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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
63/406

52話 剣神の乱心

お疲れ様です。


今回は52話ですね。

タイトル通り剣神のご乱心となります^^


しかしこれだけ蒸し暑いと・・・

なんと言いますか・・・ストレスが・・orz

まだまだ暑い日が続きますが、皆さんも気をつけてください。


ブックマークや感想など宜しくお願いします。

評価などもいただけたら幸いです。


それでは、52話をお楽しみ下さい。

暫くすると神界のゲートが開き、カロンを連行する者達が現れた。

その中には、赤い髪をなびかせている剣神・アマルテアが居た。

その姿を見たオウムアムアは跪き礼を取る。


神妙な面持ちで近づいてくるアマルテアは・・・

「亜神よ・・・久しいな。この度は迷惑をかけたようね」

アマルテアはオウムアムアに頭を下げ謝罪した。

「はっ、いえ、我は何も・・・」

「そうだったな・・・だがしかし、とても勇敢に仲間を守ったと聞いた。

 貴様も成長したようね?」

「はっ、もったいなき御言葉で御座います」


一通り挨拶を交わしたアマルテアは、オウムアムアの傍にいた

小さな動物に目がいくと・・・

「・・・亜神よ。そこに居るのは何かしら?」

「はっ!この方は、悠斗様の国の神が遣わした聖獣殿で御座います」

「ほ~・・・聖獣ね・・・」


アマルテアにそんな気はなかったのだが、

聖獣はその上から目線に少し腹が立っていた。

「なぁー赤髪のねーちゃん」

「なっ・・・き、貴様っ!」

「貴様って、なんや?ワシはな、あんたら神々の不始末で此処に来たんやで?

