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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
98/404

81話 事後処理

お疲れ様です。


81話です。

今回の話はタイトル通りの事後処理ですね。

ギルマスとの一件でどうなるのか?


ブックマークや感想など宜しくお願いします。

夜中のアップはいつも通りなので、そちらも宜しくお願いします。



それでは、81話をお楽しみ下さい。

サウザーとアンナの提案により、

冒険者ギルドの二階にある会議室で話し合う事になった。

すると・・・

「主~・・・ワシ、寝といてもええですかね?」

「まぁ~別に構わないけど・・・どうした?」

「正直言うと・・・興味ありませんわ」

「わ、わかった・・・」

「おおきに主」


そう言うと、白斗はアイテムバッグ中に入って行った。

(あいつ・・・こんな所で寝てたのか・・・知らなかった)

「あっ、ところで何でサウザーさん達がこんなに早くこれたんだ?」

サウザーが「ニヤリ」と笑うと・・・

「私達はグラフィス殿達を途中まで送りに行っていたのだよ?

 その帰りの途中でこの折り紙の梟が私達の所へ飛び込んで来たんだ」

「ああ~・・・俺の魔力が入った魔石を所持していたからですね?」

「そう言う事だよ♪」


そんなやり取りが終わり関係者一同が席に座ると、

サウザーが代表して話を仕切る事になった。


「えー、まず事の発端はなんだね?」

事の発端となる話を、目撃者などを含め聞き取り調査して行った。

「つまり、ゴロツキ共の事が発端となった訳なんだが、

 ユウト君・・・君はただ対処しただけと言うんだね?!」

「はい、殺すとまで言われましたからね?」

悠斗はそう言いつつ、ゴロツキ共を睨んでいた。

ゴロツキ共は言い訳を始めたが、目撃者多数な為、有罪が簡単に決定した。

「この場合は金銭をユウト君とギルドに支払うのが筋と言うものね?

 私としては、こんな連中追放処分でもいいのですけど・・・

 盗賊にでもなられたら面倒ですものね?」


ゴロツキ共を睨みつつ処分については妥当だとアンナは判断した。

「さて・・・問題は此処からだね」

ギルマスはずっと俯いたまま、青ざめていた。

「ギルマス・・・いや、ウェズン。君はどうしてこうなったのかわかるかね?」

「はい、このクソガキが・・・い、いえ、ユウト・・・さんが・・・

 冒険者をボコボコにしていたもので・・・」

ギルマスが言い訳を始めると、イリアやそれを見ていた者達から

異議が持ち上がった。

すると受付に居たポーラが説明しはじめた。

「私はギルマスを呼びに行き、事情を説明をしはじめると、

部屋から飛び出て行きました。全部話し終えていませんでした」

「全部と言うのはなんだね?」

「えっと・・・それは・・・」


ポーラは何やら言い淀んでいると、サウザーとアンナはそれに気付き、

悠斗に視線を送った。

悠斗はため息をつきながらも頷いて見せると・・・


「えー、これは重要機密事項なのだが・・・

 もし、それを口外する者は、極刑となりうるので、

 自信がない者達は部屋から出たまえ」

サウザーは極刑だと言い切ったのだが、誰一人、会議室から退出しなかった。

「わかった・・・ポーラ君、続きを話したまえ」

「はい。ユウトさんのステータスの事を伝える前に飛び出しました」

「本人の許可は取ったからステータスについて話して下さい」

ポーラもまた「どうしてこんな事に・・・」と、溜息を吐いていた。


「ユウトさんのステータスには、こう書いてありました。

 創造神の使徒・・・と。それと、神々の加護も複数ありました」

それを聞いた複数の冒険者は驚愕する事しか出来なかった。

その中には、悠斗に対して祈りを捧げる者達も少なくなかったのである。


「ウェズン・・・紹介状をユウト君が渡したとして、

 君は信じる事があの状況下で出来たと思うかね?」

そう聞かれたギルマスは首を振るしか出来なかったのだが・・・

「正直それはわかりません。私もかなり頭に血が昇っていましたので・・・」

「どうしてあなたはすぐ頭に血が昇るのですか?昔からそうですっ!」


ギルマスとして器が小さいとアンナから苦言を言われ再び落ち込んでしまった。

「さて・・・ユウト君、どうして紹介状を渡さなかったのかね?」

「そうですね。人の話を聞かない方でしたので、紹介状を出しても

 破られる可能性があったと思い、出しませんでした。

 それと、最初に出さなかったのは、冒険者登録の後でも問題ないと思ったからです」


「ふむ、ユウト君・・・ウェズンに対しての君の態度はどうたった?」

「はい、多分普通の対応だったと俺自身は思っています。

 登録もしていない状況で二階に来い、これは命令だ・・・

 そう言われたらどう思いますか?

 そして拒否したら、俺だけではなく、イリアの登録までもなしだと言われました」

両方の言い分と、それを見ていた者達の証言を元に、

頭を悩ませるサウザー達だったが・・・


「うむ、確かにユウト君の判断は正しいとも言えるが、

 私自身、最初から紹介状は提出すべきだと思っている。

 そして、ギルマス・・・君がやった事は職権乱用だ。反省したまえっ!」


続いてアンナが話を始めた。

「個人的には色々と申したい事はありますが・・・

 今回の事は和解で済ませませんか?」

悠斗もウェズンも首を捻る。

「今回の事は水に流して、もう一度最初からやり直しませんか?

