51話 女達の戦い 2
お疲れ様です。
えっと・・・51話本編ですね。
再びミランダとミスティの戦い?言い合い?
最近特に、イリアとセルカの影が薄いですね^^;
ブックマークや感想など、お待ちしております。
また評価して頂けると・・・私が頑張りますので、
今後とも宜しくお願い致します。
それでは、51話をお楽しみ下さい。
魔鬼と化したカロンを倒し、安堵も束の間・・・
カロンの胸の目玉が突然姿を現すも、
その目玉をも悠斗が「新しい力」で倒した。
謎の目玉を倒した直後、突然悠斗はその場に倒れてしまう。
意識を失くし倒れた悠斗に駆け寄る者達。
その声は悠斗に届かなかった。
「ゆ、悠斗君っ!しっかりするんだっ!」
慌てたラウルは悠斗にパーフェクト・ヒールを使用するも
悠斗は未だに目覚めない。
「ば、馬鹿なっ!神の癒しだぞ?どうして目覚めないんだっ!」
慌てふためくラウルをミスティが諭す。
「落ち着いて下さいっ!今、神眼で鑑定しますからっ!」
ミランダに羽交い絞めにされ、混乱しているラウルを抑える。
「・・・えっ?ど、どう言う事?」
今度はミスティが混乱の色を漂わせる。
「おいっ!ミスティ!あんたまでそんな調子じゃ困るわっ!」
ミランダに叱咤され、落ち着きを取り戻すと、説明を始めた。
「神眼で鑑定したのですが・・・不明・・・とだけ」
「ミスティ・・・不明ってどう言う事だい?」
「ですから・・・鑑定結果が不明としか出ないのです」
羽交い絞めにしているミランダを振り払うと
ラウルは己自ら神眼を使用すると鑑定を行った。
「・・・なっ・・・馬鹿なっ!僕は創造神だぞ?
この世界においてわからない事など・・・」
ラウルはその場に座り込むと、意識を失くしたままの悠斗を見つめた。
皆が言葉を失い沈黙していると・・・
「なぁ?このカロンってヤツ、どないするんや?」
恐ろしいほど、その場の空気をぶち壊す声に
全員の視線が集まった。
視線の先に居たのは、先程まで悠斗の肩に乗っていた
体長5㎝程の小さな秋田犬に似た白い犬だった。
「にゃぁ?さっきのちっこい犬なのにゃ♪」
セルカの言葉に引っかかった聖獣は鼻をヒクヒクさせると・・・
「誰が超絶可愛い犬やねんっ!ワシは聖獣やっちゅーねんっ!」
「だ、誰も超絶にゃんて言ってにゃいにゃ?」
「・・・さよか。ほならええわ」
そんなやり取りに沈黙していたラウルは・・・
「聖獣君、私はこの世界の創造神ラウルだ。
まずは礼を言わせてくれ・・・悠斗君を救ってくれて有難う」
神らしい対応に聖獣もお座りの姿勢になると・・・
「えーっと、ワシは天照様より遣わされた聖獣です。
この主を助ける為に来ました。一つよろしゅうたのんます」
聖獣は礼儀正しく頭を垂れた。
「でな?この男は、どないするんでっか?」
ラウルは顎に手を置くと考えていた・・・。
「こいつはただ操られていただけみたいでっせ?
あの目玉が出てきてから、体からは完全に瘴気が抜けとるようですわ」
「うむ・・・ちょっと彼には色々と聞く必要がありそうだね?」
ラウルは女神達とオウムアムアと話を始めた。
イリアとセルカは悠斗の傍に行くと・・・
「ユウト・・・どうして貴方はこんなにも頑張れるのよ?
私は貴方の強さを少しでも分けてほしいわ」
「私もにゃ・・・私がもっと頑張れたら・・・」
二人は悠斗の髪を撫でながらそれぞれの思いを話した。
それが例え、意識を失っていたとして、言わずにはいられなかった。
二人が無言でそれぞれの思いを巡らせていた時・・・
「なぁーお宅らって・・・主のコレかいな?
聖獣は前足を上げて見せるが・・・
「えっと・・・聖獣様・・・何が言いたいかわからないのですが?」
「何や?わからんのかいな・・・うぶな子が多いんやな~」
聖獣は少し下卑た笑いをすると・・・
「つまり主の女か?ちゅー事なんやけど?」
悠斗の女かと聞かれ、二人は顔を真っ赤にしていた。
「シッシッシッ♪」と、尻尾を左右に振りまくってた。
不意に聖獣は悠斗を見る。
(聖獣よ、私は神力を使い過ぎました。
ですから、暫くの間、此方には来る事ができませんが
後の事は宜しくお願いしますよ?)
