58話 仲間と降臨
お疲れ様です。
今回は58話ですね。
悠斗がどうなったのか?・・・
そしてミランダとの仲はどうなるのか?
楽しんで頂ければ幸いです。
それでは、58話をお楽しみ下さい。
更地に出来たクレーターの中に居た二人。
悠斗は己が化け物だと自覚した瞬間全てを閉ざした。
そしてミランダはその悠斗に寄り添い想いを告げた。
ミランダはもう、全てがどうなっても良かった。
そして悠斗もまた・・・
そんな時、悠斗を呼びかける声があった。
(悠斗様っ!悠斗様っ!悠斗様っ!)
(ん?!・・・此処は?)
(お気づきになられましたか?!月読ですっ!)
(あ、ああ・・・月読か?一体どうしたんだよ?)
(貴方は今・・・御自分が、どういう状況かおわかりですか?)
(俺の状況?・・・えっ?!何だ此処は?)
悠斗は周りを見渡したが全く何もない空間だった。
(これって・・・ラウル達と話した空間に似てるけど・・・
何かが違うな・・・なんだろ?・・・黒いのか?!)
(悠斗様・・・貴方は御自分がなんなのか・・・知りたかったのでしょ?)
(あ、ああ・・・そうだな・・・多分。そうだった・・・)
(そうだった・・・とは?)
(俺さ・・・どうやら化け物らしいんだ・・・)
(そうなのですか?)
(ああ、そうだよ?俺はあの目玉野郎たちの仲間だったようなんだ)
(・・・私にはそうは思えませんが?)
(ははは・・・何を言ってんだよ?俺はやはり・・・化け物だったんだ)
(ふふふ♪だから何だと言うのです?おかしな人ですね♪)
(おかしな人って・・・だって・・・実際そうじゃないか?)
(貴方は・・・忘れたのですか?自分は諦めない・・・
前に進むだけだと・・・)
悠斗はイリアに聞かれた質問を思い出していた・・・
(そう・・・だな。それは確かにそう言ったけど・・・
でもあれは、自分の知りたかった事に対してだ)
(そうですよね?でしたら、どうしてこんな所にいるのです?)
(こんな所って・・・俺は自分が何者かを知った・・・
だからもう・・・いいんじゃないのか?)
悠斗は何もない黒い空間に寝転がった。
(良くはありませんよ?貴方はまだ何も掴んではいません。
貴方が掴んだモノは・・・ほんの一端のみ・・・
それで満足なのですか?それで貴方を慕う者達はどうすればいいのですか?)
悠斗はノーブルで出会った人達の事を思い出す。
(イリアさんもセルカさんも・・・そしてオウムアムアさんも・・・
きっと貴方が貴方らしく・・・例え貴方が何者であっても、
貴方を信じる者達が居る・・・他に何がいるのですか?
貴方はそんなに欲張り屋さんだったのですか?)
(欲張り屋さんって・・・あ、あのな~?)
(貴方が例え何者であっても関係ないのではありませんか?)
(・・・ま、まぁ~・・・そうなる・・・のか?・・・ん?!
どうなんだろ? ・・・す、すごく・・・面倒臭くなってきたな)
(ふふふ♪貴方はそれでいいのですよ?貴方が此処に来た目的は
それだけではないはずです。貴方はラウル様の力になるために来たのでしょ?
お忘れですか?)
(・・・あー・・・えっと・・・)
(・・・お、お忘れになっていたのですね?)
悠斗は勢いよく体を起こすと言い訳を始めた。
(あははは・・・わ、忘れてませんって言うか・・・
今ちょっと・・・ちょっとの間だけですぅ~・・・だから大丈夫なんですぅ~)
(悠斗様・・・)
(ん?)
(もう・・・大丈夫ですね?)
悠斗は照れながら鼻を掻くと・・・
(ああ・・・そうだな。スッキリしたみたいだ。有難う月読)
(ふふふ♪お役に立てたようで嬉しく思います♪悠斗様?)
(ん?)
(・・・戻られますか?)
悠斗は立上がると背伸びをして・・・
(ああっ!戻るよっ!)
