閑話 日本 10 弟子
お疲れ様です。
今回も閑話ですね。
英二の話になります。
英二の戦いもこれからまだまだ続きますので、
応援の程、宜しくお願いします。
今日の夜から第2章も始まりますので、
そちらの方も宜しくお願いします。
活動報告にも色々上げて行こうと思っていますので、
そちらも宜しくお願いします。
それでは、閑話 日本 10をお楽しみ下さい。
俺は英二・・・指宿 英二 28歳・独身・彼女なし。
そうだな~。本題を話す前に、俺達の事を話しておこうか・・・
ただし・・・話せる所までだけどな?
俺達は日々、日本にはびこる「魔」を退治する為、
ある一族の者を筆頭に、国によって集められた組織だ。
正式名称は・・・「◯◯◯◯◯ 凶祓い師」って、名称なんだけどな?
へっへっ・・・すまねぇ・・・◯の部分は言えねぇーんだわ。わりぃーな?
さっきの名称で「凶祓い師」ってあっただろ?
皆さんは名前くらいは聞いた事あるんじゃねぇーかな~?
今はただ単純に「魔」と、呼んでいるけどよ
本来は・・・「もののけ」そう呼ばれていた化け物達だ。
それを俺達みたいな連中が、日本国民を守るために全国に散ってよ、
退治しまくってるって訳なんだが・・・。
まぁ~これまた詳しい話は出来ねぇーけどよ?
「◯◯◯振動波」ってのを、感知する組織・・・
あ~・・・此処の名称は言えねぇーな。はっはっ、すまねぇ。
で・・・、そいつらが感知した場所へ行く。
そしたらよ?その場所に行くと、「ゲート」と、呼ばれる扉が
ん~・・・場所は関係ねぇーんだけどよ、
空間にそのゲートが現れ、「魔」がやって来る・・・
ただし、ゲートが現れたからって、すぐに出てくるモノじゃねぇーんだ。
まぁ~たまにあるんだが、ゲートが開かなかったって時もあってよ、
出待ち損?・・・みたいな事もあるんだよ。
そしてそのゲートには色や模様ってのがあってよ。
緑色だったり黒だったり・・・そして唐草模様・・・的な?
そして、その色や模様によって、出てくる「魔」ってのが違うんだ。
例えば・・・昆虫系だったりよ、ゴリラっぽいヤツとかよ
大小様々なのがいやがるんだよ。
一般人は肉眼で見る事は出来ねぇーんだ。
ある一定の・・・「◯◯◯◯」ってのをって・・・
すまねぇ・・・これも言えねぇーんだわ。ほんとにわりぃー。
まぁ、その力が弱い連中にはよ、ゴーグルがあるから
それを使えば見れるって訳だ。
赤外線も内蔵されてっからよ。便利っ言えば便利だよな?
そして俺は、「魔」の討伐部隊・一番隊・隊長をやっている。
俺達の組織の実戦部隊である討伐隊は・・・一番隊~三十番隊まである。
一つの隊に所属している人数は、15人~20人と、言ったところかな?
