閑話 日本 8 英二の天敵
お疲れ様です。
今回は閑話英二の話ですね。
自分にとっての栄養剤的な気もしますがw
プックマーク及び感想など、宜しくお願い致します。
それでは、閑話8をお楽しみ下さい。
{♬ハードボイルド風なジャズサウンドが流れている♬}
俺の名前 指宿 英二 28歳独身 彼女はいない。
えっ?どうして彼女がいないかだって?
へっ・・・俺らみてぇーな影に生きる男に、そんな暇はないのさっ。
それによぉ~。彼女なんて居たら・・・
ふっ。死ぬ覚悟なんてとてもじゃねぇーが・・・できねぇーよっ。
俺がこよなく愛するモノは・・・バイクと酒と煙草・・・
そして、俺の相棒である槍の・・・凰火だけだ。
へへっ、その他には何もいらねぇ・・・いらねぇーなぁー。
それが俺達ハードボイルドに生きる男の矜持ってヤツだぜ。
俺はよ・・・◯△・・・□・・・÷✕
「・・・きろ!・・・っ!・・・いじ・・・起きろっ!英二っ!」
「はっ!!・・・こ、此処は・・・?」
「貴様っ!いつまで寝ているんだっ!軟弱者っ!
さっさと立ち上がって構えぬかっ!!」
彼の名は英二・・・この話の主人公である。
神野 涼華の特訓を受け気絶から生還したところである。
「お、俺・・・ゆ、夢を見ていた気が・・・」
「ほぅ~・・・貴様・・・まだ夢を見る元気があるのか?」
「あは・・・あははは」
本日の特訓時間は・・・すでに20時間ほどになる。
この3日間、睡眠は1日2時間。
食事・風呂など合わせて1時間。
残りの全ては・・・修練と・・・なる。
涼華、沙耶、戒斗、貴子と・・・
専門分野に特化した修練の為、
その修練は、まさに・・・地獄と・・・化す。
「ちょ、ちょっと・・・待ってくださいよー!涼華さん。
今、気絶している間に・・・お、俺はた、確かに見たんだ
死んだじっちゃんが川向うで・・・俺に手を・・・」
「ふんっ!」
気合と共に、涼華は竹刀で英二の脳天を打つ。
「がはっ!い、痛ぇーじゃねぇーかっ!てめぇぇぇ!!」
こめかみが「ヒクヒク」と動き、涼華は英二を見下ろすと・・・
「貴様の祖父はいつ死んだのだ?
この前、干し柿を大量に持って来ただろうがぁぁぁ!!」
「じっ、じっちゃぁぁぁぁんっ!!!」
涼華の怒りを買った英二は竹刀でタコ殴りにされた。
涼華の怒りの咆哮が終了した時・・・
「な、何故、俺が・・・こんな、目に・・・?がくっ」
「よしっ!そろそろ猿芝居もいいだろう?
とっとと起きろっ!」
「うぅぅっ。くっそっぉぉ!!うぅぅぅっ・・・」
{何故か悲恋的な音楽流れ始める}
英二は号泣していた・・・日々の無残な仕打ちに・・・
たちの悪い輩共に今日もいびられて・・・
今日も英二は・・・一人ぼっち・・・
「英二・・・一人で何故、ナレーションをしている?
貴様・・・全然余裕そうだな?」
「あははは・・・余裕はないっス・・・」
「ほほう?その割に口はよく動くじゃないか?」
「あはは、く、口は別の生き物なんで・・・
下半身と同類って事なのかな♪てへっ♪」
仰向けのまま「てへっ♪」のポーズを決めた時、
英二の首元に200kgのバーベルが置かれ、英二の首を圧迫する。
「ごほっごほっ!こ、これ・・・ま、まじ・・・や、やばい」
「・・・たかが200kgだ・・・
体制が悪くともなんとかして見せろっ!」
「ぐぬぬぬぬぬっ!む、無理っ!まじ無理っ!ごほっごほっ」
涼華あからさまに溜息を吐くと、
軽々と片手で「ひょいっ」と、200kgを持ち上げた。
「こほっこぼっこほっ」
「少しは気合が入ったか?」
「た、体力の限界が・・・」
「ふっ。貴様如きが、私の許可なく勝手に限界などを決めるなっ!」
「り、理不尽だろうがぁぁぁ!」
「貴様に理不尽を語る資格はないっ!理不尽先生に謝れっ!」
「意味わかんねぇーよっ!」
英二が再び抗議を口にしようとした時・・・
涼華が英二の口に鉄アレイ・・・30kgを咥えさせ、
100均テープでぐるぐる巻にした。
「ふごぉぉ!ぶごっふごっ!ふもっ! ふもぉぉぉ!!」
「うむ。これで静かになったな・・・
さぁ、英二・・・槍を構えろっ!」
「ふごかぁぁぁぁ!!(あほかぁぁぁぁ)」
「ふむ、その気合・・・潔し・・・では、行くぞっ!」
「ぶがっふもー!ふもーっ!(ふざけんなーっ!でめぇー!)」
涼華は槍の基本である突き技を繰り返すと、
左右の薙を繰り返した。
英二は重さとバランスに苦労しながらも、
何とか全て防いでみせた。
「ふむ。貴様の槍術は我流だ・・・それ故に隙もまた多い。
神野流槍術を基礎から叩き込んでやっているんだっ!
