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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
84/404

69話 アシュリナ家

お疲れ様です。


今回は69話ですね~。


アシュリナ家に着いた悠斗達。

領主であるサウザーとの話し合い・・・


そして・・・


今日の夜の更新はないと思うので、

次回は、月曜の夜中am12:00~13:00までの間になりますので

宜しくお願いします。


これからも頑張りますので応援宜しくお願いします。



それでは、69話をお楽しみ下さい。

悠斗達は襲撃を撃退しアシュリナ家の馬車に揺られ

屋敷に到着したのだった。


「ユウト・・・起きて?ユウト・・・」

「んぁ?・・・着いたのか?」

「ええ、無事に何事もなく着いたわ♪」

悠斗は体を起こすとイリアに手を引かれて馬車を降りた。

馬車を降りると領主でもあるサウザー自ら出迎えてくれた。


「お疲れ様、ユウト君」

「有難う御座います領主様。この度は無理なお願いを聞いて頂き感謝しています」

悠斗とイリアは膝を着き礼を取ると頭を垂れた。

「うむ。本当にご苦労であった。感謝する」

そう言うとサウザーは悠斗に手を差し伸べると、その手を取り立ち上がった。

そして気が付くと、悠斗の周りには人が溢れ悠斗を讃えた。


あまりの歓声に悠斗は手を挙げ応えるも、

「皆さんお疲れ様でした。でも、もう夜もかなり遅い時間なので、

 今日のところは静かにしましょう」

悠斗がそう言うと、あちこちで「シーっ!」と、言う声が聞こえ笑っていた。

グレイン達と合流した悠斗は領主に促され、屋敷に入って行った。


「お疲れさん!」と、ライト達が声を掛けてくる。

「ライト達もお疲れさん。大変な役を引き受けてくれたありがとな?」

ライト達は笑いながら悠斗の肩を叩くと・・・

「ユウトに比べれば、別にたいした事してないっての?」

「そうよ?私達なんて貴方達に比べれば楽なものよ?」

そんな中、メンデルは苦笑しながら目線を厩舎の方に向けた。


「でも一番の功労者は、あの馬でしょうね?」

「にゃるほど♪確かにそうだね♪」

メンデルはウインクしながらおどけて見せてくれた。

「あっはっはっ」と、笑い合う中、

着替えをしてきたサウザーから声が掛かっていると聞かされ、

メイドのリディに連れられて部屋の前に来た。

リディがドアをノックすると、返事が返り中に入って行く。


案内された部屋はとても豪華で少し眩しく感じた。

部屋の中には、サウザー初め、母親のアンナ、

ロジー、弟のマルクスそして妹のアニーが笑顔で出迎えてくれた。


ロジーの家族に迎えられた、悠斗達と荒波の旅団はソファーに座るよう促されると、

一応念の為と言う事で、クリーンの魔法で清潔にしてから座った。

リディが一度お辞儀をした後部屋を退出していくと、

違うメイド達が、悠斗達に紅茶を入れて行く。


「皆、本当に有難う。我が娘の為に・・・感謝する」

再び座ったまま頭を下げるサウザーに恐縮する面々。

するとサウザーがロジーに目配せをすると・・・


「ユウト様・・・一つお聞きしたい事があるのですが宜しいでしょうか?」

突然改まって言われたので、少し驚いてしまったが、悠斗は頷いて見せた。

「答えられない場合は、答えられないと言ってくださいね?」

「わかったよ」

悠斗はサウザーに視線を移すと微笑まれた。

(あー・・・なるほどね)

