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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
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8話 模擬戦

何故か急に隣の部屋の天井から水が・・・

まるで打瀬湯のように「ジャー」っと

夜中に調べに来てくれた業者さんありがとう。

でもどうすることもできないので床にバケツを置いたまま・・・

廊下側から見たその光景はとてもシュールでした。

 上の人・・・一体何をやったのでしょう。


ってことで、8話です。お楽しみ下さい。

「悠斗君、一度僕と模擬戦をしてみないかい?」

ラウルが威圧をかけながそう言ってきた。

悠斗はその申し出を受けることにした。


「わかりました。でも急にどうして?」ラウルは「ニヤッ」っと笑うと・・・

「いや~なに、君の実力が知りたいし、「気」について興味があってね」

にこりとしながらラウルは続ける。

「それとさ、身体能力とかは悠斗君と全く同じにしたから」

(神ってやっぱりなんでもアリ・・・だな)


呆れる悠斗だが、ラウルとの戦いには興味がある。

(ってことは・・・「気」を使った戦闘がご所望ってことかな?)


「・・・で?ルールはどうする?」

そう言うと腕を組み「うーーん」と、考える・・・

「武器は剣のみで魔法はなしってことで」

そう言うと、ラウルは自分のマジックボックスから

ロングソードを2本取り出した・・・。


「ほいっ」っと言って悠斗に1本渡す。

悠斗はロングソードの重さと形状等確認していき、

「ちょっと素振りしてからでもいいですかね?」

ラウルの返事を待たずに振り始める。

「確認してからでいいからさ、こっちは気にしないでよ」

軽く頷く悠斗。


ミスティとラウルはその様子を見ている。

(あー・・・刀と違って振った時のブレが半端ないな~)

素早く振っていたかと思うと今度はゆっくり降り始めた。

虫が止まれるほどゆっくりと・・・。


疑問に思ったラウルは悠斗に聞いてみた。

「どうしてゆっくり振っているんだい?」

「ああ~、これは剣のバランスを確認しているんだよ」

「なるほど、悠斗君には大切な作業なんだね?」

悠斗は「まぁ~ね」と、答えるだけでその作業に集中していた。


「よしっ!」そう言うとラウルの方に向き直った。

「お待たせ。いつでもOKですよ」

ラウルはにこっと笑うと少し悠斗から離れ構えた。


「審判はミスティに頼んだからね。あと最初は剣技だけでやろう」

悠斗は頷き正眼に構える。


(まずは剣技だけっと・・・)

そう心の中でつぶやくと袈裟斬りから入った・・・

ラウルはにやけながら余裕でかわす。

悠斗は(だよね)そう思うと今度は連続で・・・


先程と同じ袈裟斬りからの切り上げていくが難なくかわされる。

(まぁ~これくらいでいいか・・・)

「・・・行きますよ」

そう言うと、手首を傾け剣を斜めに構えると

一足飛びに近づき右薙ぎから入り左切り上げ・・・からの、唐竹!


剣速を徐々に上げていくが当たらない。

(ふむ・・・さっすが神・・・だね)

薄く笑う悠斗。

ラウルはまだまだ余裕のようだ・・・。


少し距離を取りニヤッっと笑うと一瞬でラウルの懐に入った。

「なっ!!」ラウルは虚を突かれ後方に飛び退くのと同時に

悠斗の剣が通過した・・・

「ちっ!」っと、悠斗は舌打ちはするものの

とても楽しそうな表情を見せた。


(あ~・・・悠斗君はバトルジャンキー気質・・・かな?)

そう思いながらもラウルもまた嬉しそうだった。


(あら~二人共、とても楽しそうにしてますわね。)

ミスティはこれからの二人の戦闘が楽しみである。

(あ~、この模擬戦の映像残しておかなくっちゃ♪)

と、こちらはこちらである意味戦闘中。


悠斗は呼吸を整えると剣を下段に構え距離を詰めてくる

下段からの逆風が躱されるとそのまま踏み込み唐竹!

