第56話 『自分は先輩達の為に』
前回のあらすじ
早い回避と、強力な技を持つカプリコーンは、暗殺組織『キーストーン』の生き残りだった。
十二座集を馬鹿にした騎士に怒った彼女は、騎士を骨をも残さず殺してしまう。
その光景に絶望しつつも、攻撃を放つケフェウス達に、カプリコーンは掌から水柱を放つ。
「なっ⁉」
ケフェウスは慌てて、身体をねじり、水柱を避ける。
「これは⁉ レオも使っていた魔法か⁉ こいつ魔法も使えるのか⁉」
驚くケフェウスを睨むように、眉間にシワを寄せるカプリコーン。
「はぁ⁉ 前に、これは魔法じゃねぇって言ったよなぁ!! お前、俺の言葉忘れたのかよ!馬鹿なんじゃねぇの⁉」
「えっ⁉」
ケフェウス達は突然豹変したカプリコーンに驚く。
「お前。多重人格ってやつか?」
ケフェウスの言葉に、カプリコーンは怒声を上げる。
「はぁ!? 俺は前々からこうだろうがよ!てかなんだお前ら、俺の事忘れたんか!? 仕方ねぇ、また名乗ってやろうか?
俺は、『星神教十二座集 水瓶の座』『アクエリアス』だ。」
カプリコーンの言葉に、ケフェウス達は、より驚く。
「ど、どういうことだ!?」
その反応に腹を立て、怒りの表情を露わにするカプリコーン。
「ちっ。あのバカ女、こいつらに説明してねぇのかよ。仕方ねぇから俺が教えてやるよ。
これは、この頭の軽いバカ女の能力。『自分は先輩達の為に』。あいつ自身の寿命と引替えに、死んだ十二座の中から、好きな奴の魂を呼び込み、その魂に『体を使う権利』を与える能力だ。
ついでに、入った魂の能力を使うことが出来るんだよ!」
カプリコーンが腕を振るい、水滴を飛ばす。
ケフェウス達はそれを避けるが、2人ほどが避けきれず当たってしまう。
一応鎧に当たった為、怪我はなかったが、その威力はアクエリアスの『水吐き』そのものであり、カプリコーンの言葉が事実であることを示す。
「ちっ。また、お前と戦うことになるなんて…。」
ケフェウスが愚痴を言い、カプリコーンを睨みつける。
睨まれたカプリコーンは───
「ちっ。使いすぎたか…。」
───脱水症状が出たのか、頭を押さえていた。
片膝を着いたカプリコーンの服の中から、小さな竹製の水筒が滑り落ちた。
それは、紐が付けられており、カプリコーンの首に引っかかっていた。
「なんだこれは?」
カプリコーンがその水筒を見ると、そこにはかみが貼られていた。
──────────
アクエリアス先輩へ。
お腹がタプタプになるぐらいに水を飲んできたっスけど。
自分、汗かきっスから、もしかしたらすぐに水分不足になるかもっス。だから、水筒を用意したっス。自由に使ってくださいっス。
──────────
紙にはそう書かれていた。
「隙をさらしたな!」
ベラトリクスが、膝をついたカプリコーンを攻撃しようと走る。
カプリコーンは水筒の中の水を飲み干し、水筒を投げ捨てた。
そして、彼女は腕を振り、水滴を飛ばす。
「おわ!!」
ベラトリクスは慌てて、それを避ける。
カプリコーンは、両手を突き出し、騎士達を睨みつける。
「そう何度も隙をさらすかよ!俺を殺したお前らをぶっ殺してやる!!」
次回予告
カプリコーンの中に入ったアクエリアスは、『自分は先輩達の為に』の力で、復讐をし始める。
しかし、ケフェウス達を追い詰めるのは彼だけではなかった。
次回 第57話 絶望の再来