(あっ、でもその前に・・・天照様を呼んでもらえないかな?)
(それは構いませんが、また、どうしてですか?)
(・・・色々と隠していることがあるよね?)
(はい。そうですね。伝えておきます。ラウル様の方は?)
(あっ、そっちは俺から言っておくよ)
(ふふふ♪かしこまりました♪またお会いしましょう♪
いってらっしゃいませ。お気をつけて・・・)
(ああ・・・後でまた会おうっ!行ってきますっ!)
悠斗の顔に精気が戻ると、その空間に扉が現れそのドアが開いた・・・
「ふぅっ!心機一転っ!行きますかっ!」
そして悠斗は笑顔でその空間を出た。
そして此処は岩場の聖域、更地となったクレーターの中。
力なく崩れ落ちた悠斗の体に力が戻り、眼に光が差した・・・。
「んあぁぁぁぁっ!っと・・・ふぅっ!何か疲れた・・・」
「きゃぁっ!」
突然動き出した悠斗に驚いて、ミランダが唖然としている。
「えっと・・・ただいま?」
「・・・・どうして疑問形なのよっ!おかえり♪」
悠斗は「あははは」と苦笑していた。
「・・・大丈夫なの?」
「ああ・・・もう平気・・・かな?多分・・・かも?・・・だと思う」
「・・・どっちなのよっ!」
そんな会話をしながら二人は笑っている。
「・・・あ、あのね?わ、私・・・」
「んーっと・・・話は聞こえていたよ」
「えっ?えぇぇぇぇぇぇっ!!」
「うっさいっ!」
悠斗はミランダの額をデコピンした。
「痛いっ!」
「・・・だろ? 」
「なぁ~ミランダ?返事は保留でいいか?」
悠斗があまりにもミランダの目を見て来るので
恥ずかしさのあまり背中を向けた。
「べっ、別に・・・ほ、ほほほほ保留でもいいけど?
でも・・・どうして保留なの?」
「あ~・・・今はやるべき事があるからさ」
「ふーん・・・そうね。わかったわ」
「ごめんな」
「で・・・本音は?」
「・・・かなり面倒臭い♪」
「なっ・・・ふう。貴方ってそう言う人だものね?」
「そう・・・だね?」
二人は高笑いするとミランダにこう言った。
「ミランダ・・・時間・・・解除な?」
「はい♪」
そしてミランダは止めていた時間を解除した。
悠斗はゆっくりと歩み出した。
「あっ、ユウト?」
「ごめん・・・ちょっとそこに居てくれ。あと防御結界もな?」
「はい。でも・・・やるの?」
「ん?あ、ああ・・・どうせなら、みんなに見てもらおうかと思ってさ」
悠斗は軽くストレッチをしながら返事をしていく。
「わかったわ。でも、もし・・・」
「ああ、その時はその時で・・・此処から出ていけばいい・・・
ただ、それだけじゃん? 」
「えっ?でも、もしそうなったら・・・?」
「ははは・・・ん?どうせ・・・一緒に来るんじゃないのか?」
「・・・うんっ♪」
「じゃ~・・・時間・・・宜しく。
あと・・・万が一の時は・・・その時も宜しくな?」
「はい。わかりました」
「じゃっ!」
ミランダは悠斗に言われたように防御結界を重ねがけする。
そして悠斗は・・・集中して行く・・・今までよりも更に深く・・・
「コオォォォォォォォっ!」
悠斗の呼吸音が変化すると・・・
「気道・魔導気・・・合一っ!はぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
胸の前で合わせられた手から、気と魔導気が混ざり合っていく。
悠斗は・・・笑った。
「さぁ、行こうか・・・」
この瞬間悠斗のゲートが開き更に力が解放されて行く。
「魔導鬼っ!はぁぁぁぁっ!」
更に・・・己が生み出した己だけの技。
「零 -ZERO-」
悠斗の体から赤銅色の気が溢れ出し肌の色も赤銅色化していく。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
その力に再び大地は震え土煙が舞う。
それを見つめるミランダは防御結界を強化していく。
(な、なんて力なのよっ!もう少し加減しなさいよっ!)