ラウルの鼻先に切っ先が通過するのが見えた。


そして再び距離を取ると・・・

「そろそろいいかな?」悠斗がそう言うとラウルは「OK」と答えた。

とても嬉しそうに・・・とても楽しそうに・・・。


悠斗はOKをもらうと・・・「コオォォォォォ」と呼吸を変えると

体内の気を全身に廻し始め剣を構えた。

「・・・さぁ、行こうか」そうつぶやく。


この言葉は悠斗にとってKeyとなる言葉

悠斗の「魂」が揺さぶられ、悠斗のゲートが1つ開く。


ラウルはワクワクして構えていた。

何も見逃さない・・・瞬きもせず悠斗を・・・全身を見つめている。

悠斗の呼吸音が変わって構えた瞬間・・・


悠斗の体が左右にブレたかと思うと一瞬消え

気づいた時にはもう懐に入られていた・・・・

「えっ?」ラウルの口から言葉が溢れる。

薄く笑った顔をしていたような気がする・・・


そして何の前触れもなく剣先がラウルの喉元へ下から真っ直ぐ伸びてきた。

間一髪自分の剣で悠斗の剣をそらす・・・

そらした瞬間、悠斗が握ったまま柄をラウルの右側頭部めがけ打ち込んできた。

「ぐわっ!」っと、なんとか体を捻り避ける。


ラウルは片手で床を突きその反動で剣の結界から脱出すると

「惜しいな~」っと、悠斗が口角を上げていた。

その時、ラウルからは笑顔が消えていた。


(今の攻撃は肘で行けばヒットしただろうけど

これは剣・・・のみ・・・。)だから肘をやめたのだ。


(鞘がないから抜刀術は使えないんだよな~)

剣で自分の肩を「ポンポン」叩くと再び呼吸が変わる。


「コオォォォ」呼吸が始まりラウルも構える。

しかし悠斗の様子が先程とは違う。

全身が緊張しているような・・・体が小刻みに震えている・・・

そして、全身から内包された「気」が解放されるのと同時に

また体の内側で気を廻し始める。


「神野流古武術 気道一之書 操術」

そうつぶやくと、悠斗の目つきが変わり鋭くなる。

「・・・さぁ、逝こうか」


言葉は同じでも全く違う意味合いを持つ

1つ目の言葉は「挑戦」

2つ目の言葉は「滅殺」で、ある。


「な、なんだ?」ラウルは今までの悠斗の気の内包量が違っていることに気づく。

それに今度はその「気」が解放されている。

内包する「気」と解放される「気」を同時に操っている。


「ふっ」悠斗が一瞬笑ったように見えたのだが

悠斗の姿が見当たらない・・・「ど、どこ・・・だ?」

ラウルから声が漏れる。


急にラウルの背後からおびただしい熱気が迫り

「セィヤァァァ!」と、声とともに剣が横から薙いできた。

ギリギリ剣で防ぐラウル

「ぐぅぅぅ」呻きつつ防ぐがその力に圧倒される。


ラウルはとっさに剣の力点を変え軌道をそらすと、その場から脱出する。

「はぁ、はぁ、はぁ」一瞬にして息が上がる。

「や、ヤバかった・・・」


しかしラウルは悠斗の変わりように唖然としていた・・・。

スピードやパワーだけじゃなく悠斗のブレッシャーに・・・。


(同じ「気」・・・じゃ、ないのか?)

ラウルは目の前で起こったことが理解できないでいた。

(身体能力はほぼ互角なはず・・・

「気」を使っている時は僕もそれに合わせて能力をあげている・・・はず。

それなのに・・・どうして・・・?)


ラウルの思考がループしていた時

「気合入れないと、次で終わる」とても冷たい声で・・・


「ふぅ」っとラウルは軽く息を吐く・・・


(今度は僕が行く!)

