表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
58/406

48話 魔導気

お疲れ様です。


48話ですね^^

悠斗の復活からどう展開するのか・・・

お楽しみ頂ければと思います^^


こちらとしてはストック切れにで

少し不安になっておりますが^^;


ブックマークや感想など宜しくお願い致します。

評価等もして頂ければ幸いです^^


それでは、48話をお楽しみください。

「・・・ごめん。俺・・・キレたわ」


突然の悠斗の登場に動揺するカロン。

「き、貴様・・・な、何故だ・・・何故無事なんだぁぁぁ!!」

気が狂ったかの様に叫びだすカロン。


「はぁ?お前・・・カロンか? お前・・・変わり過ぎだろ?」

「ひ、人族風情が・・・」

悠斗はカロンと会話しながら歩いてくる。

(ユ、ユウト・・・い、いつもと・・・雰囲気が・・・)

悠斗はイリアに笑顔を向けると・・・

「ごめん、もう少し待っててくれ」


カロンは自分が無視された事に怒りの形相へと変わっていた。

「おいっ!ユウトっ!無視すんじゃねぇーよっ!」

オウムアムアは体を引きずりながら、セルカの元へ行くと・・・。

「悠斗様!し、師匠!!」

「ああ・・・わかってる」


「だから無視すんじぇねぇーてっ!人族風情がぁぁぁ!」

「なぁ・・・カロン。人族風情って言うけどな。

 お前・・・なんで震えてんだよ?」

「な、何をば、馬鹿な・・・えっ?」

カロンは悠斗に言われ否定はしたが・・・

(な、何で俺・・・震えて・・・?か、体が・・・)


悠斗はカロンに向け冷徹に笑うと・・・

「身体強化・・・Lv.6」

悠斗の言葉で体が光る。

「・・・縮地」

そうつぶやくと、一瞬でカロンの前に現れたのだった。

「えっ?・・・なっ・・・えっ?」

カロンの目の前に立つ悠斗は顔を伏せていた。

「・・・・・・」

「な、何をぶつぶつと・・・」

「・・・お前さ・・・何やってくれてんだよ・・・」

「・・・は、はあ?一体何を言って・・・」

「・・・べよ・・・」

「さっきからお前は何を言ってんだぁぁぁ!」


カロンは力一杯悠斗を殴りつける。

「ガシッ!」

「はぁ?」

カロンの拳を左手で掴んでいた。

「なっ、何故だ?」

「・・・人族・・・舐めんなぁぁぁぁ!!」


「ペギャッ!!」

悠斗はカロンの拳を掴んだままカロンを引き込むと、

そのまま殴りつけた。


地面に叩きつけられそのまま跳ね上がってくると・・・

「おっらぁぁぁ!!」

悠斗は思いっきり顔面を蹴り上げると、爆音とともに

カロンが弾き飛ばされる。


「ふぅ~」と、息を吐くとセルカの元へ行く。

「ごめん・・・セルカ。苦しかったよな?

 お前の声・・・ちゃんと俺に届いていたからな?」


悠斗はヒールを使うと・・・全快した。

「ユ。ユウト様ー!!」

セルカは大粒の涙を流しながら悠斗に抱きついた。

(あー・・・。ある意味、役得ではあるが・・・)

悠斗はセルカの頭を「ポンポン」っと叩くと・・・

「セルカ、まずはみんなを・・・」


悠斗の温かさがセルカを落ち着かせると、

ほぼ裸に近かったセルカに大きな布を渡す。

セルカは極大魔法の時に、ほぼ全裸だったと言う事を忘れていた。


「うっうっうっ・・・うにゃぁぁぁ!!」

そして、顔が真っ赤になると・・・悠斗から離れた。


オウムアムアは驚きのあまり声が出なかった。

(な、何故ヒール如きで全快・・・したのだ?)


「これでよしっ!次はお前だな」

オウムアムアの前に行くと、足を拾い「ウォーター」とつぶやく。

足は洗浄され、オウムアムアの足を付けると

「ヒール」

「ば、馬鹿なっ!」

オウムアムアは再び驚くと何度も悠斗の顔を見た。

(ヒールで・・・わ、わからぬ。何故なのだ)


悠斗はオウムアムアの肩を叩くと・・・

「みんなを守ってくれてサンキューな。流石俺の弟子だっ」

「・・・は、はぃ」

悠斗はオウムアムアにも微笑むと、その場を後にした。


イリアの元へ向かう途中・・・


「ぐおおおおおおお!!ユウトォォォォ!!」

カロンが凄まじい速度で向かってきた。

(もう復活しやがったのか?・・・やれやれ)

悠斗はカロンを見る事もせずイリアの元へ向かう。


途中でイリアの腕を拾い上げると

「ウォーター」を使用し、洗浄した。


悠斗はイリアの腕を添え、手をかざすと・・・「ヒール」

「イリア・・・もう少しの間、声を出すのは我慢してくれよ?