そろそろ雛も・・・親から旅立つ時ぞっ!」
涼華の言葉に猛烈な抗議をする英二。
「ふごかぁぁ!ふっもふっごふふもふごふごふもかぁぁぁ!
・・・・・以下省略」
(あほかぁぁ!たった3日で巣立ちなんて出来るかぁぁぁ!
お前ら、ファミリーは頭のネジがぶっ飛んでいるんじゃねぇーのかぁぁ!!)
「ほう・・・何やらわからんが・・・
ん?・・・英二喜べ・・・飯だ。
別にそのままで食べてもいいのだぞ?あーっはっはっはっ! 」
「ふふごぉぉぉぉ! 」
「ぷはぁっ!!あ、顎が・・・い、いてぇ・・あの女・・・ぜっ」
「ん? 英二何か言ったか?
今日で一応、修練は終わりだが、今後とも励めよ?」
「い、いえっ!お、お疲れ様でしたっ!
本日までの修練誠に有難う御座いましたっ!」
「ふむ。そうか・・・ではな」
(あ、あの女・・・まじ苦手だっ!
完全に俺の天敵だぜっ!ったく・・・精神がもたねぇーぜ)
英二の地獄の修練は本日を持って終了した・・・
疲れ果てた体を持ち上げ着替えて自宅に戻るため歩く。
正門を出たところで大介が待っていた。
「英二さん、今日までお疲れ様ですっ!」
「あ、ああ・・・わざわざすまねぇーな」
「うっス!」
英二と大介はまさに師弟と言ってもいいだろう・・・
そんな和やかな雰囲気をぶち壊す女が、
車の窓を開け、顔をひょっこりと出すと・・・。
「あっはははは!なんかさーあんたら二人見てると
出所してきた兄貴を迎えに来た舎弟・・・みたいな?
あっはっはははは!おっかしぃ~♪
兄貴!お勤めご苦労さまですっ!・・・みたいな?
ぷぅぅぅっ~だっ♪」
英二自身もちょっとそれっぽいとは思っていたが・・・
「い、いちか・・・てめぇー、何しに来やがった?」
「え~っと・・・からかいに?」
「てめぇー暇なのかっ!」
「そりゃ~だって暇ですよ~?悠斗さん居ないんだもーん」
「悠斗が居ない間に班分けはしただろーがっ!
別に暇じゃねぇーだろ?ちゃんと仕事しろよ」
英二の言葉にいちかは鋭く反応した。
「はぁ?仕事は全部終わってますぅー!
むしろ、今のうちの隊長の穴埋めまでしてますぅー!」
今のいちかは悠斗の班を解体され、英二の班に編入されたのだ。
「そ、それは・・・ご、ご苦労さん」
「えへへ♪」
「褒めてねぇーし。つーか、疲れたから早く帰るぞっ!」
「はーい♪」
英二は大介の運転する車で宿舎まで無事帰宅するのだった。
しかし、帰宅までの数十分間・・・いちかの相手をするはめになった。
(俺・・・余計に疲れてんだけど?
悠斗・・・いちかの扱いを俺に教えてくれよ)
精神崩壊を起こす前に、無事宿舎に到着すると
飯を食い、風呂に入り、そして・・・自分の部屋へ・・・
英二が自室へ戻りつつ部屋のカギを取り出し開けようとすると・・・
(ん?誰か居るのか?)
