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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第二章 港町・アシュリナ編
76/406

62話 合流と聖獣の失敗

お疲れ様です。


第2章が始まって、今回の話なんですが・・・

やっっっと、グレイン達と合流しましたW

おめでとうございますW

と、言う事で・・・これからも頑張りますっ!



それでは、62話をお楽しみ下さい。

悠斗達はグレインと合流するために森にある教会跡に来たのだが・・・

悠斗が爆睡始めて4時間が経った頃・・・。


「なぁ~セルカはん・・・その御人、来はりませんな?」

「にゃ~・・・確かに遅いのにゃ」

「一度誰かが様子を見に行くしかないわね?」


全員が頷くも、様子を見に行ける人は限られていた。


「まず私は・・・駄目ね。ダークエルフは目立つものね?

 次にロジーと白斗は論外で、ユウトは・・・ある意味危ないから駄目ね。

 残ったのは・・・セルカね」

「やっぱりここは私が行く方が適任なのにゃ♪」


夕暮れに染まろうと空が赤みがかった頃、

イリア達は痺れを切らし行動しようとしていた。


セルカの準備が終わり出発しようとした時・・・

「セルカ~ちょい待ったー!」

教会にある孤児院跡の中から悠斗が眠そうに出てきた。

「ユウト・・・起きたのね?」

「主、よ~寝てはりましたな~?大丈夫でっか?」

「ユウト様、お体は大丈夫ですか?」

「起きたのにゃ?待ったとはどうしてなのにゃ?」


悠斗は釜戸に置いてあったお湯を使って、コーヒーを入れると・・・


「えっと~・・・もうすぐしたら来ると思うよ?」

悠斗はコーヒーに口を付けながらそう話した。

「一体どう言う事なのにゃ?」

「そうよ・・・ちゃんと説明してもらわないと・・・」

みんなの疑問に面倒臭そうに話した。


「えっとー。俺のスキルって、どうも表示されない種類があるみたいでさ、

 あー、でもどうなんだろ?これも一種の気配察知になるのだろうか?」

「主・・・今、それはどうでもええわ。それよりも・・・」

「わかった、わかったから!

 でな?グレインは此処から残り1㎞ぐらいの所に居るから

 もう少し待てば必ず来るよ?」

「だからどうしてそれがグレインだってわかるのにゃ?