 声帯に負担がかかるかもしれないからな?」


イリアは黙って頷くと、悠斗に抱きついた。

声に出さないように、涙を堪えながら・・・。

(有難うユウト!生きててくれて有難う!!)


イリアは心の中で感謝の言葉を叫んでいた。


背後からカロンの気配が近づくと・・・

「・・・・・」

(えっ?い、今のって・・・?)


悠斗が何かをつぶやいた瞬間、カロンの体を何かが貫通した。

「ぎゃぁぁぁ!!」貫通した箇所から血が吹き出す。


悠斗はイリアを抱いたまま振り返ると・・・

「・・・邪魔するなよ」

殺気のこもった圧をカロンに放つ。

「ぐあっ」


そしてイリアにも大きな布を手渡すと・・・

とてもとても小さな声で・・・

「・・・せっかくの癒やしタイムが・・・。

 あんにゃろ・・・邪魔しやがってっ!」

そうつぶやいた。


イリアは勿論・・・?である。


足に力を込め、カロンは立上がると・・・

「パーフェクト・ヒール」を使用し完全復活した。


カロンと悠斗は対峙する。


「何をしやがったかわからねぇーが・・・どうせ小細工だろ?

 人族風情がいい気になるなよ?」

「そのテンプレ・・・やっぱりあるんだな?」

「テ、テンプレ?な、何だそれは?」

「・・・そのセリフもやっぱり・・・つまらないな」


「つまらない」その言葉にカロンがキレた。

「つまらないかどうかっ!試して見やがれぇぇぇ!」


カロンは魔力を纏うと身体強化で更に強化した。

「行くぜ・・・ユウト!」

「ああ、来いよ・・・身体強化Lv.6。・・気・・・6」

二人は戦闘態勢になると、お互いに接近して攻撃する。


攻防一体の状況が暫く続くと・・・

「ハッ!人族・・・いや、ユウト・・・お前の事は認めてやるぜっ!」

「別にそんなのいいから・・・さっさと来いよ」

「て、てめぇぇー!!ぶっ殺す!! 」


カロンは更に速度を上げていく。

何度も何度も凄まじい衝撃音が聖域に鳴り響くと・・・


「はっはっはっ!やるじゃねぇーかっ!ユウト!」

「お、お前に・・・誉められ・・・ても、はぁ、はぁ・・・はぁ、

 嬉しくねぇーから・・・な」

一見互角に見える戦いだったが、悠斗は限界ギリギリだった。


(や、やばい・・・体中痛ぇー・・・うぐっ、いたたた)

(・・・・・は、・・・・・さい)


戦いを見守っていた、イリア、セルカ、オウムアムアは

女神達に駆け寄り守っていた。


「ユウト様と互角だにゃ」

「ああ、人族が何故・・・神と互角なのか・・・わからぬがな」

二人の話を聞いてイリアは、恐る恐る声を出した。

「あ・・・あっ・・・あー・・・」

(これなら話せるわ)

「互角もそうだけど・・・でもよく見て、ユウトが押され始めたわ」

セルカは悠斗の汗が飛び散っている事に気付いた。

「ま、まずいにゃ・・・ユウト様が汗を・・・」

三人は固唾を呑んで見守る。


悠斗は己の限界に達していた。

勿論それは悠斗なりの考えがあっての事だったのだが、

思っていたよりも消耗が激しかった。


カロンと悠斗はお互いに間合いを取ると・・・

「ユウト・・・肩で息してるぜぇー?そろそろ終わりか?

