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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
78/406

64話 アシュリナへの道は、1日にして成らず

お疲れ様です。


64話ですね~

色々な事が起こってます。

そして少し悠斗も怒ってますw

そんな感じですw

これじゃ~何もわかりませんね^^;



それでは、64話をお楽しみ下さい。

悠斗達は廃墟となった教会から孤児院跡へと移動する事にした。

その移動中にグレインが話しかけてきた。


「な、なぁーユ、ユウト・・・」

「グレイン・・・何度も言ったけどさ、普通に接してくれると嬉しいんだけど?」

「い、いや~しかしだな、こう見えて俺は信心深くてよ~」

「・・・その顔でか?」

「なっ!そ、その顔って・・・顔は関係ねぇーだろうがっ!」

悠斗は怒るグレインの顔を見ると笑い出した。


「あっはっはっ・・・俺はこういう人間だからさ・・・だから頼むよ?

 それに公の場って訳でもないんだからさ♪」

グレインはこの時、一瞬悠斗が悲し気な顔をした事に気付いていたが・・・

「ふんっ!わかった・・・お前がそう言うのならなっ!」

グレインは悠斗の頭を「グリグリ」しはじめた。


その後ろを歩くライトは・・・

(流石使徒様とだけあって・・・人間が出来ていらっしゃる)

実はライトはとても信心深い教徒だった。


そして孤児院跡の中に入ると・・・

「な、何だよ・・・此処は・・・すぐにでも使えるじゃねーか!」

驚いているグレインの背後からイリアが声を掛けた。


「ふふ♪すごいでしょ?セルカと悠斗が使えるようにしたのよ♪」

「ああ~そうだ・・・イリア・・・さんよ」

「イリアでいいわ」

「そ、そうか・・・それじゃ~・・・

 あんたはかなり様子が変わったみたいなんだが、

 俺達と別れてから何かあったのか?」


イリアは部屋の隅の方へ移動すると・・・

「グレイン・・・あの後の事、少しは知っているんでしょ?」

「何言ってんだ?俺達はアシュリナへ帰ったじゃねーか?」

「駄目よ・・・嘘はね?」

「嘘?」

グレインはイリアから一瞬視線をはずした。


「ユウトも気付いているはずよ?私が気付くぐらいだもん♪」

そう言って、イリアの視線は悠斗の姿を追っていた。


グレインもまた・・・頭をさすりながら・・・

「あ~・・・そのな・・・。悪いな、その通りだ。

 だが悪気はねーよ?心配だったんだ・・・」

「ええ、わかってるわよ?だからユウトも放置したんだから・・・」

「だよな~・・・あいつなら気付くよな?」

「そうね。それで私達の事はなんて聞いてるの?」


グレインはバツが悪そうにそわそわしはじめた。

「いや~・・・俺達が知っている事と言えば・・・

 ユウトのヤツが、あの隊長を殺った・・・それくらいだな?」

「それだけなの?」

「ああ・・・うちのもんの話では・・・気が付いたら気絶させられていたらしい。

 恐らくそれって・・・?」

「そうね・・・。ユウトだと思うわ」

グレインはイリアに向き直ると・・・

「すまんっ!本当に・・・勝手な事して悪かったっ!」

イリアに対して深々と頭を下げていた。

「クスッ♪」っと笑うとみんなの元へ戻って行った。


(あー・・・やっぱバレてたか・・・。後でユウトにも謝るか)

