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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
60/407

50話 召喚と決着

お疲れ様です。


50話ですね・・・

悠斗とカロンの決着となります。

此処までとても長く感じましたが、皆さんはいかがだったでしょうか?


楽しんで読んで頂けたのなら幸いですが、

謎なども今後回収していく予定なので、今後とも宜しくお願い致します。


少しでも楽しんでもらえたなら、

プックマークや感想、評価なども宜しくお願いします^^


それでは、50話をお楽しみ下さい。


(だめだ・・・間にあわ・・・)


悠斗が防御する暇もなく直撃する・・・


「「「「「ユウト様っ!!」」」」」


その様子を見ていたラウル達は再び血の気が引き

言葉に詰まっていた。


変異したカロンの衝撃波で土煙が爆風と共に吹き荒れる。


悠斗は何事もない己の体に目を開ける・・・

「あ・・・あれ?」

悠斗の目の前には、何か小さな生き物が、

八角形の防御壁を出現させ、カロンの攻撃を完璧に防いでいた。

「これは一体・・・どうなって・・・?」


悠斗の言葉にその小さな生き物が振り返る・・・

「よっ!危なかったなぁ~主よ!

 ワシが来たからには主には指一本・・・触れさせへんっちゅーねんっ!」


悠斗は振り返った生き物・・・動物が何かはわかったのだが・・・

「か、関西弁!?お、お前って・・・犬?」

「あほっ!犬ちゃうわっ!ワシは聖獣やっ!

 エロイほうの性獣やないで?聖なる獣の方やからな?」


悠斗は夢でも見ているのかと思い、頬をツネってみた。

「・・・い、痛い」

「主・・・あほなんか?これは現実やぞっ!

 早う目ぇー覚ませやっ! 」


変異したカロンの攻撃は四方八方から繰り出されていたが

その犬・・・ではなく、聖獣が全て防御していたのである。


「・・・聖獣ね・・・?そんなちっこいのに?

 5cmくらいしかないのに?」

「なんや・・・聖獣がちっこかったら、あかんのんかいっ!

 なぁ・・・主・・・なんか、意外と冷静なんやな?」


カロンは二人の会話が聞こえていた。

カロンは無視された挙げ句、攻撃をいとも簡単に防がれている事が

何よりも腹が立っていた。

「き、貴様ら・・・いいかげんにしろっ!

ガアァァァァッ!喰らえっ!火砕弾っ!」

そう発すると距離を取ったカロンは炎の魔法を放った。

しかし命中するも八角形の壁は無傷だった。

ただ爆発音だけが響く。


「・・・馬鹿なっ!ありえんっ!」

激怒するカロンは怒鳴り散らしているが・・・


「・・・おいっ!そこのお前~!ちょっと黙っとれやっ!

 まだこっちしゃべっとんねんっ!少しは気ぃーきかせろやっ!!」

「なっ・・・」


カロン以上に怒鳴り散らす聖獣に押し黙ってしまうカロン。


「なぁ・・・まじ聖獣?」

「主も疑り深いなぁ~?なぁ、月読様?主になんか言うたってーな」

(えっと・・・はい。恥ずかしながら聖獣です。

 天照様より召喚されました)

「はぁ?アナウンスの声の人って・・・月読様?

 月読様って・・・あの??それに、召喚って天照様が?」


(あはは。は、はい。今まで黙っていて、申し訳ありませんでした)

「ま、まぁーそれはいいんだけど・・・後で説明お願いしますね?」

(は、はい・・・わ、わかりました)

「ちゅーか、主よ・・・まずはあの魔鬼をなんとかせなあかんよな?)


聖獣の言葉に視線を魔鬼となったカロンに向ける。

魔鬼と化したカロンは、こちらの様子に唖然としていた。


「まずはや、主の怪我をワシが治すわな?」

「お前これを治せるのか?」

「当たり前やんっ!ワシ聖獣やで?まかせろっちゅーねんっ!」

聖獣は何かの詠唱を始めると、悠斗の体が白い光に包まれる・・・

「ほいっ、治ったで~。こっから暴れたい放題やっ!」

「あ、ありがとう」

「あ、礼はいらんさかい、はよ、あいつをなんとかせな」

急かさせるように悠斗は剣を構えると・・・


(悠斗様、少々お待ちを・・・)

「ん?どうした?」

(・・・聖獣よ、この剣を強化して差し上げなさい)

「えっ?ワシかいな?聖獣使いが荒いでんな~・・・まぁええけど。

 主よ、その剣を動かさんといてな?」

「あ、ああ・・・」


聖獣は再び詠唱を始めると、錬金術で強化された剣が赤く光る。

「これでエンチャント完了やな。ププッ」

突然含み笑いをする聖獣にその理由を聞くと・・・

「すまんすまん。なんかな?