相手によっては、合同で討伐するのは当たり前なんだけどな。
それをサポートする連中が居ないと中々つらいんだわ。
だからまぁ~実質現場で戦うって連中は、半分くらいだな。
勿論、男も女も関係ねぇからよ。
ってな感じでよ。説明はここまで・・・だな。
そして此れより少し時は遡る。
「気道・体術・六・破岩」の修練まで時は戻る。
本家の次女・沙耶と話してから3日後の事・・・
英二は青空の下で寝転がっていた。
雲ひとつ無い青空の下で・・・大地の暖かさと、風の流れ・・・
そして・・・木々の香り・・・。
すると・・・
「英二さん、英二さんっ!そろそろ現実逃避をやめて
起き上がらないと、沙耶様に・・・殺されますよ?」
英二はのんびりと過ごしていた訳ではなかった。
気道の六を習得するため修練を行っていたのだ・・・。
「ったくよ~・・・もう少しくらい休ませろっつーのっ!」
「英二さん・・・まだ走っただけじゃないですかぁ~。
普段怠けて悠斗様に頼っているからですよ?」
英二に対してあれこれ言ってくる男が居た。
「うっせーなぁ~!直樹よ~・・・起きるってっ!」
(こいつの名は、浅見 直樹 16歳の高校生で爽やか系ボーイだ。
直樹は三番隊の沙耶の配下で、よくパシられているのを何度か見たが、
別に虐めって訳じゃねぇーんだ。
何故かつーとよ。・・・こいつ、強いんだわ。まじで・・・)
「早く行かないと・・・後で大変な追加メニュー出されても知らないですよ?」
「わ、わぁーってるっつーのっ!ったく・・・直樹元気だな~」
「若いですからね・・・ふっ」
「だあぁぁぁぁっ!もうっ!ほらっ!直樹、行くぞ」
英二は直樹を連れ、悠斗の修練場に向かう。
息を切らせながら到着すると・・・
「英二・・・遅い」
沙耶はこめかみを「ヒクヒク」させていた。
「・・・何も言えねぇ」
ぽつりとつぶやいた一言に直樹は「クスっ」と、笑った。
「なぁー英二、どうして直樹と一緒にやらせているかわかるか?」
突然の質問に答えようがなく沈黙した。
「まぁ~お前じゃわかんねぇーよな?」
そう言うと、直樹を指差し・・・。
「こいつはなぁ~っ!お前とはまた違った意味で、困った君なんだが・・・」
「ああ~・・・その話なら知ってるぜ?
あれだろ?悠斗のストーカーっ!」
英二の発言で直樹が慌てだす。
「ち、違いますっ!違うでしょ?二人共知ってて言うんだもんな~」
沙耶と英二は直樹の慌てように笑い出す。
「あっはっはっ。ほんとにこいつは・・・悠斗のマネばっかりするんだよ。
タイプが全然違うのに、すぐにマネたがるんだよ」
「はっはっ・・・、お前ってば、悠斗のフアンだもんな~?
だからマネたくなるんだろうけどよ」
「べ、別にいいじゃないっスか・・・悠斗様ってすっごく格好いいし、
普段何してるかわかんないし?
移動の時はいつもヘッドフォンしてて話せないけど、
それはそれで・・・格好いい訳で・・・」
英二と沙耶はお互いに顔を見合わせると・・・大爆笑した。
「あーっはっはっはっはっ!!沙耶さんっ!こ、こいつ・・・」
「あ、ああー・・・全く・・・あはっはっはっ・・・何も・・・
ほんとに何も、わ、かってねぇーなって!あっはっはっ
は、腹痛てぇー・・・」
英二も沙耶も苦しそうだった。
「うぅっ・・・」
「ま、まぁ~そのなんだ・・・直樹。
お前が悠斗見てぇーになりたいってのはわかるんだけどよ
この三人に共通する事ってわかんねぇーか?」
英二は直樹に問いかけると・・・
「何ですかね?・・・粗暴?」
その一言に沙耶の拳が直樹の頭に直撃した。
「いっっっっったぁぁぁぁぁっ!」
「当たり前だっ!誰が粗暴だっ!お前もその中に入ってる事になるんだぞ?」
そう言われた直樹はポツリと・・・
「あっ、じゃ~僕は違うな」
その一言に再び拳をくらい悶絶した。
「あははは、直樹・・・わかんねぇーか?
