40話 男の闘いと女の戦い
お疲れ様です。
今回は戦闘と・・・ですかねw
色々ともっと暴れたいところですがw
ブックマーク及び感想など宜しくお願い致します。
評価もして頂けると幸いです。
それでは、40話をお楽しみ下さい。
昨夜の出来事が全て嘘だったかのように・・・。
「悠斗様、悠斗様。朝で御座いますわ♪起きて下さいませ♪」
(んー。もう少し・・)
「悠斗様ってばっ!」
「はっ!」と、目覚め飛び起きると・・・
何故かお玉を持ったミスティが目の前に居た。
「はい?どうして此処に居るんだ?」
満面の笑みを浮かべているミスティがいた。
「はい。悠斗様。おはようございます・・・ですわ♪」
「はい、おはようございます」
挨拶を躱すと、小屋の入り口から大きな影が・・・
「ユウト。いい朝だな・・・」
「おっ、おう!オウムアムアか・・・おはよう」
「うむ。おはようだな」
悠斗は周りを見回すと・・・
(あー・・・異世界だよなー。まだ慣れないな)
そう思いながら立上がると体を伸ばした。
「あっ、そうだ・・・ミスティ、何故お玉を持っているんだ?」
ミスティは悠斗の質問に頬を染めると・・・
「ふふ♪朝食の準備をしていたのですわ♪
出来上がったので、呼びに来たのです」
(なんだろ?新婚みたいなってるんだけど・・・?)
変な妄想をしてしまいそうになったので、
軽く数回頭を振る。
「ところで、イリアとセルカは?」
「はい。まだ寝ておりますわ」
「ん?起こさなくていいのか?」
「私は悠斗様の係なので・・・」
(おいおい、何故頬を赤くするんだよ!)
悠斗がイリア達の部屋へ向かおうとすると・・・
「ユウト。我・・・行く」
「ああ、頼むよ」
そう言って小屋を出ようとすると・・・
「ああ!! 待て待て!朝の目覚めで、いきなりお前の顔を見たら
絶対にトラウマになるから!」
「ん?とらうま・・・?我は元・熊人族だぞ・・・」
「い、いや、そう言う事じゃなくてだな・・・。
いい、俺が起こすから・・・」
そう言って二人を起こすと、小屋から出てきた。
「ミスティ様、オウムアムア様おはようございます」
「ミスティ様とでかいの・・・おはようにゃ」
(少しおかしい感じの挨拶が混ざっていたが・・・
気にするのは止めておこう)
何気に悠斗は空を見上げると・・・暗かった。
どうやら雨が振っていたようだが・・・今は地面も乾いていた。
悠斗は確認しつつ食堂へ向かうと、ミスティが作った朝食が
すでにテーブルの上に並んでいた。
席に着くと・・・
「ミスティ、美味しそうな朝食をありがとう」
「い、いえ・・・これくらいの事は・・・つ、妻として・・・」
そう言いかけた時・・・イリアの声が遮った。
「ユウト様、お願いします」
「ちっ!」
ミスティの舌打ちがスルーされた。
「あ、ああ・・・アレか」
イリアの振りで号令をすることになった悠斗。
「はい、では・・・いただきますっ!」
その号令でイリアとミスティは手を合わせ
「「いただきますっ!」わ♪」と続いた。
オウムアムアとセルカが説明を求めてたので
しかたがなく説明すると、もう一度やるはめになった。
(朝から勘弁してほしい・・・)
心の中で悠斗はそう願うのだった。
朝食を平らげると外へ出る。
「あれ?なぁーオウムアムア?」
「ん?ユウトどうした?」
「・・・微妙に色んな所が変わっている気がするんだけど?」
「我は何もしておらぬが?」
悠斗は再び見渡すと、聖域内の一部は分厚い壁で囲まれてもいた。
「まぁー、あの壁の所で模擬戦すればいいか・・・」
悠斗は小屋の裏手に歩いて行くと、オウムアムアも続いた。
そして小屋の裏にあったものは・・・
「な、なんだこれ?」
小屋の裏には、とても豪華に装飾された・・・簡易トイレ
しかし、入り口のドアには・・・「大浴場」と書いてある。
「ま、まじか・・・いつの間に・・・これって・・・風呂なのか?
なぁ、オウムアムア・・・これって絶対にラウルだよな?」
「う、うむ。魔力の匂いは確かに・・・創造神様のモノだが」
二人は中に入ってみる・・・
簡易トイレのようなドアを通り抜けると・・・
「でっ、でかっ!!広っ!」
オウムアムアですら、浴場の光景に固まってしまうほどだった。
「こほんっ!」と、咳払いをした悠斗は・・・
「んーと・・・入るか!オウムアムアもこれなら余裕だな?」
「わ、我・・・お湯に入るは・・・初めてだ」
感動して涙を流しているオウムアムアをスルーし
悠斗は脱衣所で服を脱ぎ始めた。
脱衣所にはバスタオルにバスローブ等も常備されており
作り手の技術が見て取れた。
(これを作ったのってラウルだよな?