 主=あんちゃんとエンチャント似てるなぁ~って思うてな♪

 ウケるわ~ってな・・・」

「(・・・・・・・・)」


少しの間を置いて・・・

「さてっと・・・・はぁぁぁ!」

突然駆け出す悠斗に、肩に乗った聖獣が文句を言っていた。

「なんやっ!スルーかいなっ!ちゃんと突っ込んでやぁぁぁ!!」

と、怒鳴っているが、悠斗はスルーした。


(これなら戦えるっ!)

(はい、これなら魔導気も使用可能です)

(了解)

(聖獣よ・・・防御はまかせましたよ?)

「へっへ~んっ!任せとけっ!ちゅーねんっ!」

「ああ・・・頼む」

「あいよっ!」


悠斗はカロンと距離を詰めると、剣を振り下ろす・・・

「ちっ!」

「あーっはっはっはっ。何だ貴様・・・そんなに遅いのか?」

カロンは薄ら笑いを浮かべながら余裕で対処してくる。

悠斗の右へ右へとカロンは回り込む。


「主っ!なんか言われてるでぇー!」

「・・・わかってるよっ!」

何度も接近しては弾かれ躱されてしまう。

「ふっふっふっ・・・人族風情が・・・」

(・・・にゃろ・・・見てろよっ!

 お前の作戦・・・なんとなくわかったからな・・・)


呼吸を整えると・・・「縮地」そうつぶやき

カロンとの距離を詰めると・・・

「ん!?」

一瞬焦った様に見えたカロンも再び悠斗の右へ躱す。

(思った通りだ・・・こいつは俺の右へ回り込もうとしている。

 きっと、魔法を警戒しているのかもな)

(はい。恐らくそれで間違いないかと・・・)

(わかった)


悠斗は再び接近して攻撃すると・・・

カロンはやはり悠斗の右側へ回避した。

(今だっ!!)

「受け取れっ!! 火球っ!」

左の掌に火球を出現させると、至近距離で投げて直撃させた。

物凄い熱と爆発がカロンを襲う。

「ぐあぁぁぁ!!あ、熱いっ!や、焼けるのは・・・

 も、もう嫌だぁぁぁぁ!!」

カロンのセリフに悠斗は思い当たる事があった。


(まさか・・・あいつ・・・)

悠斗はそう言うと・・・

「なぁ、聖獣」

「ん?どないした?」

「俺から何があっても手を離すなよ?」

「んー?なんやわからんけど・・・まかしときーな」


一度カロンから距離を取ると・・・


「気道一之書・操術・六・月光!」

悠斗は一気にカロンに接近し・・・

「なっ!」

「舞え、月の(レゴリス)

悠斗の接近から離脱しようとカロンは逃げるが・・・

「な、にっ・・・動きが・・・」


悠斗はにやりと笑うと・・・

「魔導気・・・Lv.7!気道・瞳術・六・(トワイライト・ゾーン)

そして悠斗は再び姿を消した。



姿を消した悠斗に驚くラウル。

「ゆ、悠斗君が・・・消えた?」

その言葉にミスティが答える。

「ラウル様・・・私達にも何故消えたのかわかっておりません」

「・・・そうなんだ、戻ってきたら聞かないとね?」

ラウルの表情にミスティは安堵した。

ラウルからは悲しみの色がなかったからである。


「ところでさ・・・」

と、ミランダが疑問を投げかけてくる。

「あの小さい動物が地球の神が遣わせた聖獣なの?」

「あ、ああ・・・そのようだね」

「あんな下品な動物が?」

ラウルはそう言われ全員の顔を見ると・・・

「・・・はは。みんなも同じ事思ってたんだね」

ラウルの苦笑いが見て取れた。

「・・・声だけは・・・とても大きかったですわね」

ミスティの顔も引きつっていた。



そして此処は悠斗が作り出した空間の中。

カロンは再び光と熱の洗礼を受けていた。

「ぐぁぁぁぁ!!や、やめろぉぉぉ!!

 こ、此処は嫌だぁぁぁぁ!!」

(やはりあいつは全てが変わってしまったんじゃないな?

