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異世界転移 ~魔を狩る者~  作者: 緋色火花
第一章 岩場の聖域編
52/405

42話 天然VS 邪神の女神

お疲れ様です。


えーっと・・・今回は・・・

42話ですね・・・邪神の女神が出てきます。


まぁー・・・普段コメディ要素が強いので・・・

今回もまたそうなってしまいますね><


ブックマーク及び感想など宜しくお願い致します。

また、評価等もして頂けたら幸いです。


それでは、42話をお楽しみ下さい。



ミスティが悠斗を小屋に連れて行くと・・・。

悠斗が使っている部屋にベッドを置いた。

そのベッド寝かせ悠斗の髪を撫でる。


「本当にもう、貴方は無茶ばかり致しますのね?

 私達の気持ちも知らず・・・

 それが殿方という者・・・なのでしょうね。

 少しはご自愛を・・・」


ミスティのつぶやきは優しさに包まれていた。

悠斗の髪から手を離した時、三人が部屋に入ってきた。


「どんな様子ですか?ミスティ様」

イリアは小声で話しかけきた。


「ええ、呼吸音も正常ですし、私も鑑定で診断しましたから

 何の異常も見当たりませんわ♪

 それと・・・イリアさん。

 とても冷静でいい判断でしたわ♪」


不意に褒められたイリアはもじもじと照れていた。

「お、お褒めに預かりとても光栄です」

ミスティは「クスッ」っと笑うと悠斗を残し外に出る。


そして、再び食堂へ向かうと・・・

「あら?そう言えば・・・忘れていましたわ」

ミスティは食堂へ向け、手をかざすと・・・・


「うにゃゃ!!食堂が大きくなったのにゃゃ!」

「ふふ♪食堂兼談話室ですわ♪」

皆が喜び中へ入って行くと・・・


部屋の中はキッチンの増設、大きなテーブル等など

10人ほど座れるテーブルがあり、

ソファーや食器棚等も増設されていた。


楽しげにセルカはソファーに座ると・・・

「にゃははっ♪弾力がすごいのにゃぁぁ♪」

はしゃぐセルカをイリアが諭すと、既にテーブルには

紅茶とお菓子が置かれていた。


「さぁ皆さん・・・ご一緒にくつろぎませんか?」

ミスティの言葉に皆が席に着く。


一息ついた時を見計らって・・・


「オウムアムア。悠斗様と戦った感想を教えてもらえますか?」

「はっ、わかりました」

イリアとセルカも手を止め、オウムアムアの話を聞く。


「ミスティ様、あやつ・・・いえ、ユウトは本当に人族なのですか?

 我は腐っても亜神の身。人を超えた存在なれど・・・。」


「ええ、悠斗様は間違いなく・・・人族ですわ。

 ラウル様が様々な世界を渡り歩き、

 その世界に宿る生命を吟味し、

 数百年かけやっと見つけた存在ですのよ?」


イリア達はラウルが数百年時間をかけていた事に驚いた。


「そうでしたか。我は亜神の力を開放しユウトを殺す気で闘いました。

 ですが・・・結果はご覧の通り。

 ユウトは実力で我に勝った」


オウムアムアは清々しい顔をしていた。


「亜神を倒す人族・・・あの方は一体・・・」

ミスティは人族が何故亜神を倒す実力を持っているのか、

不思議でならなかった。

「それに・・・」

オウムアムアの話は続いた。


「ユウトには、確か・・・気道と言ったか?