「わかりました、月読様。こっちの事は任せとってください。」
(では、くれぐれも宜しくお願いしますね)
そう言うと月読は消えて行った。
黙って様子を見ていた二人に聖獣は・・・
「ん?ああ~、今ワシとしゃべっとったんは、月読様ゆーて、
主の国の神様なんや・・・主の事をよろしゅーな、ちゅーてな、
ワシに頼んで戻りはったわ」
二人は聞き慣れない言葉だったので多少慌てたが、
聖獣様の話を、聞き逃さないよう身構えていた。
「シッシッシッ、そんなに緊張せんでええよ?
聞きたい事があったら聞いたらええしな」
二人は聖獣に頭を下げると礼を言った。
「あの、ではお聞きしたい事があるのですが?」
「なんぼでも聞いてええよ」
「有難う御座います。では・・・
今のユウト様の状態を教えて頂きたいのですが?」
聖獣は仰向けに寝ている悠斗の肩に乗ると・・・
「今の主は、慣れへん力を限界以上に使用して、
気力も体力も全て使い切った・・・
分かりやすく言うとやな、そんな感じですわ。
だから嬢ちゃん達もそんなに心配せんでええと思うで?」
二人は聖獣の話を聞き安堵した。
「しかしなんやな・・・この主、ただの人間にしては
恐ろしい程の力を持っとんな~・・・天照様に聞いてた話以上やわ」
セルカは悠斗の顔を見ると再び泣きそうになりながら・・・
「にゃ~聖獣様?私はもっと力になりたいにゃ。
どうすればいいのかにゃ?」
「シッシッシッ。あんたな~そんな無理せんでええよ?
みんなそれぞれに役目ゆーもんがあるさかいな、
だからあんたはあんたで、やれる事を精一杯やればええやん。
ワシもな、聖獣ゆーても、出来る事と出来ん事がある、
・・・みんなそれでええんちゃうか?」
聖獣の言葉にセルカは頭を下げると・・・
「有難うにゃ。私もそれを探してみるにゃ」
頭を上げたセルカの顔はとてもいい笑顔だった。
(この子らで大丈夫なんかいな?ワシ・・・なんか不安やわ)
マイナス思考気味の二人と暫く話してみて、
聖獣は不安がよぎった。
そして暫くすると、ラウル達神が戻ってきた。
「待たせてしまって申し訳ない。これからカロンは神界に連れて帰る。
本当なら悠斗君もそうしたいところだけど、
きっと彼は嫌がるだろうから、君達にまかせるよ」
「わかりました。ユウト様は私達がしっかりと面倒を見ます。
御心遣い感謝しています」
イリアもセルカもラウルに頭を下げた。
「任せたよ・・・。それと聖獣殿、貴方はどうするのですか?」
姿勢の良いお座りでラウルに向かう聖獣は・・・
「はい。私は主のサポートをしなさいと仰せつかってますので
このまま主の傍に居ます。
何かあればラウル様に連絡を取りますので、
そん時はよろしゅーお願いします」
「ああ、わかった。日本の神々には本当にご迷惑をかけてしまい
申し訳なかった。また私からも直接感謝を述べたいとは思うが、
まずは聖獣殿礼を言わせてくれ。
本当に有難う」
「シシッ。そんな事ええですよ?今後ともよろしゅーね」
ラウルは聖獣達と別れの挨拶を交わすと、
アリエルと一緒にゲートを開き神界に戻っていった。
此方にはまだ残っていたミスティとミランダそして、オウムアムアは・・・
「でわ、私が悠斗様を小屋へ運びます」
「では、我がカロン殿の傍に控えております」
「亜神よ・・・任せたぞ?
カロンを連れに来る連中が来るまで宜しく頼む」
「はっ。ミランダ様、その時はお呼び致します」
「わかったわ」
オウムアムア以外は悠斗を連れ小屋に戻って行った。
オウムアムアはカロンを見つめ・・・
「カロン殿、どうしてこのような事に?」
そうつぶやくと、今はまだ閉じられているゲートの前で、
応援が来るのを待っていた。
小屋に戻ってきたミスティ達は、悠斗をベッドに寝かせると・・・
「なぁ、ミスティ・・・この小屋って狭くない?
それに・・・ボロく感じるわね?」
ミスティとイリアとセルカは顔を見合わせると笑い始めた。
「なに?!このボロ小屋が何なのよ?」
「ふふ♪ミランダ・・・この小屋は悠斗様が土魔法で
作られた小屋なのよ?それをボロ小屋だなんて・・・ねぇ~?」
イリアとセルカは苦笑しながらも・・・
「あはは・・・そ、そうですね。確かに・・・ボロ小屋ですけどね♪」
「にゃ~♪おんボロにゃ♪でも一生懸命さは伝わるのにゃ♪」
ミランダは悠斗が作ったモノとは露知らず、
暴言を吐いた事をとても悔やんでいた。
「えっ?あっ・・・あー・・・で、でもね・・・
よ、よーく見たら、とてもお、趣のあるって言うのかしら?