 今のうちに少しでもダメージは与えておかないと・・・)


悠斗は限界まで攻撃を続けた。

(流石に・・・限界だな)

目を押さえて痛みに耐える。

そして悠斗は再び聖域に戻ってきた。


「此処は・・・」

カロンは再び聖域の地に戻ると両膝を着いた。

「く、くそっ・・・こ、この俺が・・・」

悠斗がカロンの元へ歩き出す・・・


「き、貴様!来るなっ!・・・」

悠斗は歩みを止めない。

「思い出せ・・・カロン。そして全部話すんだ」

「き、貴様など俺は知らんっ!人族風情がっ!」

(・・・口調が戻ってきているな。もう少しだ。

 本来ならカロンの始末は神達の役目だろうからな)


カロンは悠斗に向けて魔法で攻撃するが、

全て聖獣の壁に阻まれる。

「くそっ、くそっ、くっそぉぉぉぉぉ!!

 こうなったら・・・見ていろっ!」

カロンは両手を胸の前で合わせると、

膨大な魔力を凝縮していく。

「あーっはっはっはっ!貴様が悪いのだぁぁぁ!!」


(ま、まずいです。悠斗様!)

(いくらワシでもこの至近距離はあかんぞっ!)


強大に膨れ上がったカロンの魔力が更に掌に集中する。


(おもむろ)に悠斗は剣を見た・・・

(この剣では・・・)

そう思った悠斗は聖獣に聞く。

「なぁ、一撃だけでいい・・・この剣の強化・・・出来るか?」

「な、なんや急に?」

(悠斗様の問いに答えなさい!)

「・・・せやな・・・出来るで?」

「頼む」

「条件があるけどな?10秒だけや・・・」

「10秒?」

「ああ、10秒しかもたんで?」

「ああ、わかった・・・それでいいよ」

「ほならっと・・・」


聖獣はロングソードの上に降りると剣が光りだす。

「まだや・・・ここからや・・・」

剣が包まれていた白い光が真っ赤に光り始めた。

「うぉぉぉぉぉ!!」


カロンも魔力を凝縮していく・・・

「ガァァァァァァァ!!」


聖獣が悠斗の肩に乗ると・・・

「ええか?10秒やで?」

「・・・ああ。はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

悠斗は上段に構えた剣に魔導気を流し始めた。

「・・・も、もっとだぁぁぁぁ!!はあぁぁぁぁぁぁぁ!」

悠斗の剣に電磁波が凝縮される。

(この為にスプライトを取っておいたんだっ!)


目を見開いたカロンが悠斗を睨むと・・・

「くたばれっ!!ユウトォォォォォ!!」

「カローーーンッ!!」

二人の渾身の一撃が放たれる。


魔導瘴鬼砲(まどうしょうきほう)!!」

放電破裂斬(ディスチャージバースト)

二人の一撃が正面からぶつかり合う。


「うぉぉぉぉぉぉ!!」

「はぁぁぁぁぁぁ!!」

 

青紫色のエネルギーが悠斗の凝縮された電磁波とぶつかる。

(フフフ、我も少し手伝ってやるか)

カロンの中で聞こえる声がカロンを支配していく・・・

「が、ぁ、あが、が・・・がァァァァ、や、やめろぉぉぉ!!

