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願いを勝ち取る少年達  作者: HAKU


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第49話 VS乙女の座

 前回のあらすじ

 レオとの戦いで、6人になってしまった騎士団。彼らは休暇中の騎士に連絡をしつつ『ポリマー』へ移動する。

 しかし、『ポリマー』には平和な光景が繰り広げられていた。不思議に思った彼らだが、『ポリマー』の女王、スピカに確認を取ろうとする。

 しかし、彼らを襲うのは、『ポリマー』の人達だった。そして、星神教十二座集の乙女の座を名乗るヴァルガリアがその姿を現す。

 シルクハットの男が紅茶を飲んでいると、突然、彼の通信機に連絡が入る。


「はい?どなたです?」


「オレです。オレ!」


「詐欺ですか?私に息子はいませんよ。」


「詐欺!? クレームですか!? オレ共の商品は、『安心安全』!言いがかりはやめてください!!」


 シルクハットの男に通信したのは、メガネの子供だった。


「で、どうしました?」


「騎士サマ方と、レオ様が衝突したらしいですね!彼をあそこに呼んだのは、アニタですか?」


「ええ。そうですが?」


 シルクハットの答えに、メガネの子供は怒るように言う。


「無断でそういうことをされると困ります!ちゃんと、『報告、連絡、相談』をして下さらないと!」


「はい。はい。申し訳ありませんね。ところで、彼はどうしました?」


「彼は死にました。『堕ちる惑星(メテオ)』を使って。」


 メガネの子供の言葉に、シルクハットはため息をつく。


「はぁ。やはり駄目でしたか。今回も。」


「ええ。恐らくはアナタの狙い通り、彼どころか、彼の部下も全滅です!!」


 それだけ言うと、メガネの子供からの通信が切れてしまう。


「やれやれ、この結果が私の思い通りなわけないでしょうにね?」


 通信を切られたシルクハットは、近くにいた黒髪の少女に話しかける。

 しかし、少女は彼の言葉に何も返さない。

 彼女の意識は、赤髪の少女。ヴァルガリアの手紙の事を思い出すのに持ってかれていた。


「ちょっと?聞いています?」


 そう問うシルクハットを無視して、その場を離れる少女。

 彼女はそっとつぶやく。


「ごめんねヴァルガリア。やっぱり私は、貴方の事を応援できない…。」


 ──────────


星神教(せいしんきょう)!やはりいたのか!」


 ケフェウスが剣を抜き、ヴァルガリアを睨む。


「当然ですわ!でなければ『緊急救助要請』なんて出るわけないでしょう?