 休憩でも挟むか?」

「えっ?いいの?」

「・・・・・・・」

「・・・・・・・だよね」


カロンは悠斗との距離を詰めると・・・

「ほーらよっ! っと!! 」

何でもないカロンの攻撃が悠斗にクリーンヒットする。

「ぐあぁぁ! 」

吹き飛ばされつつ体を捻り着地すると膝を着いた。

「いっつつつ・・・」

(くそっ!・・・まじで限界か)


カロンは高笑いを始めた・・・。

「あーっはっはっはっ!傑作だぜ!これからって時によう・・・

 もう体力ギレってか?ああ~?」


カロンは余裕を見せつつ歩き出す。

その時・・・


「ピピッ」っと、アナウンスが流れ始めた。

「魔導気Lv.7習得致しました。お疲れ様でしたね?」

(ああ・・・まじやばかったからな・・・お前が来てくれて感謝だよ)

「ふふ♪お世辞でも嬉しく思います♪」

(で・・・時間がないから、ちゃっちゃと行きますか?)

「はい、マスター・・・?殿?ご主人さま?・・・」

(い、いや・・・い、今はソレ・・・どうでもよくね?)

「ふふ♪かしこまりました」


「さてっと・・・サポート・・・。いや・・・俺が自分でやるよ」

「・・・了解致しました。ケチッ!」

(何か聞こえたが・・・まぁいいか。

 混ぜ合わせるのはまだキツイけどっと!)


「まずは、スキル・・・治癒」

魔法ではなく治癒を使用する。

悠斗の体は完全回復した。

体力、精神力、魔力、気力全てのパラメーターが回復した。

(日に1度しか使えないのがネックだけど・・・なんとかなるか)


歩み寄ってくるカロンは、自分が絶対優位だと信じきっていたため

悠斗の状態に気付いてはいなかった。


「コオォォアァァァァァァァァ」

呼吸音が更に高音域に変化すると、聖域内の空気が振動した。


「気道一之書・操術・六・月光!」

悠斗はそうつぶやくと、ゆったりとしたモーションから

トップスピードへ一気に加速する。


突然、目の前に現れた悠斗に驚きつつも拳を振りかざす。

「死ねぇぇぇ!」

「遅い・・・舞え、月の(レゴリス)

悠斗が左腕を真横に広げ、静かに言葉を発すると、

カロンの拳の速度が落ちる


「こ、これは・・・す、砂・・・か?」

カロンは拳の速度が落ちた為に気を取られ、

目の前から悠斗が消えた事に気が付かなかった。


背後から突然悠斗の声が聞こえる。

「まだ・・・これからだ」

カロンはバックブローで応戦すると、

悠斗はカロンの拳一つ分だけ後ろに下がり躱した。


(さてっと・・・ここからだな)

「魔導気・・・Lv.7!」

(しゅ、集中しろっ!魔導気と瞳術の合一っ!)

悠斗は両手を胸のあたりで「パンッ!」と、合わせる。

「はあぁぁぁぁぁぁぁ!」


「気道・瞳術・六・(トワイライト・ゾーン)

そう発した瞬間、カロンは何処かの空間に・・・一人居た。




悠斗とカロンが再び接近したと思ったら姿を消した。

一同が目を擦り、姿を探し始めたのだがどこにもその姿はなかったのだ。

「えっ?ど、何処?ユウト・・・?」

「にゃっ!き、消えたのにゃゃゃゃ!!」

「し、師匠ー!!」


三人の叫びにミスティ達が目を覚ます。

「こ、此処は・・・?」

「・・・何処?あれ?」

目の前に居る三人が女神達を守る為に壁になっていた事に気付くと・・・

「はっ!カロンは何処ですっ!」

「あぁぁっ!そうだ!あいつは何処よっ!!」

女神達はカロンを探すが見つからなかった。


「あなた達・・・カロンは何処なのです!」

三人は顔を見合わせると・・・

「ユウト様と一緒に・・・消えたのにゃ」

「「・・・はぁ?」」

三人は女神達に状況を説明した。


「そ、そんな事が・・・?」

「ははは・・・な、何馬鹿な事をい、言ってんだよ~」

アリエルは信用していなかったが、現状がそれを物語る。


ミスティは悠斗が下敷きになった瓦礫の山を見た。

(・・・確かあそこには瓦礫が・・・な、失くなってますわね。

 それじゃ~やっぱり・・・?)