 なんなん?その態度は?感謝されこそすれ・・・

 上から目線でモノを言われる覚えはないんやけどな?」


聖獣の言葉に腹を立てたアマルテアは剣に手をかけた。

「ふ~ん・・・あんた・・・剣に手・・・かけよったな?」

「貴様みたいなモノに・・・何かを言われる筋合いはないわっ!」

「あんたらの不始末って、言うてるやろがっ!」


聖獣と剣神との言い争いに、慌てて仲裁するオウムアムア。

「お待ち下さいっ!御二方っ!落ち着いて話し合ってもらえませんかっ!」

「はぁ?亜神の分際で私に説教垂れるとは・・・貴様・・・」

「おいおい、赤髪のねーちゃんっ!喧嘩しとる相手がちゃうで?」

「ちっこい腐れ動物がっ!この神剣のサビにしてやろうかっ!」


売り言葉に買い言葉になってしまい、もはやオウムアムアでは

止められない状態に突入した。


「シッシッシ。己の身をわきまえんヤツやな・・・」

「貴様・・・もう後には引けんぞ?」

「かかって来いやっ!日本の聖獣舐めんなやっ!」

「そんな愚劣な神の聖獣などっ!」


剣神と聖獣の一触触発に聖域が揺れ始めると・・・

「ズサッ!!」っと、邪神槍が二人の間に突き刺さった。


「あんた達・・・やめなよ・・・ユウト様の聖域で何をやっているのかしら?」

小屋の外にはミランダが怒りの形相で立っていた。


「ミランダっ!貴様・・・何をするっ!」

ミランダは一瞬にしてアマルテアに接近すると・・・

強烈なボディーブローを見舞った。

アマルテアはくの字に曲がると、そのまま膝を着いた。


ミランダは振り返り、膝を着き聖獣に頭を下げた。

「すまなかった聖獣殿」

聖獣は突然の出来事に唖然としていたが・・・

「ええって・・・あんたが謝る必要あらへんて・・・

 ワシも言い過ぎたのは間違いないんやけど、

 ワシんとこの神を愚劣って言われたら、後に引かれへんからな」

「そっ、そのような事を?!」


ミランダは振り返るとアマルテアを睨んだ。

「剣神よ・・・貴様は我々の世界を救ってくれた者の神に

 一体何という事を言うのだっ!恥を知れっ!」

アマルテアは立上がるとミランダを睨み返し・・・


「・・・邪神の女神が・・・偉そうにっ!」

アマルテアはミランダとの鼻先が当たりそうになるほど近づく。

「いいか、アマルテア?この聖獣殿に剣を向けると言う事は、

 ラウル様に剣を向けると言う事だってのは・・・わかっているのよね?」


ミランダの一言にアマルテアの顔が引きつる。

「貴様・・・」

「あんた・・・そう言えばいつもカロンとツルんでいたわよね?」

「何が言いたいんだ?」

「いえ、別に?もし、この世界に剣を向けるのなら・・・

 その時は・・・私が相手になるわ」

「貴様など・・・私の相手ではないわっ!たかが古参なババァに・・・

 私が負けるとでも思っているのかっ!」

「・・・へぇ~・・・言ってくれるわね?」


再び一触触発となりかけた時・・・

「な、なぁーて・・・ちょい待ちーな。

 此処であんたらが暴れたら主が困るからやめーな」

聖獣の一言にミランダはアマルテアから離れた。


「はんっ!このババァが・・・そんな動物風情に言い負かされよってっ!

情けないわね・・・がっかりよ」

アマルテアの一言に一端歩みを止めるが、

ミランダは目を閉じ堪えるのであった。

(あかん・・・これは不味いわ・・・)


今にも背後から斬りかかろうかという雰囲気を醸し出すアマルテアに・・・

「あー・剣神さん・・・ワシが悪かった・・・この通りやすまん」

聖獣は頭を下げるのだが・・・


「お前如きに頭を下げられても、嬉しくともなんともないわねっ!」

そう言うと、アマルテアは一瞬にしてミランダに詰め寄ると・・・


「さっきのお返しよ・・・」

「お、お前っ!!」

アマルテアは剣を柄に納めたままミランダを殴りつけた。

ミランダは殴られ、地面に叩きつけられる。

「ぐはっ!!」

ミランダを見下ろすアマルテアの笑顔はとても歪んでいた。

「赤髪のっ!あんた・・・卑怯過ぎるでっ!」

「ふんっ!腐れ神の聖獣がっ!」

アマルテアは足で聖獣を蹴り飛ばそうとするが、

聖獣の防御結界で簡単に防がれてしまう。

「ふんっ!腐っていても聖獣って事ね」


そして再びミランダを見下ろすと・・・

「ついでだからさ・・・あんたを殺すわ・・・」

そう言ってアマルテアは剣を鞘から抜いた・・・。


「待ちなさいっ!」

その言葉に振り返るアマルテア・・・

「・・・時空神」

ミスティはミランダの傍に降り立つと・・・

「どう言う事なのです?」

「・・・・・」


事の次第を聖獣が話す・・・。

「あなた・・・何をしているのか、わかっているのですか?」

「・・・ミスティ様、この際です。言わせていただきますが・・・」

「・・・ええ、何かしら?」

「人族の命がどうなろうと、また新たに作り出せば良いではありませんか?」

「貴女・・・一体何を言って・・・」


アマルテアの笑顔はもはや正気とは思えなかった。

「私達は神なのですよ?いくらでも新たな生命など作れるというのに

 どうして私達神が、その弱小な者達を守らねばならぬのですっ!」


ミスティはミランダを抱き起こすと・・・

「そう言えば貴女はカロンと同じ様に、弱き者の命を守る事に反対と・・・

 そう言ってましたわね?」

「ええ、確かにそう言いました。弱い癖に力を与えると調子に乗るっ!

 命を命とも思わず争いを繰り返すっ!

 その様な者達に我々神々が守る必要があるとは、

 とてもじゃないけど思えませんっ!」」


そうアマルテアが言い切った時・・・何かが弾けるのを感じた。



悠斗は聖域内の気が乱れた瞬間に目を覚ますと・・・

「「ユウト様っ!」」

「気が・・・乱れたっ!だ、駄目だっ!」

「な、何がですか?!」

「一体いきななりどうしたのにゃ?!」


悠斗は飛び起きて小屋の外に出た。

(ぐっ・・・か、体が・・・)


