第54話 VS山羊の座
前回のあらすじ
『ポリマー』から出て『シェダル』に戻る騎士達。
突如、最後尾の騎士が倒れてしまう。そして、『山羊の座』を名乗るカプリコーンが現れる。
「また、『星神教!! 次から次へと!』」
ケフェウスがそう言って、カプリコーンを睨む。
カプリコーンも真剣な目で、騎士達を見る。
「貴方達が、『ポリマー』からこちらに来ているということは。ヴァルガリア先輩は…。」
カプリコーンの言葉に、ケフェウスが答える。
「あいつなら、とうに殺したぞ!」
「やはりそうっスか。なら、自分は先輩達の仇を取らせてもらうっス。」
「そうはさせんぞ。」
拳を構えるカプリコーンに、1人の騎士が走り、彼女に剣を振り下ろす。
彼女は避けるそぶりが全くない。しかし、騎士の剣は彼女に当たることは無かった。
「何⁉」
驚く騎士を無視して、両手を下ろし隣を通るカプリコーン。
「随分、遅い攻撃っスね。自分に対して手加減っスか?」
そして、彼女が騎士を通り抜けた瞬間。
騎士の首が反対を向いて、倒れてしまった。
「なっ!!」
絶句するケフェウス達。
彼らに向かって、カプリコーンは左手で手招きし、挑発する。
「次は誰が相手っスか?自分はいつでもいいっスよ!」
「ちっ。喰らえ!!」
タビトが、銃弾を発射する。
しかし、その弾はカプリコーンの頬を滑るように通り抜け、彼女には当たらなかった。
「くそっ。攻撃が当たらねぇ。これが『山羊の座の力』って訳か。」
舌打ちをするタビトに向かって、眉を寄せるカプリコーン。
「『山羊の座』の力?何言ってんスか?攻撃されたら避けるのは常識っスよね?」
その言葉にオリオンが驚く。
「何!? 一切動いているように見えなかったが…。避けていたのか!?」
「そりゃあ、あからさまに動いたら、避ける事に気付かれるうえに、避けた先に攻撃を置かれることもあるっスから。回避は最低限の動きのみ。常識っスよ。」
馬鹿にするでもなく、ただ当たり前と言わんばかりの真顔で言う、カプリコーン。
そんな彼女に向かって、ベラトリクスが走る。
「避けてるって分かったら、怖くもねぇや!アタシの速さについてこいや!!」
ベラトリクスは、双剣を両側に開き構える。
そして、右手の剣を縦に、左手の剣を横に振るおうとする。
「なるほど。たしかに縦と横での回避は不能。ついでに、深く踏み込めば後ろへの回避も不可能。ただ、速さで攻めてるように見せて、考えたっスね。」
カプリコーンは、左足を突き出す。
そして、ベラトリクスの攻撃は、まるで見えない壁にでも阻まれたかのように、空中で止まる。
「なんだ⁉」
驚くベラトリクスを蹴るように、何かを蹴って後ろに下がるカプリコーン。
彼女は、空中に立つように浮く。
「こっちこそが、貴方達の求めた『山羊の座』の力っス。『見えない崖』、自分の足裏から、見えない床を作る能力っス。本来は空中を歩くのに使う物っスけど、足裏から出るなら、盾として使うことも可能って訳っス。
先輩のくれたこの力のおかげで、自分の苦手な戦闘も多少出来るんスよ!!」
カプリコーンは空中を、見えない階段を降りるようにしながら、地面に戻り、騎士達に向かって再び拳を構えた。
次回予告
素早い動きと、空中を移動出来る能力を使い、ケフェウス達を追い詰めるカプリコーン。
彼女がなぜそんな、戦闘能力を手に入れたのか?
次回 第55話 『キーストーン』




