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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
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54話 眠れる令嬢の目覚めと師弟

お疲れ様です。


54話ですね~・・・

今回はやっと、ロジーが目覚めます。

そして弟子となったオウムアムアと再び戦います。

楽しんで頂けたら幸いです。


それでは、54話をお楽しみ下さい。

温泉に関して色々とあったが、全員が食堂に集まっていた。


ミスティが今後について話始めた。

「予定では明後日まで雨の予定です。

 従ってイリアとセルカは魔法の鍛錬に時間を使いたいと思いますわ」

ミスティはラウルを見ると・・・


「えーっと、悠斗君はこの度めでたく、解呪(ディスペル)を習得した。

 だから明日はロジーを解呪して覚醒させる。

 私達の存在は・・・まぁ~この状態をみれば・・・ね?

 隠しておく事も出来ないだろうから、素直に話したほうがいいかな。

 彼女と話す時は、ここで全員で集まる事とする。以上だ」


悠斗はコーヒーを飲みながらオウムアムアを見た。

そして・・・

「なぁ、ラウル・・・」

「ん?どうしたんだい悠斗君?」

「オウムアムアの見た目って・・・何とかならないか?」

「ああ~・・・そう・・・だね。わかった、考えてみるよ」


オウムアムアは悠斗を不思議そうに見ていると・・・

「ん?ああ・・・オウムアムア・・・お前は俺に付いて来るのか?」

「はっ!出来る事なら・・・お供したいかと」


悠斗とラウルは二人で話をしていた帰り道で

オウムアムアについて話をしていたのだった。

「なぁ、オウムアムア?正式に亜神になった訳じゃないんだってな?」

「は、はい。お、恐れながら、おっしゃる通りで御座います」

「だからロジーが目覚めた後、俺ともう一度闘おうか?」

「師匠とですか?」

「お前のレベルを上げないと・・・な」

「はっ、有難き幸せ」

悠斗はラウルから視線をそらさず話が終わると・・・


「なぁーラウル。お前の反応を見る限り・・・

 俺と一緒に・・・って訳にはいかないんだろ?」

ラウルは軽く息を吐くと・・・

「ふぅ~・・・流石だね、その通りだよ。

 此処は聖域だから問題はないんだけどさ・・・

 オウムアムアは亜神・・・(仮)・・・だからね。

 だから聖域や特別な空間でなければ・・・生きては行けないんだ」


悠斗とラウルが話をしていた時にラウルの顔が曇っていた事が

気になっていたからだった。

「・・・今までは神界に居たのか?」

「いえ、亜空間で鍛錬を続けておりました」

「・・・亜空間ね~」

(前にオウムアムアは、自分より強いヤツがいなかったから、

 師匠的なヤツはいないって言っていたんだけど・・・)

悠斗はラウルに直球で聞いてみた。


「ラウル・・・オウムアムアの師匠っていないのか?」

「・・・居るには居るんだが・・・」

その言い淀んだ態度で悠斗は理解した。


「やっぱりか・・・カロンやあの赤髪か?」

「ははっ、お見通しだったみたいだね?」

「オウムアムアに聞いた時は師匠は居ないって言っていた。

 なのに、あの赤髪に対する態度が気になってさ・・・

 カロンに対しては「殿」・・・と言っていたけど、

 赤髪に対しては・・・「様」付けだったからさ」

「剣神の女神・アマルテア・・・彼女は亜神の事を嫌っていてね?

 理由は・・・純粋な神ではなく、穢れた命からの成り上がりってさ」


悠斗はオウムアムアの悔しさが伝わってきたかのように、

その発言に怒りを覚えた。

「あの赤髪・・・次はボコる」

「はっはっ・・・お手柔らかに頼むよ?」

ラウルの言葉に「プイッ」っと、悠斗は横を向いた。


そして一通り話し終えると、

それぞれがそれぞれの場所へ戻って行った。


そして次の日・・・

ラウルと女神達も現れ、全員で食事を取り終えた後・・・

ロジーが眠る部屋に来ていた。


「それじゃ、悠斗君・・・頼むよ」

「ああ・・・わかった」


悠斗はロジーの眠るベッドに来ると手をかざし・・・

解呪(ディスペル)