 その力もある。今回ユウトはその力を使わなかったのだ」

イリアもセルカも驚く・・・。


「えっ?ユウトは気道を・・・使ってなかったの?」

「ああ、身体強化と魔法のみだ」

「にゃぁ!す、すごいにゃ!てっきり気道ってのを

 使いまくっているのかと思ったのにゃ!」


セルカの言葉にイリアも頷く。

「ユウトは身体強化を闘いの中で昇華し、

 Lv.6まで使っておりました。

 流石にLv.6は賭け・・・でしょうが・・・」


「そのようですわね。私もLv.6の声は聞こえていました」

イリアとセルカはその声が風の唸りと爆音で聞こえていなかった。


「もし、もしユウトが気道を使っていたら・・・

 我は圧倒的に負けていたのやもしれませぬ。

 それに・・・あの魔法・・・あの魔法は一体・・・」


オウムアムアの言葉にミスティは、イリアとセルカを見る。


「お二人共、悠斗様のあの魔法は見た事がございますか?」

「いえ、ミスティ様・・・私がユウト様と一番長くおりますが、

 一度も見ておりません」

「わ、私も見た事にゃいです」

「そうですか」


ミスティはこの聖域で魔法の訓練をしていた時の事を

思い出していた。


(何か思いつく度に大きな失敗を繰り返しておられましたが、

 それでも何度も挑戦されていた。

 決して投げ出すでもなく、折れるでもなく、

 ただひたすらに練習されていましたわね)


「オウムアムア・・・」

「はっ」

「悠斗様のあの氷結晶の盾・・・手応えなどは覚えていますか?」


オウムアムアは目を閉じると、先程の放った一撃を思い出し、

拳を見つめていた。


「はっ。覚えております。

 あれはとても高密度に作られた氷結晶の盾だと思われます。

 拳がすべる・・・等という子供騙しなモノではなく、

 その高密度の硬さにより、我の放った衝撃が

 そのまま我に反射し弾かれた・・・その様な感覚が御座いました」


全員驚愕の一言だった・・・。

イリアとセルカは悠斗が魔法の訓練をしているところを、

一度も見た事がないのだ。


(どうしてあんな高度な魔法が・・・?)

ミスティ自身も同じ事を考えていた。


テーブルの上に出された紅茶はすっかりと冷めてしまったが

誰一人気付かなかった。


暫くの間沈黙が続く・・・


「ここで考えていても仕方が有りませんわね。

 悠斗様が起きられたら、

 少しお話を聞かせて頂きましょうか?」


その時・・・

「何者ですかっ?!」

ミスティの威圧が侵入者に放たれる。

全員が気配のする入り口へ視線を移すと・・・


「やぁ♪時空神ミスティ・・・元気そうで何よりだわ♪」

そう言いながら入り口に立つ一人の女。

「あ、貴女は・・・」

その訪問者にミスティは目を鋭くする。


「邪魔・・・するわね?」

そう言って入ってきたのは・・・

「邪神の女神・・・ミランダ」

姿を現し入って来たのは邪神の女神ミランダだった。


※ 邪神の女神ミランダ  長身で魔法に長け邪神槍を操る女神。

その粗暴さからは伺えぬ妖艶な魅力を持つ。

長い銀髪をなびかせて獅子奮迅の闘いを見せる女神である。

また、病魔を操るスキルも所有している。


「「邪神の女神??」にゃのか?」

ミランダは断りもなく席に着くと、紅茶を要求してきた。

「ミスティ、私も紅茶をもらえるかしら?」

「な、何故・・・貴女が・・・?」

「ん?夜中に一度来たのよ。

 ラウル様がこちらにいらしたものですから♪」

「ラウル様が?一体何を・・・?」


ミランダの迫力にイリアとセルカは意識を保つのがやっとだった。

「ねぇ・・・紅茶♪」

ミスティはミランダの催促に紅茶を入れ始めた。

ミランダはオウムアムアを横目に見ると・・・


「・・・亜神よ、私も見ていたが、

 相変わらずの力押しの闘いよな?」

オウムアムアは拳を握る。

「だがな・・・悪くない闘いだったとも言えるわね」

思わぬ相手から思わぬ事を言われ緊張が走る。


「はっ、ありがたき幸せなれば・・・」

「昔よりかはすこーーし、マシになったわ。

 でも、脳筋なのは治りそうにもないわね?」


ミランダはミスティに視線を移すと、

「トントン」と、テーブルを指先で叩く。紅茶の催促である。


ミスティは「ピリピリ」としながらも紅茶を出すと一口飲む。

「やっぱり貴女の紅茶は美味しいわね♪」

御満悦である。

ミスティは再びミランダに威圧を放つと・・・

「ちょっと、私は争いに来た訳じゃないのよ?

