61話 廃墟にて・・・
お疲れ様です。
今回いよいよ第2章がスタートします。
って言うか、いつアシュリナへ着くのでしょうか?
という問題もありますが、ぼちぼちやって行こうと思ってます。
いつも通りにまたアップしますので宜しくお願いします。
それでは、第2章スタートです。お楽しみ下さい。
岩場の聖域を出た悠斗達は森へと続く通路のような洞窟に着ていた。
「此処までは問題無かったけど、此処からは緊張感持たないとね?」
悠斗の言葉に全員が頷く。
「ユウト様・・・私が先頭を行きますのにゃ♪」
「あ~主、一応念の為ちゅー訳やないけど、
ワシもセルカはんの肩に乗って、お手伝いしますわ~」
「わかった。二人共頼むよ」
「はいにゃ♪」
「まかせといてぇーな」
イリアがライトの魔法を使用し、洞窟の中が明るくなると、
セルカと白斗を先頭に、イリアそしてロジーと、最後尾に悠斗が続く。
洞窟内部はある程度整備はされているようだが、
松明や魔法がない場合歩くのは少しキツく感じられた。
現に、ロジーは歩きにくそうどころか・・・
少しペースが落ちているように思われた。
「ロジー大丈夫か?」
「は、はい・・・こ、これくらいは・・・」
「んー・・・セルカ、ちょっと止まってくれるかな?」
「どうしたのにゃ?」
イリアにライトでロジーの足元を照らしてもらうと・・・。
「ロジーどうして言わなかった?」
「み、皆さんの足手纏いには・・・」
洞窟内をイリアの魔法で照らされたロジーの足は、
靴の底が破れ血が流れていた。
「ロジー?言わないほうが足手纏いになるからな?」
「・・・はい」
「怒ってないよ?俺達仲間だろ?だから気兼ねなく言っていいんだぞ?」
悠斗はロジーに笑顔を向けると、少し照れながらも頷いた。
「ロジー・・・ちょっと俺の膝の上に座ってくれ?」
ロジーは「はっ!」として、悠斗の顔を見た。
「いやいやいや・・・別に変な事しないからな?
ただちょっと、足を治療したいだけだからな?」
「わ、わかりました。で、では、失礼致します」
悠斗は片膝を着くと、ロジーを足の上に座らせた。
そして悠斗はヒールをかけて、足の具合を見ると・・・
「んー・・・。やっぱこれしかないかな?」
ロジーをゆっくり降ろすと、背中を向けてしゃがみ込んだ。
「ロジー・・・その足じゃこれから先は無理だ。
だから俺におぶさってくれるか?」
「は、はい・・・し、失礼致します」
ロジーは少し照れながら、悠斗におぶさった。
「よしっと・・・せーのっ!軽っ!!」
あまりの軽さに悠斗は驚き声を上げた。
セルカやイリア達も笑っていたが、白斗だけは少し違った。
「なぁ~・・・あんさん達。緊張感ないんでっか?
そんな大声だしとったら・・・バレてまうでしょうがっ!」
白斗が言う事が正論だったので、素直に全員が謝った。
そして再び森を目指した。
そして暫く進むと・・・
「ユウト様、出口なのにゃ♪」
「慎重に行こう・・・念の為にね」
全員が頷き出口へと近づく。
「ふんふん・・・問題なさそうにゃ♪」
「ワシもOKでっせ~♪」
魔法やスキルで気配察知を使用したとしても、ここは洞窟。
トンネルや洞窟では、前後の気配しか察知できないのである。
そして出口の手前まで来ると・・・
「問題ないのにゃ♪」
セルカの言葉で全員出口を出ると、そこには眼前に森が広がっていた。
「此処は少し開けているんだね?」
「そうにゃ♪此処でもう一度装備チェックして森に入るのにゃ♪」
「わかった。後、これから何かに気をつけるとか・・・ある?」
少しセルカは考えると・・・
「あぁ~言い忘れた事があるのにゃ。ユウト様は蛇は大丈夫にゃのかにゃ?」
「蛇?俺は全然平気だけど?むしろ・・・慣れてる♪」
「私も大丈夫よ?だって私・・・嘆きの森出身ですもの♪」
「にゃははは♪わかったのにゃ♪
此処はとても蛇が多い森なのにゃ。だから誰も来にゃいのにゃ♪」
「そう言う事なのね?此処を使った方が近いのに何故かしら?って、
ずっと思っていたから・・・納得ね♪」
そんな中・・・二人だけが顔色を変えていた・・・。
「あの~・・・すんまへん。ワシ・・・蛇、苦手なんですわ」
「あ、あのっ!わ、私も・・・苦手です」
あまりにも予想外だったので・・・特に・・・犬が・・・。
「なぁ、白斗?お前、すげー防御結界使えるのに、苦手なのか?」
そう思ったのは悠斗達全員そう思っていたのだ。
「いやいや主・・・結界が使えるのと、苦手なのは全然ちゃいまっせ?」
「ふーん、そんなモノなのかね~?」
「ワシみたいなナリしてたら・・・一飲みでっせ?