グレインは頭をさすりながら窓の外を見ていた。


そして会議が始まった。

「えーっと・・・実はですね?」

悠斗が「ニヤ」っと笑いながら・・・何故か一度外へ出た・・・

しかも、窓から・・・。

そして戻ってくると・・・「グレインとライト、手を貸してもらえる?」


窓から顔を出す悠斗の元へ行くと・・・

「な、何だよこいつらはぁぁっ!」


グレインの大声で全員が窓際へ集まった。

そしてそこから見た光景は・・・


ロープで縛られた数人の黒装束がいた。

驚いたのは全員なのだが、一番驚きが隠せないのは、イリア達だった。

何故なら、悠斗とはずっと一緒に居たからである。

「ねぇ・・・ユウト?どう言う事なの?」

「えっと~、説明すると・・・。あの森へ入ってから、

 数人うろちょろしてたからさ~・・・

 だから一度眠ったフリをして、此処を抜け出し捕まえておいたんだ」


イリア達は素直に驚いていた。

冒険者でもあり暗殺者でもあるセルカと、

聖獣の白斗が一緒に居て、全く気付かなかったからである。


「・・・う、嘘にゃ?わ、私全然気付かなかったのにゃぁぁぁっ!」

「それはワシも同じでっせ?聖獣の立場あらへんがな・・・」

二人共すっかり落ち込んでしまっていた。


そしてまだこの状況にもなって、信じられない人が居た。

それはミレイである。


「嘘でしょ?こんな坊やが?」

その言葉にカチンときたライトが声を荒げた。

「おいっ!ミレイ・・・お前っ!まだそんな事言ってっ!!」

「だってそうでしょ?この子はまだ15歳なんでしょ?

 いくら使徒だと言っても・・・無理に決まっているでしょ?」

二人の険悪なムードに溜息を吐いたのは、意外にもロジーだった。


「貴方達・・・いいかげんにしてっ!そしてミレイさんと言いましたか?

 貴女の態度は使徒様にとても無礼ですっ!」

悠斗達もそうだが、グレイン達もまた・・・

そんな形相で怒鳴るロジーを見た事がなかった。


「私は幸運にも、ユウト様の戦闘を何度も見る機会がありましたっ!

 ですから分かるのですが・・・。

 この連中など、一瞬で終わらせられる事くらい分かるのですっ!」

グレインは流石に一瞬とは行かずとも、悠斗には出来ると思っていた。


あまりの剣幕にミレイも黙るかと思ったのだが・・・

「お嬢様?貴女はまだ本当の戦闘など、見てはいらっしゃらないのでは?

 ですから、坊やの戦闘を見てそう思ったのではありませんか?」

「貴女は何を聞いていたのです?何度も・・・と、私は言いました」


どちらとも譲らず膠着状態になると・・・

「あの~?もういいですかね?」

悠斗はあくびをしながら口を挟んできた。

「ユウト・・・空気読みなさいよ?」

イリアに言われて視線だけ合わせるが、態度を返るつもりはないようだった。


「あのさ・・・俺一人でやったとかさ、別にどうでもいいからね?

 今大切な事って何だよ?話し合って行動に移す事なんじゃないの?」

悠斗の正論に何も言えなくなるのだが、

ミレイは悠斗の態度が気に入らなかった。


「ユウト・・・貴方調子に乗ってるのかしら?

 使徒ってだけで・・・まだガキじゃない?大人を舐めないでよね?」

その場に居た全員が凍りついた。

何故なら背後・・・つまり部屋の外に居たはずの悠斗が

ミレイの背後に立っていたからだった・・・。

それに気付かないミレイは話を続けていた。


「だいたいね~貴方みたいな坊やが偉そうに・・・って・・・あれ?」

悠斗の姿を見失ったミレイは悠斗を探すと・・・

「俺は此処だけど?」

悠斗の冷たい声が背後から聞こえた。


「ぞくっ」と、体に悪寒が駆け抜けた。

ゆっくり振り返ると・・・悠斗が後ろに立っていた。

「う、嘘で・・・しょ?」

「まだ・・・やる?もしくは・・・俺と闘ってみる?本気でさ・・・」

あまりにもしつこいミレイに少々苛立っていた悠斗は、

ミレイの足を氷漬けにしていた。


(氷漬けって、相変わらずやる事がエグイわね?)

(・・・めっちゃ魔法上手くなってますやんっ!

 やっぱりアレでんな?今までの戦闘での成果ってヤツでんな?)

この事に気付いているのはイリアと白斗だけだった。


それにまだ気付かないミレイは、悠斗から離れようとしたが・・・

「あ、あれ?・・・えっ?!足が・・・私の足がっ!いつの間にっ!」

悠斗の目つきが一段と鋭くなったのをグレインが気付くと・・・


「す、すまなかったっ!ユウトっ!こいつにはちゃんと言って聞かせるからよっ!

