第45話 百獣の王
前回のあらすじ
赤髪の少女からシルクハットへと渡された手紙。そこには作戦を変更する事と、『十二座集』に裏切り者がいるかもしれないという内容だった。
シルクハットはすぐに、銀髪の少年を『ポリマー』前の森へと向かわせた。
「僕は、『星神教十二座集獅子の座』。民を守りし、最強の王。『レオ』だ!」
銀髪の男、レオの名乗りに、ケフェウスとポルックスが慌てる。
「『星神教』!?」
「有り得ません、こんな事!ありませんでした、占いに!」
レオがその言葉を聞き、より睨みをきかせる。
「占いか。なるほどお前が、僕達の行動を教えてる情報源か。なら───」
レオは両手を頭上に上げ、そこから火の玉を発生させる。
その玉は、どんどん大きくなっていき、ポルックスどころか、騎士団全体を埋め尽くすほどの大きさになる。
「おいおいおい!やりすぎだろ!!」
ケフェウス達は、その玉の大きさに驚く。
レオが言う。
「やりすぎな訳ないだろ。僕は、1羽の兎を狩るのにも、全力を出す主義なんだよ。」
レオはその大きな火の玉を、ポルックスに向かって放つ。
「まずい!!」
ケフェウスの声の後、騎士団は皆、火の玉から逃げ出す。
火の玉が着弾し、地を焼く。
早めに逃げられた為被害は数名程だが、巻き込まれた者はチリも残らなかった。
「あんなもの、バンバン撃たれちゃ、勝ち目はないぞ…。」
絶句するケフェウスに、アンドロメダが言う。
「でも、あんな魔法を使えば、もう彼の魔力は無くなったかも。」
アンドロメダのその考えが当たっていて、魔力の切れたレオは、片膝と片腕を地面についていた。
「ふん。始めっから力を使いすぎたね。その隙、逃さないよ!」
ベラトリクスがレオに向かって走る。
レオの部下達が、手のひらサイズの火の玉を放つが、彼女は自慢の身のこなしで、その弾幕を避ける。
「終わりだ!!」
ベラトリクスが、レオの目の前に行く前まで、あと少し。
そのところで、レオの体が金色に光る。
「なんだ!?」
それに驚き、ベラトリクスは少し動きが止まる。
再び、レオの首を斬ろうとするベラトリクス。
レオは、そんな彼女に向けて、右手を向ける。
「終わりなのはお前の方だ!」
レオの手から、火の玉が放たれる。
「あっつ。」
炎に抱かれたベラトリクスは、地面に落ち転がる。
「ベラトリクスさん!!」
アンドロメダが、急いでベラトリクスに水の魔法を放ち、消火する。
「助かった。しかし、奴はなぜ急に復活したんだ!」
ベラトリクスは、レオ睨む。
レオは答える。
「『獅子の座』の能力。『王の狩猟』。僕の魔力が枯渇しても自動的に生命力を消費して、魔力を解決してくれるんだよ!」
レオの答えに、ケフェウスが言う。
「なら、お前に魔法を使わせまくれば勝手に力尽きるってことか!」
レオが両手をケフェウスに向ける。
「それが出来ればな!」
「どういうことだ!」
ケフェウスの質問に、レオが答えた。
「僕は、いや。僕達は、魔法の国『レグルス』の生き残りだ!」
レオの言葉に、オリオンが驚く。
「『レグルス』だと⁉とても優秀な魔法使いが作り上げた、魔法の発展した国か!戦争によって、滅んだと聞いていたが。」
「そう。さらに、僕は『レグルス』の王。その息子だ!そう簡単に、僕を倒せると思うなよ!」
「簡単に倒せるなんては思ってない!俺達は命を賭ける覚悟で、お前と戦うんだ!」
ケフェウスの言葉に、レオは青筋を立てる。
「命を賭ける?その程度の覚悟で何ができる!」
レオは両手から水の玉を作り出す。
「来るぞ!」
タビトの掛け声を聞いて、騎士達はレオの攻撃を警戒する。
レオが両手から大きな水柱を放つ。
騎士達はそれを避ける。
水柱は木々をなぎ倒し、大地の形を変えてしまった。
「今だ!!」
ケフェウスとベラトリクスは、片膝を付くレオを狙って、走る。
それを迎え撃つように、レオの部下達が、片手を2人に向ける。
「させないよ!!」
アンドロメダが矢を、タビトが銃弾を、レオの部下達に向け発射する。
しかし、レオの部下達は、レオの前で大きな水柱を生み出し、それで壁を作る。
水の壁が、銃弾と矢を消し去る。
水の壁が、その無くなってすぐ、足を止めていたケフェウスとベラトリクスに向かって、風の斬撃が放たれる。
2人の体にその魔法が掠る。
「いっつ。」
地面に転がるケフェウスとベラトリクス。
2人の前に復活した、レオが立つ。
レオが地面に魔法をかける。
「命を賭けるというなら僕が魔法を構えてる間に、殺しに来ればいいものを。それすらできぬなら、粋がるんじゃねぇよ!」
「あぶない!!」
アンドロメダが風の魔法を纏い、物凄い速さで2人の元へ走る。
レオの部下達が、アンドロメダに火の玉を放つ。
しかし、アンドロメダには当たらず、部下達は次々と魔力切れで片膝を付く。
アンドロメダが、風の魔法で軽くしたケフェウス達を抱え、レオから距離を取る。
直後、2人がいた地面が割れる。
「ち、外したか。」
アンドロメダが、オリオンの元に行くと、オリオンが言った。
「良くやった。アンドロメダ。ついでに奴の部下共が魔力切れを起こした。これなら奴に攻撃を当てることが出来る!」
オリオンの言葉に、レオが言う。
「考えが甘いんだよ!」
レオの両手の甲にしし座の紋章が現れる。
すると、膝を付いていたレオの部下達が立ち上がる。
「何!?」
「嘘!さっきまで、魔力切れを起こしてたのに…。」
驚くケフェウスとアンドロメダ。
2人を睨むレオ。
「『百獣の王』。紋章を介して僕の魔力を部下共に渡せるんだよ。僕達に魔力切れなんてないんだよ!!」
次回予告
魔力切れのない魔法のエキスパートのレオ達。ケフェウス達は彼らを前に、絶体絶命の危機に陥る。
次回 第46話 VS獅子の座