ワシ、丸呑みされとうないわっ!」
悠斗と白斗のやり取りを見てみんなが笑っていた。
「にゃははは♪これから先は、解毒用のポーションや魔法が必須になるにゃ♪
だから今此処には、誰も寄り付かなくなったのにゃ♪」
「あ~・・・そう言う事か。
だから此処には捜索隊の下級騎士も来ないって事か?」
「でも情けないわね?たかが蛇如きで・・・逆に驚くわよ」
「えろ~すんまへんな?その蛇如きが苦手でっ!」
「わ、私も・・・ご、ごめんなさい」
突然ロジーにも謝られ、この後必死でイリアは取り繕った。
「まぁ~ポーション類はアリエルに貰ったのがあるし、
魔法もあるから問題なしだな」
「そうにゃ♪もう一踏ん張りなのにゃ♪」
そして悠斗達は森の中へと入って行った。
途中何故か蛇と遭遇する事もなく、目的地の廃墟へと辿り着いた。
「ふぅ~・・・やっと着いたのにゃ♪でも蛇は出なかったのにゃ?」
「ああ~・・・確かに、全然見なかったな?」
「ええ~っ!蛇なんて出んで宜しいやんっ!」
「白斗ったら・・・ずっとセルカの肩の上で震えてたわね?
私、すぐ後ろだったから、もう可笑しくて可笑しくて・・・♪」
「な、何が可笑しいねんなっ!あんさんだって、苦手なもんが
一つや二つありまっしゃろがっ!」
「ん~・・・思いつくところでは・・・ないわね?♪」
「さ、さよでっか・・・」
目的地に到着して気が緩み、談話していた。
「さてっと・・・気配察知っと・・・」
悠斗は気配察知で廃墟の周りなどを確認した。
「・・・とりあえずまだ来ていないようだな?」
ロジーと白斗に留守番をまかせ、
悠斗達はそれぞれ別行動をして、石や薪等を拾い集めてきた。
悠斗は釜戸等をイリア達に任せると、
セルカと一緒に廃墟の中に入って行った。
「・・・此処って、元・教会なのか?」
「そうなのにゃ♪此処で孤児院もその昔やっていたらしいのにゃ♪」
「らしいって事は、セルカは知らないんだな?」
「そうにゃ、200年前くらいの話らしいのにゃ」
「にゃるほど~♪」
「にゃ?・・・にゃははは♪」
教会側の建物は大きいガラス等が散乱して危なかったが、
孤児院の建物の方はなんとか使えるレベルだった。
そして、悠斗とセルカは魔法のクリーンを使って
孤児院跡の屋内を綺麗にしていった。
「これでにゃんとか、泊まれるのにゃ♪」
「そう・・・だな。これなら問題ないだろうね♪」
孤児院の建物の前もある程度綺麗にしておき、
素足でも歩けるくらいには綺麗にした。
釜戸が完成したと聞いた悠斗とセルカは戻り、
テーブルを広げ椅子を出した。
「あっ?このテーブルと椅子って?」
イリア達は笑顔を悠斗似向けると・・・
「私達みんな、ミスティ様に同じモノを頂いています♪」
そう言うと、セルカやロジーも親指を立てていた。
「あははは・・・あれ?俺だけテーブルと椅子もらってないんだけど?」
そうみんなに告げると、全員に笑われた。
「・・・何かの陰謀だっ!」と、悪態ついていた。
それから悠斗達はマジックボックスに入っていた、
ミスティの手料理を食べ、食後のコーヒーorティータイムを取っていた。
「それにしても・・・遅いのにゃ?」
「ん~・・・何かあったかもしれないわね?」
「まさか・・・そのグレインって御人が裏切ったとか? 」
白斗の軽はずみな発言で、女性陣からバッシングを受けていた。
「主~?助けてーなっ! 」
テーブルの上を横断し、悠斗の元へ駆け寄ると・・・
「あかん・・・主・・・寝てもうてるやん」
悠斗は椅子の背もたれに体重を預け、ぐっすりと眠っていた。
「主って、一度寝てたら中々起きんよな?」
「そうね・・・孤児院の中って、綺麗にしてくれたのよね?」
「綺麗にしたから後はベッドを置くだけなのにゃ」
全員が頷くと、イリアが浮遊の魔法をかけ、
孤児院の中へ連れて行くと。セルカがベッドを出し、悠斗を寝かせ退出した。
(ん?行った・・・かな?)