 だから、だから・・・い、命だけはっ!」


悠斗はグレイン達に背中を向けると・・・「パチン」と、指を鳴らした。

みんなはただ唖然としていたが・・・

「なぁ~ミレイさん・・・足、見てみなよ」

顔だけ振り返った悠斗は笑顔で舌を出していた。

ミレイは言われたまま足を見ると・・・


「あれ?足が・・・どうして? 私の足が・・・」

ミレイの肩を「ポンッ」と、叩くとイリアが笑顔で話した。

「ふふ♪ミレイさん・・・あれは幻術よ?」


そして再び悠斗は姿を消し、外に立っていた。

「だからさ~早く手伝ってってばっ!」

まるで子供のように怒る悠斗だった。


この中で一番恐怖したのは・・・紛れもなくミレイだった。

(魔法使ったのにも気付かなかった・・・ほ、本当にあの子って・・・?

 わ、私はなんて・・・馬鹿な事を・・・)


小刻みに体を震わせているミレイを見た悠斗は・・・

「ミレイさん、もう気にしなくていいからさ、・・・

 だから・・・みんなお願い・・・早く手伝ってくれぇぇぇっ!」


そして捕らえた者達は全員で尋問していった。

勿論・・・尋問出来る人だけなのだが・・・。

でもその中に、ロジーが知る者がいた。


「あ、貴女は・・・リディ・・・ど、どうして此処に?」

悠斗が捕らえ者の中にロジーの知り合いが居た。

「ロジー・・・この人が誰か説明してくれるかい?」

俯き目に涙を溜めていたロジーは黙って頷いた。


一度全員を集めみんなで聞く事にした。

「この人は、アシュリナ家に仕えているメイドです」

「お、お前・・・リディなのか? 」

グレインも面識があったらしく驚きを隠せないでいた。

悠斗はリディと言うメイドに話を聞く。


「リディさん・・・話してもらえますか?」

「・・・・・・」

「まぁ~、話す訳ないか・・・さてっと・・・」

悠斗が決めかねていた時、ロジーが悠斗に懇願してきた。

「ユウト様、お願いです。どうかリディにお情けを・・・」

「んー。正直俺は殺すつもりはないよ?

 だけど、俺は黙って殺されるつもりはないからね?」

(甘い事は言いたくないんだけどな・・・現状、生かしておくと危険が増すしね)


悠斗が思案に悩んでいると、グレインが話しかけてきた。

「な、なぁ?ユウト・・・リディは俺に預けちゃくれねーか?」

「えっ?まぁ~グレインの知り合いでもあるみたいだけどさ

 理由を聞かせてもらえるかな?」

「わかった。このメイドはサウザーの信頼が厚くてな?