 もっとも、要請が出たときにはすでに彼らはワタシ様の奴隷になってましたがね!」


「オーホッホッホ。」と上品に笑うヴァルガリアを睨むオリオン。


「どういうことだ!」


 問われたヴァルガリアは、オリオンを小馬鹿にするように見ながら答える。


「ワタシ様がやらせたのですわ。つまり、ワタシ様直々にアンタらを呼んでさしあげたのですわ。」


「何のために!」


 そう問うアンドロメダに、ヴァルガリアが答える。


「当然。アンタらをワタシ様の奴隷にするからに決まってますわ。」


「誰が、お前の奴隷になるかよ!!」


 ケフェウスが、ヴァルガリアに向かって斬りかかろうと走る。


「アンタ。ワタシ様を庇いなさい。」


 ヴァルガリアが、彼女の左後ろにいた紫髪の少女に向かって静かに言う。

 すると少女は、ヴァルガリアを庇うように、彼女とケフェウスの間にはいり、両手を広げる。


「なっ!!」


 剣が少女にあたる直前で、剣を止め、少女から距離を引くケフェウス。


「なんでそいつを庇うんだ!」


 ケフェウスの言葉に、少女は答えない。

 その代わりのように、ヴァルガリアが嘲笑うような顔をして答える。


「理由なんてありませんわ。ワタシ様の能力、『絶対服従の命令(プリンセスオーダー)』の力で、誰もかれもがワタシ様の言うとおりに動く奴隷になるのですわ。」


「それじゃあ!私達は貴方を攻撃できないってこと!?」


 絶望するアンドロメダに、さらなる絶望を付け加えるベラトリクス。


「それどころか、アタシらも、あいつの言いなりにされるかもしれない…。」


 ベラトリクスの言葉に騎士達は息を飲む。


「ふふ。せいぜい怖がりながら、お死になさい!アンタら、やってしまいなさい!!」


 ヴァルガリアに言われた村人達は、それぞれの武器を振り上げ、騎士達を襲い始める。


「ちっ。」


 ケフェウス達は村人からの攻撃から、身を守るが反撃をしない。


「愚かですわね。かっこつけずに、そいつらを殺してしまえば楽になりますのに。」


 嘲笑うヴァルガリアに、ケフェウスが怒る。


「ふざけるな!罪もない人々を殺せるわけないだろ!」


「罪のない…。ね…。」


 ヴァルガリアはつぶやくようにそういった後、再び小馬鹿にしたように笑う。


「ならワタシ様を殺そうとするのも間違いですわ。ワタシ様もそいつらと同じ、罪なき人ですわ。」


「ふざけたこと言わないで!」


 アンドロメダが、ヴァルガリアに矢を放つ。

 しかし、その矢はあっさりと避けられてしまう。


「ふざけてなんていませんわ。むしろ、おふざけになられてるのはアンタらでしょう?」


 ヴァルガリアが、ゆっくりとアンドロメダに近づく。


「ワタシ様がせっかく名を教えてあげたのだから。アンタらもワタシ様に名を言うのが礼儀ではなくて?

 それなのに、名乗らない非常識さに加え、自分勝手な理由でワタシ様を殺そうとする。随分と、無礼極まりないと思いませんこと?」


 ヴァルガリアが、どこからともなく鞭を取り出し、アンドロメダに振るう。

 多くの町民からの攻撃に気を取られていたアンドロメダは、その鞭に叩かれ倒れてしまう。


「ううっ…。」


 彼女が左手でおさえる、右肩からは、赤い血が流れていた。


「メダ!?」


 ケフェウスが、アンドロメダに気を取られていると、オリオンが叫んだ。


「危ない!! ケフェウス後ろだ!!」


 ケフェウスが後ろを向くと、大きな桑を持った老人が、ケフェウスにその桑を振り下ろそうとしていた。


「つっ…。」


 ケフェウスが桑にあたる直前、タビトが彼を押し飛ばし、盾で桑を防ぐ。


「あ、ありがとうございます。タビトさん!」


 感謝を述べるケフェウスに、タビトは「ああ。」とだけ返す。

 その光景を見て、ヴァルガリアはにやぁっと笑う。


「ふふ。相変わらず、お間抜けさん達ですわね。アンタらは合わせて6人。それに対してこちらは、100はゆうに超える町民達全員が戦力ですわ。

 当然、ワタシ様も戦えますわ。このまま、町民を殺さずに、ヴァルガリア様を殺せるとお思いですの?」


 ヴァルガリアの言葉に、再び彼女を睨むケフェウス。


「思ってるんじゃねぇ。やり遂げるんだ!!」


 その視線すら嘲笑うヴァルガリア。


「面白い程のお間抜けさん。せいぜい足掻いてみることね!!」

 次回予告

 町民達を戦力として扱う、ヴァルガリア。レオとの戦いで5人しか戦力のないケフェウス達。

 この戦力差を彼らは超えれるのか。


 次回 第50話 『乙女』との決戦

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― 新着の感想 ―
赤髪は強敵ですね〜。 町民相手だと戦いづらいですし。 なんとなくシルクハットはラスボス近い気がするので、山羊座なのかなぁと思い始めました。
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