 つまりはそういう事です」

悠斗はアンナが何を含んで言っているのかを理解した。

「分かりました」

するとウェズンも「分かりました」と、言って手打ちとなった。


会議を終えそれぞれが戻って行くが、悠斗達とギルマス達は残るよう言われた。

「ふぅ~・・・ユウト様・・・今回は私も流石に驚きましたよ?」

「ええ、私も慌てちゃって・・・」

「ははは・・・本当にご心配おかけしました」

そう言って深々と頭を下げた。


ウェズンは悠斗に話しかけた。

「す、すまねぇ・・・ユウト」

ウェズンの言葉に何故かアンナのまゆが「ピクリ」と反応した。

それを偶然見てしまったウェズンは・・・怯えてしまう。

サウザーがアンナを嗜めると、ウェズンは話を続けた。

「なぁ・・・こんな事言えた義理でもないんだが・・・

 登録はこの街でしてもらえないか?」

悠斗は少し考えつつ、仲間達の反応を見ると、全員が頷いていた。

「・・・分かりました。思うところはありますが、登録させて頂きます」


悠斗の言葉に安堵するウェズン達ギルド職員は・・・

「ギルマス・・・あの~?」っと、控えめに質問してきた。

「ん?何だ?何かあるのか?」

ポーラは少し緊張した面持ちで答えた。

「ユウトさんの・・・ラ、ランクは・・・?」


ポーラの質問に職員達は・・・「「「「「あっ」」」」」っと・・・。

その事についてサウザー達とも意見交換がなされた。

「ふむ・・・ユウト君の実力は使徒とだけあって、底が知れない・・・」

サウザー達は悠斗を見るが、当人は何処吹く風・・・

ウェズンはサウザー達に見てきたものを詳しく聞いた。


「・・・その話は本当の事なのですね?」

「ああ、実際に私達も見たし、ロジーが見たものはもっと衝撃的だよ?」

ウェズンは自分が犯した過ちに寒気がしていた。


サウザー達を含めたギルド職員全員がランクについて悩んでいると・・・

「あのさ・・・ランクは討伐ができるランクでいいんだけど?」

悠斗はこれ以上時間を掛けられないと思い、討伐依頼が出来るランクにしてもらおうと

サウザー達に申し出たのだ。


「えっ?ユ、ユウト様・・・そ、そんなランクでいいのですか?」

サウザーはもっと上のランクをと思っていたのだが・・・

「あまり上のランクだと、断れないクエストとかもあったりしますよね?」

「ま、まぁ~確かにそうなのですが・・・」

「俺はそういうの面倒臭いので・・・」


ウェズンもギルマスの立場上、上位ランクとして頑張ってもらいたかったのだが・・・。

そして再度、サウザーをはじめ、ギルド職員たちと話し合った結果・・・

「で、ではユウト様のランクは・・・Cと言うことで宜しいですか?」

「はいっ!あっ、イリアのランクは?」

ウェズンは再びイリアについても協議した結果・・・

悠斗と同じCになった。


悠斗はふと気になっていた事があった。

「なぁ~セルカ?お前のランクって?」

「にゃ?今頃どうしたのにゃ?」

「い、いや・・・そう言えば聞いてなかったなって・・・」

セルカはイリアを見ると何度も頷いていた。

「言ってなかったのにゃら、謝るのにゃ。私のランクはBなのにゃ♪」

セルカのランクを聞いて悠斗とイリアが黙ってしまった。


「にゃ、にゃんで・・・黙るのにゃ?」

イリアはセルカから目線を外して答えた。

「え、えっと~・・・正直・・・C・・・くらいかと」

セルカは再び悠斗を見るとイリアと同じ反応だった。


「にゃんだとぉぉぉっ!アシュリニャの街にその人ありと言われた

 この、セルカをCにゃんてっ!」

セルカの怒りっぷりに二人は慌てて謝罪するが、完全に拗ねてしまった。

「・・・あっ、でもさ・・・ステアって密偵とか言ってたけど・・・

 ランクってどれくらいだったんだ?」

ふと、悠斗はステアの事が気になってしまい思わず口から声がこぼれ出た。


すると・・・

「あっ?私ですか?」

「にゃぁぁぁぁぁぁっ!!」

「きゃぁぁぁっ!!」

突然セルカの背後からステアが出現し、セルカを含め多くの人達が絶叫した。

「ス、ステア・・・し、心臓に悪いにゃよ?」

「も、申し訳御座いません。呼ばれたので・・・つい」


グレイン達も声こそ上げなかったが、心臓は「バクバク」していた。

「な、何だよ、このメイドはっ!」

グレイン達もいきなり登場したメイドに文句を言っていた。

その言葉を聞いたステアは、一瞬にしてグレインの背後を取ると、

ナイフを抜いてグレインの首筋に刃を当てた。


その一瞬の出来事にグレインは喉を「ゴクリ」と鳴らす。

「わ、悪かった・・・す、すまねぇ」

A級冒険者が反応できない速度を披露する事になったステアは・・・

「ふぅ・・・。失礼致しました」

そう言って、ナイフを閉まった。

「このメイドすげーな?ユウトの仲間か?」

先程のグレインの表情とは違い、とても上機嫌な顔をしていた。

「いや・・・仲間って訳じゃないけど?」

あっさりと「仲間ではありません」発言をされたステアは、

膝から崩れ落ち、絶望的な表情をしていた。


そんな悠斗を軽蔑するような眼差しでイリアが注意した。

「ユ、ユウト・・・もっと空気読みなさいよ?