ミスティは抱き起こしたミランダをオウムアムアに預けようとして

アマルテアに背中を向けた時・・・

神剣を抜いたアマルテアがミスティを襲った・・・


「ま、間に合わないっ!!」

悠斗は身体強化Lv.6を使い駆け出すが・・・


「う、うぐっ!・・・て、てめぇー・・・だ、誰に・・・剣を・・・」

間一髪ミスティを救ったのはミランダだった。

ミランダはアマルテアの剣を腹部に受けると、おびただしい血を流し始めた。

「い、い、いやぁぁぁぁぁぁ!!」

ミランダに押しのけられ助かったミスティは、

ミランダの惨状に悲鳴を上げた。


「フフフ・・・み、みんな・・・死ね・・・」

アマルテアは神剣を抜き、再び神剣を振りかぶった。

その狂気に満ちた剣神の姿に全員が固まっていた。


その顔はひどく歪み、発狂にも似た奇声・・・

そして恐ろしい程の目つきに・・・。

「・・・死ねぇぇぇぇぇっ!!」


「パシッ!!!」と、その振り下ろされた神剣は

悠斗によって白刃取りで防がれた・・・。


「はぁ~?な、何をやってるのかしら~?

 人族がどうして此処にいるの?!

 ああ~・・・そうか・・・貴方も死にたいのね?」


その歪んだ顔に悠斗は顔をしかめると・・・

「あんた・・・ミランダに何やってんだよ?」

「フフフ・・・そう、貴方・・・人族なのね?

 駄目じゃない・・・生きてちゃ・・・ダメよ・・・」


アマルテアは既に正気ではなかった。

額にどす黒い魔法陣が浮かんでいた。

(な、何だ?!魔法陣か?)


悠斗は白刃取りの体制のまま力で押されて片膝を着いた。

(ま、まだ・・・力が・・・ぐぁっ!)

「主っ!その人・・・変な魔法にかかってるみたいでっせっ!」

聖獣の言葉を聞いた悠斗は・・・

(また神がおかしくなってんのかよっ!どうなってんだっ!)


悠斗は押されるがまま後方へ倒れると

神剣を顔の横の地面に突き刺し、倒れかかってきたアマルテアを

そのまま巴投げの要領で蹴り飛ばした。


直ぐに起き上がりアマルテアに近づくと、

「ぐはっ!、お、おのれ・・・」

腹部に圧拳を叩き込み気絶させた。


「オウムアムア・・・彼女を頼む」

「はっ、師匠」

オウムアムアは気絶したアマルテアを拘束した。

悠斗はミランダに近づくと・・・「ヒール」を唱えた。


「ふぅ~・・・ミランダ・・・大丈夫か?」

優しく微笑みかける悠斗の顔をボ~っと眺めていると・・・

「いたっ!」

ミランダを抱き抱えていたミスティが手を放し

後頭部を強打した。

「ミ、ミスティ・・・い、痛いわよっ!」

抗議するミランダだったが・・・


「ミランダ・・・貴女に助けられたわね?有難う」

真顔で素直にお礼を言われたミランダは・・・

「あ、あんたに何かあると・・・ユ、ユウト様の食事が・・・

 で・・・あ、あの・・・あ、ありがと」

恥ずかしさが高まり顔を赤くして黙ってしまう。

ミスティは悠斗に向き直ると・・・


「悠斗様・・・この度はまた助けられてしまいました。

 何と言えばいいのかもわかりませんし、

 どう償えばいいのかも・・・もはや、わかりません」

「ああ・・・ユウト様・・・助けてくれて・・・

 そ、その・・・あ、あ、ああああ有難う御座います。

 この借りは・・・わ、私の命で必ず・・・」


片膝を着き、悠斗に礼を取る女神達・・・

「な、なぁ~・・・二人共・・・そういうのはやめようよ?

