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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
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55話 狂信者と弟子

お疲れ様です。


今回は55話です。


ロジーの話とオウムアムアの話となります。

あと、アシュリナに居るグレインと連絡をとります。

やっと此処まで来たって感じですが、

今後とも宜しくお願いします。


忘れてましたw

56話はいつも通りアップしますので、宜しくお願いします^^


それでは、55話をお楽しみ下さい。



修練から戻った悠斗達は食堂に入ると・・・


「ユ、ユウト様・・・さ、先程は大変失礼致しましたっ!

 申し遅れましたが、私は「ロジー・アシュリナ」と、申します。

 不束者ですが、宜しくお願い致します」

「えっと・・・改めまして、ユウト・カミノです。

 礼儀をわきまえない未熟者ですが、宜しくお願いします」

「我はオウムアムア・・・師匠共々宜しくお願い致します」


全員が揃いミスティの手料理を味わい食事を済ます。

そして、コーヒー&ティー・タイムだ。

それぞれが雑談している・・・


「すまない皆、聞いてくれ。

 明日はセルカ君がアシュリナへ手紙を出す。

 そして手紙の返事は当日に戻ってくるそうだから、

 それぞれに準備を進めてもらいたい。

出発は明後日になるはずだ。話は以上だ」


悠斗とセルカは食堂を出て話し合う事にした。


「さてっと・・・セルカ、連絡手段は問題ないとして、

 何処で落ち合うんだ?

 まだ領主の馬鹿息子の連中はうろついているだろうしな」


「はいにゃ。此処からアシュリナへ行くには、

 北側にある街道を通って東南にあるアシュリナへ向かうのが常識にゃけど、

 私的には、南の森を抜けて行くのが一番いいかと思うのにゃ。

 だけど、そのまま抜けてしまうと、違う街道に出てしまうのにゃ。

 だから、森の中央付近から、真西に向かうと森の中に廃墟があるのにゃ。

 そこで落ち合う方がいいのにゃ」


「ふむふむ、南の森ってのは・・・ああ~・・・あの丘の下にあった森か・・・

 あそこを抜けて・・・って・・・セルカ、でもあの丘は目立つよ?」


「ユウト様・・・誰も丘を上るって言ってないにゃ。

 それにあの丘は南の森へと繋がる通路があるのにゃ」


「へぇ~、そんな通路があったのかぁ~。全然知らなかった。

 じゃ~、その森から廃墟までの道案内を頼めるかな?」


「私にまかせるのにャ♪」


打ち合わせが終わったところで白斗が話しだした。


「なぁ~主、ワシな、ずっと思っとったんやけど・・・

 その港町へ行くんやったら、ラウルはんに頼めばええんとちゃいますのん?

 天気の事だってそうや・・・ラウルはんに断られたんでっか?」


「えっと・・・。ラウル達に話せば聞いてくれるとは思うけどさ、

 頼り過ぎるってのもちょっとなって・・・。

 まぁ~それに、実際もう色々としてもらってるし・・・

 頼みにくいんじゃなくて・・・なんて言うのかな~?

 折角だからなるべく頼らず冒険したいっ!そんな感じ?」


白斗は曖昧な相槌を打ち首を捻ってもいた。


「本当なら、神に頼らず冒険していたはずだからさ、

 天気で動けなくなるって事も当然あるじゃん?

 だからこれが本来ある姿だと思うんだよね」


「ふーん。そんなもんでっか?ワシにはよーわからん事ですわ」

白斗はとても面倒臭そうだった。


「でさ・・・さっきからすっっごく気になっている事があるんだけど?」

悠斗がそう言うと、セルカと白斗も迷惑そうな顔をした。


「あ~、あれなぁ~?誰も気付いてへん思うて、言わんかったんやけど・・・

 やっぱ皆さん気付いてはりましたか?」


「にゃはっはっ・・・普通、あれは誰でも気付くのにゃ。

 むしろ気付かない方が無理なのにゃ」


「なぁ、どうする?あれ?」


「このまま放っとくと、後でえらい目に合いそうやしな~

 主・・・どないします?」


悠斗はチラ見すると、食堂の影から様子を伺っていた。

(はぁ~・・・あれで隠れているつもりなのだろうか?)