ミランダがそう思った時・・・
「な、何事なんだっ!」
ラウル達全員が、ミランダの傍に降り立った。
「敵・・・なのか?」
「こ、この力は・・・まさか?」
ミランダはラウルの疑問を解くべく答えた。
「・・・ユウトよ」
そして土煙が消えた時・・・そこに立っていたのは、
赤銅色の肌をした悠斗だった。
「ゆ、悠斗君・・・なのか?」
「・・・悠斗さん?」
「・・・あれ?主・・・かいな?ロジーはん、ワシの後ろへっ!」
「は、はいっ!」
全員がただ驚愕していた。
「・・・・・フフフフフフフフフっ」
「ユ、ユウト・・・ま、まさかっ!あんた・・・力に支配されたの?!」
地の底から響き渡るような笑い声だった。
「み、みんなっ!下がるんだっ!」
ラウルの一言で全員が後退すると武器を取り出し構えた。
「ミランダっ!説明しろっ!」
「話は後よ・・・亜神・・・その槍・・・貸しなさい」
「わ、わかった」
オウムアムアは黒い槍をミランダに渡す。
「・・・責任は、私が取るわ・・・命に代えてもっ!
それがユウトとの約束だから・・・」
迫りくる悠斗に全員がたじろぐ。
受け取った槍を構え魔力を纏い、身体強化したミランダは悠斗に向けて突進していく。
「はぁぁぁぁぁっ!約束は守るわっ!」
ミランダ渾身の一撃が悠斗を襲う。
「ま、まった、まったっ! ストーップっ!」
「えっ?」
ミランダの槍が悠斗の顔の直ぐ側を通り抜けると・・・
悠斗は尻もちを着きながら待ったをアピールする。
「・・・ねぇ、どう言う事かしら?」
怒りに震えたミランダが体を震わせていた。
「・・・すみません。調子に乗りました」
「ユウト、正座ね?」
「は、はい」
二人のやり取りを口を開けて見ていたラウルが復活すると・・・
「ゆ、悠斗君っ!こ、これは一体?」
正座をしている悠斗が弁明しだす。
「えっとーですね・・・ちょっ、ちょっとだけ・・・ふざけました。
本当に、ごめんなさい。まじで、すみませんでしたぁぁぁっ!」
みんなの前で土下座している悠斗に唖然とする面々。
「ねぇ・・・ユウトよね?」
「ん?そうだけど?」
「制御出来たの?」
ミランダの言葉に笑顔で返す悠斗。
「はぁ・・・あんたって人は・・・全くもうっ!」
此処に居る全員が、二人のやり取りに疑問を持った。
「悠斗君?ま、まさかとは思うけど・・・二人って・・・
そ、そういう仲に?・・・ひょっとしてだけど・・・こ、恋人に?」
そして二人はお互いを見合わせると笑顔になり・・・
「「はいっ!付き合ってますっ♪」ませんっ!」
・・・・・・「「えっ?!」」
そして二人は再び顔を見合わせた。
「何でよっ!私達付き合うんじゃないの?!」
「付き合うだなんて誰も言ってないだろっ!」
と、こんな感じな二人に・・・。
「ゆ、悠斗さん?」・・・ミスティは顔が引きつり
「ぐすん、ユ、ユウト様?」・・・イリアは涙目になり
「シャァァァっ!」・・・セルカは何故か威嚇してるし・・・。
と、三人は絶賛激怒中。
「はぁ~・・・お前には驚かされる事ばかりだな・・・」
アリエルは半端なく溜息を吐き・・・
「主・・・意外と手・・・早いでんな?」
白斗はからかっているし・・・
「師匠・・・流石ですっ!」
オウムアムアは・・・何故か尊敬している?