ミスティは慌ててラウルに念話を送る。

(・・・と、言う事です。ラウル様・・・ミランダが・・・)

ミスティは状況をラウルに伝えると・・・

(わかったよ。直ぐに行くね)


「来たよ」

突然のラウルの出現に、ミスティ以外全員固まった。

状況を三人からも詳しく聞くと・・・

「わかった。とりあえずミランダを・・・」

ラウルがミランダに近づくと、小瓶を取り出し液体を口の中へと送る。


ミランダの体が一瞬輝くと・・・

「んん・・・んんっ・・・」っと、ミランダの意識が戻ってきた。

全員がミランダに駆け寄ると・・・

「ミランダっ!しっかりしてっ!」ミスティが叫ぶ。

意識を取り戻したミランダは、全員から状況を聞く。


「えっ⁉ユ、ユユユ、ユウト様がぁぁぁぁ?」

ラウルは驚きが隠せず押し黙ってしまった。

(えっ?な、何?ミランダまで・・・悠斗・・・様?

 ど、どうーーなってんだよっ!うちの女神達はっ!)

と・・・ご不満のようだった。




そして此処は、悠斗が作り出した空間。


「な、何だ・・・此処は?・・・ユウトっ!何処だっ!」

「・・・みんなの分・・・まずはその借りを返す」


悠斗の声だけがその空間に響いていた。

「ひ、卑怯者めっ!出てこいっ!」

「・・・舞え・・・月の砂。導け・・・渚」

その空間に光が差すと・・・舞っていた砂が光を吸収し

そして反射する。

その光は見た者の視力を潰す。

確実に・・・光り・・・確実に・・・焼く。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

その光を浴びたカロンは断末魔の悲鳴をあげて叫びだす。

片目を完全に焼かれたカロンは叫ぶ。

「ぐぁぁぁぁ!!や、やめろぉぉぉぉ!!」

逃げ惑うカロンに砂は付いて行く・・・何処までも、何処までも。

「こ、この砂・・・どーなってやがんだっ!

 な、何で付いて来やがるっ!く、来るなぁぁぁ!!」


カロンは逃げ惑いつつ魔法を放つが、砂は消えない。

「なら・・・炎でっ!」

「ああ~止めておいたほうがいいよ?」

「うるせぇぇぇ!」

そう叫ぶとカロンは炎を出現させると・・・

「ゴハッッッ!!」

炎を出現させた瞬間・・・爆発した。

「ば、馬鹿な・・・き、貴様何をしたっ!」

「俺は別に何もしてないよ?」

「くっそっがぁぁぁぁ!」


(逃げても無駄さ・・・此処は俺の空間だ。

 お前が生命体である限り・・・

 いや・・・電気を持つモノなら・・・な。

 それにこの場所は特別だ・・・

 電子と酸素がせめぎ合う・・・そんな場所だ)


月の砂は平均70~120μm(マイクロメートル)程しかない粒子。

光が当たった程度で砂は舞うのさ。

そしてその滞空時間もまた・・・長いんだよ。

その細かな粒子がお前の体内に宿る電流に引きつけられる。

そしてこの渚は・・・言わば、大気のある星と宇宙の境界線。

もう一度言うよ?その空間は電子と酸素のせめぎあいの場所。


「や、やめろぉぉぉ!!た、助けてくれぇぇぇ!!」

カロンは絶叫しなが助けを求めるが・・・

「助ける訳ないだろ?言ったろ?・・・借りは返すってな」

静かに言葉を発する悠斗にカロンは恐怖する。


「き、貴様・・・それでも人族なのかっ!」

「人族だから何だってんだよ?」


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!や、焼けるぅぅぅ!!

 目が・・・か、体がぁぁぁぁ!」

絶叫を繰り返すカロンに悠斗は静かに言う・・・


「・・・一つ、教えてやるよ。局所的に電子が溜まるとどうなるか?」

「き、貴様・・・何を言っているっ!ぐわぁぁぁ!!」

(目が・・・そろそろヤバイな。それに此処では使えないか・・・)

「全・・・解除」


悠斗の言葉により「月の砂」と「渚」が解除されると、

元居た聖域に戻ってきた。

「な、何だ?こ、此処は・・・も、戻ったのか?」

カロンは片方の目を完全に潰し、体中焼けただれ、一部は溶けていた。




突然姿を現した悠斗とカロンの姿を見て驚く一同。

「き、急に・・・で、出てきたのにゃぁっ!!」

「ユ、ユウトっ!」

「師匠!一体・・・何処から?」

「きゃぁぁぁ! ユウト様ぁぁぁ♪」

(おかえり、悠斗君。でも・・・かなり無茶しているようだね?)