悠斗はセルカとの話は終わった為、席をはずしてもらった。


「えっと・・・そこの令嬢さん、俺に何か用かな?」


悠斗に呼ばれ恥ずかしそうに物陰から出てくるロジー。


「・・・まさかバレているとは思いませんでした。流石ですね」

悠斗と白斗は思わず「コケ」た。


(ま、まさか、あれでバレないと思ってたのか・・・?)

(主・・・あの子、ある意味ヤバいんとちゃいますかー?)

(・・・気をつけるとしよう)

(らじゃー)

悠斗は驚いて白斗を見る。


(ん?!白斗と話してる?!)

(・・・今更かいなっ!)


悠斗は白斗に名前を付けた事により契約しているので、

念話が可能になっていた。


ロジーは悠斗達の所へやってくると、膝を着き礼を取ったのだが・・・


「あー。俺、そういうの嫌いなんだよね。だから普通にしてくれないかな?」

「い、いえ・・・しかし私は・・・」


悠斗はとても面倒臭かった。


(早くオムウアムアの修練に行きたいんだけど・・・やれやれ)


「改めて自己紹介しよう。だから立ってもらえないかな?」

「は、はい、創造神の使徒様のおっしゃる通りに致します」


(あー・・・そんな設定だったなぁ~。すっかり忘れてた)


立ち上がったロジーを改めて鑑定を使ってみた。


ロジー・アシュリナ 20歳・港町・アシュリナの領主の長女。

身長 160cm・48kg・金髪ロングヘアーを後ろで束ねている。

メガネっ娘である。

時空神の加護


(なるほどね。ミスティの加護持ちだったっけか?)


「創造神様達はおっしゃいました。

 神々とユウト様は同格なのだと・・・」


(いつの間に同格になったんだろ?)


悠斗は軽く溜息を吐くと・・・


「俺はユウト・カミノ15歳だ。宜しく」

(主っ!短っ!面倒過ぎて短くしすぎでっせっ!ええんでっか?)

(いやいや、まじでもうかなり面倒臭いからこれでいいんですぅ~)

(主がそう言うんやったらええんですけどね・・・)


「私はアシュリナ領主の娘でロジーと言います。

 本当にこの度は御尽力下さり、誠に有難う御座いました」


「別に気にしなくていいから・・・じゃっ!そういう事で~♪」


悠斗は踵を返すとオウムアムアの元へ歩き出す。


「お、お待ち下さいっ!使徒様っ!」

「おいおい、ちょっっと待てっ!その使徒様はやめろっ!」


突然の「使徒様」呼ばわりで少々言葉遣いが荒くなるが・・・


「は、はい。も、申し訳御座いません」


ロジーは悠斗に怒られたと勘違いしてしまっているようで、

少し涙目になっていた。


「えっと・・・怒ってないからね?まじで・・・

 だからそんな顔しなくていいんだけどさ。

 ロジーさんの方が年上ですし、それに領主様のご令嬢でもある訳ですから

 俺の事は呼び捨てで構いませんよ?」


ロジーは黙って首を振ると・・・


「そう言う訳にはいきません。貴方は神々がお認めに為る御方です。

 ですから私も、それに合う振る舞いを致しませんと・・・

 アシュリナ家の恥となってしまいます」


「ふぅ~・・・貴族も大変なんだね?」

「はい。それと私の事はロジーと呼び捨てでお願い致します」

「じゃー俺の事はユウトで宜しく」


そう言ったとたん・・・ロジーの目が釣り上がり悠斗を見つめた。


「な、何か?」

「失礼ながら、貴方様は神々がお認めになった御方です。

 ですから・・・

 もう少し威厳のある話し方をなされたほうが宜しいのではないでしょうか?」


(ああぁぁぁぁぁっ!面倒くせぇぇぇぇぇ!!)

(お気の毒やな)


と、悠斗は心の中で絶叫していたのだが、

無表情のままロジーと話した。


「いいですか?ロジー、私は庶民で居たいのですよ」


(・・・主、あんた豹変しすぎやで?)


悠斗の口調が急に変わり、ロジーは目を輝かせ聞いていた。


「上だ下だと分け隔てなく振る舞ってこそ・・・使徒なのです。

 いいかなロジー?振る舞いはここぞと言う時に出るモノです。

 ですから普段の言動に捕らわれるのは愚の骨頂・・・私はそう思います。

 光に生きる者は影を知らなければなりません。

 その為には・・・その影に身を潜めるのも良いと私は思いますよ?」


(主・・・詐欺師みたいな事言うてええんですか?)


