第43話 王たる者
前回のあらすじ
赤髪の少女の作戦。それは自分の襲った大都市に『ペテルギウス聖騎士団』を呼び寄せるものだった。
黒髪の少女が、シルクハットの部屋に入り、机に手紙を置く。
「これ、あの子からの手紙。」
シルクハットは右手で紅茶の入ったコップを持ちながら、席に座る。
「ああ。ありがとうございます。さて、あの人は誰を選んだのか。」
シルクハットは手紙を取りだし読む。
「ほう。考えましたね。」
シルクハットはニヤリと笑った。
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アンドロメダが、ステラのいる書庫に向かった。
アンドロメダは書庫のドアを開け、ステラに頭を下げる。
「ステラさん。今回は、申し訳ありませんでした。」
ステラは、机に本を置くとアンドロメダの方に近づく。
「いや、問題がなくてよかった。私の方こそ、取り乱してすまなかった。」
ステラは照れるように頬をかいて目を逸らした後、真剣な顔でアンドロメダを見る
「しかし、今度からは気をつけてくれ。大切な人の体を腐らせてしまったのは、辛かったからな。お前にそんな経験はさせたくない。」
「分かりました。」
アンドロメダが答えた直後、書庫のドアが開く。
「メダ!やはりここにいたか!」
「ケフェウス!?」
「そんなに急いで、何かあったのか?」
書庫に入ってきたケフェウスは、ステラの疑問に答える。
「オリオンさんからの連絡で、騎士団全員『ポリマー』に出発だ。」
彼の答えに、ステラはやれやれと首を振る。
「ここのところ忙しいな。『エルナト』での石が本物で、一段落着いた頃だったが。」
「今回は『緊急救助要請』が出たらしい。メダも急いで準備してくれ。」
「う、うん。」
アンドロメダは、書庫を出るケフェウスを追いかける。
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ケフェウスとアンドロメダが、会議室へ戻ると、オリオン達は深刻そうな顔をしていた。
「メダを呼んできました!あれ?皆さんどうしたんですか?」
ケフェウスの質問に、ポルックスが答える。
「出ました、占い。襲われます、この国、再び。」
「何!?」「うそ…。」
ポルックスの答えに、ケフェウスとアンドロメダが驚く。
「また、チーム分けをしなくてはな…。」
オリオンが深刻そうな顔で言う。
会議室の中にも、緊張感のある空気が流れる。
しかし、そんな空気を壊すかのような、明るい声が現れる。
「やぁ、やぁ。みぃんな深刻そうな顔をして、どうしたんだぁい?」
声の主は、会議室に入ってきたヘラクレスだった。
「ヘラクレスさん!実は『ポリマー』から要請が来たのだが、『シェダル』が再び襲われると占いが出てしまってな。」
オリオンが説明をすると、ヘラクレスが笑顔で答える。
「だかぁら。そぉういう時は僕達に頼ってくれて構わなぁいよって。『シェダル』はちゃぁんと守っておくよ。」
ヘラクレスの答えに、オリオンはお辞儀をする。
「本当ですか!感謝します!」
「とこぉろで、さっき、占いって言ってたけど、『ペテルギウス聖騎士団』には占い師がいるのかぁい?」
「ああ。そこにいる…、」
オリオンが説明しようと、ポルックスの方を見るが…
「あれ?ポルックスはどこ行った?」
彼女はその場にいなかった。
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ケフェウス達、『ペテルギウス聖騎士団』はポルックスを探しだし、『ポリマー』へと向かった。
なお、ポルックスは城の門におり、会議室に居なくなった理由は、「苦手です、ヘラクレスが。」との事だった。
騎士団は、『ポリマー』に続く近道である、深い森へと足を踏み入れる。
30分ほど進んだ時、木々の間から、大きな火の玉が騎士団を襲う。
「危ない!」
すぐに、火の玉に気づいたアンドロメダの叫びで、騎士達は火の玉を回避出来た。
火の玉は、騎士の後ろにあった木に当たり、辺りを火の海にする。
オリオンが叫ぶ。
「誰だ!?」
その叫びに答えるように、火の玉が出てきた方角の炎から、人影が見え始める。
その火は、突然現れた水によって消され、消火された木から黒装束が現れる。
他の黒装束の前にいる、フードを脱いだ銀髪の少年が、金色の目で騎士達を睨み、話し始める。
「僕は、『星神教十二座集獅子の座』。民を守りし、最強の王。『レオ』だ!」
次回予告
占いにも映らなかった獅子の座、レオの襲撃。それには、赤髪の少女の考えがあった。
次回 第44話 拝啓、くそシルクハット




