4話 異形の魔の力
あー・・・眠れなかったので
続けて書いてみましたが・・・
湿度に勝てない自分が情けない・・・orz
兎に角!続き・・・です。
英二は苦悶の表情を浮かべながら
ただ・・・二人の会話を聞いているだけしかできなかった・・・
「創造神様・・・」言葉を続けようとした悠斗に
「悠斗君、僕のことはラウル・・・そう呼んでほしいのだけれど?」
「い、いえ、いくら異世界とは言え、神様ですからね。呼び捨てにできる訳ないですよ」
ラウルは少し傾げうーーんと唸る
「僕の世界に来てもらうのだし、悠斗君には色々とリスクを背負ってもらうのだから、
せめて名前で呼んでほしいのさ。」ラウルが少し悲しそうな表情をしていた。
「・・・リスクですか」悠斗はラウルがリスクと言った意味をなんとなく理解した。
「・・・わかりました!」少し大きめの声で返事をして察した事を伝えると
ラウルは悲しげに微笑んだ。
そしてラウルは自分の世界について話し始めた。
「僕の世界はノーブルと言う世界。人族、獣人族、ドワーフにエルフ・・・
もちろん魔族に魔獣もいる」
ラウルは少しテンションを上げて
「剣と魔法の世界さっ!」そう言うと手から火球を出現させて見せた。
悠斗だけではなく英二までもその光景に目を丸くさせていた。
「「おお~っ!」」っと二人からでる驚き・・・
その驚きに気分を良くしたラウルは「ふふーん」ご満悦だった。
ご満悦そうなラウルを見ていた悠斗だったが表情は少し冴えない。
「どうしたの?」と聞いたラウルも少し首を傾げていた。
「あの、ですね。」そう言葉を口にした悠斗が話を続ける。
「ラウル・・・さんの世界には勇者や英雄と呼ばれる人達はいるのですか?」
なるほど、悠斗の言わんとしていることがわかると
「もちろん、勇者や英雄、賢者や魔法使いに聖女もいたのだけれど・・・
その者達でも異形の魔は倒せなかったんだ」そう言うとラウルは顔をしかめた。
「それはなぜでしょうか?」もっともな質問である。
「簡単に言うと、その者達の力を持ってしても倒せなかった・・・
と、言うよりは、相手にもならなかったんだよ」ラウルの口から衝撃的な言葉が出てきた。
「魔王を打ち倒す力を持った勇者パーティーが?」
悠斗が激しい口調でラウルに問うと
「勇者達のパーティーでは相手にならない・・・。
それは単純に異形の魔の強さがケタ違いだったんだ」
唖然とする悠斗は更に疑問に思う。
「そんな相手に僕が勝てると・・・でも?」
そう言う悠斗の気持ちは良くわかる。
剣だけではなく魔法もある世界で勇者達のパーティーでは歯が立たなかったからである。
「異形の魔の力は異質な力・・・だから悠斗君、君の可能性に賭けてみたいんだ」
「可能性・・・?」
「ああ~・・・そう言うことですか?でもそれって不確定ですよね?」
悠斗の表情はとても厳しい、そんな曖昧なモノで・・・。
「確実・・・とは言えない。覚醒しないかもしれない。
だから今日、君を実際に見て確かめにきたんだ」
「・・・・」悠斗は黙ってしまう。
「今日、君を見て思ったよ。君にしか頼めないってね」
ふぅ~っとため息を吐く悠斗。
そんな悠斗を見ながらラウルは話を続ける
「すぐに戦えとか討伐しろ、なんてことを言うつもりはないよ」
そう優しい口調で悠斗を気遣う。
「異形の魔が出没する場所なんてランダム過ぎてわからないし、
正直、わからない事のほうが多いんだ。
だから君は僕の世界で力や技を磨きながら仲間や情報を集めてもらいたい。」
「仲間・・・ですか?」
「情報に関してはもちらん僕達神々も協力する」
「では、連絡を取る手段はあるってことですね?」
ラウルは静かに頷いた。
今までずっと黙っていた英二が口を開いた。
「だったら、俺にもそれを手伝わせてほしい!戦力にならないのならせめて・・・」
覚悟を決めた・・・そんな意志がラウルにも伝わるのだが・・・
「君では駄目なんだ。理由は簡単、君にはその力がない。
強くなる可能性が!って言いたいのだろうけど、
君の実力じゃ僕の世界では生き残れないんだ・・・」
(なぜなんだ!なぜ手伝いだけでも駄目なんだ!)
悔しさのあまりテーブルを激しく叩く。
悠斗やラウルにも英二の気持ちは痛いほどわかるのだが
現実はそんな簡単なモノではない。
命はとても尊いもの・・・
だから自分の世界の為にこれ以上違う世界の人間を犠牲にはできない・・・。
(自分達が都合のいいことだけを言っているのもわかってる。
だから・・・だからなんだ・・・)
「本当にすまない」そう言うとラウルは英二に頭を下げる。
俯き体を震わせ目に涙が滲む「くそっ!くそっ!」っと・・・
そんな英二にかける言葉がない悠斗だった。
悠斗自身も英二には日本に居てもらいたいと思っている。
自分の力でなんとかなるのなら、それに越したことはない。
偽善と思われるかもしれないけどね・・・
でも、その可能性とやらが、有るかも、しれないのだから・・・
(それに・・・多分、日本に戻れないってのもパターンだしな~)
そう思う悠斗は視線をラウルに向けると、
察したラウルもまた悠斗に頭を下げるのだった。
悠斗はこれまで自分が特別だとは一度も思ったことがない
何故なら、一度もまだ現当主でもある父親にすら勝ったこともない。
(こんな事ならもっと鍛えておくんだったな・・・
あっ、そう言えば至伝の習得も先延ばしだったっけ?)
あちゃーっとなる悠斗だったが今更・・・である。
自分の手を見つめながら
(魔法が使えるのだったら鍛えて行くしかないのだろうけど・・・使えるのかな~?)
何もない白い空間を見つめながらそんなことを思っていた・・・。
湿度対策って何かないですかね~?
温泉に入ってリフレッシュしたい今日この頃です。
緋色火花でした。