62話 合流と聖獣の失敗
お疲れ様です。
第2章が始まって、今回の話なんですが・・・
やっっっと、グレイン達と合流しましたW
おめでとうございますW
と、言う事で・・・これからも頑張りますっ!
それでは、62話をお楽しみ下さい。
悠斗達はグレインと合流するために森にある教会跡に来たのだが・・・
悠斗が爆睡始めて4時間が経った頃・・・。
「なぁ~セルカはん・・・その御人、来はりませんな?」
「にゃ~・・・確かに遅いのにゃ」
「一度誰かが様子を見に行くしかないわね?」
全員が頷くも、様子を見に行ける人は限られていた。
「まず私は・・・駄目ね。ダークエルフは目立つものね?
次にロジーと白斗は論外で、ユウトは・・・ある意味危ないから駄目ね。
残ったのは・・・セルカね」
「やっぱりここは私が行く方が適任なのにゃ♪」
夕暮れに染まろうと空が赤みがかった頃、
イリア達は痺れを切らし行動しようとしていた。
セルカの準備が終わり出発しようとした時・・・
「セルカ~ちょい待ったー!」
教会にある孤児院跡の中から悠斗が眠そうに出てきた。
「ユウト・・・起きたのね?」
「主、よ~寝てはりましたな~?大丈夫でっか?」
「ユウト様、お体は大丈夫ですか?」
「起きたのにゃ?待ったとはどうしてなのにゃ?」
悠斗は釜戸に置いてあったお湯を使って、コーヒーを入れると・・・
「えっと~・・・もうすぐしたら来ると思うよ?」
悠斗はコーヒーに口を付けながらそう話した。
「一体どう言う事なのにゃ?」
「そうよ・・・ちゃんと説明してもらわないと・・・」
みんなの疑問に面倒臭そうに話した。
「えっとー。俺のスキルって、どうも表示されない種類があるみたいでさ、
あー、でもどうなんだろ?これも一種の気配察知になるのだろうか?」
「主・・・今、それはどうでもええわ。それよりも・・・」
「わかった、わかったから!
でな?グレインは此処から残り1㎞ぐらいの所に居るから
もう少し待てば必ず来るよ?」
「だからどうしてそれがグレインだってわかるのにゃ?
悠斗は椅子に座ると背もたれに体重を預けた・・・。
「俺ってさ、一度出会った人の気の流れは覚えてしまうみたいなんだよね?」
イリア達全員が首を捻っていた。
「生物って、みんな同じ訳じゃないじゃん?顔や性格が違うようにさ?」
「そうね」
「だからその人固有の気の流れを感じて覚えてしまうんだけど・・・
距離的には・・・1kmちょい?くらいだったら、わかるっぽい」
「主・・・ぽいってなんですのん?」
「ん~・・・日本に居た時はなんとなく・・・?って、感じだったんだけど、
こっちに来てからちょっとその辺がわかり始めたんだよね」
「ユウト様は戦闘特化のタイプにゃからね~・・・
私達に感じられない事もわかるのかもしれないにゃ♪」
「戦闘以外では、全然「ポヤン」とした御人ですけどね」
白斗の突っ込みに全員が笑っていた。
そして暫くすると、セルカの耳が「ピクンッ!」と、動くと・・・
「ユウト様・・・グレイン達が来たみたいなのにゃ♪」
「わかった~」
悠斗はそう言うと、マジックボックスから、赤いアイテムバッグを取り出した。
「えっ?ユウト・・・アイテムバッグ取り出してどうしたの?」
「ん?だってさ、このバッグに入れないと・・・
マジックボックスの事バレちゃうけどいいの?」
イリア達はマジックボックスが当たり前になっていて、
一般常識を忘れてしまっていた。
「あぁーっ!そうだったわね・・・ついある事がもう当たり前になってしまって、
常識をすっかり忘れてしまってたわね?」
「にゃはは♪私もついうっかりだったのにゃ♪」
イリアは何かを思い出し、マジックボックスを調べると・・・
「あった~♪ジャーンっ!」
イリアがご機嫌で取り出したのは、悠斗と同じ色違いのアイテムバッグだった。
「そうそう、ミスティ様がいれてあるからって言ってたわ。
もうすっかり忘れてしまってたわ♪」
そして白斗以外全員がアイテムバッグを取り出した。
悠斗が赤、イリアが緑、セルカが黄色、ロジーが白、
ミスティがそれぞれに合わせたカラーにしていた。
そして・・・人の話し声と足音が聞こえ、グレインがこちらを見つけると・・・
「ようっ!お前らぁーっ!無事で何よりだぜ~。
おっ?ロジーも目覚めたんだなー?良かった、これで安心したぜ~」
そう言って手を振りながらグレインの仲間達とやってきた。
「ようっ!ユウトーっ!暫くぶりだな~?連絡がなかったから心配したぜー」
グレインと悠斗はお互いにハグをすると、硬い握手を交わした。
「ああ~、まぁーちょっと色々とトラブっちゃってさ。
連絡が遅れた事は謝るよ。ごめんな?」
グレインは大きな声で笑うと、悠斗の背中を数回叩いていた。
「ああ、そうだ、ユウト。荒波の旅団の仲間を紹介するぜ」
そう言って、グレインは仲間を紹介しはじめた。
「まず、こいつは俺の右腕でもあり、副団長の盗賊・ライトエルだ」
「君が噂の・・・ユウトか?なるほどね~。
ライトって呼んでくれ、宜しくな?」
「初めまして、悠斗です。宜しくお願いします。ライトさん」
悠斗とライトは握手を交わす。
「で~次はだな・・・黒魔法師のミレイだ」
「あら?坊やが団長の言っていた、ユウトかしら?
