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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
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7話 創造魔法と練習と。

今まで空いた時間って何をしていたんだろう?

ここで書き始めてからそう思うようになってしまいました。


もう、過去には戻れないんだね・・・。


ってことで、7話を宜しくお願いします。

戻ってきたラウルにミスティは「おかえりなさいませ、ラウル様」

こちらに歩いてくるラウルの前に片膝を着き礼をとっている。


「ミスティもご苦労さんだね。悠斗君の相手をしてくれてありがとう」

そう言いながら、ミスティに立つように促すと席に着き

またミスティも席に着いた。

ミスティはラウルに新しいティーカップを取り出しお茶を注いだ。


「ふぅ~」少し疲れた様子のラウル

この白い空間にため息が広がる。

「どうかしたのか?」悠斗がそう聞くと

「英二君を地上に送りに行ったついでにさ、地球の神々に今回のお礼をね・・・」


やや面倒臭そうに話すラウルに悠斗は首を傾げながらも

(神には神の俺の知らない何かがあるんだろうな~)そう思っていた。


ティーカップを静かに置くと・・・

「さて悠斗君、僕の世界・・・つまりノーブルに行ってもらうんだけど・・・」

そう話を切り出すと悠斗は姿勢をただした。

「先程も言ったように、ノーブルの世界は剣と魔法の世界なんだ」

悠斗は黙って頷く。


「では、もう一度見せようかな」

そう言うと掌に火球を出現させると悠斗を見た。

悠斗は何度か頷きながら見ている。


「あっ、その前に・・・」そう言うと悠斗に手をかざすと体が光に包まれた。

「おお~」っと小さくつぶやく。

「今、悠斗君の体をノーブルに適用できるように少し弄ったんだ」

「弄ったって・・・」少し困惑しているようだが話を続けた。


「悠斗君、簡単に言うと魔法はイメージなんだけど、

まずは悠斗君、体の内側に意識を向けてみてくれるかい?」

「えっと・・・気を探る感じでいいのか?」

ラウルは黙って頷く。


少し考えた悠斗は・・・

「このままでいいのか?それとも立ってやった方がいいのか・・・どっち?」

ラウルは少し笑いながら「どちらでもいいよ。そういうのは関係ないからね」

笑顔で返答すると「さぁ、やってみて?」と、促してくる。


席を立ち・・・(それじゃ~やってみますか)

心の中でつぶやくと、体の中に意識を向ける・・・

(え~っと・・・丹田にあるのは気・・・ん~・・・あれ?心臓の周辺に・・・なにか・・・)

そう思っていると、悠斗の胸の中央がやたらと熱くなる・・・


(熱っ!・・・・なにかヤバい??)そう思ってはいるが、神達は何も言ってこない。

だからこのまま続けることにした。

(心臓がやたらと痛い・・・まるで高熱で焼かれているような・・・ぐっ・・・)

そう感じたのも束の間、「ぐはっ!」っと痛みに耐えかねた悠斗が膝を着き

苦しみながら上半身の服を脱ぐと・・・


左胸の辺りが赤く光っていた。

あまりの痛さに両手で押さえつけると今度は「ジリジリ」とした鈍痛に変わる。

熱さと痛みに耐え、暫くすると・・・痛みが引いた。


抑えていた両手を離して見ると・・・見たこともない文字と記号、

そして魔法陣らしきものが浮き上がっていた。

悠斗は思わず・・・「なんじゃこりゃあ!」と言ってしまうが当然スルーされる。

少しの沈黙が流れたのだが・・・。


「こ、これって・・・何?」そう聞く悠斗にラウルが答える。

「それは僕の加護だよ」と、ちょっと嬉しそうに「痛かった~?」と言ってきたので

「いてーよ・・・」と素っ気なく答えた。

「ごめんよ~」と、言いつつも笑っている。


「まぁ~加護って言えば加護なんだけどさ、

 悠斗君は創造神の使徒・・・って意味合いもあるのさ」

「どうせならさ、もう少し目立たない所でも良かったんじゃないの?」

悠斗の素直な感想である。


「あははは、ノーブルに着く頃には消えているから大丈夫だよ」

「まぁ~、消えているのならいいんだけどさ・・・」

左胸をさすりながら「ブツブツ」言っている悠斗。


「で・・・?これでもう魔法は使えるってこと?」

ミスティに渡してもらった服を着ながらラウルに聞くと

「ああ、これで君は完全に魔法が使えるよ。さっきみたいに意識を向けてみてよ」

そう言われ目を閉じ、悠斗は再び意識を向ける・・・


(・・・さっきよりも、なんだか濃度が濃い感じがする)

目を開けるとラウルを見た・・・

「どうだい?さっきよりも濃くなっているだろ?」

悠斗は黙って頷く。


(恐ろしく魔力が大きいのだけれど・・・だ、大丈夫かな~?)

ラウルは悠斗の魔法の適性が有り過ぎるのを気にしていたのだが・・・


(訓練すれば大丈夫だろ?)少し楽観的に見てみることにした。

「じゃ~今度は指先に火を灯すイメージをしてみて?」

悠斗は黙って右の人差し指を立てる・・・

ふと、何かを思ったのでラウルに聞いてみる。

「あのさ、呪文的なモノはいらないのか?」

「あははは!そんなモノはいらないよ~・・・

 だってさ、呪文なんて口にしたら相手に何を使うかバレてしまうじゃないか」

(・・・確かに、ごもっともなご意見です。)


再びやってみると・・・「できた・・・恐ろしいほど簡単に・・・」

あまりの簡単さに拍子抜けしてしまうほどだった。

その様子を見たラウルは「今度は火球を作って見ようか」

「コクリ」頷くと掌に火球をイメージする。

野球のボールをイメージしながら・・・


すると・・・「ボゥッ!」っと火球が出現した・・・の、だが・・・

ミスティはありえないほどの火力を見て思わず

「ブハッ!!」っと盛大にお茶を吹いた。


火力がでかい!やたらと・・・でかいっ!