「ああ・・・本当に悠斗様が・・・」

「あっ・・・まじ悠斗だー。あいつすっげー」


しかし呼びかけに答えない悠斗。

(ごめん、今はまだ余裕ないんだよ・・・)


心の中で詫びる悠斗。


「ユ、ユウト・・・き、貴様ァァ!!」

カロンはそう叫ぶと迫ってくる。

「カロン・・・」

悠斗の言葉に動きが止まると・・・。


「答え合わせだ」

悠斗の言葉にカロンは警戒し、フライを使って空へ逃げる。

「くっ・・・ち、近づけねぇーっ!」

悠斗の言葉に翻弄されるカロン。

何故なら、悠斗が今まで言ってきた事は、全て現実となったからだった。

「き、貴様ぁぁぁ!」

「局所的に電子が溜まるとどうなるか?その答え合わせだ」


悠斗は右手の2本指をカロンに向ける。

その行動を見てカロンは恐怖に顔を歪ませ防御態勢を取ったのだ。


「・・・無駄だ。受け取れ!」

悠斗は指を突き出したまま、掌を上に向け指を跳ね上げた。


「妖精型・超高層雷放電っ!(フェアリー・スプライト)」


悠斗がそう叫ぶと・・・

カロンの真下から妖精の形をした閃光がカロンを包む。

「な、何だこれはぁぁぁ!!!!」

そして一瞬轟音が鳴り響くと・・・


「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁ!」

再びカロンの断末魔の叫びが聖域に響く。

カロンを一瞬包んだその閃光は・・・


超高層雷放電(スプライト)

つまり・・・下から上へ吹き上がる雷だ。

その威力は通常の落雷とはケタ違いに強力なのである。


カロンは丸焦げになると地面に激突し爆音を響かせた。


「お、終わったのかにゃ?」

全員が安堵に歓喜していた時・・・

「みんな・・・待て」

ラウルの声が歓喜を制した。

そして全員がラウルの見ている方を見ると・・・

「悠斗君はまだ・・・」


悠斗はまだ集中力を切らしていなかった。


(あれ・・・絶対まだ生きてるよな?)

「はい。まだ生存反応がありますね」

(だよな・・・)

「悠斗様・・・そろそろ魔導気のリミットが・・・」

(わかってる・・・ありがと)

「い、いえ・・・そ、そんな~♪愛してるだなんて~♪」

(いやいや、俺、そんな事一言も言ってないからね?

 って・・・何でこの声の主が体をクネクネさせている事がわかるんだろ?

 ・・・まっ、いいか)


「悠斗様・・・立ち上がります」

(・・・・みたいだね)


カロンが小刻みによろめきながら立上がる。

「・・・・・・」

悠斗は構えると地面を蹴り、カロンの元へ突っ込むと・・・

「い、いけませんっ!!」

アナウンスの声が、悠斗に危険を知らせる・・・

「えっ?」


「がぁぁぁぁぁ・・・ががっがっぁぁぁ」

悠斗は豹変したカロンの攻撃をモロに食らった。

「ベキッ!!」っと、肋骨が折れて肺に刺さった。


「ぐぁぁぁぁっ!!ゴフッ!」

口から鮮血が吹き出したのだった。


悠斗の後方から悲鳴と叫びが聞こえてきた。


「ゴアァァァ・・・ガァァァ・・・ギギッ」

カロンは豹変し何かに変わっていた。


「・・・ゴフッ・・・・ま、まじか」

悠斗の声はカロンの叫びにかき消されていた。




ラウル ・・・ 悠斗君の復活キタァァァ!!

ミスティ ・・・ ふふふ♪私は信じておりましたわ♪

ラウル ・・・ ほうほう。その割に色々と慌てていたような♪

ミスティ ・・・ 女として殿方の心配は当たり前ですわ♪

ラウル ・・・ 僕の事を心配してくれた事はある?

ミスティ ・・・ それは勿論・・・あれ?一度もないですわね♪

ラウル ・・・ 僕だって男なんだけどな~♪

ミスティ ・・・ おーっほっほっほっ♪

ラウル ・・・ あっそ・・・誤魔化すんだ。

ミスティ ・・・ おーっほっほっほっ♪


ってなことで、緋色火花でした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 待ちに待った悠斗君の復活! でも簡単にスイッと勝たせてはもらえないんですね。 色々な技が出てきましたが、これらが今後の戦いへ繋がっていくのでしょうか。。。鬼(?)も何体かいるみたいですもん…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