受け・・・では後手に回ると思ったラウルは前に出た。

悠斗の身体能力をコピーしているこの体に

更に、先程の攻撃の能力を予測してプラスした。

(いけるはずだ!)

「ザザァァ」っと悠斗の前に飛び込んで至近距離からの斬撃。


二人の体が交差した。

(もらった!)と・・・その刹那・・・「ガキッ!」っと音が鳴る。

「なっ!!」ラウルの声が漏れる。

ラウルの視界に入ったのはいつの間にか悠斗が剣を逆手に持って受け止めていた。

「ギリッ、ギチッ!ギギッ」っと金属がひしめき合う音。


しかし逆手では力がそれほど入らずラウルの剣に押されてしまい・・・

そのままの勢いで、逆手に持った剣ごと悠斗の肘に当たると、

「ガシッ」っと鈍い音がする。


これで終わるはずだった・・・悠斗が負けて終わるはず・・・

でも、そうはならなかった・・・。


ガードされた上、剣を押し付けられたその腕を使い

剣の軌道を変えられバランスを崩してしまった瞬間


「神野流剣術 攻防之書 霞斬り」と、つぶやいた声にラウルの眼球が声の主を追う。


肘に当たったままの剣がそのままラウルの脇腹を斬った。

肉と骨が何の意味も持たないかのように・・・切断された。

斬る瞬間、肘から剣を離し、体を回転させ威力を高めた。


回転が止まる頃、ラウルは地面に倒れるところだったが

悠斗は攻撃をやめようとはしなかった。


回転が止まる瞬間左手を剣の根本に添えて

「はぁぁぁぁぁ!!気刃剣!!」

そう叫びながら添えた手を切っ先までスライドさせる

「ブブーン」という音とともに、剣が白い光を纏う。


攻撃しようとした時、ミスティが宣言した。

「勝者、悠斗!」

ミスティが宣言した瞬間「バキンッ!!」と悠斗の剣が砕けた・・・


砕けた剣を見た悠斗は「あ~やっぱりこうなっちゃったか~。まぁ、こうなるよね」

「あははは」と乾いた笑いをしながら

「ミスティ、ラウルの治療を!急いで!」と少し焦らせたのだが


「ん?僕ならこの通り大丈夫だけど?」と胸を張って見せる。

「あ、あれ?き、傷は?致命傷なんだよ?骨ごと斬ったんだからね?」

戸惑いを隠せないでいる悠斗を見て

「何ともないよ~」っと、ヘラヘラと笑いながら踊っていた・・・。

「なっ!・・・」っと、体を「プルプル」震わせながも怒るに怒れないでいた悠斗。


ミスティも少し笑いながら

「斬られた瞬間に治療したのよ」

「うんうん」とラウルは相槌を打つ


ほっとした悠斗は座り込みながら

「あ、焦ったーー!神様だから大丈夫だろ?とは、思ってたけどさー」

深く息を吐きながらラウルの身を気遣っていた。

「ありがとね」とラウルは言葉を返す。


床に座り込み緊張を解いた悠斗に手を差し伸べると

悠斗は「サンキュー」と言いながら手を取り起こしてもらう。


「まずはお茶にしよう!」

その言葉が言い終わらないうちに、ミスティが一式出し終わり、お茶を注いでいた。

「お?早いね~ありがとね~」っと、礼を述べると

「スタンバっておりました」そう言いながら左手を胸に当てお辞儀していた。

「・・・あはは」悠斗は笑うしかなかった。


神達に促され座る悠斗

ミスティは悠斗にお茶を差し出しながら

「悠斗さんお見事でしたわね?とても人族とは思えませんでしたわよ」

笑顔でそう言ってくれるのは嬉しいのだが

(・・・それって、褒めているんだよ・・・ね?)と、複雑な気持ちでいる悠斗だった。


「いや~もう僕は驚くことだらけだよ!」と、何故か上機嫌。

「何度、懐に入られたことか!」悔しそうではなくむしろ喜んでいる。

「僕は神だよ?その神の懐に入るって、どんだけエロいんだよ!」

「エロは関係ないだろ!」悠斗が突っ込むも今のラウルは有頂天

「ハハ~ン」と両手を広げおどけてみせる


「どうして楽しそうなんだよ?」

(いくら神だとは言え、なんで負けて喜ぶんだよ?)