そう唱えると、ロジーを白い光が包み、そして消えた。

しかし、ロジーが目覚めなかった。

「あ、あれ?・・・お、俺・・・失敗しちゃった?」

全員がロジーを見守っていると・・・


「んっんっ・・・・んん・・・」

「や、やったぁぁぁ!!!」悠斗は飛び上がり嬉しさを表現していた。

ラウル達も含め、全員が喜んでいた。


「んん?・・・も、もう・・・うるさいわね・・・」

そう言って覚醒したロジーは、自分の置かれている現状に困惑する。

「・・・な、なななな何よっ!貴方達っ!」

ロジーの態度に全員が納得し、ラウル達神々と、悠斗だけが残り

後は全員退出して行った。


ラウルが代表で説明すると・・・

「・・・ほ、本当なのですか?」

「ああ、全部本当の事だよ?君は馬鹿貴族の息子に囚われ、

 脱出した・・・それまでは、良かったのだけれどね・・・

 誰かにおかしな魔法を掛けられてさ・・・この数日、意識不明だったんだよ。

 そして彼・・・悠斗君が時空神に頼まれ、君を救い出したのさ♪」


ラウルの説明を聞き終えたロジーは、創造神の前に跪くと礼を取った。

「創造神様達・・・神々の皆様、多大なるご迷惑をかけてしまい

 大変申し訳御座いませんでした」


神々への礼を尽くし終わると、今度は悠斗の前に立ち・・・

「迷惑を掛けましたね?感謝します」

「・・・は、はぁ・・・ど、どうも」

悠斗はロジーの態度に戸惑ってしまっていると・・・


「貴方っ!神々の御前なのですよっ!この無礼者がっ!

 跪くのですっ!これだから何も知らない世間知らずはっ!」

悠斗はロジーに理不尽な言い方をされ、溜息を吐いた。

しかし、悠斗が話す前に・・・神々が怒り始めた・・・


「・・・ロジーよ」

「はっ」

「君・・・誰に偉そうにモノを言っているんだい?」

「・・・ど、どう言う事なのでしょうか?」

悠斗はラウルの肩を叩くと「後は任せた」そう言って退出して行った。


「あ、あの者・・・な、なんと無礼なっ!」

ラウルもまた溜息を吐くと・・・

「君、僕は言ったよね?ミスティに頼まれて、彼が君を助けたってさ?」

「は、はい。ですから・・・感謝します。そう言いましたが?」

ラウルは振り返るとミスティに・・・


「ほらっ!だから僕はこの子を助けるのが嫌だったんだっ!

 悠斗君も溜息吐いてたよ?

 これから僕達と悠斗君が協力し合って行かないとダメな時にっ!」

「はっ、はい。申し訳ありません。

 悠斗様には改めて私からも謝罪したいと思います」


それから暫くの間・・・ロジーは神々からの説教を食らったのだが・・・

その説教は主に・・・ミスティとミランダからであった。

そしてロジーは、色々なモノがへし折られた事は言うまでもない。



その頃聖域では・・・

イリアとセルカは魔力制御の修練をしていた。

そして・・・


「オウムアムア・・・いけるか?」

「はっ!師匠、準備出来ております」

「・・・行くか」

「はっ!」

「ちょっとっ!主っ!ワシはどないしたらええんですか?」

「あー・・・イリア達の訓練を見てやってくれ。厳し目で頼むよ」

「わっかりましたー!」

(厳し目、厳し目っと~♪あかん・・・燃えるわぁぁ♪)

白斗は悠斗に命じられた事を成すべく・・・「ニヤリ」と笑っていた。


悠斗達は聖域の一番奥・・・カロンと戦った場所に来ていた。

「どうする?武器は使うか?」

「はい、出来れば使いたく思います」

「わかった」

「今からは師弟関係は無しでいくからな?」

「はい、いや・・・わかった」


そして二人は距離を開けると・・・

悠斗は銀のロッドを取り出し、オウムアムアは黒い槍を取り出した。

そして二人は武器を構える・・・


「先手は譲ってやる・・・来いよ」

「フッ・・・ぬかせっ!」

「「はぁぁぁぁぁぁっ!」」っと、二人の気勢が上がると・・・


先に動いたのは、先手を譲られたオウムアムアだった。

接近すると槍の連打を繰り出し悠斗をねじ伏せにいくが

それに対し悠斗は最小限で躱し、捌き、いなしていた。


「お、おのれ・・・流石に当たらぬか・・・」

悠斗は冷静な目でオウムアムアを捕らえていた。

カロン達との戦いでレベルが上がり戦闘力に磨きがかかっていた。


(ははは・・・信じられないくらい・・・体が軽い

 まだ、身体強化すら使ってないのに・・・すげーな)

悠斗が少しニヤけていたのがわかったオウムアムアは・・・


「うむ・・・本気で行かせてもらう」

オウムアムアは亜神化しパワーをケタ違いに上げた。


「ああ・・・来いよ」

二人共武器を構えニヤリと笑い合うと・・・


「うぉぉぉぉっ!!」

「喰らえっ!ユウトォォォ!!一点突破っ!スピニング・ランサー!」

その一撃は悠斗の体の中心目掛け突っ込んでくる。

槍の回転が空気を切り裂き、唸って迫ってきた。


「コオォォォォ」

悠斗の呼吸が高くなると・・・

「気道・攻防之書・八・不動八陣(ふどうはちじん)