悠斗は椅子に座ると背もたれに体重を預けた・・・。

「俺ってさ、一度出会った人の気の流れは覚えてしまうみたいなんだよね?」

イリア達全員が首を捻っていた。


「生物って、みんな同じ訳じゃないじゃん?顔や性格が違うようにさ?」

「そうね」

「だからその人固有の気の流れを感じて覚えてしまうんだけど・・・

 距離的には・・・1kmちょい?くらいだったら、わかるっぽい」

「主・・・ぽいってなんですのん?」

「ん~・・・日本に居た時はなんとなく・・・?って、感じだったんだけど、

 こっちに来てからちょっとその辺がわかり始めたんだよね」


「ユウト様は戦闘特化のタイプにゃからね~・・・

 私達に感じられない事もわかるのかもしれないにゃ♪」

「戦闘以外では、全然「ポヤン」とした御人ですけどね」


白斗の突っ込みに全員が笑っていた。

そして暫くすると、セルカの耳が「ピクンッ!」と、動くと・・・


「ユウト様・・・グレイン達が来たみたいなのにゃ♪」

「わかった~」

悠斗はそう言うと、マジックボックスから、赤いアイテムバッグを取り出した。

「えっ?ユウト・・・アイテムバッグ取り出してどうしたの?」

「ん?だってさ、このバッグに入れないと・・・

 マジックボックスの事バレちゃうけどいいの?」


イリア達はマジックボックスが当たり前になっていて、

一般常識を忘れてしまっていた。


「あぁーっ!そうだったわね・・・ついある事がもう当たり前になってしまって、

 常識をすっかり忘れてしまってたわね?」

「にゃはは♪私もついうっかりだったのにゃ♪」

イリアは何かを思い出し、マジックボックスを調べると・・・


「あった~♪ジャーンっ!」

イリアがご機嫌で取り出したのは、悠斗と同じ色違いのアイテムバッグだった。

「そうそう、ミスティ様がいれてあるからって言ってたわ。

 もうすっかり忘れてしまってたわ♪」


そして白斗以外全員がアイテムバッグを取り出した。


悠斗が赤、イリアが緑、セルカが黄色、ロジーが白、

ミスティがそれぞれに合わせたカラーにしていた。


そして・・・人の話し声と足音が聞こえ、グレインがこちらを見つけると・・・

「ようっ!お前らぁーっ!無事で何よりだぜ~。

 おっ?ロジーも目覚めたんだなー?良かった、これで安心したぜ~」

そう言って手を振りながらグレインの仲間達とやってきた。


「ようっ!ユウトーっ!暫くぶりだな~?連絡がなかったから心配したぜー」

グレインと悠斗はお互いにハグをすると、硬い握手を交わした。

「ああ~、まぁーちょっと色々とトラブっちゃってさ。

 連絡が遅れた事は謝るよ。ごめんな?」

グレインは大きな声で笑うと、悠斗の背中を数回叩いていた。


「ああ、そうだ、ユウト。荒波の旅団の仲間を紹介するぜ」

そう言って、グレインは仲間を紹介しはじめた。


「まず、こいつは俺の右腕でもあり、副団長の盗賊・ライトエルだ」

「君が噂の・・・ユウトか?なるほどね~。

 ライトって呼んでくれ、宜しくな?」

「初めまして、悠斗です。宜しくお願いします。ライトさん」

悠斗とライトは握手を交わす。


「で~次はだな・・・黒魔法師のミレイだ」

「あら?坊やが団長の言っていた、ユウトかしら?

 団長がお世話になったみたいで、ごめんなさいね?宜しくね?」

「こ、こちらこそ、グレインにはお世話になりました。

 ミレイさん・・・これからも宜しくお願いします」


握手を交わすとミレイが鑑定を使用したのだが・・・

「パリンっ!」と、ガラスが割れる音がした。

ミレイは驚き硬直すると・・・

「こらっ!ミレイっ!俺のダチに何やってんだてめぇーっ!」

グレインがミレイに食ってかかっていたが、悠斗がそれを止めた。


「あはは、ミレイさん・・・見たければ言ってくださいね?」

ミレイを気遣う言葉を発した悠斗だったが、その目は鋭かった。

「・・・ご、ごめんなさいね?ちょっと君に興味があったものだから・・・」

(わ、私の魔法が、弾かれたんじゃなくて・・・砕かれた?

 な、何よ・・・こ、この子?魔法が砕かれるって、そんなの初めて・・・)


ミレイは悠斗に底しれぬ恐怖を感じていた。

それを見ていたイリア達は、薄く笑っていたのだった。

(ユウトは勿論、私達にだって、そんな魔法は通用しないわ・・・

 あまり侮ってほしくないわね?)