(ふっ、信じる者は、親でも使えってね?

 あれ?・・・何か違う気がするけど・・・いいか・・・)


(よくないわいっ!どこぞの新興宗教かいなっ!)


(ふっ、それに・・・この手のパターンだと、俺の話で神々しく思い、

 気軽に接触出来なくなるパターンっ!)


(主・・・主はよくわかっとらんみたいやさかい言うけどな?

 多分今のは真逆のパターンやで?)


(ふっ、何を言うのかと思えば・・・白斗君、そんな事はないと思うけど?

 俺は最善の手を打ったからね・・・言わば、ホームランだね)


(主・・・あの子よう見てみ?めっちゃ目が輝いとるやんっ!

主はなんも打ってへん・・・めっちゃ空振ってるやんっ!三振でんな)


白斗が言う通り・・・ロジーの瞳はとても輝いていた。

(・・・あれ?)


「ユウト様・・・私ロジーは今の御言葉にとても心を打たれたのと同時に、

 私の心が解き放たれた・・・とても感動致しました。」


(えっ?!俺って投手の方だったの?)


(主・・・誰も野球の話はしてへんし・・・あんたほんまに天然なんやな?)


「えっと・・・ロジー?俺は別に心を打つような・・・

 ん?これって100本ノックの話だっけ?」


「ちゃうわっ!ほんまボケたおすなぁ~・・・」


「はい?100本ノック?・・・何です?神語か何かでしょうか?

 ふふ♪それに隠さなくてもこのロジー・・・ユウト様の御心がわかります」


(・・・分かるんだ?すげーな)


(主・・・いちいち突っ込まんで宜しいわっ!)


「これからも精一杯御仕え致しますので、今後とも宜しくお願い致します。

 それでは私はこれにて失礼致します。

 大切なお時間を取らせてしまい、誠に申し訳御座いませんでした」


ロジーは丁寧にお辞儀をすると、食堂に戻って行った。


(ふむ・・・どうしてこうなったんだろ?

 あっ、でもアレか・・・此処から居なくなったからいいか・・・な?)


(・・・狂信者誕生の瞬間にワシ・・・立ち会ってもうたな・・・)


白斗の中でロジーが狂信者認定されたのだった。


「さてっと・・・修練に行きますか」

「主・・・ある意味ポジティブでんな?ところでワシはどないしましょ?」

「引き続き、あの二人を頼めるかな?」


「ええですけど・・・ミスティはん達が居てはるんで

 ワシの仕事はあらへんのとちゃいますか?」


「んー・・・。ミスティやアリエルの補佐でもしてもらえる?

 きっと、猫ならぬ、犬の手も借りたいだろうからね」


「上手いこと言いまんな?了解ですわ」


そして白斗は魔力制御の訓練をしているミスティ達の所へ行った。


悠斗はオウムアムアと合流すると、再び先程の場所に来た。


「さてっと・・・オウムアムア」

「はい、師匠」

「今度は防御の修練だな・・・まずは構えっ!」


オウムアムアは悠斗の掛け声で槍を構えると・・・


「いいか弟子よ。俺が今から軽く突いていくから、それを全て捌け!」

「はい、師匠っ!」

「最初は声を出して攻撃するからしっかり捌けよっ!」

「はっ!」


「いくぞっ!まずは右足っ!それから左足っ!いい感じだけど・・・

 もう少し強く当てるといいよ?

 強く当てる事によって、相手の体のバランスを崩し、

 攻撃に転じる事が出来るからね?」


「はいっ!」


「攻撃を捌く時もしっかりと利き手の脇は締めるんだぞ!

 お前はすぐに脇が開く癖があるからね・・・」


「はっ!精進致しますっ!」


二人は修練に熱が籠もってきた時に・・・

ロジーがやって来た。


(・・・げっ、ロジー)


「ユウト様、お忙しいところ申し訳御座いませんが、

 ミスティ様がお呼びですので、来て頂けませんか?」


「なぁ、ロジー・・・もう少し言葉遣いを崩してもらえると嬉しいんだけど?」

「・・・善処致します」

(・・・善処しない気がする)

