記憶
あなたは、記憶に対してどのような認識を持っていますか?
記憶とは、とても不確かな情報で、最も大切な情報だと私は考えます。それは何故か、と説明する前に一つ、世界五分前仮説をご存じでしょうか?
世界五分前仮説を簡単に解説すると「世界は5分前に作られて、5分前以前のすべての記憶や記録は、辻褄が合う様に作られただけで実際には起きていない」という仮説です。とても突飛な考え方ですが、その性質上否定も肯定も証明することはできません。
この世界五分前仮説を用いて私は何を言いたいのかというと、基本的に記憶なんてものは不確かであやふやで、何の信用も置けないという事です。今見ていることは夢なのかもしれないし、自分はとんでもない馬鹿ですべてを間違って認識しているかもしれないし、すべては妄想なのかもしれない。
私が最初にこの考え方に行きついた時、こう思いました。なぜ生きているんだろうか、と。私は友達とゲームをしている時間が至福です。その至福を感じるために生きているといっても過言ではありません。ですが、それがすべて妄想で虚空な物だったのならば、私は次の瞬間息する必要はありません。
ですが、たとえ5分前に世界が作られていようと、上位存在を倒して自由を勝ち取ることなんてできないし、夢から覚めることもできません。なので私たちのようなただの人間は、今目の前にある世界が本物だと妄信して、あの日あの時あの出来事は事実なんだと、本物なんだと大事にすることしかできません。つまり、記憶とは、とても不正確で最も大切な情報であるという事です。