そしてグレインはもう一人の仲間を紹介する。

「こいつが白魔法師のメンデルだ。回復全般こいつに任せている」

「・・・メンデルだ。ユウト君だね?私も仲良くしてくれると嬉しいな」

「悠斗です。こちらこそ、仲良くしてくださいね?」


グレインは一通り仲間を紹介したが・・・

「この前居た連中は別の仕事があってよ?だから今日は違うメンツなんだよ」

「そうですか。この前のお礼も言いたかったんだけど・・・残念ですね」

「まぁーそのうち、嫌でも会う事になると思うから、またその時にな?」


悠斗自身はとてもグレインの事を気に入っているので、

その男の仲間なら・・・そう思っていた。

立ち話も何だからと、グレインの仲間達に座るように促す。


「こんなに所テーブルって?ああ~アイテムバッグか?」

「ええ、便利ですからね」

そんな話をしていると、ミレイが目ざとく見つけた。


「えっ?み、みんな同じバッグ?そ、それってまさか?」

「あははは・・・ふぅ~。そうですよ?全員アイテムバッグを持ってます」

流石に同じデザインだと言い訳しようもないので、

全部同じモノだと正直に話した。

「な、なんで同じモノが?色違いなだけって・・・お、おいっ!ユウトっ!」

「えっとー・・・です・・・ね」


悠斗が焦って口淀んでいると・・・

「おっちゃんっ!このバッグはな~?」

いきなり聞こえてきた知らない声に、グレイン達は咄嗟に立ち上がり

武器に手を掛け、周りを警戒していた。


「おっちゃんっ!そっちちゃうってっ!こっちや、こっちこっち!!」

白斗がカップの後ろから前に出てくると、二本立ちしてアピールする。

それに気付いたライトが・・・

「うおぉぉぉっ!!」っと、かなり驚いていた。

全員がテーブルを凝視する。


「シッシッシッ♪ワシ・・・そんな見つめられたら、照れてまうやんっ♪」

白斗は体をよじって、照れて見せていた。

グレイン達は驚愕してフリーズしていた。


「おーい・・・グレイン?おーい」

白斗に目が釘付けになり悠斗に気付かない。

「おっさんっ!」

そう言いながら、悠斗はグレインの頭を・・・「ハリセン」で叩いた。


「パーーンッ!!」と派手な音が鳴ると、全員の硬直が解けた。

グレインは頭を触るが傷がない事に驚いていた。


「お、おいユウト・・・それは?」

「ふっふっふっ!よくぞ聞いてくれましたっ!これは伝家の宝刀ハリセンですっ!」

バッターボックスにでも入っているように、立ち決めポーズを取っていると・・・

「主・・・いつハリセンなんて作りましたんや?

 って言うかやな・・・どこに魔法使っとんねんっ!」

悠斗は白斗に突っ込まれると・・・

「白斗の言う通りだわ・・・完全に魔法の使い方間違ってるわね」


悠斗達はそんなやり取りをしていると・・・

「いやいや、お前らちょっと待てっ!まずは先に話す事があるんじゃねーのか?」

「話すこと?・・・何だろ?あっ・・・腹減ったのか?」


悠斗が真顔で答えるのを見た全員が、呆れた顔をしていた。

「そうじゃなくてだなっ!この・・・この、ちっさい犬の事だっ!」

グレインは白斗を指差すと叫んでいた。


「あ~・・・っと・・・何て説明すればいいんだろ?」

悠斗は説明するのが面倒臭くなると、話をでっち上げた。

まぁ~本人に悪気はないのだが・・・。


「えっとーですね?俺が川で洗濯していたら、

 ドンブラコ~ドンブラコ~ってですね、桃が流れてきまして・・・

 それを俺が拾って、剣で・・・」

(主・・・いきなりどないしましたん?)


そこまで話すと全員が悠斗の話に食いついていた。

ただ、白斗だけが頭を抱えていた。

ところが悠斗は、ここで一度話を止めると・・・


「みんなどうしたの?ひょっとして・・・続き聞きたい?」

悠斗の問いに全員が強く頷くと・・・

「では、続けます。剣で切ろうとしたら・・・」


(あ、あかん・・・主の顔、完全に調子乗ってますがな・・・)


「ゴブリンやオーク共に襲われまして・・・

 俺はとっさにその剣を構え・・・「ゴブリンかっ!」っと・・・」


(あ、主・・・もう色んな話が混ざっとるんやけど・・・

 お、オチはちゃんとあるんやろか?ワシめっちゃ心配やわ)


「まぁ~それでそいつらを討伐したんだけど・・・

 ふと・・・気付いたら・・・俺が拾った桃に・・・やつらの剣がっ!」


何故かグレイン達が話に夢中になり、白斗の経緯を知っているはずの

イリア達までが聞き入っていた。


(なんかワシの話なんかどうでもよくなってますやん・・・なんでんのそれ?)