「わかった・・・行きます」


悠斗はオウムアムアに構えから防御に移る流れと、

攻撃に転ずる動きの練習を繰り返しするよう伝えると、

ミスティ達の元へロジーと一緒に向かった。


オウムアムアは一心不乱に繰り返し練習して体に刻み込んでいく。

暫く練習していると・・・

オウムアムアは視線を感じ手を止めた。

視線を感じる方に向き直ると・・・


「ミ、ミランダ様っ!?」


視線の先には、いつの間にか岩の上に座っていたミランダが居た。


「やぁ~亜神・・・頑張っているようじゃないか?」

「はっ、師匠の期待を裏切りたくはありませんから」

「はっはっはっ・・・それはいい弟子だね♪」

「只今師匠はミスティ様の所へ・・・」

「ああ、知ってるよ・・・」

「では・・・一体何用ですか?」


ミランダは岩を飛び降りると・・・


「亜神・・・ちょっと手合わせしないか?」

「・・・我は今、訓練の真っ最中ですので」

「フッ。相変わらず硬いねぇ~あんたは・・・」


ミランダは含んだ笑いをすると、

ロッドを取り出しオウムアムアに迫ってきた。


「それっ!いくよっ!」

「ぬぅぅぅっ!しからばっ!」


オウムアムアはミランダの攻撃を、悠斗に教わったように捌き始めた。


「へぇ~♪さまになってきたわね・・・」

オウムアムアは基本通りの姿勢と構えで次々と捌くと・・・


「ならば・・・こちらからっ!」

そう言ったと同時にオウムアムアは攻撃を仕掛けていく。

基本を守って、ただ忠実に・・・

ミランダはその攻撃を捌いていくのだが・・・


(以前より重い・・・そして・・・ちっ!。鋭くなったわね)


「ほらぁ~!どうしたのっ!もっと攻撃してきなさいよっ!」


急に反撃に転じられてしまったが、オウムアムアは冷静だった。


(我は強くなっているっ!師匠の言う通りのようだな)


腰が座り、利き手の脇が締まることによって、

反撃されたとしても、槍は自分の体の一部のようになっていた。


「フッフッ・・・これほどとはっ!」

オウムアムアは反撃に転じたのだが・・・


「ほ~らよっとっ!」

ミランダのロッドがオウムアムアの脇が甘くなった部分に入る。

すかさず、そのロッドを肩の付け根部分に衝撃を与え

オウムアムアの槍を飛ばした。


「なっ、何故だ・・・」


「何故だじゃないだろう?脇が甘くなってんだよっ!

 調子に乗ると脇が開くみたいね?」


「ぬぅぅぅ・・・慢心していたようだ」


ミランダはオウムアムアに近づくと・・・


「慢心だぁ~?亜神っ!てめぇーが弱いと、

 ユウト様が弱者に思われるだろうがぁぁぁ!」


ミランダはそう叫びながら、オウムアムアに踵を落とした。


「がふっ!!」


そしてオウムアムアは気絶してしまった。


「ん?あ、あれ?あ、亜神・・・?えっ?!・・・

 私・・・やっちゃった?」


ミランダは銀髪をなびかせながら「あたふた」しているのだった。


(あぁぁぁっ!せっっっかく、ユウト様にお願いされたのにぃぃぃ!)


ミランダの心の中で断末魔が響いていた。


「・・・わ、私のせいじゃ・・・ないわよ・・・ね?

 あ、亜神が・・・よ、弱い・・・そうね。こいつが弱いのが悪いんだわっ!」


流石「邪神の女神・ミランダ」責任転換はお手の物だった。

そして悠斗が戻ってきた時・・・そこにはミランダの姿はなく、

ただ・・・倒れているオウムアムアの姿だけがあった。


「オウムアムアァァァァ!!」と、悠斗の絶叫が聞こえたのは言うまでもない。

 

ラウル ・・・ はっは~♪やっと連絡取るんだね~♪

ミスティ ・・・ そうですわね♪スムーズには運ぶと宜しいのですけどね♪

ラウル ・・・ 君、嫌な言い方するね?

ミスティ ・・・ ふふふ♪その確率は高いのではないでしょうか?

ラウル ・・・ どうしてそう言えるのかな?

ミスティ ・・・ それは、悠斗さんだからですわ♪

ラウル ・・・ ああ~・・・って、納得しちゃったよ♪



ってなことで、緋色火花でした。

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[一言] 悠斗とオウムアムアだけだと殺風景になりがちですが(笑)白斗君が空気を和らげてくれますね♥︎ これからも白斗君をよろしくお願いします♪
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