 だからちょっかい出すのはやめてよね?」


ミスティはミランダを睨みつける・・・

「いくら挑発したって私はやらないわよ♪」

「貴女・・・一体此処へ何をしに来たのですか?」

紅茶に舌鼓を打つミランダはミスティの様子を伺うと・・・


「此処に居るユウトクンって人族を見に来たのよ♪」

「ガタッ!」

全員が立ち上がり戦闘態勢を取る

「ちょっ、ちょっとっ!・・・埃が立つでしょ?

 それと・・・私は闘う気はないんだってばっ!」


全員は目配せをし頷くと席に着いた。

「悠斗様を見に来た・・・って、どういう事かしら?」

張り詰めた空気の中、一人紅茶を飲む。


「まぁ、こいつとの闘いを見させてもらったけど、

 あの人族・・・只者じゃないわね?

 いくら亜神が無能だからと言って、人族風情が勝つなんてね♪」


人族風情・・・悠斗の事を見下したように口走るミランダを

この場に居る全員が許せないでいた。


「ねぇ、ミランダ・・・」

「ん?なーにー?」

「表に出てもらえるかしら?」

ミスティ含め、此処に居る全員が殺気立つ。


「ふふふふ・・・あはははは!なーにー?あんた達・・・

 私とやろうっての?」

食堂に立ち込める殺気。


ミランダが表に出ようとした時・・・


「あー・・・まじで腹が減った・・・死ぬ。きっと死ぬ。

 ・・・って、誰?あっ!お、お客さん??どうも初めまして♪」


最強無敵の天然男・・・悠斗が入ってきた。


悠斗の登場とセリフに全員が凍りつく。


「あ、あれ?みんな・・・ど、どうしたんだ?

 おーい・・・みなさーん、。大丈夫ですかー?」


場の空気も読まず平然としている悠斗を見たミランダ。


「ぷっ・・・あっはっはっはっ!こ、こいつがさっきの??

 こいつが・・・亜神に勝ったヤツなのかぁー?」


ミランダに近づき耳元で囁くように話しかけた。

「ちょっと君さ!さっき・・・覗き見してたよね?」


悠斗の言葉にミランダの心臓が跳ねる。


そして、悠斗との距離の近さに戸惑いながら・・・


(えっ?いや、その・・・きょ、距離が近いって言うか・・・

 あっ、ま、まつ毛な、長いんだ?・・・へぇ~素敵ね♪

 ああ・・・男の匂いが・・・た、たまらな・・・じゃなくてっ!

 どうして見てたのバレてるの?

 えっ?何?ミスティにもバレてないのに?どうして?

 あ、近い・・・すっごく近い)


「あーでも、此処に入って来られるって事は・・・ラウルと同じ神様?」


悠斗の雰囲気に飲まれるミランダは・・・


「あっ、は、はい。え、えっとー・・・。

 わ、私は、邪神の女神をやっているミランダと申します。

 以後、お、お見知り置き・・・を・・・?」

(わ、私は一体何を言っているんだぁぁ!!)


「どうも、ご丁寧に。俺は神野 悠斗って言います。

 ミランダさんも良かったら、悠斗って呼んでくださいね?」

「あっ、は、はいっ!こ、こちらこそ・・・

 よ、よよよよ宜しくお願い致しますわ。おほ、おほほほ♪」


悠斗は挨拶が済むと、ミランダの手を取って握手した。


(あ、あれ?わ、私・・・いっ、一体、ど、どどどうなって?

 あっ・・・手、温かいのね?)

頬を赤く染めたミランダは緊張しまくっていた。


ミランダの様子を見ていたミスティは・・・

ガタガタ震えていた。

(こ、こここんなミ、ミランダを見た事・・・な、ないわ

 う、嘘・・・この女・・・誰よ?)


あまりの光景にミスティはミランダが偽物かと

一瞬疑ってしまうが、此処に居るのは紛れもない本物だった。


悠斗は全員棒立ちになっているのを見ると・・・

「どうした?みんな・・・大丈夫なのか?」

固まってしまっていたイリア達は、何度も勢いよく頷いていた。


悠斗は気にせず、ミランダの横に空いている席に座ると・・・

「ミスティ、顔色悪いけど大丈夫?」

「え、ええ・・・あ、はい。だ、大丈夫ですわ」


「なぁ、みんな・・・そろそろ座ったら?」

その言葉に黙って頷きながら席に着く。

(なんなんだよ・・・みんなどうしたんだ?)