団長がお世話になったみたいで、ごめんなさいね?宜しくね?」
「こ、こちらこそ、グレインにはお世話になりました。
ミレイさん・・・これからも宜しくお願いします」
握手を交わすとミレイが鑑定を使用したのだが・・・
「パリンっ!」と、ガラスが割れる音がした。
ミレイは驚き硬直すると・・・
「こらっ!ミレイっ!俺のダチに何やってんだてめぇーっ!」
グレインがミレイに食ってかかっていたが、悠斗がそれを止めた。
「あはは、ミレイさん・・・見たければ言ってくださいね?」
ミレイを気遣う言葉を発した悠斗だったが、その目は鋭かった。
「・・・ご、ごめんなさいね?ちょっと君に興味があったものだから・・・」
(わ、私の魔法が、弾かれたんじゃなくて・・・砕かれた?
な、何よ・・・こ、この子?魔法が砕かれるって、そんなの初めて・・・)
ミレイは悠斗に底しれぬ恐怖を感じていた。
それを見ていたイリア達は、薄く笑っていたのだった。
(ユウトは勿論、私達にだって、そんな魔法は通用しないわ・・・
あまり侮ってほしくないわね?)
そしてグレインはもう一人の仲間を紹介する。
「こいつが白魔法師のメンデルだ。回復全般こいつに任せている」
「・・・メンデルだ。ユウト君だね?私も仲良くしてくれると嬉しいな」
「悠斗です。こちらこそ、仲良くしてくださいね?」
グレインは一通り仲間を紹介したが・・・
「この前居た連中は別の仕事があってよ?だから今日は違うメンツなんだよ」
「そうですか。この前のお礼も言いたかったんだけど・・・残念ですね」
「まぁーそのうち、嫌でも会う事になると思うから、またその時にな?」
悠斗自身はとてもグレインの事を気に入っているので、
その男の仲間なら・・・そう思っていた。
立ち話も何だからと、グレインの仲間達に座るように促す。
「こんなに所テーブルって?ああ~アイテムバッグか?」
「ええ、便利ですからね」
そんな話をしていると、ミレイが目ざとく見つけた。
「えっ?み、みんな同じバッグ?そ、それってまさか?」
「あははは・・・ふぅ~。そうですよ?全員アイテムバッグを持ってます」
流石に同じデザインだと言い訳しようもないので、
全部同じモノだと正直に話した。
「な、なんで同じモノが?色違いなだけって・・・お、おいっ!ユウトっ!」
「えっとー・・・です・・・ね」
悠斗が焦って口淀んでいると・・・
「おっちゃんっ!このバッグはな~?」
いきなり聞こえてきた知らない声に、グレイン達は咄嗟に立ち上がり
武器に手を掛け、周りを警戒していた。
「おっちゃんっ!そっちちゃうってっ!こっちや、こっちこっち!!」
白斗がカップの後ろから前に出てくると、二本立ちしてアピールする。
それに気付いたライトが・・・
「うおぉぉぉっ!!」っと、かなり驚いていた。
全員がテーブルを凝視する。
「シッシッシッ♪ワシ・・・そんな見つめられたら、照れてまうやんっ♪」
白斗は体をよじって、照れて見せていた。
グレイン達は驚愕してフリーズしていた。
「おーい・・・グレイン?おーい」
白斗に目が釘付けになり悠斗に気付かない。
「おっさんっ!」
そう言いながら、悠斗はグレインの頭を・・・「ハリセン」で叩いた。
「パーーンッ!!」と派手な音が鳴ると、全員の硬直が解けた。
グレインは頭を触るが傷がない事に驚いていた。
「お、おいユウト・・・それは?」
「ふっふっふっ!よくぞ聞いてくれましたっ!これは伝家の宝刀ハリセンですっ!」
バッターボックスにでも入っているように、立ち決めポーズを取っていると・・・
「主・・・いつハリセンなんて作りましたんや?