(わぁ~火力すげー、やっぱ魔法で作った火も熱いんだな~)っと呑気な事を思っていた。

その火力を見たラウルが慌てて「でかいよ!悠人君!でかいよっ!」

(どうして火球なのに、炎がそんなに伸びて高熱なんだよ!)

と、ものすごーーーく慌てている。


ミスティはさっきまで優しい微笑みを向けていてくれたはずなのだが

「は、腹が、よ、よじれ・・・る・・・」

腹を抑え何故か爆笑している・・・いい女が台無しである。


悠斗は(すっげー火力)程度にしか思ってはいないのだが・・・

あまりに慌てるラウルの為に消そうとするのだが・・・

「あ、あれ?どうやってコイツを消すんだ?」


その間にも炎は猛る!その力を誇示するように。

マイペースに聞いてくる悠斗を見ながら・・・


「もう!」っと言いつつ悠斗の火球を凍らせる。

何もない空間にラウルの慌てる声とミスティの笑い声・・・「ビシッ!」と音をたて

火球が凍りつき、「ガシャーン!」と鳴るその音だけが響き渡った・・・


その後、ラウルに「もう少し加減しなよっ!」だとか

「何故そんなにマイペースなのっ!」とか

「少しはあの火力を見て慌てようよ!」とか・・・散々叱られた・・・。


(何故叱られるのだろう?冷静な方が対処できるじゃん)

そう思っていた悠斗は、そのセリフを口にはしなかった。


ミスティは笑い過ぎて目に涙を浮かべながら

「あは・・あははは・・・お腹い、痛い・・・く、苦しい・・・

 で、でも、何か、や、やってくれそうな、そんな気はしてたわよ」

目に浮かんだ涙を拭きながら話してきた。


「あははは・・・や、やっちゃいましたね~」とおどけると

ラウルがジト目で睨んできた・・・。


「フゥゥゥゥ~~!」っと、ふかーいため息を吐きながら

「どうやったらあんな火力になるのさっ!全くもぅ~・・・魔力を込め過ぎなんだよ」

そう言って頬を膨らませた。


それから何度か練習して何とか?どうにか?なんとなく?上手くいった・・・ような気がする。


ラウルはまさかの現状に

(やっぱり、適正が有り過ぎるって言うのもかなりの問題だな~。僕の世界大丈夫かな~?)

ノーブルの世界が「異形の魔」ではなく、(悠斗(救世主)」に破壊されるのでは?)

そう思うと身震いが止まらなくなっていた。


追々慣れてもらうしかないので、次のステップに移る事にした。

次は身体強化である。

・・・・悠斗はこれをあっさりと何事もなく習得した。

と、言うか・・・思っていた以上に身体強化を使った悠斗は半端なくすごかった。


「さて、一応最後かな?今度は回復魔法ね」

まずはミスティが手本を見せ、回復魔法を使う時のイメージ等を教えた。

「なるほど、傷を修復するイメージなのか、元に戻す・・・そんな感じなのかな?」

ミスティは最後に聞こえた「元に戻す」その言葉に引っかかりはしたが

悠斗が手をかざしたので聞き直すのをやめた。


回復魔法も問題なく癒やしの光を発現させたので終了した。


「まぁ、これが僕が悠斗君に与えた「創造魔法」だよ」

なんだか自信に満ちた表情をするラウル

「ありがとうございます。暫くの間は練習して慣れてからにします」

「・・・ほんとに・・・そうしてね?た、頼むよ?」

とても不安そうなラウル。

(どうか悠斗君がノーブルを破壊しませんように!)

誰に祈ったのか謎な思念が゜「フワフワ」と漂うのであった。


「えっと、魔法のことは以上になるのだけれど、大切なのは魔力操作とイメージ。

 これだけは忘れないでね?あ、あと、注ぎ込む魔力の量を間違えないでね?

 基本、魔力量と魔法は等価交換だからね?」


「・・・き、気をつけ・・・ます?」

「どうして疑問形なんだよっ!」と、間髪入れずに突っ込むラウル

これはこれで、なかなかのコンビ・・・では、ある。


暫く魔法を人に向けないようにしようと思う悠斗であった。


そう心に誓った瞬間・・・ラウルは真剣な眼差しでこう言った。

「悠斗君、一度僕と模擬戦をしてみないかい?」

ティーカップを口元まで持ってきた悠斗の手が止まった。


ラウルはさっきまでとは違い悠斗に威圧をかけてきた・・・。


「・・・わかりました。」

悠斗の表情も真剣そのものだった。











ラウル ・・・ ほ、本当に僕の世界大丈夫かな~?

ミスティ ・・・ 適正有り過ぎるって言うのも問題ですよね。

ラウル ・・・ 君は腹を抱えて笑っていたじゃないか!

ミスティ ・・・ 申し訳ありません。つ、つい・・・ぷぷぷ

ラウル ・・・ あー!ほらっ!また笑ってるー!

ミスティ ・・・ コホン! 笑っていませんよ?気の所為です。

ラウル ・・・ な、何故こんなことに・・・

ミスティ ・・・ ラウル様が加護に気合入れ過ぎたからですわよね?

ラウル ・・・ そうだった・・・orz

ミスティ ・・・ ぷぷぷ


ってことで、緋色火花でした。                                                                                      

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