第47話 レオとの決戦
前回のあらすじ
何とか、レオの部下を減らしていくケフェウス達、しかし、レオの能力『百獣の王』は、部下から魔力を回収することも出来、巨大な魔法を2連で放つ。
『ペテルギウス聖騎士団』は残り10人。彼らはレオ達に勝てるのだろうか。
「全員、僕の魔法で苦しむことなく葬ってやる!!」
レオが両手を、アンドロメダ達に向ける。
「させるか!!」
ケフェウスが、レオに目掛けて走る。
しかし、レオの部下の魔法によって邪魔される。
「ケフェウス!!」
ケフェウスを心配して、叫ぶアンドロメダに、レオが言う。
「まずは、お前からだ。魔法武器使い。」
レオはアンドロメダを睨む。
「僕は魔法武器を使うやつが大っ嫌いなんだ!! 努力もせず、楽して己の実力を騙す。魔法の衰退の原因が魔法武器だってのに、それを補うために、また努力もしないで魔法武器に頼る!! 愚かにも程がある!!」
レオは両手の平で、火の玉を作りだす。
そして、それを大きくし始める。
「魔法武器?なんのこと言ってるの!?」
アンドロメダは疑問を飛ばすが、それにレオは怒鳴る
「隠しても無駄だぞ!その矢についた風魔法。魔法武器の類だろ!」
そう怒鳴るレオに、アンドロメダは矢を放つ。
「貴方は、魔法を限界ギリギリまで溜める。」
アンドロメダは、途中まで飛んだ矢に、風魔法をかけ、急加速させる。
「なら、奇襲には弱いはず!!」
「ちっ!!」
レオは急いで、中途半端な大きさの火の玉を放つ。
中途半端とはいえ火の玉は、矢を焼き尽くすには十分だった。
「なら!!」
アンドロメダが再び矢を放つ。そして、矢を風の魔法で包む。
「無駄だ!どれだけ威力を上げようと、魔法武器は同じ魔法しか使えないのは知ってんだよ!!」
レオの火の魔法が、アンドロメダ達に迫る。
そして、アンドロメダの矢が火の魔法に突っ込む。
矢が、火の玉に当たる瞬間。周りにあった風の魔法のおかげで、火の玉の中に穴があき、矢を通過させる。
「なに⁉」
レオは急いで、土の塊を生成し、矢に向けて放つ。
しかし、矢にかけられた風の魔法によって土の塊は、はじかれる。
「くっ!」
レオの肩に、矢が刺さる。
「レオ様!すぐに回復魔法を!」
レオの右後ろにいた部下がそういうが、レオはそれを拒否する。
「いや、そんな無駄な事に魔力を使うなゾスマ。」
レオが下を向いて、自分の肩の矢を抜く。
「今だ!」
その隙を見逃さなかったベラトリクスが、レオに向かって走る。
「ちっ!!」
レオが両手を前に突き出し、火の玉を作る。
「何度も見てきたぜ。その攻撃!避けてやる!」
ベラトリクスは自信満々で言うが、それにレオが答える。
「そうか。…、ならちゃんと全弾避けて見ろ!!」
火の玉から、複数の炎が連射される。
「なに!?」
ベラトリクスは驚きつつも、ぎりぎりで、それを避けながらレオの前まで走る。
「食らえ!」
ベラトリクスが右手に持った小剣を振り下ろす。
「レオ様!!」
レオの部下が、レオを押し飛ばし、代わりにベラトリクスの刃を食らう。
「アルギエバ!!」
レオは、部下の名前を呼ぶ。
部下は返事をせず、床に倒れる。
「ちっ、やるじゃないか。あの弾幕を逃げずに、避けて進むなんて。」
レオはそう言って、ベラトリクスを睨む。
ベラトリクスは、小剣でレオをさし、言う。
「戦場にいて、特にアタシみたいな敵に近寄って攻撃する仕事をしている奴がその程度でビビる訳ないでしょ!! アタシは命を賭けて、あんたらに勝つ!!」
「命を…、賭ける?」
レオがつぶやくように言う。
そして、改めてベラトリクスを強く睨む。
「お前らは相当、その言葉が好きなようだな!」
レオが己の手から、氷柱の弾幕を放つ。
ベラトリクスはそれを避け、下がる。
「そんな安っぽい考えで、何かを得ようなんて甘いんだよ!お前らもあいつらも!!」
レオが叫ぶ。
「確かに、大切な僕達を守るために、父は命を賭けたさ!! 国のために兵士達は命を賭けたさ!! その結果どうなった!僕らの国は滅んだ!! たかが命を賭けたところで、何も救えない!!」
レオが土の槍を作り出す。
「僕は命を賭けたりしない!! 僕は命を捨ててでも戦う!! 当然、まともじゃない!! 無論、正気じゃない!! だが、それほどの覚悟が無ければ、勝利を得ることはない!!」
レオが土の槍を発射する。
土の槍は大地を削りながら、まるでドリルのように回転して、ベラトリクス達を狙う。
ベラトリクス、タビト、オリオン、アンドメダ、ポルックスがそれをわきへと飛んで避ける。
レオが『王の狩猟』で魔力を回復させる。
「かはっ!」
しかしすぐに、レオは口に手を当て、片膝を付く。
レオが自分の手を確認すると、そこには自分の口から出された血が大量についていた。