 俺はこれから何かと世話になるんだからさ・・・

 そういうのは・・・無しでお願いしたいんだけど?」


悠斗の言葉に「クスリ」と、後ろから笑い声がして

振り返ると、そこにはイリア達が居た。

イリアは「ニヤ」けながら・・・


「で・・・?ユウト様の本音は?」

その笑顔に悠斗も笑い返すと、ミスティ達に向き直り・・・


「えっと・・・なんか面倒臭い・・・から・・・かな?」

悠斗の言葉に全員が大笑いしはじめた。

「ふふふふ♪悠斗様らしいですわね♪」

「ああ・・・ユウト様・・・らしい・・・な」

「さっすがユウト様ね?やっぱり只者じゃないわね♪」

「にゃはははっ!ユウト様のポンコツぶりは最強にゃぁぁ♪」

「フッフッフッ・・・流石師匠ですな~感服しましたぞ」

「主・・・流石にこのワシでも、突っ込みようないですわ~♪」


悠斗はみんなの言葉に不満を漏らしていたが、

満場一致で悠斗の不満は却下された。


事が収まると、カロンを連行しにきた者達が駆け寄ってくる。

ミスティはその者達に指示を与えると、

迅速にカロンとアマルテアを連行して行く。


疲労のせいでその場に座り込む悠斗に・・・

「ユウト様・・・ほんとにありがとね♪」

そう言って、ミランダは悠斗に手を差し伸べ立ち上がらせた。

「・・・ありがとな」

悠斗達はミスティの提案により、食堂で手料理を味わった。

そしてコーヒー・ブレイクorティー・タイムへと移行した。


「なぁ・・・聖獣・・・って・・・言いにくいんだけどさ、

 お前って名前はあるのか?」

「ん?ワシに名前か~・・・別にないで?

 せやったら、主・・・ワシに名前付けてーな」

「えぇぇぇぇっ!・・・・」

「な、なんや?えぇぇぇぇ・・・の、後の間は?」


悠斗と聖獣以外は笑い始めた。

「な、なんや・・・みんなして?何がおもろいん?」

代表してイリアが答える。

「・・・ユウト様の事ですから・・・きっと・・・面倒臭いって

 多分、そう思っていると思うわ♪」


その言葉に聖獣は・・・

「ははは・・・まさか、そんな事あらへんよ・・・な?」

テーブルの上に居た聖獣が振り返り悠斗を見ると・・・


悠斗の目が左右に泳ぎまくっていた。

「がぁぁぁぁんっ!まじやったんかいっ!!」

聖獣の突っ込みに再び笑う一同。


「ほ、ほんまに名前つけてぇーなぁー!頼んますわっ!」

「わ、わかったよ・・・」

渋々承諾する悠斗を見た聖獣は・・・


「な、なぁ・・・主・・・。まさかとは思うんやけど・・・

 名前・・・犬・・・とか、あかんで?」

聖獣の言葉に再び悠斗の目が泳いでいた・・・

「なっ!!本気で思うてたやろっ!あ、主・・・せっしょうやわぁぁ!」

小さな聖獣がテーブルの上を右往左往する姿に一同が笑い合う。


(こんな日常ならいいのにな~・・・これから大変そうだな)

微笑みながらコーヒーを飲む悠斗は心穏やかだった。


そんな時突然・・・


「あぁぁぁっ!いい名前がある・・・」

そう言うと、勢いよく立上がる悠斗。

聖獣の目が期待に輝いていた。

「あ、あかん・・・ワシ、なんや緊張するわぁぁ」

ドキドキしながら期待にモフ毛を膨らませながら、

悠斗の言葉を待つ・・・


「・・・英二って名前はどう?」


悠斗から出た名前に、何故か全員が黙ってしまった。

でも、コーヒーの匂いはとても爽やかだった。


(悠斗様・・・そ、それは、流石に・・・)

ミスティは冷や汗が背中を伝うのを感じていた。


 

ラウル ・・・ しかし何だね・・・こうも神界が迷惑かけるとは・・・

ミスティ ・・・ そうですね。とても嘆かわしい事ですわ♪

ラウル ・・・ もっと神界も強化体制を整えないと今後が怖いよね?

ミスティ ・・・ でもラウル様は平気かもしれませんわね?

ラウル ・・・ ん?それはまたどうしてだい?

ミスティ ・・・ あまり神界にいらっしゃらないようなので・・・

ラウル ・・・ あは、あはははは・・・す、すみませんでしたぁぁ!orz

ミスティ ・・・ この借りは・・・す、いずれ・・・(ボソッ)

ラウル ・・・ ・・・・・・



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] 命名にまさかの「英二」! 悠斗がマジポンコツだとわかる爆笑エピソードでした(笑) 少し前の「英二さんがいたら。。。うざいな」みたいに言ってたシーンとか、もし英二君がビデオか何かで見れたら、…
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