この三人に共通するのは・・・パワータイプって事だよ」
直樹は英二と沙耶を見た。
英二は沙耶に向き直ると、質問してみた。
「なぁ、沙耶さん。何で俺の修練に直樹がいるんですかね?」
「ああ~・・・それはだな・・・悠斗と直樹が全然違うタイプって事を
改めて認識させようと思ってな・・・」
「なるほど・・・でも、破岩の取得は無理っスよね?」
「勿論無理だな・・・こればかりはな」
直樹は余程不満があったのか、猛烈に抗議してきたが・・・
沙耶は腕を組み威圧を放つと、簡単に直樹は押し黙った。
悔しさがにじみ出ている直樹を見ると、英二は頭を搔き毟りながら・・・
「はっ、おめぇーよー?今、操術はいくつだ?」
「・・・壱のみです」
「だよな?破岩は六だぜ?おめぇー気道を舐めてんのかよ?」
英二は多少弱めに威圧をぶつけた。
「ぐっ」と、少し唸ったが、それでも目は死んでいなかった。
英二は沙耶に視線を送ると・・・「やれやれ」的なポーズを取る。
そして、英二は沙耶と話合うと、「ニヤリ」と沙耶が笑った。
ぞくっと悪寒が走ったので、英二は沙耶から離れると・・・
「・・・こ、怖いんですけど?俺が何かしたっスか?」
喉を鳴らしながら沙耶に問う。
「フフン・・・まぁー見てなよ?」
沙耶は得意気な顔で英二を見ると・・・
「入ってきなー?」
沙耶の呼び声に、建物の影から現れたのは・・・
英二の天敵の一人・・・「川崎 いちか」だ。
「何でいちかが?」
沙耶は英二の疑問に再び笑うと・・・
「いやーな?直樹と戦わせようと思ってな?」
英二と直樹は沙耶の顔を見る。
すると直樹が・・・
「俺といちかさんと?理由を聞いていいですか?」
「・・・いちかは悠斗と同じタイプだからな?
だからお前がいちかと戦う事によって、力の使い方を知ってもらおうとな?」
英二は振り返りいちかの様子を見る。
いちかは緊張する事もなく、ストレッチを始めていた。
「いっち、にぃー、さんっ、しぃ~、ごーごーのこぶちゃっと♪」
「お、おいっ!いちか・・・おめぇー大丈夫なのかよ?」
英二の問いに「にかっ!」と、笑うと、Vサインしていた。
「沙耶さん・・・まじでいちかとやらせるんスか?」
「当たり前だろ?直樹のやつは最近調子に乗ってるからね。
ここらでちょっと締めておこうかと・・・」
沙耶の言葉に直樹の顔が引きつる。
「沙耶様・・・俺が負けるとでも?」
「ああ~・・・思ってるよ?悪いかい?」
「お、俺があんな色気ババァに負ける訳ないでしょっ!」
直樹の言葉にいちかのまゆが・・・「ピクリ」と反応した。
いちかはゆっくりと英二達の元へ近づきながら・・・
指を「パキパキ」鳴らせながら冷笑を浮かべた。
「ねぇ・・・そこの僕?私・・・まだ21歳なんだけど?」
直樹は何かを言おうとしたが、沙耶に向き直ると・・・
「あの沙耶様、ちょっと思いっきり耳を塞いでいてもらえますか?」
直樹の願いに沙耶は頷くと、思いっきり耳を塞ぎ目を閉じた。
そして直樹はいちかと対峙すると・・・
「・・・俺からしたら21歳なんて、みんなババァだよっ!」
そして最後に小さな声で・・・「沙耶様は違いますので・・・」と、フォローしていた。
英二は笑いながら・・・
(おお~・・・こいつ、ちゃんとフォローの出来るヤツじゃねぇーかぁーっ!
悠斗とは違うな~)
と、笑っていた。
そして英二は沙耶の肩を「チョンチョン」と叩くと・・・
「終わったか?直樹」
「はい。終わりました」
「でもな・・・すまん、お前の声がでかすぎてな・・・
手に当たる振動で、お前が何を言ったか・・・わかっちゃったわ・・・」
沙耶が不敵な笑みを浮かべながら、拳を「バキバキ」言わせていた。
慌てて弁解するが、フォローしていた事もわかっていたようなので
今回は無罪とされた。
そして・・・再び対峙する二人。
「いいか・・・二人共。
気道は直樹に合わせて、操術・壱までとする。
それから剣術は好きに使え・・・いいな?」
直樹といちかは大きく頷く。
「あとは・・・武器だが・・・いちか持ってきたか?」
「はい。持ってきましたよ~ん♪」
そう言っていちかがケースから取り出したのは、
豪華な正絹で作られた花柄の白鞘袋だった。
それを見た沙耶は「おぉ~」っと、唸ったが・・・
その中に入っていたモノを取り出すと・・・
「お、お前それっ!・・・ゆ、悠斗のっ!?」
「それが・・・噂の?」
驚きのあまり英二と直樹は驚いていたが、
沙耶だけは満足気な表情をしていた。
いちかは英二に笑顔を向けると・・・
「英二さん・・・これは悠斗さんの「白鷲」(はくろ)じゃないですよ~?」
「えっ?だって・・・それ・・・同じじゃんよっ!