「ユウト様・・・貴方が何者か、お父様が知りたがっているのですが・・・?」

悠斗はロジーの言葉を聞くと、イリア達とグレイン達の顔を見た。

全員が無言で頷くと、悠斗も頷いた。


「えっと、俺は、神野 悠斗 15歳で、創造神ラウルの使徒です。

 それと、こいつは、俺の相棒・・・聖獣の白斗です」

「ワシが白斗です。犬やなくて聖獣なので、お間違えのないように♪」


サウザーは悠斗の言葉と、白斗の事にとても驚き言葉を詰まらせていたが、

ステータスの確認がしたいと言う事で、素直に見せた。


するとサウザーとその妻アンナはすぐさま床に跪くと頭を垂れた。

「使徒様とは露知らず、このサウザー御無礼の数々、お許しください」

悠斗はサウザーの行動に唖然としたが、頭を上げるようお願いした。


「領主様、一度座って下さい」

悠斗の言葉にサウザーとアンナはソファーに座ると顔を青くしていた。

「えっと・・・」

悠斗が言葉に困っていると、ロジーがフォローしてくれた。


「お父様・・・そう硬くなられてはユウト様が話しづらくなるのでは?」

娘の言葉に我に返ったサウザーは汗を拭った。

その仕草に悠斗達は「クスリ」と笑っていた。


「改めまして、ロジーの父親のサウザーです。私の事はサウザーとお呼び下さい」

「じゃ~御言葉に甘えて、サウザーさん?俺の事はユウトでいいので・・・」

サウザーもまた、信仰深い事もあったのだが、悠斗の頼みとあって、

公の場以外では、お互いに呼び捨てにする事になった。


それから少し話をすると、夜も遅い時間となっているので、

サウザーの計らいで悠斗達は個々に部屋で休む事になった。


悠斗は着替え寝転がる。

白斗は用意された真綿の小さなクッションに横たわっていた。

「なぁ~主?」

「ん?」

「なんや・・・色々と大変でしたな~?」

「そうだね?」

「これからどないしますの?」

「んー・・・。とりあえずアシュリナに行きたい」

「そうでんな~?でもそない上手い事行くやろか?」

「まぁ~成るように成るさ」


白斗はかなり疲れていたらしく、早々に寝てしまった。

悠斗は馬車の中で少し寝たせいか、まだ寝付けずにいた。


悠斗は大きな窓の近くへ行くと、バルコニーになっている事に気付き、

ドアを開けてバルコニーに出た。

「ああ~・・・気持ちいい・・・」

外に出て少し冷たい風に当たると、

バルコニーにあったテーブルと椅子を見つけそこに座った。


悠斗はマジックボックスから、教会跡で作っておいたお湯とコーヒーを取り出し

「コポコポ」と、お湯を注いだ。

コーヒーに口を付け、味と香りを楽しんでいると・・・


「あら・・・奇遇ね?」

悠斗は突然声を掛けられ声がした屋根の方へ振り向くと・・・

「・・・セ、セルン?お前こんな所で何してんだよ?」

「何って・・・ココに用があって来たのだけれど?」

(セルン・・・謎の組織で確か名称は・・・グローリーだっけ?

 今聞いても答えてくれないだろうな~・・・)


悠斗がそんな事を思っていると・・・

「本当はね?貴方の事を調べに来たのよ?」

「なるほど・・・解呪が出来る男を調べろってか?」

「そうね。だけど私が報告したのは、覆面で顔を隠したおじさんって、

 そう報告したのよ?

 そして今、私が受けている任務は、その男を探し出す事・・・なの」

「そりゃ~また随分都合のいい報告をしたんだな~?」


悠斗はそう言い終わると、セルンに背中を向け椅子に座る。

「な、何よ、ちょっとっ!背中を向けなくてもっ!」

まるで子供のように拗ねて見せるセルンに苦笑した。

「別に背中を向けたんじゃなくて、椅子に座ってコーヒー飲んでるだけですぅ~」

悠斗もまた、セルンに拗ねて見せた。

「クスッ♪」と、笑ったセルンはバルコニーに音もなく飛び降りると・・・


「ねぇ?ユウト。それって美味しいの?」

「・・・飲んでみるか?」

悠斗がそう聞くと、黙って頷いた。

悠斗はカップとお湯を取り出し、コーヒーを入れて渡す。

セルンはコーヒーの匂いを嗅ぐと・・・

「ん~♪この匂いって、私も好きかも♪」

そう言って、コーヒーを口に運び一口飲むと・・・


「うっ・・・に、苦いのね?」

セルンの反応に少し笑いながら、ハチミツを取り出しすすめた。

どうやらハチミツ入りが気に入ったようで、微笑みながら美味しそうに飲んでいた。


「なぁ~セルン?此処を調べてどうするんだ?またロジーを狙うのか?」

セルンは黙って首を振る。

「そんな訳ないでしょ?ただの口実で此処に来たのよ?」

「口実?」

「言ったでしょ?また会いに来るって・・・」

「さっき別れたばかりだろ?」

「べ、別にいいじゃない・・・」

少し拗ねて横を向いてコーヒーを飲んでいた。

ここで我らが悠斗はその天然ぶりを発揮する。

「お前・・・友達いないのか?」

「ブフォッ!」

悠斗の突然「ぼっちなのか?」攻撃に思わずコーヒーを吹き出してしまった。

「わ、わ、私にだって・・・と、友達くらい?・・・い、いるわよ」

「最後の方が微妙に聞こえなかったんですけど~?」

「・・・知らない」

完全に拗ねてしまったセルンを見て悠斗は微笑んでいた。

(こいつ・・・いいヤツなんだろうな)

悠斗は椅子の背もたれに体を預けた。


「なぁ~セルン?」

「・・・・」

「悪かったって謝るよ、ごめん」

「・・・許してあげるわ」

「そりゃどーも。俺達・・・友達にならないか?」

悠斗の突然の申し出に少し混乱するセルンだが・・・

「あ、あんたがそ、そうなりたいなら?べ、別になってあげてもいいけど?」

(あー、こいつまじで友達いねぇーんだな?)

悠斗の中でセルンのぼっちは確定してしまった。


セルンは照れながら席を立つと・・・

「あっそうだ・・・コレを渡しておくわ」

そう言って悠斗に見せたモノは・・・白い魔石だった。

「それって魔石か?」

「ええそうよ、コレを持っていてくれれば、貴方の居場所がわかるわ」

(にゃるほど♪発振器って事か・・・後で調べて見るかな?)