数人の声がするので思い切ってドアを開ける。
「ガチャ」
「パンッパンパンパーンッ! 」クラッカーの音が激しく鳴る。
「英二さん・・・お勤め御苦労さんですっ!」
英二の仲間達が修練終了のお疲れ会を開いてくれたのだが・・・
「おーうっ!てめぇーらにも世話かけたなぁ~って・・・
出所してねぇーよっ!お勤めじゃねぇーしっ!
どうせ・・・いちかっ!てめぇーの発案だろう!」
ノリツッコミをしたのに何故か怒る英二。
「ブッブゥーはずれですぅ~♪いちかじゃありませんーだっ!」
「えっ?まじかよ?じゃ~一体誰だってんだよ?」
英二の視線が大介と合うと・・・
「ははは、いちかですよ?」
「・・・て、てめぇ・・・い、いちか・・・・」
怒られそうになっているのに、逆ギレするいちかは・・・
「いちかじゃありませんー。今の私は・・・
そう、荒んだ荒野の地・・・その荒野の名は・・・英二
その死の大地にに舞い降りた一輪の可憐な華・・・
その名も・・・いちか・DEATH♪」
皆さんは覚えているだろうか?
本家の道場にて、同じ様な猿芝居をしていた男を・・・
そう、その名を英二・・・。
英二といちかは言わば、似た者同士・・・。ではあるが、
この二人は決して交わる事はない。
何故なら・・・いちかは、英二の天敵なのだから・・・。
「「「「「・・・・・・・・・」」」」」
(く、空気が・・・お、重い・・・だ、大介、何とかしろ!
あっ、あいつ・・・目をそらしやがった・・・・)
「おいおいおい・・・誰だこの部屋に中二病呼んだのは?」
英二は空気を軽くしようと努力を試みるも失敗に終わる。
「ぐすんっ。うぅぅっ・・・ゆ、悠斗さんならわかってくれるもんっ!
いちかがこんな事言っても、ちゃんと微笑んでくれるもんっ!」
(い、いや~?いちか・・・それは大きな勘違いだぞー?
あいつ、いちかの話なんて全く聞いてないんだぞー?
一度悠斗に確かめたから間違いないっ!
微笑むのはむしろ聞いていなかったって時に
悠斗のなりの誤魔化し方だったって事を・・・
お俺には言えねぇー・・・言えねぇーよ)
英二の部屋に居る連中がフォローに困っていると・・・
「はぁ~・・・英二さんの班っていつもこんな感じっスか?」
思ってもみないヤツが英二の部屋の隅っこに追いやられていた。
「か、戒斗・・・お、お前、此処で何やってんだよ?」
ビールの入ったグラスを持ち、苦笑している戒斗の姿があった。
「はは・・・英二さんにちょっと用事があったんで、
部屋の前に居たら、このいちかってのに捕まっちゃいまして・・・
英二さんの許可は取ってあるって言うから・・・
ピッキングで開けて中に入りました。
それで、お疲れ会の事を聞いて、グラス持たされて・・・
挙げ句の果に、あんた邪魔と言われ・・・此処が俺の現在地です」
「戒斗、お、お前も苦労したんだな~?いちか・・・
悠斗の弟だぞ?本家の跡取り息子だぞ?」
「英二さーん!悠斗さんじゃない時点で、
私的には、割とどうでもいいでーす♪」
「「ははは」」(こ、こいつ・・・いつかきっと)by kaito
その時の戒斗の顔を英二は忘れない・・・
苦渋に満ちたその怨念渦巻く顔を・・・。
英二は戒斗の話を聞くと、何度か瞬きをした・・・。
「ん?か、戒斗・・・ピッキング?って・・・おいっ! こらっ!」
「あはは、い、いや~・・・英二さんの班ならありなのかなって」
「ありじゃねぇーよっ!んな訳ねぇーだろ!」
(俺ってばまじで疲れてるんだけど?
明日じゃダメなのかよ~・・・ったく・・・疲れるぜ。
やっぱ・・・いちかは俺の天敵だぜ。
あっ、あの涼華もだ・・・がくっ)
英二の明日はどっちだっ!
英二 ・・・ 5話やったのに閑話なかったからちょっと焦ったぜ
天照 ・・・ 妾の出番などないのじゃがのぅ
英二 ・・・ 原作者に直談判するしかないと思いますが・・・
天照 ・・・ ほう・・・一度行ってみるかの?
英二 ・・・ その時はお供しますっ!
ってなことで、緋色火花でした。