つーか・・・その白鞘袋も同じじゃねぇーかっ!」
「これは・・・ふっふっふぅ~♪
この刀は、悠斗さんの愛刀・大太刀の白鷲じゃなくて、
白鷲の兄弟刀・・・大太刀の白鷹です♪」
いちかの刀を見て驚く英二と直樹。
英二は沙耶に説明を求めた。
「はっはっはっ、いちか・・・見事なモノだな?」
「はい、沙耶様・・・有難う御座います」
「英二、それと直樹・・・私も話には聞いていたのだが、
実際に目にするのは初めて・・・なのよね」
笑いながらも口調が優しくなっていた。
「前にちらっとだけ話を聞いたんだけど・・・
本当に実際にこの目で見て・・・驚いたわ」
「因みに」・・・そう言って、いちかはケースからもう一振り取り出した。
「こっちが師匠の刀・・・白鷲です♪」
いちかが取り出したのは、同じデザインが施された白鞘袋だった。
「えっ?・・・お、いっ・・・い、いちか・・・今何て?_」
悠斗の愛刀を見て驚いたのは確かだが・・・
英二は頭にこびり付いた言葉が引っかかっていた・・・。
「はい?だから・・・悠斗師匠の刀って・・・」
その瞬間、英二と直樹がフリーズした。
そして・・・二人共口を「パクパク」と、まるで魚のように・・・。
その後、復活した英二が叫んだ。
「何ぃぃぃぃぃっ!!ゆ、ゆ、悠斗の弟子だとぉぉぉっ!」
英二の叫びはあまりに大きく、別館でコーヒーを飲んでいた戒斗が
コーヒーをこぼしていた・・・と、言う話はまた、別の話である。
沙耶もまた大きく笑うと・・・
「なぁ?英二?驚いたろ?私も最初驚くって言うよりも、驚愕したわ~」
「えっ?でも、何で?・・・俺、何も聞いてねぇーぞっ!」
「多分それって・・・悠斗さんあるある・・・じゃないですかね?」
「な、なんだよ・・・そ、その悠斗さんあるあるってよ?」
「クスッ」と笑ういちかは・・・
「きっと、悠斗さんならこう言いますよ?
えっ?別に聞かれてないし・・・って♪」
そのセリフに英二と直樹は固まった。
「あっあはっ、あはははは・・・た、確かにあいつなら、そう言うな・・・
ったくよ~・・・水臭ぇーなぁー。あいつもよ。
で・・・?いつから弟子なんだよ?」
いちかは英二の問いに指を自分の顎に「ちょん」と、置き考える。
「もう5年くらいになりますかね~・・・私が一番弟子ですっ♪
それに~今の私ってば~♪免許皆伝なんですよ~♪」
「へっ?め、免許皆伝って・・・な、何だよ?それ!?」
いちかは目を輝かせながら・・・剣を抜き構えると・・・
「白鷲流抜刀術・免許皆伝っ!川崎 いちか・・・DEATH♪」
剣を構え決めポーズでドヤ顔するいちか。
「「・・・・」」
いちかの発言に英二と直樹は、今日何度目かの硬直だった。
そして・・・「ノォォォォォォォォォォっ!」
英二の叫びが周辺一体に響き渡っていた。
英二 ・・・ やっほ~いっ!つーか・・・あいつが弟子だったとはっ!
天照 ・・・ うむ。確かにのっ!妾も驚いたのじゃっ!
英二 ・・・ しかも5年も前からって・・・あ、ありえねぇーよ
天照 ・・・ お主ももっと励めばよいのじゃっ!
英二 ・・・ いや~だって、俺は天才でもないしよ~?
天照 ・・・ ならば・・・改造でもしてみるかの?
英二 ・・・ それはいいかもっスねっ!
天照 ・・・ 戦闘機から人形へ・・・どうじゃ?
英二 ・・・ もうそれは俺じゃないっス・・・
ってなことで、緋色火花でした。