あいつ仕事しなくていいのか?何やってんだよ・・・
まぁー、これはこれで必要だから、有り難く使うけどもっ!)
「ふぅ~。我、生命力が満ちる気分だ」
リラックスしていた時・・・
「ピピッ」特殊回復魔法習得致しました。
(はあ?何それ?まぁー後で確認するかな)
温泉を堪能した悠斗は先に上がりくつろぐ・・・
そしてオウムアムアも合流し外へ・・・
「さてっと・・・体もいい感じだし、やりますか?」
「ああ、我はいつでもよいぞ」
悠斗とオウムアムアは口角をあげていた。
軽くストレッチをして関節の可動域をほぐすと・・・
「魔法はありでいいのか?」
「うむ。我に当てられるのならな」
不敵に笑うオウムアムアに・・・
「・・・にゃろっ!見てろよ!」
悠斗もまた不敵に笑った。
身体強化を使いオウムアムアに迫ると、フェイントを入れながらの攻撃。
しかしオウムアムアは躱さず腕で払いのけると・・・
「フッ。ぬるい・・・ユウト、最初から本気だせ!」
バックステップで後方へ飛ぶ。
「ふぅ・・・。わかったよ。
ただしっ!魔法の訓練でもあるからな?
この期間中は気道は使わないからな?」
「う、うむ。わかった・・・残念だが仕方がない」
露骨に残念そうにするオウムアムア。
「おいおい、そう露骨に残念がるなよ?
じゃー、少しは面白くさせてやるよ!」
その言葉と同時に身体強化をLv.4まで上げると
距離を詰め至近距離から・・・
「火球!」
掌に火球を出現させると、そのままオウムアムアの腹に突き出す。
「インパクト・フレイム!」火球を爆発させた。
「ぐおぉぉぉ!!」
オウムアムアは火球の威力に吹き飛ばされると
大岩にめり込んでいた。
悠斗は火球を出現させた掌を見ていた。
(で、出来たっ!!まじ感動!
多少の衝撃はあったけど、火傷もないしダメージもないんだな?)
「ニヤリ」と笑うと、オウムアムアがまだ驚いた顔をしていた。
(ば、馬鹿なっ!たかが火球にこれほどの威力が!
フフフ。ユウト・・・面白い人族だ)
めり込んだ岩から脱出すると悠斗の顔を見て笑う。
「ヒールはいるか?」
悠斗がオウムアムアに聞くと・・・
「必要ない」
今度はオウムアムアが言葉を発した瞬間に
悠斗との距離を詰める。
「うわっ!」
「おおおおおおっ!!!」
オウムアムアが悠斗の肩を掴むとそのまま投げ飛ばした。
10m程投げ飛ばされるとそのまま壁に激突した。
「かはっ!!」
悠斗の口から鮮血が飛び散ると、一瞬意識が飛んだ。
頭を軽く数回振ると、「ヨロヨロ」と立上がる。
(や、やばっ!一瞬意識が飛んだ。いててて、あ、あんにゃろー!)
肋骨が砕け肺に穴が空き、空気が漏れるような音が・・・
オウムアムアは悠斗の方へゆっくりと歩み始めた。
「あっはっはっ!ユウト、油断しすぎだ!」
「いってぇーなっ!ごほっごほっ!ぜっっったいにやり返すっ!!」
「フッ。やれるものならな」
悠斗は「ヒール」を使い回復させる。
呼吸が整うのを確認すると、再び身体強化Lv.4を発動。
オウムアムアに接近した直後、隠蔽を使って姿と気配を断つ。
「ぬっ!い、いない・・・」
姿を消した悠斗は飛び上がると、
オウムアムアの頭頂部に踵を落とす。
「ドゴーンッ!」と、派手な音をたてると
オウムアムアの口と鼻そして耳から鮮血が飛ぶ。
「ぐぁぁぁぁぁっっっ」
オウムアムアは前のめりに倒れると、
姿を見せた悠斗がオウムアムアに「ヒール」をかける。
「ヘヘッ!今はの効いたろ?お返しだっ!」
回復したオウムアムアは感覚を確かめるように立上がる。
「い、今のは効いた・・・我に火がついた・・・」
立ち上がって悠斗に見せた顔は、歓喜に満ちていた。
「えっ?い、いやぁー。そんなに喜んでもらわなくてもさ」
そのあまりの笑顔に悠斗は「ジリジリ」と後退する。
「ユウト・・・我、亜神の力を少し使うが・・・死ぬな?」
オウムアムアは互角に戦える人族に打ち震えた。
「はあぁぁぁぁぁ!」
オウムアムアの体が白く光る。
「フッ。行くぞ・・・気合を入れ、感覚を研ぎ澄ませろ」
「ああ・・・お手柔らかに頼むよ」
オウムアムアから放たれる威圧が、今までとは段違いだった。
(ぐっ!・・・まじキツイ。亜神は伊達じゃないってかっ!)