そして・・・ラウルは。
「あーっはっはっはっ!い、いや~・・・ま、まいったよ♪
流石悠斗君だね?恐れ入ったよ♪」
ラウルの高笑いでその場がなごんでいく。
女性陣からミランダは拉致され、事の次第を説明するよう求められ。
悠斗は男性陣に力について説明した。
「ラウル・・・結局俺は化け物かもしれないんだ」
「へぇ~・・・そうなんだ?」
「はい?!」
悠斗は思っていた反応と違った事に驚いていた。
「なぁ~主?だからそれがなんやと言うんでっか?
主は主やん。なぁ~んも変わりませんわ」
「我も同じ。師匠は師匠・・・それだけです」
男連中の意見に悠斗は口を開けたままだった。
「あははは。結局さ・・・悩んでいたのは悠斗君だけだったって事さ。
みんなはそんな事気にしてないと思うよ?
敵対するのならいざ知らず、敵対してないじゃん♪」
「んー・・・なんだろ?悩んで損した気分だ」
すると背後から・・・
「悠斗さん・・・気にし過ぎですわ♪貴方は貴方なのですから♪」
「そうなのにゃ?ユウト様は命を守ってくれる人なのにゃ♪
ユウト様は、アレにゃ?自意識過剰なのにゃぁ~♪」
「ユウト様・・・いえ、ユウト・・・私も平気よ?
貴方は貴方だもの・・・それと・・・恋人の件は私も立候補しますっ!」
「「「「「「えっえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」」」」」」
そして再び全員が固まった。
「はぁ~・・・そ、それも保留でお願いします。何かもう・・・面倒なんで」
女性陣が全員固まったと思ったら、立候補争いに発展した。
「あははは・・・悠斗君はモテるね~?」
「望んでないけどね?いや、まじで・・・面倒臭いし・・・」
少しの間その話題で盛り上がっていた。
だが、悠斗はある人を待っていた。
「あっ、忘れてた・・・ラウル?天照様が来るぞ?」
「はい?えっ?いつ?!何故?!」
「俺が伝言頼んだ・・・から?」
「えっぇぇぇぇぇっ!聞いてないよぉぉぉ?」
「うん、だから今言った♪」
「・・・遅いよ・・・もうっ!」
悠斗とラウルは空をを仰いでいると・・・
「・・・来た」
「・・・だね」
岩場の聖域に舞い降りる光の中に、天照が居た。
「・・・遅れたかの?」
「いえ、お待ちしておりました。天照様」
「ラウルで御座います。その切はお世話になりました。
あの、お一人ですか?」
「ん?妾一人じゃが?」
「お一人で来られるとは・・・」
「妾一人で充分であろ?」
「はい」
ラウル達も含め、全員が膝を着いた。
「・・・そんな事はせんで良いわ。
悠斗様よ?妾に用向きがあるとか?」
「はい。色々と・・・ありますよね?」
「・・・そうじゃな?・・・あると言えばある・・・の」
気品漂う天照の声はとても美しかった。
「悠斗様よ・・・何が聞きたいのじゃ?」
「俺の力の事ですかね?あの赤銅色の・・・」
「なるほどの・・・あの力に目覚めたのじゃな?」
「はい」
二人が話している間に、ミスティ達がテーブル等をセッティングしていたので
全員が席に着いた。
「うむ。あの力に自力で目覚めるとは・・・流石悠斗様じゃ♪」
流れるような口調で語りかけてくる。
「俺はあの力の事を魔導鬼と呼んでいますが・・・あれは何ですか?」
「うむ。あれはの、悠斗様の祖先の力なのじゃよ」
「祖先?!」
「詳しくは言えぬが、当時あの力の事を・・・「阿修羅」と呼んでおった」
「阿修羅・・・」
「悠斗様の祖先はの、鬼を討伐する為に鬼の血肉を食らっての、
そして半ば強制的にその力に目覚めた・・・と、言う事なのじゃよ」
「俺の祖先がそんな事を・・・」
「悠斗様の・・・先祖返りと言う事じゃ♪その様子じゃと・・・
ほほぅ~♪ある程度は制御出来たみたいじゃの?」
天照は何事もなかったかのように笑っていた。
「本来なら悠斗様を此方に来させる事はしたくなかったのじゃ。
その血を唯一受け継ぐ悠斗様は我ら日本の神にとっても宝なのじゃ」
「宝・・・俺の血が?!」
「そうじゃよ?悠斗様が思っている以上に、その血は宝なのじゃよ」
「へぇ~・・・あっ、じゃー。献血でもしておきますかね?」
「「「「「「「「「ガタッ」」」」」」」」」
全員が「コケ」た。
「主~っ!ほんまにあんたと言う御人はっ!空気読みなはれっ!」
「えっーー!だってさ、宝って言うんだから、献血すれば
血は残せるじゃんよぉー!」
「そういう事を言うてはるんやないんですっ!」
「・・・面倒臭いなぁーっ!」
天然と犬の会話を見ていた天照は・・・
「おーっほっほっほっ♪愉快じゃ♪愉快じゃの?