「(まずいな!このまま、戦い続けてたら生命力が尽きる。)」
レオから一筋の汗が流れる。
「(どうする。…。この森の大きさ…、あの魔法なら…。だが、あれを使えば、僕に付いてきた部下達も…。)」
「レオ様!!」
部下の言葉に、レオは意識を戻される。
部下は、後ろから攻めてくるケフェウスを風の魔法による斬撃で、牽制しながら言う。
「このままでは、いずれ貴方の命が尽きてしまいます。いっそここは、『レグルス』に伝わる、究極魔法を!!」
「だが、それでは!!」
焦るレオに、部下は言う。
「我々の事は、お気になさらず!! あの日、貴方についていくと決めた日から、我々の命は、貴方に捧げておりますゆえ!」
別の部下も言う。
「我々の魔力もお使いください!! さすればこの周辺は焼け野原です!!」
「…。分かった。」
レオが両手を頭上にあげる。
それを見て、ベラトリクスが言う。
「あいつ!今度はなにをする気だ!」
ベラトリクスが、レオに向かって走る。
「何をする気か分からないが、お前の思い通りにはさせないぞ!!」
「なるんだよ!いや、そうさせる!この究極魔法『堕ちる惑星』で!!」
レオの両手に、黄金の光の玉が、大きくなりだす。
同時に、次々とレオの魔力が失われ、ほぼ1秒に付き1回『王の狩猟』が発動する。
その光景を見て、ベラトリクスは足を止める。
「なんか、ヤバくないか…。」
他の騎士達も、その魔法に圧倒され、その場から動けない。
その間にも、光の玉は大きさを増す。
そして、『百獣の王』によって魔力をすべて失ったレオの部下達が、倒れていく。
「まずい!! 逃げなくちゃ!!」
アンドロメダが自分に、風の魔法をかけ早く移動できるようにした後、最も近くにいたタビトとオリオンを風の魔法で軽くし、2人を運ぶ。
「ベラトリクスさんも、ポルックスさんも、ケフェウスも、早く遠くへ逃げて!!」
アンドロメダの言葉に、ベラトリクスは「お、おう!」と頷いて、すぐさまに後退する。
ポルックスも走り、レオから距離を取る。
そして、同じくレオから距離を取ろうとするケフェウス。
だが───
「逃がしはせんぞ!」
近くに倒れていたレオの部下が、ケフェウスの足を掴み逃がさないようにする。
レオの部下が、全員倒れ、レオも苦痛の表情を見せる。
レオが血を吐きながら叫ぶ。
「お前らに見せてやる!『レグルス』の力を!
『レグルス』に勝利と栄光を!!」
光の玉が爆発を起こす。
その爆発は森を次々に焼き払い、あたり一面を黄金色に染めたのだった。
──────────
【ひとつ話をしましょうか。
え?彼の過去は聞いたって?
まぁ、それでは少し前の話から始めましょう。
少年の国は魔法がとても発展していて、その国には秘伝の魔法すらありました。
その秘伝の魔法を求め、様々な国から争いをかけられました。しかし、王の魔法はとても強く、さらに無限の魔力と呼ばれるほど、その国の軍隊は魔力切れを起こすことがありませんでした。
しかし、ある時王が急に血を吐いて倒れてしまいました、だんだん衰弱していく王をさらに苦しめるように、再び戦争が起きました。
その国は滅亡の危機にさらされましたが、とある男の手によって助けられました。
そして、男は、王に「国を救った例として、秘伝の魔法を教えてくれ。」と言いました。
しかし、王はそれを拒否しました。
それを聞いた男は、持っていた薙刀で王を斬りつけ、さらに、軍隊を殺し始めました。
無限の魔力の種を知っていた彼にとって、軍隊を殲滅することなど、朝飯前でした。
そして、男は王の子供がいる部屋にたどり着きました。
男が、王の子を庇うように抱く女ごと、子供を殺そうと武器を振り上げました。
そして、それは王の魔法によって止められました。
「ゾスマ!! こいつは私が食い止める!そいつを…、頼む!!」
それを聞いた女は、子供を抱きかかえ、窓から城を出ました。
王は一緒に来た男に言いました。
「アルギエバ。お前は、残った兵士とともに、彼らを守ってくれ。」
王にそう言われた男は、すぐさま、兵士を集めに走りました。
王が、男に言いました。
「お前は、私の、『レオ』の全魔力を使ってでも、ここで殺す!」
王は『堕ちる惑星』を使い、国ごと男を殺そうとしました。
そして、男から逃げ延びた王の子達は、ひっそりと暮らしていました。
しかし、ある時また、別の男から王の子達は声をかけられました。
その男の言葉を聞いて、王の子は、とある力を得ました。
王の子は誓いました。
王と国を滅ぼした、あの男、そしてその男がいた国を滅ぼすことを。
そして、
獅子の星が輝きだしました。】
次回予告
レオの魔法を逃れた騎士達は、『ポリマー』へと向かう。しかし、そこには騎士達の予想もしていない光景があった。
次回 第48話 あまりにも異様な光景