「剣が刺さった桃に俺はゆっくと・・・

 ジャリ、ジャリ、ジャリっと近づいたんだぁ~。

 こ、怖いなぁ~?怖いなぁ~?やだなぁ~?って・・・」


そして何故かドキドキしていたグレインが・・・

「そ、それで、それでっ!どうなったんだっ!」

と・・・みんなが体を乗り出し悠斗に迫ると・・・


(なぁーて・・・お前ら全員アホやろ?)


「俺は息苦しくなったが、その桃がどうなったのかを確認したくなったんだ・・・

 俺は恐る恐るその桃を・・・ガッ!っと開けて見たっ!

 す、するとっ!!・・・中でこいつが剣を肉球で白刃取りしてたって話♪

 で、俺と白斗の旅が始まったんだ・・・うんうん、いい話だ♪」


悠斗がその話を終えると、何故かライトが泣きながら・・・

「よ、良かったな~お前~?急死に一生とはこの事だぞーっ!」

と、ライトは優しく白斗の頭を指で撫でた・・・。

(こ、この御人・・・動物好きなんやろか?)


「そっか~白斗も色々とあったのね~」と、イリアが感慨深そうにし・・・

(いやいや、イリアのねぇーさん。

 あんた、ワシ出てきた時、見てましたよな?)


「にゃんとも・・・お前はただの毛玉じゃなかったのにゃ~?」

セルカの心の内がこんな所で聞かされ・・・

(お、お前ーっ!やっぱりそんな事思っとったんかぁぁぁっ!!)


「お犬様も色々ありましたのね・・・」

本気で泣くロジー

(ロジーはん・・・まじ泣きですのん?それに、ワシ犬ちゃいまっせ?

 何度も言うてますやんっ!ワシは聖獣やっちゅーねんっ!)


みんながそれぞれの気持ちで白斗を見つめていると・・・

「あんな~?ワシは主に使える聖獣や・・・」

全員がその時・・・静止した。


白斗は自分がしでかした事に気付いていなかった・・・

(白斗・・・お前・・・)

(主?なんでんの?)

(もう一度さ、自分が言った事・・・思い出して見ろ?)

(えっ?な、なんや急に?ワシは・・・えっと・・・はっ!!)


白斗は己が何を大声で話したのかに気付いた・・・。

(あ、あかん・・・ワシ・・・やってもうた・・・)

冷静を装ってはいるが、白斗の肉球周りには・・・大量の汗で水浸しだった。


(あぁぁぁぁっ!ワシっ!やってもたぁぁぁぁっ!!)


今日も白斗の叫びが木霊した。


ラウル ・・・ ここだけの出番って悲しくね?

ミスティ ・・・ ここに出られるだけでも良いではありませんか?

ラウル ・・・ それでさ~原作者に懇願したんだけどさ~

ミスティ ・・・ ラウル様もしたんですね?

ラウル ・・・ も・・・って何?も・・・ってっ!

ミスティ ・・・ コホン、そ、それでどうしたのですか?

ラウル ・・・ 帰ってきた返事はさ・・・「・・・・考えとく」だってさぁ~

ミスティ ・・・ 私の時は・・・「もう少し待って?」でしたけど?

ラウル ・・・ ・・・な、何だこの違いは?

ミスティ ・・・ 私は高級焼き肉を贈りましたから♪

ラウル ・・・ 僕・・・蕎麦だった・・・orz



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] やっっっと、グレインと合流できましたね。 今後もこの「3歩進んで2歩下がる」(古い?)感は続くのでしょうか?(笑) 白斗君、やらかしちゃいましたけど、ミレイやメンデルがグレインの為にも初対…
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