閑話 日本 9 悠斗の思い
お疲れ様です。
一応の決着がついたので、とりあえず閑話を^^
閑話を差し込むタイミングがわからず今になってしまいました。
あと、ブックマーク登録をしてくれた方。
大変有り難く思っております^^
今後も楽しく読んで頂けるよう頑張りますので
宜しくお願い致します。
出来る事なら、感想や評価なども宜しくお願い致します。
えっと、いつもの時間。am12:00~13:00の間に
本編51話をアップする予定です。
そちらの方も宜しくお願い致します。
それでは、閑話 日本 9をお楽しみ下さい。
あの地獄を見た修練から数日が経ったある日の朝・・・
俺は食堂で朝食を食べた後、部屋に戻る途中で、
管理をしているおばさんに呼び止められた・・・
「あっ!ちょっと英ちゃん、さっきこれが本家から届いたわよ?」
「ん?本家からですか?なんだろ?」
英二は管理のおばさんからメモを受け取った。
「このメモって・・・誰からですかね?」
「分家から今、本家に来ている・・・葉月さんだったかしら?
あの無口な人・・・」
「ああ~・・・葉月ッスね・・・わかりました」
「じゃ、英ちゃん、渡したわよ」
「はい、あざーす」
英二は部屋に戻るとメモを読んだ。
「英二、飯食ったら本家まで来てくれ」
「ん?誰だ・・・?名前・・・書いてねぇーな?」
英二は本家からの呼出しって事で、服を着替え外に出る・・・
俺はバイクにまたがるとキーを刺した。
「おはようございます。英二さん」
英二に挨拶をしてきたのは大介だった。
「んあ?おお~おいっス!大介どうした?」
「あれ?英二さん何処に行くんですか?」
「あ、ああ・・・ちょっと本家に呼び出されてよ」
「何かやらかしたんですか?」
大介は「ニヤニヤ」しながら聞いてきたが。
「いや・・・特に何も心当たりはねぇーんだけどな。
でも本家の呼出しなら行かない訳にもな」
「そうなんですか?非番なのに大変ですね?」
「だよな~・・・全く、勝手なもんだぜ」
「じゃ~気をつけて!いってらっしゃい」
「おうっ!じゃーなぁー」
英二はそう言うとヘルメットをかぶりエンジンかけると
宿舎のゲートを出た。
少しして本家に入り駐車場にバイクを止めると・・・
「よう!英二・・・朝から悪りぃーな」
英二に声を掛けながらやってきたのは・・・
神野 沙耶だった。
「おはようっス沙耶さん・・・
ん?ひょっとして俺を呼び出したってのは・・・?」
「ああ、私だよ。非番のところ悪りぃーなー?」
「あはは、いいっスよ。俺も暇してたんで・・・」
屈託のない笑顔を向けて来る沙耶は・・・
「あはは、ちょっとお前に用・・・つーか・・・
まぁーそのなんだ・・・伝えたい事があってな?」
歯切れの悪い物言いに違和感を覚える英二だったが・・・
「は、はぁ・・・その為にわざわざ葉月にメモを?」
「ま、まぁーな・・・とりあえずちょっと着いて来てくれ・・・」
英二はメットを脱ぐとキーを抜きとり、沙耶に着いて行く。
道場と母屋の屋敷の間を抜けると、修練場に出た。
此処は修練場と言っても、悠斗だけが使っていた場所なんだが・・・
「ん?こんな所に来てどうしたんスか?」
英二は沙耶に聞いたのだが、何も言わずある場所を指さした。
沙耶が指を差した場所には、いくつかの岩が置かれていた。
「あれ・・・なんスか?」
「実はな・・・お前に伝授したい技があってよ。
お前は悠斗と違ってパワー系だろ?
だからお前に教えようと思ってよ」
英二は沙耶が少しはにかんでいたのがわかったが・・・
「いやいや、ちょっと待ってくださいよ~
どうして今日・・・なんスかね?」
沙耶は空を見ながら言い迷っていた。
「なんつーかさ・・・お前、いずれ悠斗の所に行くんだよな?」
「え、ええ・・・俺はそのつもりっスけどね?
実際は向こうの創造神が決める事なんで何とも言えないッスよ?」
沙耶は英二の言葉に驚いているようだったが・・・
「この話・・・前に本家の皆さんの前で話しましたからね?」
「あははは・・・ま、まじでか?
