表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/68

第3話 巨大都市『シェダル』

 ケフェウスとアンドロメダは、騎士達と一緒に、『シェダル』についた。


「『ペテルギウス聖騎士団』の帰還だぁ!!」


「お疲れ様です!!」


 都市は、騎士団の帰還を喜ぶ人の声で、溢れている。


「結構、慕われてるんですね。」


 ケフェウスがそう感想を漏らす。


「ああ、私たちは、都市に悪さをする悪人たちを、退治しているからな。都市の人たちが、みんな笑顔で迎えてくれる。その笑顔が、私は好きだ。」


 オリオンは笑顔で答える。


「そうなんですね。」


 アンドロメダも状況に驚きつつ、話す。


「とりあえず君たちは、私たちと一緒に『カシオペア』女王の所へ来て欲しい。」


「はい。」


 ケフェウス達は都市の奥にある城へと進んでいく。


 ——————————


「『星神教(せいしんきょう)』は、『流星(りゅうせい)』を持った状態で、逃がしてしまいましたが、その村の生存者が、ついてきてくれました。」


 オリオンは、ケフェウス達を紹介する。


「俺は、ケフェウスです。こっちはアンドロメダです。」


 アンドロメダは、目の前の女王にお辞儀をする。


「お辛い中、よく来てくれました。ケフェウス、アンドロメダ。私は『シェダル』の女王、『カシオペア』です。

 辛いこととは思いますが、襲撃してきた人達の情報を頂けますか?」


 カシオペアの質問にケフェウスは答える。


「はい。

 あいつらは『星神教十二座集水瓶せいしんきょうじゅうにざしゅうみずがめ()』、と言ってました。」


「『水瓶(みずがめ)()』、だと!?」


 騎士達の驚きの声が広がる。


「どうしたんです?」


ケフェウスのその質問に、オリオンが答える。


「『十二座集(じゅうにざしゅう)』と名乗る輩はかなりいてな。名前の通り12人いると思われる。

 その中で最も被害が多く出てるのが、『水瓶(みずがめ)()』なんだ。

 もし、あいつだけが動いてたら我々は、『星神教(せいしんきょう)』の企みすら、分からなかったと言っても過言ではないぐらい、あいつらは完璧に目的を果たす。

 やつの情報はかなり重要だ。」


「そうなんですね。それじゃあ、あいつの事を重点的に話します。

 あいつは『アクエリアス』、と名乗ってました。

 俺が村に帰ってきた時には、黒装束の人達だけで、アクエリアスは少したってから来ました。「早く『流星(りゅうせい)』を取ってこいよ!」と怒った様子で。

 そして、あいつが片手で村長の首をつかみ、俺に向かって水を出してきました。俺は避けたのですが後ろの人に当たり、その人の首は取れてしまいました、そして村長はミイラになってました。」


「やつの出した水滴に当たった兵士も、まるで銃弾でも当たったかのような傷をつけて、死んでたな。」


 オリオンはあの惨劇を思い出していた。


「『流星(りゅうせい)』ってなんなんですか?」


 ケフェウスがそう聞くと、カシオペアが答える。


「『流星(りゅうせい)』は天から降ってきた1つの隕石で、地に落ちる時に7つに割れたものだ。あの石を再び7つ揃えくっつけると、どんな願いも叶うとされている。

 ただの言い伝えだが、村や都市が危険にさらされる為、我らはやつらの動きを止めようとしている。

 まぁしかし、どこに本物の『流星(りゅうせい)』が落ちたかも分からず、奴らに先を越されるしまつだがな。」


 カシオペアが、少し落ち込んだ声で言っていると、突然ケフェウスが勢いよく声を上げた。


「俺達にも手伝わせてくれませんか?」


 周囲の人達は、その言葉に驚く。


「俺達の村みたいな惨劇を、繰り返させたくはありません。それに、失礼ですが、アクエリアスの戦い方は俺達の方が、見ているようですし。」


「馬鹿を言うな!君みたいな子供が行った所で、何も出来ず死ぬのがオチだ!」


 オリオンは、真剣な顔でそう叫び、周りの騎士たちも、それに同意していた。

 しかし、赤髪の女騎士だけは、手を頭の後ろに置きながら適当な感じで意見をする。


「いいんじゃない?実際その子の方が、『水瓶(みずがめ)』の兄ちゃんのこと知ってるし。その子の気持ちを無下にするのは、どうかと思うなぁ。

 あぁ、けど、戦場に出たら、自分の身は自分で守ってね?それまでなら、いくらでも訓練に付き合うけどねぇ。」


「ベラトリクス!そんなふざけたことを言うな!」


 オリオンは怒鳴るが、カシオペアは少し悩み…


「いや、ベラトリクスの意見も一理あるかもしれん。

 しかし良いのかケフェウス。戦場では、いつ死ぬか分からぬぞ」と言う。


「もちろんです。村を燃やしたあいつらを許すわけにもいきません!」


 ケフェウスは、怒鳴るように答える。


「わ、私も・・・」


 アンドロメダは、恐る恐る手を挙げる。


「ケフェウスが行くなら、私も。

私、弓しか使えないけど…あの人たち許せないから。」


 オリオンはそれを聞いて少し考え、


「仕方ない、ケフェウス!アンドロメダ!

 我々と、共に戦ってくれるか?」


 2人は元気よく答える。


「はい!」


 ——————————


 暗い部屋、真ん中に丸いテーブルがあり、それを囲むように、11人の黒装束を着た(頭巾は取っているが)人達が、座っている。

 そのうち1人はアクエリアスだ。

 アクエリアスは、イラついた態度で、水を飲んでいる。

 それを見て、シルクハットを被った男が注意する。


「アクエリアス君、君の力が、水分を使うもの、だっていうことは知ってますが、さすがにそんなに飲んでは…」


「身体に悪い。」


 シルクハットの男の話を遮るように、もしくは言いきれない彼の言葉を代弁するように、黒髪の少女が言うが、それを聞きアクエリアスは、よりイラついた顔をして怒鳴る。


「うるせぇな!イライラして喉が乾くんだよ!水!!」


 アクエリアスは、後ろに立ってた黒装束に持ってるコップを渡す。

 黒装束が水を汲みに行こうと、ドアに近づく。

 突然ドアが開き、そこから白いアフロの男が現れる。


「ごめーん、待ったかなぁ。」


「おせぇんだよ、ねぼすけ野郎。お前のせいで、重要な3分、が無駄になったんだよ。」


 怒鳴るアクエリアスを、シルクハットが止める。


「ま、まぁ、ちゃんと揃ったんですし、はじめましょう。

十二座集全体会議じゅうにざしゅうぜんたいかいぎ』を…」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 水滴の謎や流星の謎が少しずつ開示されてきて、俄然、興味が湧いてきました。 他の十二座集のキャラが楽しみです。 2話&3話は更新前と比べて、劇的に改善していました。 [一言] 更新前と比べる…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