「うーん、いくら僕が悠斗君と同じ能力だったとは言え、僕は神だよ?普通負けないよ」

そう言いながらケラケラと笑っている。


ミスティはラウルのフォローをするように

「ラウル様は悠斗さんが予想以上の強さに感極まっている、そんな感じですわね」

お茶を口に運びながらそう言ってきた。

「それにあの「気」・・・ですわね。あの爆発力も全くの予想外・・・ですものね」


ラウルはテーブルに両手を着きながら

「ねぇねぇ!最後のやつ・・・どうやったのさ?それにあの技!

 すごかったね~、それと~あっそうだ!

 どうして急に「気」の内包量が増えたんだい?

 それにあの解放量!ねぇ~!教えてよ~」


興奮し過ぎて止まらなくなったラウルに

悠斗とミスティは互いに顔を見て笑っていた。

テーブルから離れ悠斗の近くで先程までの戦闘シーンを

身振り手振りで・・・全身を使って表現していた。


「こんなにラウル様が興奮しているなんて、本当に久しぶりね」

ラウルの姿に少し遠い目をしながら自分の子供のように微笑むミスティを

悠斗は微笑ましく眺めていた。

(お母さん・・・なの?)と、思っていたことは内緒。


興奮が収まらないラウルは

「君が懐に入ってきて・・・ブワーってきてさ~・・・

 シュパッってこ~斬りかかってきてさ~・・・」

(と、止まらない。ラウルのはしゃぎようが怖い)

視線をミスティに向けると・・・「はぁ~」っとため息をついていた。


そしてミスティはまだ収まらないラウルに接近したかと思うと

右手でラウルの顔面を掴みにっこり微笑んだあと

「メキ、メキ・・・ピシッ」っと骨がどうにかなっている音がする。


「いー、た、た、たたたたたた!痛い痛い!まじで痛いからやめてぇー!」

そうラウルが叫ぶのだがやめる気配はなく

「ゴキッッ!!」っといや~な音が響いた瞬間


「あれ?・・・逆に気持ちよくなってきたかも・・・」ラウルの体から力が抜け

少しダラ~ンとなり「へぇ~そうなの」と、ミスティが冷たく言うと

「バキッ!」っと聞こえた。

「いたたたたたたたた!嘘です!ごめんなさい!はしゃいでごめんなさい!

 た、たすけてぇぇ神様~~!!」


そんなラウルの姿を見て静かに手を合わせる悠斗の姿があったとかなかったとか・・・。

お茶を美味しく頂きながら、事が収まるのをゆっくり待つことを決めた悠斗であった・・・。






ラウル ・・・ いや、あのさ、もう少し手加減できたよね?

ミスティ ・・・ ところでこの後書きって、こんな調子でいくのですか?

ラウル ・・・ まぁ~後書きだから何を書いても別にさ・・・

ミスティ ・・・ ここでのトークにお給料出るのかしら?

ラウル ・・・ まず出ないでしょ?っていうかさ、僕の話し聞いてる?

ミスティ ・・・ 原作者の方のお部屋も大惨事みたいですわね。

ラウル ・・・ 今、原作者の話しはいいからさ、うん、まずはこっち向こうか?

ミスティ ・・・ 私が業者さんに代わり直してきますわっ!とう!

ラウル ・・・ 話しをちゃんと聞けよーー!!


ってなことで、緋色火花でした。

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