表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

いろいろな短編

ゆめ工場で業務上横領のは何が悪い

作者: ださいやさい

僕も遂に、つまらない大人になった。いつからつまらなくなったのか?覚えられなくかった。


就職氷河期で仕事に努めたのは、ありがたい話だ。命を賭けて、やっと見つかった勤め先は、なんとゆめ工場だった。マネージャーは精霊、ボスは白雪姫、シンデレラも共同経営者らしい。けど、あくまでも都合上の話だった。マネージャーより偉い人を見たことすらない。


僕のいる部署は5人で、半月に1回のペースでシフトが組んでいる。毎日12時間、生産ラインで立ちこんで、ゆめを組み立てるばかりだった。基本的に公休日以外に休みがなく、初勤務の8月は30日間も働いた。


こんな数日、数ヶ月、数年間もあっという間に過ぎて、僕もベテランになって、ラインリーダーになって、新人の研修指導にも任された。でも、マネージャーより偉い人をまだ一度も見たない。


ある日、生産ラインに不具合があって、私はマネージャーの指示でラインを止めた。サボる余地なく、すぐに不良品のゆめをラインから取り除く作業が始まった。不良品のゆめがときにぷにぷにで、ときにマシュマロのように柔らかい。優良品のゆめを触ることが禁じられたから、今回は初めてのゆめ触りだ。


触って、ゆめの値段が高いから、工場を出たとしても、買ったことない。こうしたことから、一度もゆめを試したくなる。目を閉じて、思い切って不良品のゆめに潜り込む。

目覚めたら、生産ラインの影ですらなくなった。


朝日と手を左右に振り、夕陽を眺め、青空の下で静かに佇み、気流に体を触れ合われるのは何年前のことだろう?こんな僕が仕事を考えずに、見渡す限り果てしのない草原で朝から晩に立った。

夜になって、流れ星が空を横切り、光が私の目を刺したようにまぶしい。


「夜明珠を割ったら、元の世界に戻るよ」

再び目を開いたら、隣に話せる象がいた。「夜明珠」という黒くて紫の光のあるたまが渡された。

「お名前は?」

「夜明珠を割って再び会ったら、教えてあげる」

突風が象を吹き飛ばした。


僕が夜明珠を持って、一夜中前に歩き続いたら、宙に浮かぶ駅があった。

「アルファ-9527小惑星への列車に乗りたい?夜明珠をきっぷと交換したら、乗れるよ」

ダフ屋の白ウサギが声掛けてきた。

ウサギに夜明珠を渡すとき、割った。

あたたかい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] ゆめってどんな触り心地なんでしょうね^_^
2023/12/18 16:19 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