「いいのか?こんなモノ貰ってしまって?」

「いいのよ・・・コーヒーのお礼って事にでもしておいて♪」

「じゃ~御言葉に甘えて貰っておくよ♪ありがとな」


悠斗が微笑むと、セルンも微笑んだ。

そして・・・

「じゃ~、そろそろ行くわね?コーヒーご馳走様♪」

「おかまいなく♪今度からは突然声かけるなよ?」

「わかったわ、今度からは合図を送る事にするわ♪」

「どんな合図だよ?」

「ふふ♪」そう笑って見せると、セルンは闇の中へ消えて行った。

悠斗はまたしても・・・

(あっ、残り香に気を付けろって言うのを忘れてた)


そんな悠斗も睡魔が襲うと、ベッドに入り睡魔に飲み込まれて行くのだった。


そして翌朝・・・

「コンコン」と、ドアがノックされ悠斗は目を覚ます、

「ガチャリ」と部屋の中へ入ってきたのはリディだった。

「おはようございます、ユウト様」

「おはようごふぁいあす」

悠斗はあくびをしながら挨拶するとリディは小さく笑っていた。

「朝食の準備が出来ておりますので、ご準備が出来次第参りましょう」

「わかりました」

悠斗は背伸びしながら一度バルコニーに出た。

そのバルコニーに設置されていたテーブルの上には、

昨夜セルンが使っていたコーヒーカップの中に、白いガーベラが活けられていた。


白いガーベラの花言葉・・・それは、希望。

この世界でも地球と同じ言葉の意味を持つのだが・・・。

悠斗に花言葉など当然わからなかった。


「ん?友達の証・・・みたいなモノかな?」

そうつぶやくと、そっとカップを手に持ち部屋に入ると

日当たりの良い場所に静かに置いた。


その後、リディが着替えを手伝い始めた・・・

「あ、あの?・・・一人で着替えられますけど?」

「旦那様に仰せつかっているので、おかまいなく♪」

「いやいや、俺が構うからっ!」

「ユウト様それは困ります。それでは私が旦那様に叱られてしまいます」

「リディさん・・・此処は引いて頂けませんか?」

「・・・私もメイドとして、負けられない戦いがあるのですっ!」


悠斗は数回まばたきを繰り返すと・・・

「日本の方ですか?」

「・・・ユウト様の世界が確かニホンですよね?」

「ん?日本・・・ね?本数の方・・・一本、二本の方じゃないからね?」

「・・・承知しました、さっ、お着替えの方を済ませましょ♪」

獲物を見るような目で、リディが「じわじわ」迫る中、

下の食堂では、悠斗が来るのを全員揃って待っていた。


イリアはそわそわしながらセルカと小さな声で話す。

「遅くない?」

「男には押さえられない衝動というモノがあるのにゃ。

 イリアみたいにゃ、お子ちゃまにはまだ早い話なのにゃ♪」

「はぁー?セルカ・・・何が言いたいのかしら?」


全てを悟った風を装うセルカはイリアをからかって遊んでいると・・・


「皆さんおはようさんです」

突然現れた白斗にイリアは驚いていると・・・

「イリアはん、主は多分まだかかりまっせ?」

「どうしてよ?」

「主とリディはんが、イチャこらしてはりましたからな~♪」

するとセルカが疑問を口にした。

「犬・・・此処までどうやって来たのにゃ?」

「えっ?どないしてって。。。それは瞬間移動でんがなっ!」

白斗は「ニヤリ」顔で皆の前でそう言った。

すると・・・

「いやぁ~~~ んっ♪」と、上の階から悠斗の声が響いて聞こえたのだった。


「あ~・・・これも一つの、人生ってことやね?

 主よ・・・いい経験できましたな?」


白いテーブルクロスを轢かれた豪華なテーブルの上で、

窓辺に日差しが差し込む風景を見ながら、

何故か凛々しく佇む白斗の姿があった。


しかし・・・「やめてぇぇ~~!」っと、悠斗の声が響き渡るので・・・


(主・・・ワシの努力、台無しやんか・・・)


ナレーション的には、「いい朝だった」と、言わざるを得なかった。




ラウル ・・・ あのセルンって子・・・ぼっちなんだね?

ミスティ ・・・ ラウル様っ!神である貴方がなんと言う事をっ!

ラウル ・・・ いやいや、ごめんよ~僕とした事がついうっかりと・・・ね?

ミスティ ・・・ それにしても悠斗様も大変ですわね?

ラウル ・・・ そうだね~、これでまた一人ハーレム要員がっ!

ミスティ ・・・ でもセルンって人族はどうなのでしょう?

ラウル ・・・ そうだね~なんたって・・・ぼっち♪だからね~♪

ミスティ ・・・ お互いにそうですと、気になるのですね?

ラウル ・・・ なんの事?

ミスティ ・・・ ぼっち属性・・・(ボソッ)ふふふ♪



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 悠斗とセルンのシーン、とても素敵でしたね♥︎ 相変わらず悠斗が天然をかますシーンはあるものの、 いつぞやのデートの話の時より、はるかに色気のある光景でした。 悠斗自身も、なんだかんだ言っ…
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