やはり英二殿の後輩よの?」
「えっ?!先輩の事知っているんですか?」
「もちのロンじゃ♪」
天照のウィットに飛んだジョークが炸裂したが・・・
「・・・こ、これが、スベると。言うやつかの?」
「・・・あははは」
「・・・とても寒くなるモノじゃの?」
「・・・で、先輩は元気ですか?」
悠斗は何故か全員から睨まれている事に本気で驚いていた。
「・・・ラウルよ?これが絶滅危惧種とされる、天然と言うやつなのかえ?」
「はい。何事も恐れない最強種族と聞き及んでおります」
「おっほっほっほっ♪なるほどの~♪妾も本物を見られて嬉しいのっ♪」
「・・・なんだろ?ちょっとイラッとするんだけど?」
その言葉に隣に居たラウルとミスティが悠斗の口を塞いだ。
「ぶがぁぁぁっ!」
「よいよい・・・悠斗様のする事じゃ♪妾の事も気にせんでよいぞ?」
「のぉ~ラウルよ?これだけ妾が情報提供したのじゃ、
こちらの条件はわかっておるのじゃろ?」
「条件」の言葉にラウルは汗を流し始めた。
「は、はぁ・・・ま、前向きにけ、検討したく・・・」
「おいっ!ラウル・・・そなたは日本の政治家か?」
「プッ!」っと、一人笑った悠斗だった。
「で?どうなのじゃ?」
「・・・わかりました」
「うむ。これで貸しはあと四つ・・・じゃの?!」
「うっ・・・」
冷や汗を流すラウルはもう・・・生きた目をしていなかった。
「さて・・・そろそろ妾も帰るかの?」
「も、もう・・・お、お帰りですか?」
「・・・ラウルよ。・・・また後でな?」
「えっ?!」
天照の言葉にラウルは石化していた。
「悠斗様・・・?」
「はい?」
「そなたはそなたの道をお行きなさい・・・
さすれば事は成されるであろう・・・のっ♪」
「はい。わかりました。精一杯務めさせて頂きます」
「硬いの?もう少し・・・そうじゃ♪妾の事も呼び捨てでよいぞ?」
「・・・流石にそれは・・・ははは」
「良いぞ?」
「いやいやいや・・・」
「良いぞ?」
「そんな、滅相もない」
「良いぞ?」
「・・・・・・・・・・・わかりました」
(勘弁してくれよ)
「おっほっほっ♪ではのっ♪」
天照は光に包まれると日本に戻って行った。
それを見ていた悠斗は・・・
「・・・なぁ、白斗?」
「なんでんの?」
「・・・片道、どれくらいかかるんだろ?」
「知らんわっ!」
岩場の聖域に白斗のツッコミが木霊した。
ラウル ・・・ まさかこんな展開になるとはっ!
ミスティ ・・・ ええ・・・まさか天照様まで・・・
ラウル ・・・ あの人の事はどうでもいいんだよっ!
ミスティ ・・・ ラウル様は苦手ですものね?
ラウル ・・・ 生理的に受け付けないって言うかさ~
ミスティ ・・・ あっ・・・天照様。
ラウル ・・・ とんずらしますっ!とうっ!
ミスティ ・・・ ほんとに、逃げ足だけは速いですわね♪
ってなことで、緋色火花でした。




