第39話 契約
前回のあらすじ
巨大な筋肉により、オリオン達を蹴散らすタウルス。
彼がヘラクレスを、攻撃しようとした時、巨大な火の玉が落ちてくる。
「やっと、来たのかぁね。」
ヘラクレスが、後ろを見る。
その、城の上に虹色の髪を持つ少女が立っていた。
「ステラ⁉」
オリオンが驚きの声を上げると、タウルスがその方向を見る。
「書庫に住んでいた少女じゃないか。そんなところで何をしている。」
「ここは戦場だぞ。ここに来る理由など一つではないか。」
ステラが、タウルスを見下ろしながら言った。
「女が、遊びで来るところじゃないと知っての発言だな?」
タウルスがにらみを利かせるが、ステラはそれにビビることはない。
「当然だ。遊び半分でこんなところに来るわけがない。契約の元、貴様の始末に来た。」
「始末だ?それに契約?何の話だ。」
「この国の前代の契約の元、私はこのチャラ男を守らなきゃならないんだ。」
その言葉に、ヘラクレスが笑う。
「ひどい呼び名じゃあないかぁ。まぁ、そういうことだぁよ。我が女王さまの父が優しくてぇね。女王さまを守る僕を守ってくれる腕利きの護衛をくれたんだぁよ。」
「というわけだ、さっさと出ていきなさい。」
ステラが指を鳴らすと、城の後ろから巨大な岩が連なり、人の形をしたものが姿を現す。
「これは⁉」
タウロスが、驚いていると、ステラが言う。
「ゴーレムだよ。岩に土魔法をかけ、作り出した人形。こういう時のために手ごろな岩を隠しておいてたのよ。」
ゴーレムが拳を落とし、数々の黒装束を押しつぶす。
さらにゴーレムは、拳をタウルスに振り落とそうとする。
「うおぉぉぉぉ!!」
タウルスはそれを避けることなく、筋肉をさらに肥大化させ、ゴーレムの拳を受け止める。
「ほう?これを素手で受け止めるとは、随分と命知らずな男だな。」
ステラは、タウルスの行動を見て感心するように言った。
そして、ステラが腕を上げる。
「しかし、後先考えない行動はよろしくないな。」
タウルスの足元から水が吹きあがる。
「ぐはぁ。」
打ち上げられたタウルスを追いかけ、走るヘラクレス。
「ふ、これで終わりだぁね。『天ノ川』。」
タウルスの体が、水柱で吹き飛ばされる。
しかし、タウルスは空中で姿勢を戻し、着地する。
「へぇ?これを受けて立つなんて。タフだぁね。」
「そりゃどうも!」
タウルスが、着地の姿勢から、ヘラクレスに向かって突撃する。
タビトが、ヘラクレスの前に行き、その突撃を止める。
「悪いねぇ。」
「いえ、先程の恩返しです。」
タビトは、次の攻撃が来る前に、盾を使ってタウルスを押し飛ばす。
「ちっ、厳しいな。仕方ない。ここまで力を出して、どうなるか分からないが!!」
そう言って、タウルスは雄たけびを上げる。
そして彼は、もはや、筋肉の怪物と化していた。
次回予告
『鋼鉄の体』を完全に開放して、筋肉の怪物となったタウルス。彼の一撃をオリオン達はどう対応するのか。
次回 第40話 タウルスとの決戦




