第6話 星神教撲滅作戦会議
「これから作戦会議を始めたいと思う。」
オリオンの一声で『星神教』の企みを止める作戦会議が始まる。
「でも、次にどこが狙われてるか分かってるのかい?」
ベラトリクスはオリオンに聞く。
「残念ながら分かってない。」
「じゃあ今回もいつものように、適当に見張りを置いとくの?
意味ないじゃんこの会議。」
オリオンの答えにベラトリクスが呆れ顔で言うとタビトが立ち上がる。
「おい!ベラトリクス!言い方を考えろ!」
2人の喧嘩に驚きながらも机に置いてある地図を見てアンドロメダはオリオンに聞く。
「今までアクエリアスに襲われた村はどこなんです?」
それを聞き、オリオンは地図にある村を指さしながら言う。
「この村とこの村、あとこの村とこの村…それと君達の村だ。」
オリオンが指さした所を確認し、アンドロメダは1つ気付いたことがあった。
「今までアクエリアスが村を襲った時はすべて徒歩でしたか?」
「そ、その通りだ…」
アンドロメダは自分の仮説が信ぴょう性のあるものだと分かり、皆に伝える。
「アクエリアスが今まで襲ってきた村はかなり近場です。それにすべてが徒歩だとすると、アクエリアスの住処から近いところを狙っていると思われます。
そして、襲ってきた場所の中心を住処と仮定すれば、大体次襲う村も予測ができます。」
それを聞き、皆は驚く。
あまりにも単純なことに気づかなかった事と、アンドロメダがそれに気づいたことに。
オリオン達はすぐに地図に襲われた村にチェックを入れ、それを全て結ぶように円を描き、次襲われそうな村を3つにしぼった。
オリオンはすぐにその3つの村に兵を送るように命令した。
「しかし、アクエリアスが倒せても他の『星神教』はどうする?」
オリオンの疑問にアンドロメダは答える。
「それは、分かりません。
ですがもしかしたら『星神教』同士何かお互いの場所が分かるような物を持っているかもしれません。」
「そうだな。そう願おう。」
そうしてオリオンは次にアクエリアスと戦う術を探すための会議を開始する。
「とりあえず、あのアクエリアスの技だな。」
オリオンの言葉にケフェウス頷く。
「水を出す技と人をミイラにする技ですね。」
「『十二座集』を名乗る奴らは何かしら特殊な技を使う。人をミイラにするのはそれだろう。それに関しては近寄らなければ問題は無さそうだ。
水を出す方も、一種の魔法だろう。それなら専門家がいる。」
そういうとオリオンは部屋を出て、とある部屋に移動する。
他の人もオリオンについて行く。
その部屋には1人の虹色の髪を持つ少女がいた。
「レディの部屋に、ノックもなしに入ってくるとは、いささか失礼ではないかな。オリオン君。」
虹色の髪の少女は少し苛立った様子で本を閉じオリオンの方を見る。
「すまない、ステラ。
それで、1つ聞いて欲しいことがある。」
「なんだ?」
「次のアクエリアスとの戦いに備え、魔法に対する対策はないか聞きに来た。」
「そんなことか。ま、なくには無いが。」
そういうとステラは机の引き出しから小さな石を取り出し、オリオンに渡す。
「それは、身につけてるだけで魔法の威力を殺す石だ。
基本的にそれを持っていれば魔法なんて怖くない。
しかし…」
ステラは少し考え込むような仕草をする。
「どうした?ステラ。」
「そのアクエリアスとやらにやられた兵士を先程見てきたのだが、魔法の傷には見えなかったんだ。
それが少し気になる。」
ステラがそう悩んでいる。
「しかし、現状この石が1番有効そうだ。
ステラ、至急全員分用意できるか?」
「ま、それは良いだろう。」
こうしてアクエリアスに対する対策は着々と進んでいった。