あ、ああ~・・・な、何かそ、そんな話してた・・・なー」
沙耶の目は驚くくらいキョドってた。
「はぁ~・・・まぁー別にいいんですけどね・・・。
ところで伝えたい事ってなんですかね?」
「あ、ああ・・・。お前、気道の体術っていくつだ?」
突然気道の事を聞かれ、今度は英二がキョドる。
「あ、あはは・・・ははは・・・」
「いくつなんだよ?」
「えっと・・・スね。体術は参っス」
それを聞いた沙耶はこめかみを「ヒクヒク」させていた。
「おめぇーよ・・・それはまじか?」
「は、はぁ・・・はい」
沙耶は英二の言葉に落胆の溜息を吐く。
「お前は一番隊の隊長だろうがっ!何ちんたらやってんだよっ!」
「い、いやぁ~・・・俺も色々とあるんスよ~・・・
そ、それに、実際二番隊の悠斗のほうが実質一番隊でしたからね」
言い訳染みた返答に沙耶は英二の頭を殴る。
「痛ぁぁぁっ!!な、なにするスか・・・」
「殴られて当たり前だろうがっ!何やってんだお前はーっ!」
呆れた物言いに落胆の色が隠せない沙耶の表情に、
英二は実は・・・と、話を続ける。
「ん?言い訳か?」
「いえ、そうじゃなくてですね・・・。
悠斗との取引っつーかですね・・・」
「歯切れ悪りぃーなぁー!はっきり言いなっ!」
沙耶にどやされた英二は申し開きをする。
「実はですね・・・合同でやる時は、悠斗達二番隊が前衛で、
俺達一番隊が後衛だったんスよ」
「はぁ?可笑しいじゃねぇーか?数字の少ない隊が前衛ってのは
決まりだろうが?何で悠斗が前やってんだ?」
「えっと・・・。書類仕事を悠斗がメチャ嫌がりまして、
俺がやれば前はあいつがやるって事になってしまいまして・・・」
「何だそりゃ?全くお前たちは・・・」
沙耶は額を抑え項垂れていた。
「勿論、他の隊とやる時は、ちゃんとルールは守ってますけど、
俺達二番隊とやる事が多かったから・・・あははは」
「はぁ・・・笑ってんじゃねーよ・・・全くよ~
なるほど、だからお前は「参」止まりって事か・・・」
「はい」
沙耶は納得した様子だったが、唸り始めた・・・。
「じゃー・・・どうすっかな・・・まいったな」
そう言うと、何やら「ぶつぶつ」言い始めた。
英二は不安な面持ちでいた。
暫くして深い溜息を吐くと・・・
「わぁーったっ!しゃーねぇーなー!」
「な、なんスか?」
「どのみちお前には、覚えてもらわねーといけねーからな」
「もしかして・・・体術っスか?」
沙耶は「ニヤリ」と、何か有り気に笑うと・・・
「気道・体術・六・破岩をお前には習得してもらう」
「は?はぁぁぁぁ??まじっスか?」
「ああ、勿論まじだっ!」
英二は呆気にとられるが我に返ると・・・
「ちょっ、ちょっと待ってくださいよ~・・・そんな無茶な。
悠斗だって習得してないってのに、俺がそんなモノ・・・」
英二の言葉を遮るように沙耶が話をする。
「うっさい、黙れっ!それにあいつは習得してない訳じゃないぞ?
あいつは俺には合わないって言っているだけで、余裕で習得している」
「ま、まじかぁぁ・・・えっ?でもあいつは面倒臭いって言ってましたよ?」
「ん?面倒臭いって言っただけで、
誰も習得してないとは言ってないんだろ?」
英二は・・・「あっ、確かに・・・」とは、言ったものの
その習得は尋常じゃない領域なのはわかっていた。
「い、いや~・・・俺に習得出来るとは?」
沙耶は英二の言葉に薄く笑うと・・・
「悠斗は言ってたぞ?英二・・・お前向きの技だってな?」
「えっ?ま、まさかあいつがそんな事・・・
ん?それって・・・まじっスか?」
「ああ、パワー系のお前の方がこの技は生かせるってな。
確かにあいつはどちらかと言えばスピード系だからな」
(確かに言われてみれば俺向き・・・だよな?