って言うかやな・・・どこに魔法使っとんねんっ!」
悠斗は白斗に突っ込まれると・・・
「白斗の言う通りだわ・・・完全に魔法の使い方間違ってるわね」
悠斗達はそんなやり取りをしていると・・・
「いやいや、お前らちょっと待てっ!まずは先に話す事があるんじゃねーのか?」
「話すこと?・・・何だろ?あっ・・・腹減ったのか?」
悠斗が真顔で答えるのを見た全員が、呆れた顔をしていた。
「そうじゃなくてだなっ!この・・・この、ちっさい犬の事だっ!」
グレインは白斗を指差すと叫んでいた。
「あ~・・・っと・・・何て説明すればいいんだろ?」
悠斗は説明するのが面倒臭くなると、話をでっち上げた。
まぁ~本人に悪気はないのだが・・・。
「えっとーですね?俺が川で洗濯していたら、
ドンブラコ~ドンブラコ~ってですね、桃が流れてきまして・・・
それを俺が拾って、剣で・・・」
(主・・・いきなりどないしましたん?)
そこまで話すと全員が悠斗の話に食いついていた。
ただ、白斗だけが頭を抱えていた。
ところが悠斗は、ここで一度話を止めると・・・
「みんなどうしたの?ひょっとして・・・続き聞きたい?」
悠斗の問いに全員が強く頷くと・・・
「では、続けます。剣で切ろうとしたら・・・」
(あ、あかん・・・主の顔、完全に調子乗ってますがな・・・)
「ゴブリンやオーク共に襲われまして・・・
俺はとっさにその剣を構え・・・「ゴブリンかっ!」っと・・・」
(あ、主・・・もう色んな話が混ざっとるんやけど・・・
お、オチはちゃんとあるんやろか?ワシめっちゃ心配やわ)
「まぁ~それでそいつらを討伐したんだけど・・・
ふと・・・気付いたら・・・俺が拾った桃に・・・やつらの剣がっ!」
何故かグレイン達が話に夢中になり、白斗の経緯を知っているはずの
イリア達までが聞き入っていた。
(なんかワシの話なんかどうでもよくなってますやん・・・なんでんのそれ?)
「剣が刺さった桃に俺はゆっくと・・・
ジャリ、ジャリ、ジャリっと近づいたんだぁ~。
こ、怖いなぁ~?怖いなぁ~?やだなぁ~?って・・・」
そして何故かドキドキしていたグレインが・・・
「そ、それで、それでっ!どうなったんだっ!」
と・・・みんなが体を乗り出し悠斗に迫ると・・・
(なぁーて・・・お前ら全員アホやろ?)
「俺は息苦しくなったが、その桃がどうなったのかを確認したくなったんだ・・・
俺は恐る恐るその桃を・・・ガッ!っと開けて見たっ!
す、するとっ!!・・・中でこいつが剣を肉球で白刃取りしてたって話♪
で、俺と白斗の旅が始まったんだ・・・うんうん、いい話だ♪」
悠斗がその話を終えると、何故かライトが泣きながら・・・
「よ、良かったな~お前~?急死に一生とはこの事だぞーっ!」
と、ライトは優しく白斗の頭を指で撫でた・・・。
(こ、この御人・・・動物好きなんやろか?)
「そっか~白斗も色々とあったのね~」と、イリアが感慨深そうにし・・・
(いやいや、イリアのねぇーさん。
あんた、ワシ出てきた時、見てましたよな?)
「にゃんとも・・・お前はただの毛玉じゃなかったのにゃ~?」
セルカの心の内がこんな所で聞かされ・・・
(お、お前ーっ!やっぱりそんな事思っとったんかぁぁぁっ!!)
「お犬様も色々ありましたのね・・・」
本気で泣くロジー
(ロジーはん・・・まじ泣きですのん?それに、ワシ犬ちゃいまっせ?
何度も言うてますやんっ!ワシは聖獣やっちゅーねんっ!)
みんながそれぞれの気持ちで白斗を見つめていると・・・
「あんな~?ワシは主に使える聖獣や・・・」
全員がその時・・・静止した。
白斗は自分がしでかした事に気付いていなかった・・・
(白斗・・・お前・・・)
(主?なんでんの?)
(もう一度さ、自分が言った事・・・思い出して見ろ?)
(えっ?な、なんや急に?ワシは・・・えっと・・・はっ!!)
白斗は己が何を大声で話したのかに気付いた・・・。
(あ、あかん・・・ワシ・・・やってもうた・・・)
冷静を装ってはいるが、白斗の肉球周りには・・・大量の汗で水浸しだった。
(あぁぁぁぁっ!ワシっ!やってもたぁぁぁぁっ!!)
今日も白斗の叫びが木霊した。
ラウル ・・・ ここだけの出番って悲しくね?
ミスティ ・・・ ここに出られるだけでも良いではありませんか?
ラウル ・・・ それでさ~原作者に懇願したんだけどさ~
ミスティ ・・・ ラウル様もしたんですね?
ラウル ・・・ も・・・って何?も・・・ってっ!
ミスティ ・・・ コホン、そ、それでどうしたのですか?
ラウル ・・・ 帰ってきた返事はさ・・・「・・・・考えとく」だってさぁ~
ミスティ ・・・ 私の時は・・・「もう少し待って?」でしたけど?
ラウル ・・・ ・・・な、何だこの違いは?
ミスティ ・・・ 私は高級焼き肉を贈りましたから♪
ラウル ・・・ 僕・・・蕎麦だった・・・orz
ってなことで、緋色火花でした。