人を超えた力が悠斗を萎縮させる。
「我・・・参るっ!」
オウムアムアの叫びと同時に一直線に向かってくると・・・
「き、消えた?」
悠斗は気配察知で探すが何も引っかからない。
突然真横に現れたオウムアムアに驚く暇もなく蹴り飛ばされる。
「うがぁっ!」悠斗の体はくの字に曲がる。
その瞬間再び姿を消すと、今度は背後からの体当たり。
「ぐはっっ!」
そのまま吹き飛ばされた悠斗の先に出現すると
ラリアートが悠斗の首にめり込む。
「がはっっ!!」
めり込んだ腕をそのまま地面に叩きつけた。
「ぐあぁぁぁ!」
悠斗は何度か地面をバウンドし意識が飛ぶ。
意識が飛ぶ瞬間・・・。
イリアとセルカがこちらに駆けてくるのが見えた気がした。
模擬戦が始まる前、イリア達も大浴場を見つけ、
女三人で仲良く温泉を楽しんでいた。
「ラウル様もいつこのようなモノをお作りに・・・」
ミスティは高い天井を見上げるとつぶやいていた。
「そうですね。でも有り難いです。クリーンの魔法だけじゃ
体がスッキリしませんから・・・。
それに、お湯に浸かる・・・なんて、そう経験出来ませんからね♪」
イリアは湯船に浸かり、手ですくったお湯を眺めていた。
「にゃはは♪温泉は気持ちいいのにゃ♪
私は初体験にゃけれど、これはとてもいいモノってわかるにゃ♪」
セルカは湯船のヘリに頭をあずけトロけていた。
ミスティはイリアの視線を感じると・・・
「あら?イリアさん?どうしたのですか?」
それでも「ジィー」っと、
一点だけを見つめるイリアの視線に気付くと・・・。
「もっ、もうっ!一体何処を見ているのですかっ!」
イリアはミスティに注意されると・・・
「えへへ♪ミスティ様とても大きいのですね?」
イリアの発言にセルカがやって来ると・・・
「ふ、二人共・・・でかいのにゃ・・・不公平なのにゃ」
セルカの恨めしい声に二人は苦笑する。
「セ、セルカだってもっと大きくなるわよ?だ、大丈夫だって!」
「そ、そうですわ。あまり大きくても苦労が絶えませんし、
それに、殿方には巨乳より美乳好きな方もたくさんおりますわ」
二人共落ち込んだセルカを必死に励ます。
「うぅっ・・・ユ、ユウトがそうとは限らにゃいにゃ!」
悠斗という言葉を聞いた二人は目の奥に光が宿ると・・・
「ねぇ、セルカ?ひょっとして・・・ユウトの事狙っているの?」
セルカは自分がユウトの名を出した事に気付かなかった。
「にゃ!わ、私・・・そ、そんな事言ったのかにゃ?」
「ええ、言いましたわよ?そう・・・貴女も・・・そうなのね」
ミスティの目が妖しく光る。
「ミ、ミスティ様は・・・?か、神様なのに??」
イリアはミスティの衝撃の発言に固まった。
「ふふ♪私だって女ですもの♪恋愛はしていたいですわ♪」
「ふ、二人共ユウトを狙っていたのかにゃぁぁぁ!!」
「ミスティ様は神なのですから、人族との恋愛などいけませんっ!」
「あ、貴女方に言われる筋合いは御座いませんわっ!
貴女方はあの御方には釣り合いませんっ!」
「こ、こらぁぁ!私を無視するにゃぁぁぁ!!」
「「黙れっ!」りなさいっ!」この貧乳!! 」」
湯船の中で立ち上がり全裸でマジ喧嘩する、
血気盛んな女性達だった。
「ひ、貧乳って言うにゃゃぁぁぁ!!」
セルカの声が大浴場にむなしくこだまする。
ラウル ・・・ 模擬戦キタァァァ!!
ミスティ ・・・ ふふ♪女子は温泉タイムですわ♪
ラウル ・・・ 僕的には戦闘の方が燃えるけどねっ!
ミスティ ・・・ 美容関連の話もあると嬉しいですわ♪
ラウル ・・・ 僕は反対だよ?もうそれファンタジー関係ないじゃん
ミスティ ・・・ ファンタジーだから美容なのですわっ!
ラウル ・・・ ゆ、譲らないね・・・?
ミスティ ・・・ 女性の根本は美容なのですっ!
ってなことで、緋色火花でした。




