第41話 乙女の覚悟
前回のあらすじ
武器を飛ばされ、殴り合いとなったオリオンとタウルス。タウルスが『星神教』に入った理由を聞くと、城の中に『流星』を集め、世界を征服しようとしている人がいることを話す。犯人の名を話す前に、タウルスはヘラクレスに倒されたのであった。
オリオンは剣を拾い、ヘラクレスに言う。
「助けてくれたことに感謝します。ですが、『星神教』についての情報が手に入れられそうだったのですが…。」
ヘラクレスは、オリオンの言葉に、笑顔で答える。
「オリオン君。相手は『ペテルギウス聖騎士団』を裏切った男なのだろぅ?そぉんな男の言葉なんて、虚言だぁよ。」
突如、5人の『星神教徒』が、ヘラクレスを背後から襲う。
ヘラクレスは振り向きざまに薙刀を振り、『星神教徒』を斬り裂いた。
——————————
オリオンやタビト、『アルゲティ親衛騎士団』達が、死んだ『星神教徒』の処理をし、『シェダル』の民を都市へと返す。
そうしているうちに、ケフェウス達が『シェダル』に戻ってきた。
「お?ケフェウスにアンドロメダ!それにベラトリクスも。無事だったか。」
オリオンが笑いながら彼らを迎え入れる。
ベラトリクスがそれに、笑顔を返す。
「いや。無事じゃなかったんだがな。腕利きの治癒魔法使いが居てくれたんだ。」
彼女の言葉に、オリオンは不思議そうな顔をする。
「ん?どういうことだ?」
彼の質問に、ベラトリクスとアンドロメダが顔を合わせ、「へへっ。」と笑い、オリオンを見る。
「それについては、謁見の間に行きながら話そう。」
ベラトリクスが笑顔のまま、オリオンに言った。
——————————
謁見の間に集まったのは、カシオペアの前に、オリオンとベラトリクス、タビトとヘラクレス、そしてケフェウスとアンドロメダ。部屋の左端の机に、ステラ。
「おお!皆の者。無事だったか。」
カシオペアが謁見の間に集まる騎士達を見て、笑顔を見せる。
「んま、重傷者が出るには出たけどねぇ。」
彼女の言葉に、ベラトリクスが言った。
「『ペテルギウス聖騎士団』の兵士は10名ほど殉職。ついでに、大けがを負ったものがアタシを含め、20名ほど。最もそっちは、優秀な治癒魔法使いに直してもらったがな。」
ベラトリクスの言葉に、ステラが興味を示し、読んでいた本をたたんだ。
「優秀な治癒魔法使い?誰だそれは?」
「誰って。お前が教えたんじゃなかったか?アンドロメダだよ。」
きょとんとした表情のベラトリクスに紹介され、照れるアンドロメダ。
そんな彼女を見て、ステラがベラトリクスに問う。
「大けがを負ったと言ったが、どのような怪我をしたんだ?」
ステラに問われて、ベラトリクスはきょとんとしたまま答える。
「アタシは脚を切り落とされた。他の者も、腕や脚を切り落とされたな…。」
ステラは、彼女の言葉を聞いて、叫んだ。
「今すぐ、患部を見せろ!全員だ!」
ベラトリクスや『ペテルギウス聖騎士団』はその剣幕に圧倒され、「はい!!」と慌てて返事をし、ステラの前に並ぶ。
ステラが全員分の治療場所を確認すると、「ほうっ。」とため息をつき、再び椅子に座る。
「特に問題はないようだ。しかし、アンドロメダ!お前に許可したのは応急処置までだ!下手な治療はむしろ被害を悪化させるんだ!気を付けろ!」
今までの彼女からは想像もつかない焦った姿に、アンドロメダは涙ぐみながら「ごめんなさい。」と謝る。
それを見て、ステラはテーブルに肘を乗せ、頭を手で抑える。
「はぁ。取り乱してすまない。」
その場にいた全員が、ステラの変わりぶりに驚いていた。
——————————
「お二人共にお死にになりました。」
『十二座集』の7人は、キャンサーとタウルスの襲撃の日に、会議室に集まっていた。
そして今、眼鏡をかけた子供から彼らの死が伝えられた。
「2つ同時奇襲も駄目でしたか…。」
シルクハットの男が、額に手を当てる。
「困ったものです。もしかしたら、あの秘策を使う羽目になるかもしれません。」
彼の言葉に、帽子をかぶった女性が机を叩き立ち上がる。
「それだけはダメッスよ!自分はあの計画。絶対したくないッス!」
彼女の言葉に、シルクハットはため息も漏らす。
「ええ、私もあの作戦は行いたくありません。ですが、どうしたものか…。」
頭を抱えるシルクハットを見て、目をつむり深呼吸をする赤髪の少女。
そして、彼女は真剣な眼差しを彼に送る。
「アタシ様に作戦があるですの!」
次回予告
十二座集に伝えられた、赤髪の少女の『対ペテルギウス聖騎士団』戦略。それには、あまりにも危険で捨て身の作戦だった。
次回 第42話 ヴァルガリアの思い