突然悠斗は目を覚ますと体を起こした。
(さてっと・・・)
そして悠斗は孤児院跡の部屋から消えた。
イリア達は孤児院跡を出ると椅子に座り直した。
「ワシな・・・疑問があるんやけど、答えてもらわれへんかな?」
突然白斗が疑問があると・・・つぶやいた。
全員が頷くと・・・
「あんな?何で皆さんは、主に好意を持ってるんや?」
その質問に全員が驚いたが、別に隠しておく必要もないので
質問に答えていった。
「じゃ~まずは私からね?」
そう言って話を始めたのはイリアだった。
「なんでイリアはんは主の事好きなんや?」
「えっと、まずあの聖域の前で助けられたんだけど、
最初は一目惚れ?みたいな感じだったの。
でもね~・・・あの人の外見じゃなくて、人柄?が好きになったの。
見回り隊が私にちょっかい出そうとした時もそうだったし、
無駄に命を奪わない事や、あの悲しそうな目・・・
まぁ~そんなところが好きになったのかもね~♪」
「じゃ~次は私なのにゃ♪私の場合は・・・好きって感じじゃにゃいのにゃ♪
好きにゃのは好きにゃんだけど・・・にゃあ~・・・・
そうにゃっ!お兄ちゃん的なところが好きにゃのにゃ♪」
「なんやセルカはん・・・異性として好きとちゃいますねんな?」
「そうにゃ♪だから私はイリアのライバルにはならないのにゃ?」
「へぇ~・・・そりゃ意外な話でんな~」
セルカがライバルにならなかった事が嬉しいイリアだった。
「セルカ・・・私の事もお姉ちゃんって呼んでくれてもいいのよ?」
イリアは満面の笑みを浮かべ聞いて見ると・・・
「にゃ~・・・それは遠慮するのにゃ」
「えっ? 何でよっ!」
「イリアは・・・頼りにゃいのにゃ・・・すぐに泣くのにゃ」
「うぅぅっ」
セルカの一言に落ち込みが隠せないイリアだったが・・・
「でもイリアは友達なのにゃ♪別にお姉ちゃんじゃなくてもいいのにゃ♪」
「セルカ・・・」
イリアは席を立ち、セルカを抱きしめた。
「うっにゃぁぁぁっ!く、苦しいのにゃ・・・い、息がぁぁぁっ!」
最初は白斗もロジーも照れ隠しだと思っていたが・・・
「あ、あれ?なんやセルカはんの様子が・・・?」
「は、白斗様っ!セルカさんが・・・・セルカさんが・・・・」
ロジーはイリアの胸で窒息死しそうなセルカの顔を見た。
「あ、あかんてっ!イリアはんっ!その猫娘が死んでまうってっ!」
白斗の叫び声を聞いたイリアは・・・
「何ふざけてんのよ~」っと、笑っていたが、セルカの様子を覗き見ると・・・
「セ、セルカ?!えっ?う、嘘っ!どうしてよっ!」
それから少しして、意識を取り戻したセルカ。
イリアの胸の中で窒息しかけたセルカは・・・
「・・・もげればいいにゃっ!」
暫くの間は言われ続ける事を、イリアは甘んじて受け入れるのだった。
そして・・・
「あ~・・・ロジーはんは別に言わんでええですよ?」
「えっ!?ど、どうしてですかっ!?」
「あんさんの場合・・・恋愛対象じゃなくて、主が神格化してますやん。
せやから、ワシが聞く事はありませんで?」
「神格化?白斗・・・一体どういう事なの?」
ロジーの悠斗への想いは、恋愛をすでに突き抜けてしまい、
神として・・・愛してしまっていたのだ。
「ああ~そう言う事?」
「そうでんねん・・・しかも・・・狂信的なくらいにな?
驚でっ!しかしっ! ・・・そんな感じですわ」
「にゃ?でもラウル様に言われてからそうなったのかにゃ?」
ロジーは俯きながら黙って首を振ると・・・
「いいえ、ミスティ様とミランダ様の御二方です♪
永遠と、ユウト様がどれだけ素晴らしい御方なのか・・・
そして、どれだけ皆に愛を届けているか・・・
それから・・・・」
「ロ、ロジーはん・・・も、もうええですわ」
「あのお二人に・・・納得出来るわね?」
「あのお二人にかかったら・・・私でも自信がにゃいわ・・・」
白斗はロジーを見ると、手を組み神に祈っていた。
「・・・なぁ、これって・・・ただの洗脳でんがなっ!」
白斗叫びがこの森でも木霊と化した。
そしてグレインはまだ来なかった。
ラウル ・・・ おっ?第2章も此処は僕達でいいのかな?
ミスティ ・・・ そうですわね。でも本編に出たいのが本音ですけど・・・
ラウル ・・・ 今回本編ってデルのが難しそうだね~・・・
ミスティ ・・・ 私も今回はちょっと諦めてます。
ラウル ・・・ 何かしらモノを送ってもおくのもいいかもね~
ミスティ ・・・ 私はもう贈りましたけどね♪
ラウル ・・・ で、出遅れた・・・orz
ってなことで、緋色火花でした。
第2章の応援も宜しくお願い致します。




