るとオリオンが剣を持ち上げ、振り下ろすところだった。


 アクエリアスはその剣を避け、尋ねる。


「どういう事だ?」


「お前らは徒歩で来れる村しか襲っていない。

 だから、多少調べれば次狙われる村の見当はつくんだよ。」


「ちっ、お前ら!!探索担当以外全員、戦闘開始!!」


 オリオンの答えにアクエリアスがそう叫ぶと騎士団の後ろから黒装束が現れ攻撃してきた。突然の事で対応できなかった団員数名が怪我をしてしまった。


「俺が、1人だけで遅れて来るわけねぇだろ?

 前半後半に別れて村を襲撃してんだよ!!」


 新たに現れた黒装束と団員は戦闘を開始する。

 オリオンは剣をアクエリアスの方に向け、叫ぶ。


「お前の技も、能力も既に見破った。

 観念しろ!!」


 それを聞いてアクエリアスは先程以上に眉間にシワを寄せる。


「お前らさぁ、多少有利になったからって調子乗るなよ。作戦時間的にはまだまだ余裕なんだよ。

 せっかくだからお前ら全員、撃ち殺してやるよ!!」


 そして、『ペテルギウス聖騎士団』と『星神教(せいしんきょう)』との戦いが始まる。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 手紙で、ぶっちゃけてる感じのが斬新ですね。 返事書くのも面倒に思うタイプなイメージ。 [気になる点] 文章のリズムを作るのと、印象を残す為に、体言止めも活用してみてはどうでしょう? ※多用…
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