ど、独創性に飛んだ・・・素敵な・・・小屋・・・ですね・・・」
段々と語尾が小さくなる声に三人は大笑いしていた。
「ちっ、ちょっと何よっ!ユウト様が作っただなんて
知らなかったんだもんっ!」
慌てているミランダを見てミスティは思った。
(ミランダがこんな顔するなんて・・・ね。
厄災の女神・・・邪神の女神と疎まれ、そして拒絶され続けた女神。
そんなミランダがこんなにも笑っているなんて・・・ね。
これも・・・悠斗様の御力の一端なのかもしれませんわね♪)
ミスティは感慨深くミランダを見ていると・・・
「ちょっとー!何よっ!」と、抗議するも、その顔はいい笑顔だった。
ミランダは何かを思いついたらしく、
いたずらっ子のような笑顔を浮かべると・・・。
「そうだ・・・ちょっと三人に聞きたいんだけど、
外観はそのままにしておいて~・・・
もう少し居住性がいい感じにしてもいいかしら?」
三人はミランダの提案に「いいわね」と、答えると・・・
「じゃ~ね~・・・この小屋の中身を拡張しちゃうわねっ♪」
そう言って、ミランダは小屋の広さを三倍に拡張した。
その広さに驚いたミスティは・・・
「あ、貴女っ!ちょっとやり過ぎよっ!」と、嗜めるが、
イリアもセルカもとても喜んでいたので・・・
「もうっ!本当に、仕方がないわねっ!」
そう言って折れる事にした。
「これは私とユウト様の初めての共同作業って事になるのね♪」
ミランダのその不用意な発言にミスティの目に火が着いた。
「・・・ちょっとミランダ?貴女は何を言っているのかしら?」
「はい?何をって・・・そんなのっ!決まっているじゃないっ!」
「ミランダ、私はね・・・
貴女が来る前に食堂のリフォームは私がしたのよ?
つまり・・・私が最初に悠斗様と初めての共同作業をしたのよっ!」
「ふんっ!貴女がやったのは食堂でしょ?たかが食堂じゃないっ!
私は寝室なのよっ!つまり・・・二人の愛の巣って事よん♪」
女神達の争いに不毛を感じながらも、
イリアとセルカは二人の事がとても羨ましかった。
「女神様っ!私達だっては、ははは・・初めての共同作業したいですっ!
お二人だけなんてっ!不公平ですっ!」
「そうにゃぁぁぁぁ!不公平にゃっ!断固として抗議するのにゃっ!」
自ら不毛な戦いに参戦するイリアとセルカ・・・
その戦いはまだ終わりを見ない。
ふと、オウムアムアは小屋から何か出てくる気配を感じ立ち上がった。
「ん?・・・あれは・・・聖獣殿か?」
聖獣はとぼとぼとオウムアムアの方へ向かってくる。
オウムアムアは聖獣を迎えに行くと・・・
「どうかしたのですか?」
「あー・・・なんやろな~?ワシが突っ込む暇もないくらい
女連中の戦いがすさんでんねんけど・・・?
ワシ初めてや・・・誰にもよう突っ込まへんかったん」
「は、はあ・・・さぞかし大変だったのでしょうな~?」
そんな争いが行われていようとは知らないオウムアムアは・・・
「ならば我と一緒に待ちますかな?」
「まぁ・・・それしかないな~・・・ほんまに不毛やわ」
「心中お察し致します」
男二人はカロンの元へ戻って言ったが、
まだ聖獣は知らなかった・・・。
オウムアムアがとても無口だった事を・・・。
暫くした後・・・「もうワシこんなん嫌やぁぁぁぁ!」っと、
そう訴えている叫びが聖域に響いていたのであった。
ラウル ・・・ あのさー、君とミランダって、どうしてそんなに仲が悪いのさ?
ミスティ ・・・ えっとですね・・・そ、そう簡単に上手く話せないと言うか・・・
ラウル ・・・ ん?何?話がこじれちゃってる感じだったりする?
ミスティ ・・・ あの・・・こじれるって言いますか・・・
ラウル ・・・ 何だよっ!もうっ!歯切れ悪いなぁー!
ミランダ ・・・ やっほ~♪昔この女の男と付き合ってたからでーすっ!
ミスティ ・・・ はぁー?あんたが無理矢理引っ張って行ったんじゃないのっ!
ミランダ ・・・ いつまでも進展がない、あんたが悪いのよっ!!
ミスティ ・・・ 違いますぅ~!あれは清楚感を出す為の作戦なんですぅ~
ラウル ・・・ き、君達・・・ちょっ、ちょっとや・やめ、やめないか・・・
ミランダ ・・・ はぁ~?清楚感って、あんた馬鹿じゃないのっ?!
ミスティ ・・・ 馬鹿とは何よっ!あんたの方が馬鹿でしょっ!
ラウル ・・・ 原作者助けて・・・
ってなことで、緋色火花でした。
緋色 ・・・ 私は知らん
ラウル ・・・ そんなぁ~・・・orz