 見なさい・・・ステアのあの表情を・・・」

「ユウト様、それは言ってはいけない事なのにゃ~」


悠斗はステアがそこまで崩れるとは思っていなかったようで、

慌ててフォローしていく。

「いやいやいや、そ、そう言う意味じゃなくてさ・・・

 え、えっと~・・・お、俺の中では、仲間=パーティーメンバーって意味でさ?

 だから~えっと~・・・ステアはサウザーさんのメイドで・・・」

と、あれこれ言って見るのだが、ステアの絶望の表情は変わらなかった。


「ユウト・・・お前な~女心ってもんがわかってねぇーよ?」

グレインは悠斗に注意しているつもりなのだが、

その表情は、からかいたくてたまらない・・・そんな表情だった。


「ス、ステア・・・本当にごめん。俺は~そうだな・・・

 仲間と言うよりは家族・・・そうっ!家族っ! そんな感じなんだよ?」

するとステアの表情が明るくなると・・・

「か、家族ですか?」

「ああ、俺の中では・・・そう、アシュリナ家の人達はみんな家族だと思ってる。

 その中にステアも入っているからさ」

その言葉を聞いたステアは涙を流して喜んでいた。

そしてそれはまた・・・アシュリナ家の家族達も同様、とても優しい笑みが見て取れた。


サウザーは悠斗に近づくと・・・

「ユウト様・・・有難う御座います。そんなふうに思って頂けたなんて・・・

 このサウザー・・・誠心誠意忠誠を誓わせて頂きます」

目に涙を溜めながら、サウザーは悠斗と握手した。


流石に照れてしまった悠斗は、無理矢理話を変えると、

グレイン達に冷やかされていた。

「で・・・っ!ステアのランクって?」

「はい、私はAランクです」

「おぉ~」っと周りからどよめきが起る。


「にゃぁっ!私も頑張るのにゃっ!」っと、気合を入れると・・・

「セルカ様・・・私が現れるまで、気配に気付きましたか?」

「・・・・うっ。でもにゃっ!みんな気づいていにゃかったのにゃっ!」

セルカの言葉にステアは少し笑うと・・・

「ユウト様とイリア様はお気づきでしたよ?」

ステアの言葉にセルカ「がぁぁぁんっ!」と、今度はセルカが膝から崩れるのだった。


そして呻くようにセルカはつぶやく。

「わ、私だって・・・が、頑張るのにゃっ!ステアを超えるのにゃっ!」

その言葉にステアが微笑むと、手を差し伸べセルカを立たせるのだった。


そんな様子を見ていたギルマス達は・・・

「・・・にぎやかな連中だな」と、つぶやいていた。


そんなやり取りが無事終わり、ギルドカードも無事受け取ることが出来たのだった。

一階に降りてきた悠斗達を見る目は様々で、

怯える者も居れば、跪く者、陽気に話しかけてくる者など様々だった。

最初に絡んできたゴロツキ連中は、悠斗の口添えで保釈されたのだった。


悠斗達はサウザー達に別れを告げると外に出た。

「えっと・・・夜なんですけどぉっ!」

どっぷり日が暮れた町並みは、とても美しく明るかったのだが、

悠斗の心はどっぷりと曇り空だった。


(散策が出来なかった・・・)

己の不運さに悠斗は嘆くのだった。






ラウル ・・・ 今回は事後処理って事なんだけど・・・

ミスティ ・・・ ん?どうかされましたか?

ラウル ・・・ やはりアレだ・・・権力を持っている人には最初にステータスを・・・。

ミスティ ・・・ それを致しますと、もっとややこしい事になりそうな気が・・・

ラウル ・・・ じゃないと、悠斗君のトラブル体質が・・・><

ミスティ ・・・ もうそれは運命って事になるのでしょうね?

ラウル ・・・ よしっ!運命神になんとかさせようっ!

ミスティ ・・・ あの子に頼るのですか?

ラウル ・・・ おやおや、彼女が嫌いなのかい?

ミスティ ・・・ ・・・・ラウル様のほうがましですわね?

ラウル ・・・ 僕を引き合いに出さないでもらえるかい?

ミスティ ・・・ ふふふ♪



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] ひとつクリアするのに時間かかりますねー(笑) 15歳スタートでも時間足りないのでは?(笑) 悠斗もエルフみたいに寿命が長いといいのにですねー♪ まだまだ先が長そうですが、これからも頑張っ…
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