「あっ、そうだ・・・ミランダさん?」

不意を突かれたミランダは・・・

「ひ、ひゃいっ!」

ミランダの声はとても上ずり返答も可笑しかった。

それを見たミスティは紅茶を全て吹き出してしまう。

「ブフォォッ!」

「だ、大丈夫か?ミスティ」

「も、申し訳御座いません。す、直ぐに片付けを・・・」


ミスティが吹き出した紅茶は全て、オウムアムアにかかっていた。

悠斗は固まっているオウムアムアを見て、

慌ててタオルを渡した。


「・・・さ、災難・・・だったな?」

「あ、ああ・・・」

オウムアムアもまだぎこちなかった。


席に座ると再びミランダに話し掛ける。

「ミランダさん、どうして覗き見していたんだ?」

左手で頬杖を着きながらミランダを見つめる・・・


少し斜め下から見つめられたミランダは

心臓の鼓動が早まると共に、頭にも血が昇っていく。

その結果、思考回路はぶっ壊れてしまった。


「あ、あにょー・・・で、でしゅね。

 しゅ、しゅしゅしゅてきな・・・と、ととと殿方が・・・

 い、いいいい居ると・・・き、きき聞きまして・・・」


悠斗はオウムアムアを見ると・・・

「あっ、ああ~オウムアムアの事ですね?

 こいついいヤツだもんな~・・・そりゃーモテるわな♪」

ミランダに笑顔を向ける悠斗。


そのセリフに全員が「ガタッ」っとコケる。


(悠斗様・・・流石天然だけありますわね。

 あなどりがたし・・・ですわ)


(ユ、ユウト!あ、あんた馬鹿なの?もっと空気読みなさいよ!)

(こ、この男はダメにゃ・・ある意味、手遅れにゃ)


(我・・・ではないと思うのだが・・・?

 ま、まさか・・・後遺症が?)


それぞれがある意味、悠斗の事を心配していた。


(うぅぅっ・・・どうしてこの私が、こんな木偶の坊などっ!

 そ、それにしても・・・先程の悠斗様の笑顔・・・

 と、とても素敵・・・だったわ・・・。

 あ、あれ?わ、私・・・一体何を・・・?

 あれぇぇぇぇぇぇ??)


精神がもう限界に達したミランダは、勢いよく席を立つと・・・

「わ、私・・・しょ、しょろしょろ・・・じ、じ、時間とぉー

 なりましゅたので・・・そろしょろお、お暇を・・・」


もうこのまま精神崩壊しそうになったミランダは

挨拶もそこそこに出ていった。

「ミランダさん、またおいでよ~待ってるからなー!」

っと、止めを差しに手を振る悠斗。

「はいっ!でしゅっ!」

顔を真っ赤に染め上げふり返った姿は・・・乙女だった。


ミランダは外に出ると慌ててゲートを開く。

「ゴスッ」っと・・・

開ききってないゲートに頭を強打しながら消えて行った。


「・・・変わった神様だったなぁ~」

声が漏れた悠斗の言葉に・・・

(お前がなっ!)っと、全員に突っ込まれていた事を

悠斗は知らなかった。

 

ラウル ・・・ ミランダちゃん来たね~♪

ミスティ ・・・ ふんっ!あんな女神の登場なんてありえませんわ!

ラウル ・・・ どうして君達は仲が悪いんだい?

ミスティ ・・・ だって、邪神ですよ?

ラウル ・・・ 邪神だね?何か問題でも?

ミスティ ・・・ 問題ないほうがおかしいですわっ!

ラウル ・・・ ミランダちゃんは悠斗君の事気にいったみたいだけど?

ミスティ ・・・ 今度亜空間でサシの勝負を致しますわ!

ラウル ・・・ 本当に中が悪いな~・・・創造神はびっくりだよ。


ってなことで、緋色火花でした。

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― 新着の感想 ―
[一言] またまたミスティのライバル出現! なんか1人くらい英二君に分けてあげて欲しいです^_^, 最後はなるべくみんなが幸せになれますように。。。
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