だけど、悠斗がそんな事を言うなんてな・・・)
考え込む英二を見た沙耶は・・・少し寂しそうな顔をしていた。
「もう、悠斗はこっちに戻って来ないんだよな?」
「は、はい。そうみたいですね」
「そうか・・・。英二、
あいつはこの世界から居なくなる事を予期していたのかもな?」
「はっ? いやいや、まさかそんな・・・」
英二は沙耶を見ると沙耶は背中を向けた。
「あいつはもう居ないからな。言ってもいいと思うから言うが、
あいつはお前の事を、もっとこうすればいいとか、
こういう修練をすれば伸びるとかな・・・ずっと私達に言っていたのさ」
英二は思ってもいなかった言葉に少し感情が昂る。
「な、何言ってんスか・・・あ、あいつがそんな事言うはずが・・・。
そ、それにっスよ?あいつは俺の事を年上で先輩とも思って・・・」
英二は色々と悠斗との思い出を並び立て、
初めて悠斗が英二の事を色々と気遣ってくれていた事に気づいた。
「はぁ?えっ?な、何?・・・そ、そんな・・・あいつ・・・」
英二は悠斗が居なくなって初めて悠斗の優しさに気付いた。
そして・・・静かに涙を流した。
(そう言えばあいつ、あそこで別れる時に・・・
俺に頭を下げて・・・悠斗お前・・・)
沙耶が背中を向けたのは、沙耶なりの優しさだったのだ。
暫く沙耶は何も話さなかった。
きっと、英二のことを気遣ってだろう。
「す、すみませんでした」
「・・・ああ。私は何も見てないからな」
(ほんとに、このファミリーは・・・)
英二は背中を向けている沙耶に頭を下げた。
沙耶は背中を向けたまま・・・
「なぁ、英二・・・修練・・・するか?」
「はい。あいつの気持ちにも、
いや、あいつの思いに応えてやらないとっ・・・スね」
背中を向けたままの沙耶が少し笑った気がした。
そして沙耶は振り返ると・・・
「お前を悠斗のレベルまで引き上げるっ!これは神野家の総意だ・・・」
「えっ?だ、だって・・・気道の四からは血統の者しか・・・」
「ふっ、お前は向こうに行くんだよな?
だったら、強くならねぇーと、あいつに迷惑がかかるからなっ!」
そう言って笑っている沙耶の顔は、とても爽やかな笑顔だった。
(はは・・・俺って意外と期待してもらってたんだな・・・
俺が悠斗クラスにねぇ・・・んー。なれんのか?)
英二自身、半信半疑だったのだが・・・
(あいつの事を助けてやらねぇーとな)
英二の顔も爽やかな笑顔だった・・・
のだが・・・
まさか修練の日々が再び地獄になろうとは夢にも思わなかった。
「ち、ちっ、ちくしょぉぉぉぉ!!
やっぱ地獄じゃねぇぇぇかぁぁぁぁ!!
悠斗のバッキャロォォォォ!!」
何故か英二は真っ青な空に浮かぶ悠斗の顔が、
邪悪に満ちて笑っていたのを見るのであった。
その地獄の修練のおかげで、
なんとか体術・六をマスター出来た英二だったが、
心の傷はまた・・・別の話だった。
「頑張れ英二!負けるな英二っ!英二の明日は・・・どっちだっ!)
英二 ・・・ みんなぁー!ブックマークや感想なども宜しくなー!
天照 ・・・ どうしたのじゃ?いきなりで妾も驚いたぞ?
英二 ・・・ ははは、原作者に頑張ってもらえねぇーと、俺の出番が・・・
天照 ・・・ なるほどの~確かにそうかもしれぬな
英二 ・・・ だから此処は俺がなんとかしてっ!そう思った訳です。
天照 ・・・ うむ。ここでアピールせねば、妾も・・・なるほどの~
英二 ・・・ だからもっとアピールっスよっ!
天照 ・・・ ・・・皆の者よ。妾の為に、登録するのじゃぞっ!
英二 ・・・ 何でそんな偉そうなんスか?
天照 ・・・ 妾は他に頼み方など知らぬのじゃ
英二 ・・・ ・・・このままじゃダメな気がするなorz
ってなことで、緋色火花でした。