 お、俺はぁぁぁぁ!」


カロンのエネルギーが更に威力を上げた。


「カ、カロン!!」

「ユ、ユウトォォォ!!お、俺を止めてくれぇぇぇ!!」

「主っ!あかんっ!時間がっ!あと4・3・」


「はぁぁぁぁ!!フルディスチャージィィィ!!いけぇぇぇ!!!」

悠斗は残り2秒で全ての放電エネルギーを放った。

その瞬間、剣は塵と化すと、その威力で悠斗が吹き飛ばされ

「ぐぁぁぁ!!」

結界の壁に叩きつけられたが、

聖獣の結界によりダメージはそれほどでもなかった。


悠斗の放った一撃は瘴鬼砲のエネルギーを両断すると

カロンの体・・・右肩を両断した。

その両断された腕は地面に落ちると塵と化した。

「・・・す、すまねぇ・・・ユ、ユ・・ウト」

右腕を両断されたカロンはそう言うと、

前のめりに倒れた。


「カ、カロンっ!」

悠斗は勢いよく体を起こすと、カロンの元へと急いだ。

「ザザァァァッ!」

悠斗はカロンの中から何か異様な気配を感じ、

駆け出した足を止め構えた。

「・・・誰だ?」

カロンの中から出てきたモノは・・・

胸の中央に着いていた目玉だった。


「フフフッ・・・貴様のおかげで予定が狂ってしまったが・・・

 まぁいい・・・少しは楽しめた。

 このゴミ屑はいい実験動物だった・・・感謝しよう。

 それに貴様は神に勝ったのだ・・・我と共に来い。

 さすれば貴様にも力をやろう・・・

 どうだ?我と共にこの世界を手に入れようではないか?」


悠斗は目玉を睨むとこう言った。

「・・・またテンプレかよ?・・・つまらないな」

「ぬぅ?つまらないとは・・・どう言う事だ?」


目玉から異様な力が溢れ出すが・・・

「ああ・・・そのきったねぇ瘴気にはもう慣れたよ」

「なに?人族である貴様が・・・慣れただと?」

「ああ、慣れたよ。それにこの纏わり付くような感じ・・・

 これだな?・・・これでカロンを乗っ取ったのか?」


「うむむむむむ」

目玉は驚いているようだった・・・。

(悠斗様・・・魔導気・・・Lv.8になりました。

 恐らく・・・使用可能かと・・・ですが・・・)

(わかってるよ・・・有難う)


悠斗は不意に冷笑を浮かべると・・・

「なぁ、目玉・・・面白いモノ見せてやるよ」

「・・・・・・」

無言になる目玉を他所に・・・


「コオォォォォ」

「気道・・・」

「はあぁぁぁぁ!」

「魔導気・・・」

悠斗の集中力が更に高まる・・・。

「気道・魔導・・・合一っ!」

胸元で叩かれた両手に魔導と気を巡らせ循環させていく。


「はぁぁぁぁぁ!」

「魔導鬼・・・これだろ?お前がカロンに使わせていた力は?」

悠斗の体から「赤銅色」の気が溢れる。


目玉は再び驚く・・・

「・・・人族がだと?いや、だが・・・それは我のモノとは違う。

 瘴気・・・ではない・・・何だそれは?」


悠斗は冷笑を浮かべると、目玉を指差す。

「フフッ。なんのマネだ?我には魔法など効かぬぞ」

「魔法じゃないよ・・・それに、お前らと一緒にするなよなっ!」


悠斗は指先に()を流し込む。

(悠斗様っ!そ、それ以上はっ!)

(・・・わ、わかってる)


「はぁ、はぁ、はぁ。わ、わかったんだ・・・お前ら、魔法や神力には強くても

 気やお前ら自身の力なら・・・ってな?」

「馬鹿な・・・人族が我らと同じ力など・・・」


(ん?今、我ら・・・って言ったか?)

(はい。恐らくこの世界に複数居るのでしょうね)

(ちっ、面倒臭せーな・・・あっ、ちょっと・・・ヤバイ)


悠斗は慣れない力を使い過ぎ意識が飛びそうになっていた。

(まだだ・・・こいつは必ず殺すっ!)


悠斗の目つきが鋭くなり声のトーンが一つ下がる。

「・・・同じじゃねーよ。

 それに前にも言ったろ?人族を舐めるなってなっ!」


悠斗は目玉目掛け撃つ・・・

()弾!!」

悠斗の指先から弾き出された赤銅色の鬼弾が

一瞬にして目玉を貫く。

「・・・・ば、ばか・・・な・・・あり・・・え・・・ん」

その目玉は「ボトリ」と落ちると、溶けて失くなった。


「はぁ、はぁ、はぁ・・・やっと・・・終わった・・・な」

悠斗は魔導鬼を限界以上に使用したため

突然意識を失い倒れてしまった。


駆け寄る者達の声は悠斗には聞こえなかった。


ラウル ・・・ やっと決着したね~・・・良かった、良かった♪

ミスティ ・・・ でも、謎は色々と増えてしまいましたわね?

ラウル ・・・ そうだね・・・今後の回収が楽しみでもあるけどね^^

ミスティ ・・・ 今回は私達神がとても無様で・・・

ラウル ・・・ 僕だってそうさ・・・創造神なのに、こんなに無力だなんて。

ミスティ ・・・ 私達ももっと精進せねばなりませんわね?

ラウル ・・・ そうだね。日本の神に頼らないくらいはね^^

ミスティ ・・・ はい♪



ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] ここに来て関西弁のマスコットケモキャラ♥︎ くだらんオヤジギャグ言うところ、爆笑しました(^o^) お名前ありましたっけ? どの犬種に似てるのでしょう? シリアスな戦いシーンでの良い清…
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