 そもそも裏切るとは思えねー。

 それに、俺が言うのも可笑しい話なんだが・・・

 この女がリディと同一人物な気がしねー」


グレインの話を聞いていると、ロジーが悠斗の足にすがりついてきた。

「使徒様、わ、私もグレインと同じで、リディが同じ人物とは到底思えません」

「二人の言う事はわかったんだけど・・・

 でもそれだけの理由じゃリスクは侵せない・・・。

 わかるよね?その甘さで、この中の誰かが死ぬかもしれないって事をさ」


悠斗の言う事は紛れもなく正論だった。

だがグレインとロジーには、リディに対して違和感が拭えなかった。

すると、他の場所で尋問していたセルカが戻ってきた。


「ユウト様~。ちょっといいかにゃ?」

「ああ、何かわかったの?」

「わかったって言うか・・・にゃんかおかしいのにゃ?」

「おかしいって?具体的に言える?」

「にゃぁ~・・・私も同じ暗殺者としての勘・・・みたいにゃものにゃんだけど、

 暗殺者にしては、手が綺麗すぎるにゃ」


セルカの言葉にある種の可能性が見えた。

「手が綺麗って・・・嘘だろ?足は見たのか?」

「にゃぁ~♪流石ユウト様にゃ♪勿論足も見たのにゃ♪」

「で・・・?」

「なかったのにゃ♪」

悠斗はセルカの報告を聞くとロジー達に向き直った。


「二人共・・・殺さなくて済むかもしれないよ?」

その言葉に二人共喜んでいたが・・・

「ところでユウト、その足ってのは何なんだ?」

「ああ~・・・んー・・・ちょっと見た方が早い・・・かな?」

悠斗はセルカの方を見ると頷いていた。


「じゃ~・・・グレイン。ちょっと靴を脱いでもらえるか?」

「あ、ああ・・・わかった」

「そしてロジーもね?」

「わかりました」


二人共靴を脱ぐと・・・グレインの足から異臭が・・・

「グ、グレイン・・・もっと足を清潔にしろよな・・・」

グレインが靴を脱いだ瞬間、その部屋に異臭が拡散していった・・・。


「このハゲの足・・・物凄く臭いのにゃぁぁ・・・は、鼻が壊れるのにゃ」

隣りにいたロジーも同様に苦悶の表情をしていた。

悠斗は鼻を摘み手をかざすと・・・クリーンを使用した。

「・・・ふぅ~・・・苦しかった」

グレインの足の匂いはさておいて・・・。


「ロジーの足の裏とグレインの足の裏を比べるとさ・・・」

「おいおい、俺とお嬢と比べるのは無理があるだろ?」

「そうじゃないのにゃっ!このハゲっ!」

「セ、セルカ・・・てめぇー・・・」


グレインは抗議しようとするが、現状を考え抗議をやめた。

「俺が言いたいのは筋肉の付き方だよ?」

「筋肉?」

「ああ、足の裏の筋肉ってさ、

 足底筋群(そくていきんぐん)って言うんだけど、

 一般人と、まぁ~簡単に言うと鍛えられた人達の筋肉と全然違うんだよ。

 それが戦闘職なら尚更だ、常に武器を持ち、体重が掛かる足のほうが

 筋肉が必然的にでかくなる・・・

 だけど、一般人の利き足等に掛かる体重は知れているからね?」


「・・・そう言われると確かにそうなんだが?」

「おい、ハゲ・・・そのメイドの足をよく見るのにゃ?

 その足が暗殺者・・・戦闘職の足に見えるのかにゃ?」

ロジーもグレインも改めて確認すると悠斗の話に納得したようだ。


「使徒様・・・しかし、ならば何故、リディはこのような姿で

 このような場所に居るのでしょうか?」


「そう言えばロジーはあの時はまだ目覚めてなかったんだっけか?

 まぁー簡単に言うけど、そのメイドさんには魔法が掛けられている。

 そのせいで、この現状って事なんだ」


「えっ?魔法って・・・そんな・・・」

「ユウト・・・その話ってのは本当の事なんだろうな?」

グレインは悠斗に疑いの目を向けるが・・・

「俺もまだ核心はないけど・・・多分そうだと思うんだよね?

 あの独特な雰囲気もあるしさ~・・・あとは匂いかな?」

「ユウト様、匂いって何なのにゃ?私はわからにゃかったんだけど?」

「えっと・・・これだけ近かったら、きっと覚えていると思うよ? 」


そんな話をしていると、別の部屋で騒ぎが起こった。

「あぁぁぁぁぁっ!もうっ!何時になったらアシュリナに行けるんだぁぁぁっ!」

悠斗は思いの丈を叫ぶと・・・

「ああ~スッキリした~。アシュリナへの道は、一日にして成らずってか?」


そう言って騒ぎが起こった部屋に向かった。

「ユウト様もストレスで一杯なのにゃ~♪」

何故か笑っているセルカもその部屋に向かった。


ラウル ・・・ 彼はトラブルに愛されているようだね?

ミランダ ・・・ お邪魔するわよ~

ミスティ ・・・ ちょっ、ちょっとミランダっ!?

ラウル ・・・ い、一体此処に何をしにきたんだっ!

ミランダ ・・・ 何をって・・・ラウル、私のアレ・・・どうなったの?

ラウル ・・・ ああ~っ!アレかぁ~?ほんとに使うのかい?

ミランダ ・・・ 当然でしょっ!

ラウル ・・・ わ、分かったからっ!ちゃんと作るからっ!

ミランダ ・・・ ふふ~ん♪じゃ~後は宜しくね~♪

ミスティ ・・・ ラウル様アレって・・・まさか?!

ラウル ・・・ そのまさか・・・だよ。

ミスティ ・・・ 此処でそんな話をされては?

ラウル ・・・ あっ!此処・・・あとがきだったっ!

ミスティ ・・・ ふぅ~・・・私もっ・・・ふふふ♪



ってなことで、緋色火花でした。


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― 新着の感想 ―
[一言] 本当に一日どころではないですね(笑) もっとも悠斗達にとってはまだ数日でしょうが。 とりあえず天然悠斗君にもその自覚があって良かったです(笑) 今後の展開楽しみにしています♪
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