第38話 VS牡牛の座
前回のあらすじ
『シェダル』に『星神教十二座集牡牛の座』を名乗る、『タウルス』が現れる。彼は、街の者を逃がし『ペテルギウス聖騎士団』に宣戦布告をする。
「『星神教』だと、貴様!突然、騎士団をやめたと思ったら、『星神教』に入ったのか!!」
オリオンの言葉にタウルスが答える。
「ああ、その通りだ。」
「なんでそんな、悪逆非道な組織に入ったんだ!」
「『流星』を手に入れるために、入っただけだ。」
「貴様!己の欲の為に悪魔に魂を売ったか!」
「真の悪党を倒すためさ。さぁ、『流星』を渡して貰おうか!!」
タウルスが、拳を構える
「武器もなしに、俺たちに立ち向かうか。」
「武器はあるさ。」
タウルスが力むと、筋肉が少し大きくなる。
「『鋼鉄の体』。筋肉を一時的にキープして、常人以上の筋肉を得ることが出来る。この筋肉こそ、俺の武器だ!!」
タウルスが、オリオンに近づき拳を振るう。
オリオンが盾で身を守るが、勢いに押され盾を落とす。
「くっ!」
「さて、奇襲のお返しは済んだ。お前達、戦闘開始だ!」
黒装束が槍を構え、城に走る。
「『流星群』」
その声と共に、黒装束達は吹き飛ぶ。
その声の主は、ヘラクレスだった。
「甘っちょろい兵隊だぁね。」
薙刀をクルクルと回し、金髪を揺らすヘラクレスを見て、タウルスが笑う。
「ほう?『アルゲディ親衛騎士団』のヘラクレス殿まで、相手せねばならんか。」
「おやおやおや?僕の事を知ってるなんて驚きだぁよ。」
「俺のことは知らねぇってことか。」
「1度あってたぁけ?」
「元・オリオン殿の部下だな。」
拳を構えて走り出すタウルスを相手に、薙刀の刃に土の魔法を使うヘラクレス。
「裏切り者は覚えてないねぇ。『流星群』。」
複数の土の刃が、タウルスを襲う。
タウルスが、ヘラクレスと距離をとると、オリオンがタウルスに向かって剣をふる。
しかしそれは、タウルスに当たる前に止められた。
「何!?」
オリオンの驚きに、タウルスは笑う。
「ふっ、『聖なる剣』。頭に角を生やす能力。地味だと思ったが使いようだな。」
タウルスは、角で頭に降りかかる剣を受け止めた。
そして、強烈な右ストレートを決める。
「くっ…」
「その程度か!」
タウルスがさらに、角をオリオンに向け、突進する。
オリオンはそれを、拾った盾で受け止める。
しかし、その後タウルスから、入れられた蹴りによってオリオンは崩れる。
「おやすみなさい。元・団長」
タウルスが、オリオンの後頭部に、裏拳を叩き込む―――
寸前で、大きな音と共に、弾丸がタウルスの方へ向かう。
タウルスはそれを避けて、弾の出処を探る。
「ほう、タビトさん。アンタでしたか。であれば、今の弾はわざと音がなる弾ですね。」
銃槍を構えたまま、動かないタビトを見て、タウルスが言う。
「いい弾ですね。気を引いて、仲間を守るのに適している。だが―――」
タウルスは、タビトに向かって走る。
「俺は、売られた喧嘩は買う性分なんですよ!!」
タウルスが、タビトに何度も拳を浴びせる。
タビトは、大盾でそれを受けるが、反撃を行うタイミングが掴めない。
「『天ノ川』。」
ヘラクレスが、タウルスに向かって、槍を振る。
槍で斬られた地面は、水柱を上げ、タウルスからタビトを守る。
「すみません」
「いいよ、いいよぉ。」
謝罪をするタビトに、ヘラクレスは笑顔で返す。
「今度の相手は、アンタか?」
タウルスが、ヘラクレスに向かって走る。
「野蛮だぁね。」
ヘラクレスが、槍を構える。
そして、タウルスの目の前に、巨大な火の玉が降り注ぐ。
「なんだ!」
ヘラクレスは、慌てて後ろに下がる。
他の者も慌てる。ただ1人、ヘラクレスを除いて。
「やっと、来たのかぁね。」
次回予告
タウルスの目の前に、降り注いだ火の玉。それを放った相手は、虹色の髪の少女だった。今、明かされるヘラクレスと少女との間にあった契約とは。
次回 第39話 契約




