第4話 十二座集全体会議
「はじめましょう、『十二座集全体会議』を。」
黒装束が12人揃い、『十二座集全体会議』が始まった。
「まず、皆様に、良いお知らせがあります。
つい先程連絡があり、アクエリアス君が持ってきてくれた石が、本物の『流星』だったことが判明しました。これで7つ中3つの『流星』が手に入りました。
皆様、アクエリアス君に拍手を。」
シルクハット男はそう言うと、アクエリアスに向かって拍手をする。
黒髪の少女も軽く拍手するが、他の人達は何もしない。
「しかしまぁ、いつも早く、素晴らしいお仕事ですね。」
「当たり前だろ?何事も効率的に早くこなすのが普通だ。
だから、毎回3分遅れて始まるこのクソみたいな会議も、正直いらないと思っている!」
アクエリアスはイラついた顔でそう言う。
「で、ですけどね、『十二座集』同士、情報の共有は必要でしょう…」
「要らねぇよそんなの!!
お前らが足引っ張らなきゃ、集まりきってんだよ!」
アクエリアスの、その言葉を聞き、立ち上がる赤髪の少女。
「はぁ⁉お前ごときがアタシ様より仕事が出来るって言ってる訳!!ですの。
調子に乗りすぎじゃない!!ですわ。」
それを聞き、アクエリアスも立ち上がる。
「実際、お前より俺のが『流星』も、ただの石も手に入れてんだろ!!」
「お2人とも、落ち着いてください。」
シルクハット男が、慌てて2人を止める。
白いアフロ髪の男が、机につっぷしながら言う。
「そうそう、もっと落ち着いて、ゆったり行こうよ。」
その言葉に、アクエリアスと赤髪の少女が、怒鳴る。
「お前はゆったりしすぎなんだよ!!」
アクエリアスは、椅子に座りながら言う。
「そもそも、このねぼすけ野郎がヘマしなかったら、俺らの事は『シェダル』の犬共に伝わらなかったんだよ。」
「まぁまぁ、それであの正義ヅラした騎士共を潰せるんですから、いいじゃないですか。」
シルクハットの男のその話を聞き、眼鏡をかけた子供が、狂ったような笑い声を上げる。
「そうです。どちらにしろ騎士サマには『もれなく弾丸20発無料プレゼント』する予定でした。」
アクエリアスは呆れた態度をとる。
「恨みつらみで仕事をするなよ…
だがな、あの犬共のせいで俺はより早く仕事をしなきゃならなくなったんだ。村の小僧に5分足止めされたせいで、あの犬共に俺の部下が2人やられたんだ。これは相当な損害だよ!!」
「それで、その坊やは殺したのですか?」
シルクハット男は、手を組み静かな声で話した。
「いや、生きてるな。」
アクエリアスのその話を聞いて、にやりと笑うシルクハット男
「ふふふ、なるほど。
それでは、その坊やは騎士共に協力するでしょうね。
厄介ですねぇ、普段獣を相手にする田舎のお坊ちゃんは、今までのようにはいかないでしょう。
アクエリアス君、今後その子に会う時はお気をつけて、貴方の能力が知られてるなら、騎士共では思いつかないような事を、してくるかもですからねぇ。」
「うるせぇな!!俺に説教するなよ!!」
そういうと、アクエリアスは勝手に部屋を出ていった。
「ちょ、ちょっと勝手に行かないでください!!」
「それじゃあ、アタシ様も帰り・・・ますわ。
アクエリアスに馬鹿にされたままじゃ、居られねぇから。ですわ。」
「んー、僕も眠いから帰る。」
赤髪の少女と白アフロも席を立つ。
「ちょ、お二人さん!?」
「ダメだこりゃ…」
黒髪の少女は呆れ返る。
3人が部屋から出ていき、『十二座集全体会議』は終わりを迎えた。