悠斗は迫りくる槍の先にロッドの先端を当て、突進を防ぐと

そのままロッドを半回転させ、反対側の先端で槍を上へ弾く。

オウムアムアの腕は両方とも上に上がってしまった。

するとロッドを回転させながら縦横無尽に悠斗の攻撃が始まる。


一撃目は左脇腹・二撃目は右脇腹・三撃目は左肩・四撃目は右肩・

五撃目は左大腿部・六撃目は右大腿部・七撃目は腹部中央


悠斗の攻防一体の棒術が嵐のようにオウムアムアを翻弄する。

そして最後の八撃目は・・・喉


八撃目を食らったオウムアムアは・・・そのまま意識を失い倒れた。


悠斗は呼吸を解除するとオウムアムアにヒールを唱えた。

そして目を覚ましたオウムアムアは・・・


「わ、我は・・・三度(みたび)負けたのか・・・」

「・・・気にする事ないと思うけど?」

「師匠・・・我は師匠の攻撃が全く見えなかった。

 何故なのだ・・・師匠は操術は使っておらぬはず・・・なのに・・・

 何故我は・・・負けたのだ!?」


座り込んだまま黄昏れているオウムアムアを見ると・・・

「お前なぁ~?一撃に掛ける思いってのは理解できる・・・

 でもさ、それ以前にお前には重大な欠点がある」

「なっ・・・我の攻撃に欠点? 亜神にまで上り詰めた我が?」


たかが人族に三度も負け、ショックで動けなくなっていた。

悠斗はオウムアムアと視線が合うようにしゃがみ込むと・・・


「・・・お前さ・・・基礎が全然なってないぞ?」

「基礎・・・ですか?」

「ああ・・・棒術や槍術の基礎だ」

「そ、そんなモノがあるとは・・・」

「あ、あのな~?逆に今まで力押しで、よく亜神になれたよな?

 まじでそっちの方が驚くよ」

「わ、我はただの力押し・・・」

「お前さ・・・落ち込んでる場合か?ほら、立てっ!

 基礎ってのをお前に叩き込んでやるよっ!」


がっくりと項垂れたまま立上がると・・・

「ほら・・・構えてみろ」

「はっ」

オウムアムアは槍の最後尾を握り構えて見せるが・・・


「・・・おいおい、それ・・・まじか?」

「はい・・・ま、まじ・・・ですが?」

「いいか・・・ちょっと見てろ」

「はい。拝見させて頂きます」


悠斗はロッドを握ると、腰を落とし脇を締め、そして先端を相手に向けた。

「いいか、まず腰はしっかり落とせ、そして引いた利き腕の脇は締めろ!

 それから前方の腕は軽く握るだけだ・・・肩の力を抜く事を忘れるなよっ!

 そして最後に視線だ・・・相手をしっかり見据える様に!

 さぁ・・・やってみろ!」


悠斗に指導を受け、構えからやるはめになったオウムアムアだったが、

その取り組みはとても真剣で、技術の吸収もとても早かった。

「へぇ~・・・やるじゃん♪」

「あ、有難う御座いますっ!」

「これだったら、戦うより訓練した方が確実に強くなるな」

「ほ、本当ですか?!」

「ああ・・・間違いなく強くなれるよ」


悠斗の指導はそれから暫く続いた・・・・

「さてっと・・・そろそろ飯だな」

丁度その頃、ミスティが悠斗達に向けて手を降っていた。

「オウムアムア・・・飯だぞ」

「し、しかし・・・師匠。我はまだ・・・」

「ばーか・・・そんな焦ったって急に強くはならないよ?

 飯は食わないと力が出ないだろ?」

「た、確かにそうですね・・・わかりました」


そして師弟は食事の為、一時中断して戻るのであった。

ラウル ・・・ やっとあの子が目覚めるのか~?

ミスティ ・・・ ふふふ♪これでお話が進みますわね♪

ラウル ・・・ っていうか、ミスティ?何処に行ってたの?

ミスティ ・・・ えっ?!そ、それは・・・い、いやですわ♪そんな事聞くなんて。

ラウル ・・・ えっ?何?!そんなにヤバイ事だったの?

ミスティ ・・・ 乙女のひ・み・つ・ですわ♪

ラウル ・・・ ・・・・誰が乙女だよ

ミスティ ・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ?

ラウル ・・・ ひ、ひぃぃぃ!



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] やっとロジーが目覚めましたね♪ これでようやくアシュリナ行きですね♪ あーでも今回白斗君の出番が少なくて寂しかったです。。。 また活躍させてあげてください♥︎
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